Interview 私としごと

地味でハードでも構わない。やっと手にしたファッション業界の仕事

株式会社マッシュライフラボ
清水 真奈美(チーフプレス)

キラキラしたイメージを抱かれがちなファッション業界。特にプレスは、雑誌のスナップに掲載されることもあり、華やかな印象が強い。ところが「実際は地味でハードな仕事ばかり」と株式会社マッシュライフラボで「ミラオーウェン」のチーフプレスを務める清水真奈美さんは答える。だが、その言葉とは相反するように、清水さんの表情からは笑顔があふれていた。その理由とは? 外からではなかなか見えないファッション業界の内側について聞いてみた。

プロフィール

清水 真奈美

滋賀県出身。2012年にグループ会社であるマッシュスタイルラボにプレスアシスタントとして入社。ミラオーウェンのデビューと同時にマッシュライフラボに転籍し、現在はチーフプレスとして活動している。

インタビュー・テキスト:村上広大 撮影:返田岳(2014/12/18)

自分に合ったものじゃないと、一番にはなれない

―清水さんは小さい頃どんな女の子だったんですか?

清水:とにかく目立ちたがり屋でしたね。しかも負けず嫌い。当時の写真を見ると絶対に真ん中にいるんですよ(笑)。学校の学芸会とかも主役じゃなきゃ嫌、みたいな。すごい生意気だったと思います。でも、中学生くらいになると反抗期に入って、素直になれないから端の方に行くようになっていました。内心では真ん中に行きたいのに(笑)。

―なるほど(笑)。その頃から洋服は好きだったんですか?

清水 真奈美

清水:そうですね。百貨店に勤めていた母親の影響も強くて、とにかく自分で洋服を選んで着るのが大好きでした。母は気に入った靴を見つけると全色買うような人だったんです。小さい頃って「ママのマネしたい!」ってなるじゃないですか。だから私も幼稚園生のときから、帰宅すると制服からすぐに私服に着替えていましたね。今でも覚えているんですけど、お気に入りの赤いスカートがあって。毎日着たいけど同じ格好も嫌だから、そのスカートに合わせてどれだけたくさんコーディネートを考えられるかを、とても楽しんでいたことを覚えています。

—ちなみにどんな服を着ていたんですか?

清水:可愛い系の服を好んで着ていましたね。友だちに「それどこの? 可愛いね!」って言われるのが嬉しくて、靴とか小物とかにもこだわりつつ、トータルでどう可愛く見せるかを常に考えていました。高校も制服の可愛さで決めたくらいですから(笑)。

—徹底的ですね。偏差値とか進学率とかじゃないんですね(笑)。

清水:はい。親も「あそこの制服かわいいよ」って情報くれたりして。今思えば、就職も進学もどっちもきちんとできるような学校だったので、親は勧めてくれたと思うんですけどね。私は本当になんにも考えていませんでした(笑)。

意外と地味だった? 未経験で始めたプレスの仕事

―高校卒業後は進学せずに就職されたんですよね?

清水:はい。進学も考えたのですが、いろいろ考えた末にアパレル系の商社のミセス向けに毛皮を扱う部門に就職しました。その時に気付いたのは、ヤングの流行から一周遅れてミセスの流行がくるということ。去年の若者の流行などを踏まえて商品を提案すると、お客様から「さすがねぇ」と喜んで頂けることもありました。当時、趣味でたくさん読んでいた雑誌から得た知識が、初めて仕事に活かせた気がします。自分が好きなファッションでお客様に喜んでいただけることがすごく嬉しかったのをよく覚えています。

―その後、今のお仕事に?

清水 真奈美

清水:いえ、その前に一度、何か変化が欲しいと思って司法書士事務所に転職しました。でも、働き始めてみたら定時で帰宅しても大丈夫って言われて、「え、本当に帰っていいの?」って逆に思ってしまったんです。いわゆる9時5時の生活が全然合わなかったんですね。

―もっとがむしゃらに働きたいと。

清水:勤務時間はさておき、もっとやりがいがあり、夢中になれて、なおかつ大好きなものに関わる仕事に就きたいなと思ったんです。そんなときにマッシュスタイルラボという弊社のグループ企業の求人を見つけました。もともとスナイデルというブランドが大好きで、スナイデルと関わることがキラキラしていると感じ、履歴書を送りました。

―やはり服に関わる仕事をしたい、と。

清水:はい。当時は滋賀県に住んでいたんですけど、親には反対されると思って、「じゃあ、仕事行くね」と言いつつ、新幹線に乗って東京まで面接を受けに行きました。ディストリビューターの募集だったんですけど、最終面接で社長に「プレスの仕事もあるよ」って言われたんです。でも、当時はプレスがどんな仕事をするのかも全然わからなかったので、そのことを正直に伝えたら「うちの会社はみんな未経験でスタートしているから大丈夫」と言われて。それを聞いて安心した部分もあり、だったら頑張ってみようと、プレスとして入社することに決めました。

―実際にプレスになってみてどうでしたか?

清水:予想以上に大変でしたね(笑)。ファッション業界って外から見たらキラキラしていて、私もそれに憧れた部分もあったんですけど、実際はすごいハードで地味な仕事が多いんです。日中は席にいる時間が無く、力仕事も多かったりします。カタログの制作をしているときは、撮影も朝早くからだし、体力的にもきつくて何度も嫌だって思うんです。他にもリースの手配やファッションショーの準備などもありますし、雑誌の撮影の立ち会いなどが重なることも。オフィスにいられないため事務作業がまったくできず、数百というメールが受信フォルダに貯まっていることや、土日がイベントで潰れることもあります。

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チャレンジと反省を繰り返し、徐々につかんできた手応え。

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