Interview 私としごと

学生時代からデザイン業界にまっしぐら。「好き」を突き詰めて手にした自分らしい仕事。

株式会社れもんらいふ
永瀬 由衣(グラフィックデザイナー)

アートディレクター兼グラフィックデザイナーである千原徹也氏が代表を務める株式会社れもんらいふ。広告や書籍、ファッションブランドなど多岐にわたるデザインに加え、この春からは各界で活躍する講師を招いて京都を舞台に「れもんらいふデザイン塾」をスタートするなど、その勢いは増すばかり。今回登場いただくのは、同社でデザイナーとして働く永瀬由衣さん。スタッフの中で最年少ながら、学生時代からインターンをしていたこともあり、れもんらいふ歴は最も長いのだとか。ファッションとデザインが大好きと宣言する、どこまでも真っ直ぐな24歳の言葉を追う。

プロフィール

永瀬由衣

1991年生まれ、東京都出身。女子美術大学在学中に株式会社れもんらいふのインターンを経験。2014年、新卒で入社。以降、経験を積んでデザイナーとして広告、雑誌、CDジャケットなど様々なプロジェクトに携わる。

インタビュー・テキスト:梶山ひろみ 撮影:すがわらよしみ(2016/3/30)

絵とファッションに没頭した学生時代

―子供の頃は、どんな毎日を過ごしていましたか?

永瀬:物心のついた頃から絵を描くのが本当に好きで。一番仲良しだった友だちも同じ一人っ子で洋服が好きだったので、2人でずっと家で絵を描いて遊んでいるような子供でした。小学生のときにはモーニング娘。の衣装の絵を描いたり、中学校2年生からは古着が好きになって、雑誌『CUTiE』の読者モデルのコーディネートを見て「こういう組み合わせで描いたらかわいいな」とか。

―昔から絵やファッションが好きだったんですね。では、仕事もその道に進もうと?

永瀬:はい。ずーっと文化服装学院に入りたい! と思っていたんですけど、高校3年生のときに学校の先生から女子美術大学にもファッション学科があることを聞いて、女子美術大学に入ることに決めたんです。高校の部活を引退してからは、高校生を中心とする『moc.』というファッションショーに参加しました。部活を引退したので時間もありましたし、やってみようと。『moc.』では、美大や文化服装学院に行きたい子たちが集まって、それぞれ担当を持つんです。私はそこで洋服を作って、チーム全員でモデルとして舞台にも立ちました。

—そのときのメンバーとは今も交流はあるんですか?

永瀬:ありますね。それが本当に大きくて。高校3年の夏から卒業するまでだから期間としては半年ちょっとくらいなんですが、すごく濃い時間を過ごしたんです。志をはっきりと持ったメンバーが多かったので、今では美容師になった子、アパレルで働いている子、カメラマンで写真をやっている子、広告代理店に就職した子、そのままモデルになった子もいますよ。今でも刺激をもらっています。

ファッションからデザインへ。きっかけは野田凪との出会い

―ファッションが大好きだったのに、グラフィックデザインに興味を持つようになったのは何がきっかけだったんですか?

永瀬:女子美術大学に入って間もない頃に授業でアートディレクター・野田凪さんのことを知ったんです。母にそのことを話したら「お父さんも野田凪さんと同じ仕事をしているんだよ」って教えてもらって。私の父も音楽会社でアートディレクターとしてCDのジャケットなどをデザインしていたんですけど、それまでちゃんと知ろうとしたことがなくて。それを聞いて、そういう血なのか……と、デザインの方向を目指し始めました。大学ではテキスタイル、パターン、縫製まで学びながら、PhotoshopとIllustratorでデザイン画を描いたり、仕上げた洋服を自分で写真を撮ったりファイルデザインなどしてポートフォリオにまとめる課題もあるんです。パターンを引くのが本当に苦手で専門の勉強に入る前に洋服を作ることは違うかも、と感じるようになって。私はこっちじゃないなと。

―在学中にたくさんインターンをされていたと聞いたのですが、具体的には?

永瀬:インターンは大学2年生から始めました。凪さんがスタイリストの優哉さんと立ち上げた「bortsprungt.(ボシュプルメット)」というファッションブランドでは展示会に立ち、ポップアップショップで販売員をして、「Syrup.(シロップ)」というブランドではアクセサリーの製作を手伝ったり、販売員をしたり。カタログも制作させて頂いたりしていました。

―いろんな現場に関わることで、さぞかし選択肢も広がったのでは?

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永瀬:ファッションブランドで販売員を経験して思ったのは、本当に向いてないなってことでした(笑)。ワンピースの色を5色くらい悩んでいる方がいて相談されるんですけど、「好きな色を選べばいいのになぁ」とか思っちゃうんですよ(笑)。人と話すのは好きなんですけど、それと販売スタッフは違うなということも学びました。基本的に表に立つより、裏方作業が好きということにも気付きましたね。

―ずっとファッションを仕事にすると決意して進んできたのに、悩んだりもしたのでは……?

永瀬:ファッションを仕事にしたいとは思っていましたが、ファッションデザイナーとして服を作ったり、ショップ店員としてじゃなくても、ファッション広告などでグラフィックの世界でファッションと関わることができる。その方が自分に適しているなと思って。

―吉田ユニさんの事務所やれもんらいふでのインターンも経験したとのことですが、インターンとしては狭き門ですよね?

永瀬:ユニさんの参加している展示を見に行ったらご本人がいらして、話し掛けました。それ以降、不定期で「手伝って」とご連絡を頂けるように。なのでインターンというよりはお手伝いという感じです。れもんらいふも、もともとデザインが好きでTwitterをフォローしていたら、スタッフの募集をしていて。「大学生でもいいですか?」と問い合わせたら、インターンならOKですよと。学校の行事が忙しくて出られなくなった時期もあったのですが、卒業まで続けました。なので、今いるスタッフでは社会人歴もデザイナー歴も私が一番短いのですが、れもんらいふ歴は一番長いという(笑)。両方のインターンで撮影の立ち会いにも行かせてもらっていたので、当時の現場にいたカメラマンさんやスタイリストさんに今はデザイナーとして「実はあのときに〜」と、名刺を渡せるのはうれしいです。

―すごくアクティブですよね。躊躇する気持ちは全くないんでしょうか?

永瀬:相手の方は覚えていないかもしれないけれど、それでも「会っている」という事実があるから、そこは伝えたいなと思っていますね。それで私の印象が初めましてよりは覚えてもらえるかなって。いつかはフリーでやっていきたいという想いもあるので、そういうときのためにも。

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