Column 連載

編集ハート・ロッカーズ

第9回:「下の世代もどんどんフックアップしていきたい」株式会社Huuuu・徳谷柿次郎【前編】

恩納力(株式会社AbemaTV)

『AbemaTIMES』の恩納力さんが、最前線で活躍する編集者の「リアルな声」を聞き出すこの連載。4人目のゲストは『ジモコロ』編集長を務める徳谷柿次郎さん。WEBメディアに携わるまでの経緯から独立後の決意まで、たっぷりお聞きしました!

プロフィール

恩納力
恩納力

3度の飯より仕事が好き!仕事は断らないプロ社畜です。ブラック企業や様々なダーティー&ハードワークを経て、2016年4月から株式会社AbemaTVに入社。やっと試用期間が終わりました。好きな言葉は「最低でもランナーを進めろ」。好きなプロ野球選手は、ブライアント(近鉄)。

柿次郎:はじめまして!

恩納:初の初対面ゲストなんですよ!光栄にも「読んでる」ツイートをして頂いたらしくて!初だよね?

CINRA:初めてです!

恩納:すっげえ嬉しいよね!今後そういう人絶対出てこないよ!

CINRA:(苦笑)

恩納:ヒップホップお好きですよね?

左:Huuuu・徳谷柿次郎さん 右:AbemaTV・恩納力さん

左:Huuuu・徳谷柿次郎さん 右:AbemaTV・恩納力さん

柿次郎:好きですね。昔、10年前ぐらいにネットで知り合った友達と日本語ラップ専門のWebメディアを作ってました。COMPASSっていう。

恩納:あの時代に!?超ヤバいすね。じゃあ色々な経験も……。

柿次郎:そうなんですよ(笑)。当時みんな20歳前後のヘッズで、日本語ラップのCDレビューとか好き勝手に書いてたんですよ。ダサいのは、はっきりダサいとか。そうしたら、現場とかで「あの記事さげた方が良いよ」とか言われて……。なんか【コンプラ】の【コンプラ】がキレてるとか、【コンプラ】が「柿次郎探してる」って……。

恩納:あー!ヤバいヤバい!

柿次郎:僕ら、筋肉全然ない集団だったんで超怖かったですね。クラブでコソコソするような。ちょうど「ULTIMATE MC BATTLE 2008」で般若が優勝した会場で、噂のキレてたラッパーとすれ違ったりとか(笑)。

恩納:実際にフィジカルで来ますもんね(笑)。どんなの聞くんですか?

柿次郎:大阪出身なので韻シストがずっと好きですね。

恩納:あー!いいですね!大阪なら韻踏(韻踏合組合)とか?R-指定とかTORNADOも?

柿次郎:はいはい!大好きです。あと、SHINGO☆西成は神的な存在。名パンチライン「心配すな、でも安心すな」は今でも酔っ払うたびに口にしますね。

恩納:あー、大好き!ヤバいっすよね!ブレない!G.H.E.T.T.O!
というか、柿次郎さんもゲットーだから(笑)。

柿次郎:はい(笑)。

恩納:キャリアハックのインタビュー記事読みましたけど、悪いっすよねえ(笑)。もうマンガですよね。やっぱり、よく見ると目が笑ってない!

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柿次郎:みんなに言われるんすよ!ぜんぜん怖くないのに!まあ、ホント運よく這い上がれましたよ。

恩納:親父さんはちょっとワイルドサイドの……。

柿次郎:完全に社会に飲み込まれた人ですね。

恩納:(笑)!あの話最高ですよ!借金取りから「逃げるぞ」って言って向かいのマンションに逃げるっていうヤツ。

柿次郎:「木は森に隠せ」って言いますけど、目の前のマンションに引っ越すってないですよね。2日前ぐらいに言われて、「準備しろ!向かいや!」って(笑)。

恩納:ハンパない!ウシジマも柄崎も絶対分かんないですよ!

柿次郎:あの経験は根っこにありますね。ウシジマくんで思い出したんですけど、闇金トゴ(10日で5割の利子)の借金の流れで現金が借りられなくなって。代わりに換金用の新幹線チケットを借りたり、トバシのケータイ契約させられて気づいたら50万円の請求がきたり、親父の借金ネタは尽きないですよ。だから基本、寝れる所があればいいというか(笑)。何やっても食えて行けます。

親父に唯一感謝してるのが、なにも夢を持てない時に新聞のチラシに「SOTEC e-one 500」っていうMacのパクリみたいな一体型PCの通販コーナーが載っていて。親父に「これ買ってくれ。人生が変わるかもしれない!」って頼んだんですよ。64回払いで。

そこから、パソコンに超のめり込んで……。それで、前職の社長であり、恩人であるシモダ(※バーグハンバーグバーグ代表取締役・シモダテツヤさん)に知り合って繋がっていくんですよ。あのパソコンがなければ今がなかったですね。

恩納:そう繋がっていくんですね!シモダさんが「上京しろ」って言うんですもんね。

柿次郎:そうです。何の関数も入ってないエクセルを渡してきて「毎月金額を埋めて、金を貯めろ」と。完全にシモダのおかげですね。

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恩納:オモコロってなんかニトロ(※NITRO MICROPHONE UNDERGROUND)みたいですよね。個々が好きにやって、それが集まってオモコロを作っていくみたいなスタイルで。

柿次郎:あー、そうかもしんないですね。良い意味で性格の悪さが共通してるというか。面白いかどうかが絶対的な正義としてあって。仲間内でも「クソはクソ」ってDISりあうような集団です。バーグの広告スタイルのパクリとかにももちろん厳しいですし。

恩納:ギャハハ!!最高すね(笑)。でも、すげえ分かります。本来同業なんてそんなもんですよね。

柿次郎:オモコロ編集長の原宿、中二から毎日ブログを書き続けているARuFaくん、面白いかどうかのジャッジで一番信頼のある永田くんとか。ずっと鍛え続けてる10年〜15年選手ばっかりなんですよ。

特に次世代のARuFaくん、作家活動もしているダ・ヴィンチ・恐山はすごいですね。なぜか、二人とも顔隠してるし。僕含めて、普通の社会人ルートではやっていけないような人たちを野村再生工場みたいに集めてるのはシモダの度量だと思います。

恩納:ギャハハハ!!更生施設でもあるんですね。

柿次郎:シモダの縁故採用力はやっぱりスゴいんですよ。

恩納:マジでヒップホップ!フックアップですね。ドレ(※Dr. Dre)みてえだな。

柿次郎:そういう意味だと家入さんがドレですね。Eminemがシモダかなあ。大学生で引っ張られて……。次に僕なんで。だから、下の世代もどんどんフックアップしていかないとなってのはあります。

恩納:あと、俺は会ったことないんで噂だけですが、仲間にはヨッピーさんっていう、とんでもないモンスターも控えてますもんね。

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柿次郎:天性で170km投げられる人ですね。完全我流の天才ですよ。噂では長宗我部元親の末裔らしいんで。武将的な知力と武力が高い。絶対勝てません。男気もあるし、人情に厚いし。頼れる兄ちゃん的な。

恩納:やべえクルーだな(笑)。

柿次郎:そうだ、それこそニトロですよ!シモダとはある日MSNメッセンジャーでやりとりし始めたんですけど、ヒップホップが好き、ニトロが好きって共通点で盛り上がって。そこから仲良くなったんですよね。もう14年ぐらい前なんで懐かしい……。

恩納:そうだったのかー!超良いですね。みんなフックアップし合って、クルーでやっていって……。ヒップホップは仲間とか仁義が大事ですもんね。

柿次郎:そうですね。まさに「俺がUZI 通すのは筋」ですよ!

後編に続く

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