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これからのウェブ制作会社に必要なこと

株式会社PIVOT

これからのウェブ制作の現場で成長していくには、何が必要とされるのか? そのヒントは、「使うWeb」「使えるWeb」「使いたくなるWeb」をキーワードに、「あそびゴコロ」を実践するPIVOTの取り組みに見つかるかもしれない。自らの存在を、サイトを活かしたコミュニケーションの軸(Pivot)であれと考える彼らの仕事観、またそれを支える個人と組織の関係に迫る。

組織は規模と共に変化していくもの

筋道の通った彼らの話ぶりには頷かされる内容が多いが、自分たちが優れたチームとして機能する体勢づくりにおいては、宮嵜さんも試行錯誤を繰り返してきたという。組織の人数や適性、時代ごとの仕事の内容などによっても、その解は変わってくるからだ。

宮嵜: 5年ほど前、ある雑誌の取材で僕は「我が社は能力を持った“ピン芸人”の集まりなので、完全にフラットな組織です!」とドヤ顔で宣言してましたが、それは完全に間違っていた(笑)。というか、当時の社員数=20名前後まではこの考え方も機能したのですが、互いの仕事を最低限共有しておく点では、ある規模を超えるとまた違うやり方が必要になったんです。

「互いに顔の見える関係」というのが、現在のPIVOTの体勢づくりの基本。前述の20人という境界線をヒントに、今年からは、手がける仕事の性質などを基準に、3チームでの運営に挑戦している。大手案件などに対応する「兎(Rabbit)」チーム、小回りの利く対応力に長けた「羊(Sheep)」(前述・浜田さんはここに所属)チーム、そしてアプリなどの自社開発を手がける「隼(Hayabusa)」チームだ。

宮嵜:チーム名は何となくほっこりしていいかな、と、動物の名前になったのですが(笑)、各々の特性にもつながるかなと今は思っています。スタッフ間の表面的な仲の良さを超えて、互いに言うべきことは言い合えるキュッとした結びつきを考えると、20人前後がひとつの単位ではと考えたんです。結果として新体制では、自分が1/50である結びつきよりは、1/20であるチームが存在する方が、お互いのいいたい事もいえるし、より密なコミュニケーションが取れる。

自社サービスと受託案件の関係

今回のチーム編成では、自社開発チームが初めて組織化されたことにもなる。「隼」チームのアートディレクター / イラストレーターである河村恵実さんは、チーム制が敷かれる以前から、自社開発プロジェクトに積極的に関わったスタッフ。日本全国のご当地キャラがその土地の魅力を紹介してくれるアプリ「観光地ですよ。」がその一例だ。

アートディレクター / イラストレーター 河村恵実さん

アートディレクター / イラストレーター 河村恵実さん

河村:「観光地ですよ。」は、とにかく社員全員で、何か少しずつでも関わって自社サービスを作ってみよう、という最初のケースでした。冒頭で宮嵜が話した通り、近年はただ広告をつくる、というよりサービスや体験そのものをつくるという流れになってきている。その中で自社のサービスを使うことで幸せになる人が一人でも増えたら、といった想いで手掛けてきました。

宮嵜:これは皆がクライアント業務と並行してのプロジェクトだったので、最後の方では忙しくなってしまって深く関われないスタッフも出てきました。その中で、半分涙目になりつつも(苦笑)、頑張りきったのが彼女。「隼」はまだ6人の最小チームですが、自社開発で売上げを出して堅調に回り始めれば、受託案件でもより自分たちのやりたい仕事を増やせる。そのバランス獲得を目指す上でも、このチームに期待しています。

現在は、新作のアプリ開発・運用に従事する河村さん。イラストレーターでもあり、複数の役割を兼任することが多い彼女は、自身を「いま足りないところをどう補えばいいんだろう? と考えてやっていくタイプ」と分析する。その資質はものづくりとチームづくり、双方に反映されている。

会社に誰もいなくて取引先に怒られたこともあった

そして取材時には明確にこそ語られなかったが、仕事環境におけるバランスの保たれかたも印象的だった。エントランスに続く広い共有スペースでは、日々の打ち合わせ以外にも、有志による「朝ヨガ会」などが行われる。オフィス各所に貼られたストレッチの手引きは、河村さんによれば「みんなの健康を気遣っている人がいつの間にか貼ってくれています(笑)」とのこと。2匹のマスコット犬の役職は「相談役」で、専門知識を駆使するエキスパートたちの頭をほぐしてくれる頼れる存在だとか……?

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社内には、相談役といわれる 犬の姿も

宮嵜:この業界の典型例に漏れず、僕らもかつてはヘビーな深夜作業が蔓延した時期を経験しています。仕事を突き詰めようとした結果とも言えますが、組織の中では、悪い変化もあっという間に伝播していく。一番ひどい時は午後になっても会社に誰も出てこなくて、取引先にお叱りを受けたこともありましたし(笑)。それくらい、創立当初は仕組みがなかった。それで、ゆるくても効果的なルール、枠組みを用意する中で地道に改善してきたんです。例えば、朝会での持ち回りスピーチの習慣化とか。内容は単純なものですが、それでも「遅れて参加したら失礼だ」って、相手がいることで、やっぱり変わるんですね。

その舵取りや改善の経緯については「少しずつ、何となくかな?」と答えるほのぼの感も印象的な宮嵜さん。だが、日々進化し続ける厳しい世界の中で、彼自身が会社という御し難い「生き物」を相手に改善を続けてきたことも窺える。

今後のウェブ業界でハッピーになれる人とは?

そして最後に、ウェブ業界で働く上での「今後」について、伺ってみた。

宮嵜:今後この世界で働いてハッピーになれる人は、仕事を「自分ごと化」できるスイッチがすぐ入る人でしょうね。まだ結婚経験のない浜田が、すべて未知の状態から始めて「Styleus」のようなサービスを実現させたのもそうだし、河村は食品の案件が決まったら、朝から会社でそれを食べてるような人(笑)。簡単に言えば自主性、能動性で、それこそ教えられるものではありません。ただ、ワンストップ志向やチーム制は、間接的にそれを引き出すきっかけにもなり得ているかな、とは思います。

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浜田:僕はもともとカフェの店長をしていて、当時イベントを企画したりするなかで、ディレクションという作業を形あるものとして仕事にしたいと思ったのが転職のきっかけです。だから、今後もウェブ業界における仕事領域を増やし、メディアを限定しない仕事もやっていきたい。そのためにはチームや会社に対しても、自分なりのビジョンをもって仕事に臨みたいなと思っています。

河村:私はいつもプロジェクトが始まる前に、開発製品のコンセプトと、その特徴を3つの言葉にして提示するんです。自分がそれを常に忘れないようにというのはもちろん、チームメンバーや社全体に向けても、今何をやっているのか伝えやすいですし。その意図としては案件の目的だったり、使う人のことを常に念頭にチームで考えてつくっていきたいんです。結局、ものをつくるってことは変わらないから、そういう意識は大切にしていきたいですね。

宮嵜:経営側としては、各スタッフの成長に見合う専門技能の講座を紹介したり、やはり健康が資本なので最低限の軽食を会社負担で常備したり、ということも心掛けています。ただ、こういうバランス感覚って、能動的な人は言われなくとも意識するものだとも思う。つまり、誰かに整えてもらうのを待つより、まずは自らの生き方として手に入れる努力から始まるもの。根本的には、そうあるべきだと考えています。

まとめ

「バランスの良さ」というのが、今回の取材を通して強く感じた印象だった。この言葉はどんな時代、どんな場所でも重視される一方、曖昧さゆえの難しさも孕むものだ。ましてものづくりの思想や働き方においてのそれは、シンプルなものではない。だが、PIVOTの社名が示す通りしっかりした「軸足」から生まれる彼らの旋回は、ユーザーやクライアント、そして時代とも俊敏に向き合いながら活躍の場を広げていくだろう。