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ソニーが東京の「超一等地」に公園をつくる。未知なる場づくりの面白さとは

ソニーPCL株式会社

ソニーが、銀座の中心に「公園」をつくる。しかも、今夏から2020年秋にかけての「第一段階オープン」で、さまざまな実験を繰り返し、そこで得られた知見をもとに、2022年にフルバージョンの「銀座ソニーパーク」を完成させるというのだ。いわば、ソニーが銀座という街とコラボレーションした壮大なプロジェクト。ダイナミックに変わりゆく東京のど真ん中で、ソニーは何を仕掛けようとしているのか? ソニー企業株式会社代表取締役の永野大輔、現場のオペレーションを担当するソニーPCL株式会社の小塚悠介、松田龍太の三名に、このプロジェクトの真意と、目指す理想の「公園像」について尋ねた。

取材・文:宮田文久 撮影:西田香織(2018/5/21)

銀座の超一等地につくられる「ソニーの公園」とは?

銀座の「顔」のひとつでもあった有名建築・ソニービル。1966年の開館から50年以上の時を経て、2017年3月、多くの人に惜しまれながら歴史に幕を下ろしたが、それは新たな未来への幕開けでもあった。ビルの跡地に2018年夏オープンするのは、フラットな公園空間「銀座ソニーパーク」。フラットな地上部に加え、地下4層に連なる「ローワーパーク」が存在する立体公園として設計され、実験的な試みをする店舗やイベントをソニーのプロジェクトチームとともに展開する予定だという。

「Ginza Sony Park Project」第一段階 完成イメージ(画像提供:ソニー)

「Ginza Sony Park Project」第一段階 完成イメージ(画像提供:ソニー)

―とにかく構想自体がダイナミックな「Ginza Sony Park Project」ですが、なぜ「公園」をつくろうと考えたのでしょうか。

永野:そもそもは、ソニー創業70周年にしてソニービル50周年である2016年のメモリアルに向けて進めてきたプロジェクトでした。ソニーの新たなブランドコミュニケーション、発信の場としてビルをどう建て替えようかと、議論に議論を重ねるなかで出てきたのが、「建てない」という選択肢でした。東京全体が2020年に向けて次々とビルディングを建てていく一方で、「建てない」というのは面白いのではないか、と。

「Ginza Sony Park Project」計画図(画像提供:ソニー)

「Ginza Sony Park Project」計画図(画像提供:ソニー)

―「人のやらないことをやる」のがソニーの企業文化ということですが、非常に刺激的な発想です。

永野:ただ、単に思いつきで言っているのではなく、1966年にソニービルが建ったときの思想を継承している部分もあります。当時のコンセプトのひとつに、街に開かれた施設、いわば「銀座の庭」という思想があったんです。

実際、ソニービルでは、数寄屋橋に面した三角形のオープンスペースを「ソニースクエア」と呼んで、50年以上に渡ってさまざまなイベントを開催してきました。それを現代流に解釈したとき、公園というアイデアが浮かんだんです。

銀座 ソニービル(画像提供:ソニー)

銀座 ソニービル(画像提供:ソニー)

銀座 ソニービル 数寄屋橋に面した三角形のオープンスペース「ソニースクエア」での展示風景(画像提供:ソニー)

銀座 ソニービル 数寄屋橋に面した三角形のオープンスペース「ソニースクエア」での展示風景(画像提供:ソニー)

―2018年夏オープンの「銀座ソニーパーク」は「第一段階」で、そこでの実験的な取り組みをもとに、2022年、ビル上層階も含めたフルバージョンの公園をオープンするというのも挑戦的な試みです。低層階でのチャレンジをもとに、上層階を考えていく、ということですね。

永野:端的にいえば、2022年に建つビルがどうなるか、私たちにもまだわかりません。いや、いまぼくはビルという言葉を使いましたが、ビルじゃないかもしれない。

ソニー企業株式会社代表取締役社長 永野大輔さん

ソニー企業株式会社代表取締役社長 永野大輔さん

―そこも含めて、どんな可能性もあり得るということなのでしょうか?

永野:その通りです。ソニーは「新しい公園」をつくる。そして2022年に向けて、「公園を縦に伸ばす」というコンセプトを掲げています。しかし、「公園を縦に伸ばす=ビルディング」だとは限らない。あくまで選択肢のひとつです。極端な話、ビルを建てなくても良いという判断があるならば、フラットな公園のままでもいい。

銀座には、高さ56mまでという建築制限がありますが、フラットな公園から56mの建築物までの大きな振れ幅のなかで、このプロジェクトをどこに着地させるのか。すでに、建築家、建築史家、キュレーター、編集者など、外部の有識者の方々にチームに入っていただいて、知恵をお借りしながらプロジェクトを進めています。その本格的な実験が、2018年夏の「銀座ソニーパーク」オープンからスタートするわけです。

「とにかく個性的でクリエイティブな人求む! 前例のない仕事なので(笑)」

―まったく前例のない、イノベーティブな「場」をつくることになると思いますが、ソニーとしては、どんなチームで関わっていこうと考えていますか。

松田:これから運営メンバーを募集していくのですが、とにかく個性的でクリエイティブな人と一緒にやりたいと思っています。前例のない「公園」なので、それに関わる仕事も前例がないんですよ(笑)。

あえて肩書をつけるなら「コミュニケーター」が近いですが、普通、公園に「コミュニケーター」はいないと思うんです。「銀座ソニーパーク」で、何を提供するのか、訪れる人たちとどういったコミュニケーションでつながっていくのか。それによってどんな「場」を生み出していくのか。それがぼく自身、このプロジェクトに携わっていて一番面白いと思っている点です。

小塚:いま松田が「あえて」と言ったのには理由があって、「コミュニケーター」と呼んでしまうことで、それに捉われてしまうのを避けたいんです。だから、職種名も含めてどんなものがいいのかを議論している段階です。それでも、「コミュニケーションをベースにしたクリエイティビティー」というのは念頭にありますね。

松田:このプロジェクトは、問いを立てることがたくさんあって、本当に飽きないんですよね。公園とは何か、公共性とは何か……。そうした問いが非常に多い場所であることが、とにかく楽しいんです(笑)。

ソニーPCL株式会社 小塚悠介さん(左)、松田龍太さん(右)

ソニーPCL株式会社 小塚悠介さん(左)、松田龍太さん(右)

―イベントの運営など、具体的な仕事もあると思いますが、「銀座ソニーパーク」を体現するためのクリエイティビティーは、より未知で大きなところにありそうですね。

小塚:運営メンバーは、公園に訪れる人たちに何かしらの接客対応をするわけですが、それだけでなく、企画や制作といったクリエイティブにも積極的に関わってほしいと考えています。それが、ソニーの新しいブランドコミュニケーションにつながっていくはずなので。

永野:もしかしたら、アーティストの方もいいかもしれません。この「場」を面白くしていくことに、積極的に情熱を傾けてくださる方、自主性と専門性を兼ね備えている方に来てほしいですね。

いま、新しいブランドコミュニケーションという話が出ましたが、ぼくはソニーが持つ「遊び心」こそが、その柱だと思っています。ハッキリ言えば、この公園に、たとえひとつもソニー製品が置いていなくても、「ソニーらしいね」と感じてもらえる場所にしたいんですよ。

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「もしかしたらソニーのイメージを裏切るような「場」になるかもしれない」