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WEB制作会社が自ら主催するパーティって?

株式会社シフトブレイン

「一生に出会える人の数は限られている」という言葉は、陳腐かもしれないがひとつの真実だ。ここで「人」を「会社」に入れ替えてもいい(「男」や「女」でもいいが、その話はまた別の機会に)。それなら、有限の、そして予測のつかない数々の出会いから、自分が働く会社をどう選ぶべきか? あるいはどんな会社とならいい仕事ができるのか? そんな問いを胸に、「モノづくりにアイを」をモットーにした気鋭のWEB制作会社、シフトブレインへの取材に臨んだ。今回はオフィス訪問ではなく、同社主催の手作りパーティへ潜入(?)することに。でも冒頭の問いへの数々のヒントがそこにはありました。自分に合った会社を探している人、仕事の良きパートナーを探している人、なんならそのいずれでもない人も、よろしければご覧ください。

取材・文:内田伸一 撮影:菱沼勇夫(2011/11/11)

JUMP! SHIFTBRAIN AUTUMN PARTY 2011

WEB制作会社が自ら主催するパーティって?

株式会社シフトブレインは2003年設立。20〜30代中心のスタッフで、WEBサイトの企画・制作・運営を主要業務にしている。明治神宮前駅近くのオフィスを訪れての取材かと思いきや、そこから徒歩30秒のダイニングバーで開催される同社主催のパーティが、この日の現場だった。

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会場となった「CLUH」に到着すると、エントランスは一面RGBの世界……。と書くといかにもWEB制作会社っぽいけれど、実際は3原色を使ったペーパーコースターを無数に並べた、手作りのディスプレイ。デジタルを生業にする同社ならではのモチーフながら、ほどよいアナログ感を取り入れたしつらえが面白い効果を生んでいる。

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「JUMP!」。これが今回のパーティのタイトルだ。名前の由来は、代表の加藤琢磨さんが少年ジャンプ好きだとか、シフトブレインが「ジャンプ」っぽいと言われるとか(友情・努力・勝利?)諸説ありつつ、「次のステップへの跳躍」という思いを込めた言葉である、とディレクターの平藤篤さんがパーティ開始の挨拶で説明。そして乾杯!

会場を見回すと、スタッフ手作りのリラックスできる雰囲気ながら、空間構成がきちんとなされていることに気付く。そこでまず、大きく3つに区切られた各スペースを回りながら、担当社員さんたちに話を聞いた。

「WORK」セクション

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ここは、同社のお仕事内容をプレゼンテーションするスペース。モニター群にこれまで手がけたWEBサイトが並ぶ。目を引いたのは、その下にそれぞれの企画書らしき冊子も公開されていること。先ほど挨拶もしていたディレクターの平藤篤さんがその意図を教えてくれた。

ディレクター平藤篤さん

ディレクター平藤篤さん

「”ふだん見えないシフトブレインの顔を見せる”のが、このパーティの裏テーマみたいなものなんです。だからここは、僕らがどういう流れで仕事をして最終的なアウトプットに至っているか、それを知ってもらう手がかりになればと思って。コンセプトシートや複数のデザイン/カラー案など普通は表に出ない資料も含め、この機会に見てもらえたらと考えました。うちが手がけるのは、キャンペーン系とブランディング系のサイトが多く、どちらなのかによっても手法はかなり異なります。今回、僕らにとってもこういう実空間でのプレゼンはWEBと違うところも多くて、難しかったけれど新鮮ですね」と自身の似顔絵が入ったコースターを持って、最高の笑みをいただいた。

モニターには、多面体上で動くサムネイルを選んで再生できる慶応義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構の映像アーカイブサイトや、人気レーシングゲーム『グランツーリスモ』のPRで実現した「クルマが好き」の思いでつながる参加型キャンペーンサイト、また絵本のようなストーリーを用いた産婦人科『駒ヶ根高原レディスクリニック』のコーポレートサイト(実際に絵本化した冊子や登場キャラのぬいぐるみも)など、多彩な実績が並ぶ。そして、それらを人知れず支えるたくさんの試行錯誤や提案の存在を、それぞれの企画書群が教えてくれた。

「LIVE」セクション

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パーティを盛り上げるDJ/VJと、ライブペインティングを披露したのが「LIVE」セクション。担当するのは開発チーム/デザインチームの面々だ。ライブペインティングといっても、そこはWEB制作会社。タッチパッドとモニターを使ったスマートな手法で、夜の会場に蒼空が描かれた。ふだんはデザイナーとして腕をふるう橋本功さんの筆さばきが、会場の空気に彩りを与える。

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DJ/VJを披露したのは、ファンキーな風貌の開発チーム「DevJam」の面々。もともとVJ活動もしているメンバーもいて、その映像にチームが開発したエフェクトをリアルタイムに重ねていく。また会場のあちこちに配したiPhoneとコンソール代わりのiPadを使い、ライブカメラ9台によりUSTREAM配信も実行。ただし、誰かが電話したくなったらそのカメラはお休み、というゆる〜いシステム。

ディベロッパー安友裕秋さん

ディベロッパー安友裕秋さん

「今回流している映像は、会場で流れている音楽や会場の様子をウェブカメラで読み込み、その動きや音量に合わせて映像が変わるというインタラクティブな作品です。C++というプログラミング言語のCinderというフレームワークを使って開発しました。今日が実質デビューですが、これは今後の本格的活動に向けた前哨戦です」と語るリーダーの安友裕秋さん。揃いのDevJam オリジナルTシャツで衣装は万全、練習はこのパーティのために会社で3回ほどやったそう(仕事扱い)。モットーは「仕事も遊びも楽しく」と宣言する彼ら。どちらの面でも今後の活躍が楽しみだ。

「PHOTO」セクション

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アシスタントディレクター飯島陶子さん

アシスタントディレクター飯島陶子さん

お客さんたちがくつろぐラウンジエリアには、シフトブレインスタッフの素顔が並ぶフォトウォールが。ふだんの仕事風景から社員同士の飲み会スナップ、なぜか中国で龍の置物にまたがるスタッフの勇姿(社員旅行?)など、「らしい」写真から意外なショットまでが楽しめる。単なる身内の思い出フォトに終わらせず、社員全員を紹介するキャッチフレーズ的テキストを添えたのも、細かい心遣い。アシスタントディレクター、飯島 陶子さんが担当した。

「ふだんは更新系クライアントを担当していて、既存サイトに新しい企画や仕様を加えたいお客さまの要望を、制作スタッフにパスする役割です。今回は、仕事の場では見えない私たちの姿という視点で写真を選びました。テキストもそうで、私はふだん仕事では書かないのでチャレンジでしたが、みんなの個性が伝わればと思って」

パーティの感想を聞くと、若手スタッフらしい答えが。

「私の場合、電話でお話は何度かしているけれど、まだお顔を知らない方が多かったんです。それが今夜は受付で”あっあの○○さんですね!?”となることが多くて、やっぱり直接お会いできると嬉しいですね。今度電話がかかってきても、顔が浮かぶというか(笑)」

そう話す飯島さんはこの日もカメラを携え、参加者の楽しそうな顔にファインダーを向け続けた。

出会いとはじまり、そして次の「ジャンプ」へ

加藤瑞人さん

加藤瑞人さん

せっかくのパーティなので、訪れたゲストにも話を聞いてみる。多くはふだんからシフトブレインと共に仕事をする人々だが、そのはじまり方も付き合い方も十人十色だ。

トランスコスモス株式会社でWEBマーケティング等を担当する加藤瑞人さんは、同姓のシフトブレイン加藤代表を、親しみを込め「琢磨くん」と呼ぶ。

「琢磨くんが個人事業でデザイナーをしていたころ、僕も社員5人の小さな会社にいて、ずっと一緒に仕事をしてきた仲です。当時から考えることが大好きな人で、”モノづくりにアイを”も体で実践していた。だから信頼できたんですね。今彼らが得意なソーシャルキャンペーン系の仕事も、正直かつては苦手だったと思う。ただ、じっくり良いものをつくる力が秀でていたから、そこを伸ばしつつ、苦手も得意に変えていったのでしょうね。」

グラフィックデザイナーの岡本卓也さんの場合、一本の電話から付き合いが始まった。

岡本卓也さん

岡本卓也さん

「あるとき紙モノとWEBの総合的なお仕事を某大手から頂いて、僕も信頼できるWEB制作パートナーを探すべき時期だな、と。それでおもむろに『WEB制作会社年鑑』を開いて(苦笑)。クリエイティブの力とバランス感覚を条件に目処をつけて、シフトブレインに電話しました。実はその対応も重視したんです。いい加減ならすぐ次にいこうって。電話口に出たディレクターの平藤さんは、短い対話の中で信頼できるなと思わせてくれた。その第一印象は当たり、彼はグループワークの中で言うべきことを言ってくれるし、紙特有の”手感覚”も共有してくれるのが嬉しいですね」

パーティの締めは、参加者全員で一斉に「ジャンプ」! 夏の終わりの渋谷で、参加者数十人が、それぞれの頭上に広がる空へと少し近づいた瞬間だった。

パーティの仕掛人、社長に聞いてみた

「楽しんでもらえる仕組み」のヒント

明けて翌日。加藤琢磨代表に会いにシフトブレインのオフィスへ向かう。聞いてみたいことがあった。まず、なぜWEB制作会社であるシフトブレインが、ああいったパーティをやろうと思ったのか?

「もともとは数年前から、お世話になっている方々との忘年会の延長線でやってきたんです。その中で、これはイイ!と思うことがいくつか見つかって。まず、パーティではリアルなコミュニケーションが生まれますよね。今回、3つの要素での空間づくりに皆がトライしたのもそうですし、ほかにも細かい所で言えば、会社案内も新たに作ったので、それをどこで渡すかとか。最終的には出入口近くで自由にとってもらう普通の形にしましたが、そう決めるまでに色々考えるプロセスを経てるんです。最初に手渡したら食事や会話のじゃまになるかもとか、でも最後に渡したら帰りの駅のゴミ箱がうちの冊子で一杯になったりして…恐ろしい! とか(苦笑)」

WEBサイトのインタフェースやストーリーづくりともどこか似ている?

代表の加藤琢磨さん

代表の加藤琢磨さん

「ふだん僕らがつくるサイトやキャンペーンって、今回のパーティなどよりもずっと大勢が見るものですが、相手の顔がみえにくい。現実の場だと、ディテールを考える訓練にもなります。制作会社って、クライアントワークだけでは力がつかない部分ってあるんです。もうひとつ良いのは、社内仕事が多い開発・デザインチームが、実際にお客さんやパートナーと顔を合わせてお話させてもらえる機会をつくれることですね」

今回、WEB制作会社らしからぬ(?)ハンドメイド感も随所に取り入れたディスプレイや展示にはどんな手応えがあったのだろう。

「デジタルな制作環境は、ともすれば出発点から目的地の間にある大切なものをゴソっと抜いてしまう危うさがあります。それでも形になるからこそ、その差には意識的でいたい。制作においても、パワポをサッと作ってメールで共有して、が日常化していますが、ときには手書き資料を持って対面で話そうよ、と。以前は粘土でサイトイメージをつくったりもしましたね(笑)。だから今回の試みも、コミュニケーションメディアを考える上で大切な経験だと思います」

夢は、「新しいつながり方を生み出す仕事」

昨夜のゲストへの取材を報告すると、出会いの発展の面白さを語ってくれた。

「面白い人と出会うと、けっこう仕事にしちゃうんです。仕事してみないと本当の魅力もわからなくないですか? 人と人って、誰かが誰かを機械でつなげるわけじゃない。だから愛情が必要だし、それをどんどん実現させたいんです。でも、スタッフに無理がでたり、お客さんに満足いただけるものを出せなくなったら本末転倒。そうしないためにも、シフトブレインは何が得意で、どんなお仕事をしているのか理解してもらう努力を今後一層したいと思っています」

最後に加藤さんの夢を尋ねると「やっぱり新しい“つながり方”を生み出す仕事ですね」という答えが。

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例えば、任天堂さんって素敵ですよね。うちとは規模が、というか業界も違いますけど(笑)。近年で言えば、Wiiはゲームによる家族の新しい“つながり”方を生み出した。僕らもWEB制作の世界で、そういうものを手がけたいんです。実はゲームの仕組みも研究してますよ。”人が夢中になる仕組み”っていう意味において、ですけどね」

仕事の成功物語においては「出会い」が伝説的に語られがちだ。ジョブズとウォズニアックが出会ったひと夏のインターンシップから、アップル神話が始まるように。でも本当は、得られた出会いをどう育て合えるかこそが重要なのかもしれない。言い換えればそれも「つながり」。WEBサイトを通してクライアントとユーザの多様なつながりをプロデュースしてきたシフトブレインは、自らの仕事環境においても自然とそのことを察知しているのだろう。

誰かにとっての天職も案外、本人の才能のみで決まるものじゃなく、そこに自分と仕事相手(同僚・協力会社・クライアントetc)との良いつながりを育めるポテンシャルがあるかどうか、に依るところ大なのかもしれない。そんなことを考えたパーティナイト、もとい、取材でした。