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日本一「ふざけた」会社の社長×新卒! シモダテツヤとARuFaが語るバーグハンバーグバーグ

WEBマガジン「オモコロ」や「ジモコロ」を運営し、「分かりすぎて困る!頭の悪い人向けの保険入門」や「インド人完全無視カレー」などのユニークなプロモーションを得意とする会社、バーグハンバーグバーグ。会社名からしてちょっとおかしいこの会社、実際どんな会社で、どんな人たちなんだろう?
代表取締役のシモダテツヤさんと、人気ブロガーで同社初の新卒社員として入社したARuFaさんに取材を敢行。子どもの頃の話から今後の展望まで、根掘り葉掘り聞いてきました。

バーグハンバーグバーグは「遅れてきた青春」?

—まずはお二人の子どもの頃の話から伺いたいです。そもそもARuFaさんは何がきっかけでブロガーになったんですか?

ARuFa:え? そんな昔の話からするんですか?

シモダ: ARuFaくんは、子どもの頃から今みたいな「抱腹絶倒す~ぱ~面白人間」だったの?

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ARuFa:あれっ? なんか悪意がすごくないですか?

シモダ:す~ぱ~面白人間.zipだったの?

ARuFa:圧縮しないで下さいよ。小学校低学年くらいまでは、恥ずかしがり屋さんで大人しい子どもでしたね。

シモダ:へぇ。……まぁ、そんな気はするかも。

ARuFa:クラスの人気者になりたかったけど、足も速くないしドッヂボールも弱いしで挫折してたんです。でもある日、『面白さ』でクラスナンバーワンになった友達がいて。「あ、そういう方面の人気者もいるのか」と思い、その日のうちにキャラの方向転換をし、砂場の砂をバクバク食べるパフォーマンスをして人気者になりました。その時のあだ名は「ヤバいマン」です。

シモダ:今、「オモコロ」の記事やブログでやってることと大して変わらないね。

ARuFa:確かに小学生の頃とまったく同じことをしてますね。成長していないのかもしれません。……そういうシモダさんは子供時代、どうだったんですか?

シモダ:とにかく発育が良かったよ。小6の頃には身長が172cmくらいあって、べっ甲のメガネかけたおっさんが半ズボンにハイソックスでランドセル背負ってる感じかな。

ARuFa:事案じゃないですか。

シモダ:だからクラスの子と遊んでても、近所では「あの子は同級生に友達がいないから年下とつるんでる」みたいに言われて孤独感と疎外感を感じてたし、そのせいで考え方もマセてたね。中学に入って同じくらいの背の子に出会えて、「やっと居場所が見つかった」ってホッとしてた。

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ARuFa:あ、中学といえば僕も個人ブログを始めたのは中学2年生の頃でしたね。昔からパソコンが好きだったので、最初は学校での出来事を書いていたくらいだったんですけど、徐々にくだらないネタ記事を書くようになってきました。

シモダ:へぇ~、周りの友達もパソコンをいじくり回してた系の人だったの?

ARuFa:いえ、周りにブログをやってる子なんか誰もいなかったですね。その頃は卓球部員に所属してたんですけど、「卓球部」「パソコン好き」「卑屈」「オタク」「下品」というロイヤルストレートフラッシュ状態だったので全然モテませんでした。

—シモダさんも部活はされてたんですか?

シモダ:部活じゃないけど、小5から中2まで町の整骨院のオヤジがやってる柔道教室に通ってました。

ARuFa:えっ、初耳です。部活と言えばウチの会社って文化系に見られることが多い気がするんですけど、中身はけっこうゴリゴリの体育会系ですよね?

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シモダ:雰囲気はかなり体育会系かもしれないなぁ。インターネットってフラットでドライなイメージあるけど、うちの会社はEXILEに近いかな。インターネット界のEXILE。僕が“ATSUSHI”で、他は全員“関口メンディー”。歌う曲は『LOVEマシーン』かな。

ARuFa:いろんなところから怒られますよ? 怖いもの知らずなんですか?

シモダ:真面目な話、むしろ陰鬱とした学生時代を送ってたからこそ体育会系に憧れてるところがあるのかもね。唯一やってたスポーツも柔道っていう個人競技だったし、サッカー部とかバスケ部とか、チームメイト同士で仲の良さそうな世界に憧れがあったのかも。

ARuFa:なるほど。

シモダ:だからバーグハンバーグバーグでは「遅れてきた青春だ!」ってことで、ARuFaくんみたいな新卒に対しては積極的にパワハラをしていきたいと思っています。

ARuFa:え?

バーグハンバーグバーグの意外な採用基準

—ARuFaさんはもともとプロブロガーを目指していたんですか?

ARuFa:いえ、小学校の先生を目指して大学の教育学部に通ってましたね。

—え!? 小学校の先生ですか!!

ARuFa:はい。ちゃんと成績をとって教育実習にまで行ったんですけど、実習先の児童に「ねえ先生、ARuFaでしょ?」とバレまして。その時点で「先生になるのは諦めよう」と思いましたね。大学の先生からは「君はとても良い先生になれるよ!」と言われていたのですが。

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—そこでブログを閉鎖して先生になろうとは思わなかったんですか?

ARuFa:そうですね。正体をバレるのを怖がりながら教師を続けるより、今までブログでやってきたことが生かせるような面白い仕事に出会えるのを待とうと。で、そんな中、今の会社と出会うきっかけになったのが2013年に開催された「オモコロ」が主催する「おしっこ我慢大喜利2 〜爆誕!尿神アンモニウス〜」というイベントだったんです。

—おしっこ我慢大喜利……? 尿神アンモ二ウス? 何ですかそれは?

ARuFa:大人5人が大勢のお客さんの前でおしっこを我慢しながら大喜利をするんです。大喜利の回答がウケたら相手に水を飲ませることができるんですけど、自分が大喜利でスベったら水を飲まなきゃいけなくて、最終的には参加者全員おしっこを漏らしました。

シモダ:酷いイベントでした。

ARuFa:僕はその頃、ネットメディア2社ほどから「入社しないか」と声を掛けていただいていたんです。でも、どうせなら一番面白い会社で、ブログよりも大きなことをやれて成長できるバーグハンバーグバーグに入社できたら嬉しいなと思っている矢先にその酷いイベントに誘われ、シモダさんとイベントの打ち合わせと称する謎の飲み会でお会いしたんです。

—チャンスじゃないですか!

シモダ:打ち合わせ(飲み会)の場で素直でいい子だなと思ったんでしょうね、ベロベロに酔っ払って「就職迷ってるんだったら、うちどう?」みたいなことを、どうやら言った……らしい!

ARuFa:そうですね。メチャクチャ乗り気で言ってました。だから僕は「やったー! 社長からオファーあったー! 嬉しいー!」って舞い上がってたんですけど、何日待ってもなんの続報もなくて。

シモダ:はい。当時はベロベロだったので、何一つ覚えてなかったんです。

—酷すぎる……。

シモダ:そしたら、しばらくして「オモコロ」でライターやってるヨッピーから「ARuFaくんのこと、どう思ってんの? ……忘れてる? やっぱり……。 あの子は面白いから絶対に入れたほうがいい!」って電話がきたんです。

ARuFa:そうなんですよ。あまりに連絡がないものだから、ヨッピーさんに相談してたんです。

シモダ:でも僕は、そこに感動したんですよ。じつは当時ヨッピーもずっとバーグに入りたいと言ってたけど、彼は実力もすごくあるし、外部のライターとしてやってもらうほうが絶対いいと思ってた。その彼が、自分のことを差し置いてもARuFaくんを推してきた姿に、えらく感動して。「もう一度会ってみます」って言ったものの、もう内心は決まってましたね。

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—ヨッピーさんが推すのなら間違いない、と。

シモダ:それもあるし、人を採用するときに一番大事にしてるのが、「ドラマ」なんですよ。腕がいい人と仕事したいっていうのはもちろんあるんですけど、そこにドラマがあるかどうかが大事。他の社員が入社したときも何らかドラマがあって。そうなるともうこれは最高のドラマだと。

—やっぱり部活っぽいアツいものを感じますね。

ARuFa:本当、色々な人のおかげで入社できたんです。

シモダ:あの時、強烈に推薦してくれたのがヨッピーじゃなければ、入れてなかったかもなあ。

ARuFa:本当ありがたいです。この会社で精一杯頑張ろうって思いました。

シモダ:でも、入社初日に3時間遅刻したよね。

ARuFa:そうですね。入社初日に3時間遅刻しました。

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ARuFa:僕、入社初日に3時間遅刻しました。

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ビジネスマナーは真面目に叩き込む。だけど奇声で会話もする。

ビジネスマナーは真面目に叩き込む。だけど奇声で会話もする。

—それで入社して2年が経とうとしているわけですね。

ARuFa:そうなりますね。

シモダ:でも正直、うちは遊びと仕事の境目のない会社だし、よく飲みにも行くし、土日も遊んだりするし、業務時間外も一緒にいることがすごく多い会社じゃないですか。実際どうなの? 約2年間働いてきて。飽きた?

ARuFa:いや、僕は大学出て最初の会社がここだし、会社というのはそういうもんだと何の疑問も持たずにやってますね。会社に行くのがイヤだと思ったことも一度もないし。

シモダ:みんなこう見えて真面目ですもんね。ARuFaくんも相当真面目にバカをやってるし、面白いことというのは、真面目に突き詰めないと本当に面白くならないんですよ。

ARuFa:そうですね。

シモダ:以前、記事での男性器の表現を巡って、「ち〇こ」と「ち〇ぽ」はどっちがアウトなのかって議論を何時間もしたこともありました。とても真面目に。

ARuFa:個人的には「ち〇ぽ派」は過激派だと思っています。血も涙もなく己の欲望のままに「ち〇こ派」が築き上げた文明を破壊する野蛮人、それが「ち〇ぽ派」なんじゃないかと。恐らく自分が「ち〇ぽ」と言っていることを恥ずかしいと思っていない、人としてのチューニングがズレてるんです。人はもっと大きな声で「ち〇こ」と言うべきなのに。

シモダ:僕もそっち派なんだけど、社内の「ぽ派」と議論が白熱しすぎて本当に社内分裂が起き始めたので、社内でこの話はタブーとなりました。

ARuFa:本当にケンカしてましたからね。

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シモダ:とはいえ、今となってはこういう議論ができるようになったけど、入社当初のARuFaくんはすごい緊張してたよね。

ARuFa:はい。初めの3か月くらいは緊張してて、背中がバッキバッキにコリ狂ってました。

—最初から記事を書く仕事だったんですか?

ARuFa:最初の仕事はメール処理でしたね。山のように舞い込んでくる入社希望者からのメール全てに、問答無用でお断りの連絡を入れたり。「それ新入社員にやらす?」って思いましたけど。

シモダ:まぁ、あれが研修代わりみたいなもんだから。

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ARuFa:あとはビジネスメールのお約束とか、取材や打ち合わせの現場でのマナーも教えてもらいました。

—バーグハンバーグバーグで「ビジネスマナー」と聞くと意外な感じがします。

シモダ:うちみたいなアホをやってる会社ほど、ビジネスマナーはちゃんとしていないとダメだから。

ARuFa:あと、入ってしばらくして、やたら四方八方から仕事を振られた時期もありました。

—え?

シモダ:あれはみんなに言って、わざと仕事をパンパンに詰めさせてARuFaくんを一度パンクさせようとしてたんですよね。

ARuFa:だって明らかにおかしいんですよ。「え? それ自分でやった方が早くない?」みたいな仕事まで全部僕に振られたので、泡吹いて死ぬかと思いました。

シモダ:新人のうちは自分のキャパが分からないじゃない。それを早い段階で分からせようという、まあ……親心だよね。感謝してほしいよね。金払ってほしいよね。できるだけ多く。

ARuFa:まあでも、その経験があったから、自分ができることの幅がちゃんと分かったんで、みなさんに感謝してますけどね。

シモダ:こういう言葉がすぐに「スッ」と出てくるあたりが、どうも腹黒い気がしています。

ARuFa:腹黒くはないでしょ。一番白いから。この世で一番腹が白い人間。それが俺。

—笑。さっき真面目という話がありましたけど、どこかでやっぱり変なところもあるんですか?

ARuFa:他の会社を知らないんで分からないですけど、恐らく独特の文化はあるんじゃないですかね。社員がだいたい奇声で会話してますし。

—奇声?

ARuFa:例えば僕が社内で「メシ行きません?」と全員に向けて話しかけると、オフィスのあちこちで「ピィ~!」とか「チンッ!」とか「くぅ~ん」とか「パイG」とか、意味不明の奇声が上がるんです。そして何故かそれでコミュニケーションが取れてる。最初は驚きましたけど少しずつ慣れてきて、「どうやら『パイG』は肯定を意味しているんだな」とか、自分で解読していくわけです。

—やっぱりちょっとおかしいんですね。

ARuFa:あ、やっぱりこれ、おかしかったんですね。

シモダ:あとは、普段は遊んでるからこそ、逆に酒の席だと急に真面目な話を始めるとか。でもたまに居酒屋の店員さんがオモコロ読者だったりすることもあって、真面目な話は外の人に聞かれると恥ずかしいですね。

バーグハンバーグバーグの次の一手は???

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—では、これからやりたいことを聞かせてください。まずはARuFaさんから。

ARuFa:えー……なんでしょうね。宇宙行きたいです。

シモダ:宇宙って暇そうじゃない? あ、でも軽装備でロケットから出て欲しいかも。

ARuFa:そうですね。アディダスのロンTとかで宇宙空間に出たいです。

シモダ:風邪を引くと良くないから、耳当てはした方がいいと思う。

ARuFa:とにかく、自分が今一番面白いと思えることをずっと続けたいです。

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—ではシモダさんは?

シモダ:米作りかな。

—え?

シモダ:バーグハンバーグバーグのブランド米を作りたいです。名前ももう考えてあるし。

ARuFa:何て名前なんですか?

シモダ:「からだめあて」

ARuFa:「あきたこまち」みたいに言うな。

シモダ:うん、じゃあこの件はARuFaくんに任せるわ、開墾とか。あとはよろしく! 売れなかったらクビで!

ARuFa:早速パワハラだ。

—本日はありがとうございました。

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ARuFa:あ、すみません。

—はい?

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ARuFa:この人形いります?

—いりません。さようなら。

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