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CINRA.JOBが見てきた、クリエイティブ業界のリアル!

2011年6月1日にローンチしたCINRA.JOBは、もうすぐ2周年を迎える。「クリエイティブ業界に特化した求人サイト」をテーマに、これまでWEB、デザイン、音楽、映像、出版・編集をはじめ、アート、演劇など幅広い企業にご利用いただいてきた。この2年間、そんなCINRA.JOBから見たクリエイティブの現場では、どのようなことが起きていたのか。運営を通して見えてきた、その「現場」を紐解いていきたい。

文:宮崎智之 + CINRA編集部(2013/05/31)

クリエイティブ業界は人手不足!?

まずは、CINRA.JOBの設立経緯を簡単に。CINRA.JOBは⾳楽、アート・デザイン、映画、演劇、書籍などを紹介するカルチャーマガジン『CINRA.NET』から派生する形でオープンした。読者の方々へ、「仕事」に関する情報も提供していきたい、という想いからのスタート。「クリエイティブ業界に特化した求人サイト」というコンセプトも、CINRA.NETから展開されたサービスとして、とても自然な方向性だった。

CINRA.JOB

この2年間を通して、会社の規模や業界によらず、たくさんの方々にご利用いただいてきた。音楽や映像のコンテンツ制作を手掛ける「エイベックス・グループ・ホールディングス(※以下、敬称略)」、作家・思想家の東浩紀氏が率いる「ゲンロン」、松尾スズキ氏が主宰する「大人計画」、ウルトラテクノロジスト集団を名乗る「チームラボ」をはじめ、「TBSテレビ」、「国立新美術館」などなど。なかでも特徴的だったのが、WEBを主戦場として展開している企業からの需要が多かったことだ。

昨今、インターネットを見渡してみると、一般企業のHPから、新商品のキャンペーンや販促のためのPRサイト、さらにはニュースサイトや情報サービスサイトまで、ネット上には様々なコンテンツが溢れている。その数は年々、飛躍的に増しているし、10年前に求められていた仕事(職)のニーズは、今のそれとはまったく違うものになっているともいえる。

CINRA.JOB

そういったネット上のコンテンツ制作を手掛けている企業では、日々アイデアやクオリティの競い合いが繰り広げられている。そこで必要になってくるのは、当然のごとく「人材」。「いい人がいたら、いつでも採用したい」。実際に運営してきて、企業の方々からよく耳にした言葉だ。

今は一般企業や広告代理店、またはメディアを持つ企業が、質の高いコンテンツを生み出す企業や人を、常に必要としている状態。CINRA.JOBにそのような求人の需要が多いのも、この業界に対する期待感が高まっている裏付けともいえる。

多様なフィールドを横断する、WEB業界。

実際に、CINRA.JOBに掲載いただいたWEB業界における企業の傾向を踏まえて、現状を探っていきたい。これら掲載企業の多くは、一般企業、メディア、広告代理店などからの依頼を受けて、インターネット上のコンテンツや広告を作る制作会社だ。だが、ひとくちに「WEB制作会社」といっても、それはWEBだけに限らず、制作の幅は様々なフィールドへ広がっている。

働く人

例えば、「ソニックジャム」や「エイド・ディーシーシー」などは、募集職種のなかに「映像」の職種がある。以前まで「映像」と言えば、テレビ番組やCM、映画がまず思い浮かぶ業界だったかもしれない。だが、ここ数年では通信環境の向上により、WEB上でもリッチな映像表現が可能になってきた。それこそ、普段の生活でも、今やネットで動画を見ることは、なんら違和感の無いことになってきている。

インタビュー連載『私としごと』に登場した、「バスキュール」の荒木千穂さんは、WEB業界に進んだ理由に「映画やCMのように下積みが長い業界よりは、まだ前例の少ない新しい業界で頑張った方が、早く一人前になれる」との想いがあったという。学生時代に映像学科に所属し、映像作品で賞を取っていながらも、そのような未知の世界に自らのチャンスを見出した、ということだろう。

CINRA.JOBのスタート時に掲載した「WEBクリエイティブの最前線座談会」でも、「WEB制作会社」=「ホームページを作る会社」ではないことは鮮明に語られていたし、この2年間でさらにテクノロジーは進化し、WEB制作会社の活動領域は飛躍的に広がった。

インタラクティブ広告の最前線

その大きな流れの中核にいるのが、ユーザーとの双方向性を重視した「インタラクティブ広告」と呼ばれるものだ。CINRA.JOBでは2012年2月に武蔵野美術大学で「インタラクティブ広告」のイベントを開催した。このイベントでは、現在の広告が「発信側から受け手への一方向」から「双方向」なものへと変化し、時代とともに急速な進化を遂げていることを、最前線で活躍する現場の「声」とともにお伝えした。

加えて、「編集」の分野もWEBとの親和性が高く、変化が生まれていることを押さえておきたい。CINRA.JOBでは、いわゆる「編集プロダクション」と呼ばれる制作会社にも多くご利用いただいてきた。一昔前までは「編集」というと、そこで制作されたコンテンツが掲載されるメディアは雑誌や書籍だった。しかし、最近ではWEB上で情報発信するメディアや企業が増加し、WEBコンテンツの編集を行うエディターが求められるようになってきている。誰しもが情報を発信できる時代だからこそ、読者に有益な情報を届けるプロの「エディター」=「編集者」の需要が今後も高まっていくことは間違いない。

映像、インタラクティブ、編集と、クリエイティブ業界は、広告の新たな地平を切り開くべく、急速に再構築が行なわれている。

クリエイティブ業界は、初心者でも大丈夫!?

クリエイティブの現場は、実力主義の印象が強いため、求職者の方からしてみれば、業界に入り込むハードルが高いようにも見えるかもしれない。たしかに、決して楽な仕事ではないし、経験者を求めるキャリア採用が多いことも確かだ。しかし、取材を通して話しを聞いていくと、遅かれ早かれほとんどの人が、未経験から業界に飛び込んでいる印象を受けた。

インタビュー登場者

同じく『私としごと』に登場した中西圭吾さんは、「34歳、未経験で転職し、4年で支社長」になった強者。日本のインタラクティブ業界を牽引する企業に名を連ねる「ワン・トゥー・テン・デザイン」で活躍中だ。そんな中西さんと逆をいくのが、北村慧太さん。北村さんは中卒という学歴から、日本を代表するウェブクリエイター・中村勇吾氏とともに会社を設立し、現在はWEBサービス「Sumally」の最高技術責任者を務めている。

出自は全く違うが、2人とも未経験という立場から、現在のポジションまで登り詰めている。

インタビュー登場者

もちろん話しはWEB業界にとどまらない。クリエイティブ系の求人として、アート業界での事例も知ることができた。アッシュ・ペー・フランスが運営するギャラリー「hpgrp GALLERY TOKYO」で働く櫻井史恵さんは、ANAの客室乗務員から、ギャラリストに転身した。そんな櫻井さんは、もともと「アートを仕事にすることは想像ができなかった」と語る。

もちろん、クリエイティブ業界と言っても「ものづくり」だけが仕事ではない。一般企業と同じく広報や経理、総務などの職種があることも押さえておいてほしい。そして多くの人は、はじめはインターンやアルバイトから潜り込み、その後、徐々に力をつけて活躍している。未経験者でも努力と機転次第で活躍できる余地が、このフィールドには多いにあるということがわかった。

ベンチャーならでは!? ユニークな取り組みや事業展開

さらに、最近ではユニークな働き方や新規事業を実践している企業が多いことも、CINRA.JOBの運営を通して見えてきたことだ。

働き方を考える

「ワヴデザイン」では、「11ヶ月働いて1ヶ月休む」という驚きのプロジェクトを実践している。その目的は、より良いアウトプット(=デザイン)のためにインプット期間を確保すること。1ヶ月間なにをするか事前にスタッフの前でプレゼンし、交代制で休みを取っていく。代表の松本龍彦さんは、その1ヶ月で世界一周に挑戦し、また、違うスタッフは語学留学のためセブ島で過ごしたという。もちろんこの取り組みは、実験段階のプロジェクトとのことだが、果たして日本企業のどれだけが同じことを実行出来るだろうか。

デザイン、出版、プロダクツ製作など、多彩な仕事を行う「ブドリ」は「世のためになる仕事」をテーマに会社を運営する。代表の有村さんが、それまでの仕事を通じ41歳で辿り着いた疑問や理想が、会社設立につながる企業理念を着実に育んだという。綺麗ごとばかりの「世のため」ではなく、社員ひとり一人が本心から「世のためになる仕事」を目指しているのが印象的だった。

WEBを主とした制作会社「nide」は、会社と同じビル内にビアバー「goodbeer faucets」を経営していたり、デザインや編集を手掛けるクリエイティブカンパニー「東京ピストル」は、2012年に日本近代文学館内に文学カフェ「BUNDAN」を開店。その他、「ラナデザインアソシエイツ」では、独立採算の映像特殊部隊「RANA007」を2011年に設立するなど、枚挙に暇がない。

新しい会社

自由な発想や想いによって様々な取り組みが行われ、社内の活発化を図っている様子がどの企業からも伺える。また、最近では海外展開する企業も多く、いまや日本の制作会社は活動の幅を、アジア、そして世界へと広げつつある。

CINRA.JOBに掲載いただいている企業は、大手企業以上に、少数精鋭のベンチャー企業が多い。彼らはその身軽さ(?)ゆえに、既成概念にとらわれることなく、常に新たな一歩を切り開くフロンティアだ。時代が変われば、求められることも変わる。だからこそ変化に順応できる柔軟な思考や行動力を持ち、新たな試みに挑戦する。こうしたフットワークは、大企業ではなかなか難しいのかもしれない。

仕事を通して新しい人生を切り開け!

これまで、CINRA.JOBに掲載いただいてきた企業の動向をもとに、「業界の今」を考察してきた。クリエイティブ業界には、未経験者に門戸を開いている企業も多く、新しい働き方を提案する取り組みや新規事業が実践されており、そこにしかない刺激的な環境で働くことができる。

とは言え、もちろんそんなに甘いことばかりではない。日々、求められるアイデアや技術のレベルは変化し、修練を積むことを要されるのは大前提だ。同時に、常にアンテナを高く張っておかなければならず、強い好奇心と向上心が求められる。

インタビュー登場者

しかし、「仕事を通して新しい自分の人生を切り開いていきたい」と思っている人にとっては、思う存分に自分の可能性にチャレンジできる環境だともいえるのではないか? 以前CINRA.JOBがユーザーを対象に行ったアンケートで、「仕事に求めているのは何か?」という質問に対して、最も多かった回答は「自己実現」、2位は「人との出会い・つながり」であった。多くの人にとって、仕事は「つまらないもの」「お金のために仕方なくやること」ではないということが改めてよくわかった。

人生は仕事がすべてではないが、働く時間は人生の多くを占めている。どの会社で、どんな仲間達と、どんな仕事に打ち込んでいくか。ユーザーのみなさんに様々な求人情報を提供することで、仕事を充実させ、人生をより良いものにしてほしい――。そんな「出会いの場」を提供するのが、このサービスの役割だと思っている。3年目からも、より多くの出会いをサポートしていきたい。