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「なぜ日本人は日本人だけで働くのか?」グランドデザインが中国に進出した理由

グランドデザイン株式会社

東京、上海、香港にオフィスを構え、アジア企業のブランディングやプロモーションなどを手がけるグランドデザイン。2000年代初頭、発展の途を辿る中国市場に進出する国外企業が相次いだが、年々と勢いは落ち続け、そのほとんどが撤退を余儀なくされた。そんななか、独自のポジションを確立しているのがグランドデザインだ。中国におけるクリエイティブの醍醐味や3拠点を横断する意義について、代表の西克徳さんに訊いた。

取材・文:加藤将太 撮影:kyosuke azuma(2017/5/17)

「なぜ日本人は日本人だけで働くのか?」

東京に本社を構えながら、上海と香港にもグループ会社を展開しているグランドデザインがアジア市場に進出することになった理由には、代表の西克徳さんが30代の頃に味わった海外での経験が関わっていた。

西:海外のデザインアワードを受賞する機会に恵まれ、授賞式に参加するためにドイツやチェコなどを訪問していたんです。そのとき海外のクリエイターたちと言葉を交わして気づいたことがありました。海外の制作会社では、仮に10人くらいの企業規模だとしても、スタッフの国籍がひとつの国に絞られるということはありえないんですよ。フランス人、イギリス人、ドイツ人とさまざまな背景を持ったスタッフがいる。彼らは会議の時にドイツ語で話していたと思えば、突然英語に切り替えて、コミュニケーションしやすい言語をリベラルに選びます。そういった光景を目の当たりにして、なぜ僕ら日本人は日本人だけで集まって働こうとするのだろうと不思議に思いました。

代表取締役 西克徳さん

代表取締役 西克徳さん

スタッフの国籍や言語が多様であるということは、それだけ豊富な感性を「会社の強み」として抱えられることでもある。日本のクリエイティブ企業が持つ特殊な傾向に対して西さんが覚えた疑問は、やがて危機感へと変化していった。このままでは欧米のダイバーシティが生み出すイノベーションに負けるという危機感から、急成長マーケットとして注目されていた中国に拠点を構えることを決めたのだった。

西:最初は上海に会社をつくりました。上海は貿易で栄えた巨大な港町。外部との接触や外国人の人口が多いからこそ、最新のトレンドに寛容な環境だと思います。ここで活動する人々はデザインについても敏感ですね。それに金融の中心都市でもあるので、まずは上海に進出するのがいいのではないかと考えました。

上海が計画的に練られた進出だったのに対し、次の香港進出の過程は少し毛色の違ったものだったという。

西:実は会社としてどうしても香港に拠点を構えたいという思いはなかったんですよ。上海オフィスの立ち上げメンバーが香港に我々へのニーズがあると言い出したことがきっかけです。じゃあ、やってみようかという感じで支社をつくりました。香港は独特な街でね、97年までイギリス領だったということで基本的な言語は英語ですし、中国とイギリスの文化が混ざっているので、街全体に刺激が溢れています。オフィスの隣の物件にはヨーロッパ企業、反対隣にはアメリカ企業、なんてことも珍しくありません。ここで感じられるのは、アジア一番のダイバーシティです。仕事をする上でも、自分の視野を世界に広げるには良い環境だと思っています。

中国市場で戦うということは、メジャーリーグに挑戦するようなもの

実際のところ、中国のクリエイティブ事情、消費マーケットにはどのような特徴があるのだろうか。

西:中国では2000年くらいから急速にIT・デジタル化が進んでいるので、テレビ・雑誌・新聞以上にデジタル広告のニーズが非常に高いんです。携帯電話はガラケーをスキップしてスマートフォンから使いはじめています。スマホの所有率は日本と比較にならないほど高い。デジタル広告の仕組みについても、日本より一歩先を進んでいると思います。このままいくと、2020年を過ぎた頃には中国がIT技術の分野はアメリカに匹敵するんじゃないかと。現時点で、Googleやfacebookに対抗できるくらいのポテンシャルを秘めている企業がたくさんありますしね。

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中国のなかでもとりわけ上海には、世界各国を代表するナショナルブランドが集まってくる。西さんは、そんな各国の代表が揃い踏みするような状況をわかりやすく体感できるのは家電量販店の売り場だという。

西:たとえば、テレビを買いに行くとしますよね。日本だと5〜10種類くらいですが、上海では世界から集まった30種類くらいのメーカーのテレビが売り場にずらっと並んで同じ映像を流しているんですよ。その景色といったら圧巻です。ものすごく過酷な競争のなかシェアを獲得するというのはメジャーリーグで優勝するようなもの。日本ではそんなことを一度も思ったことがありませんでした。上海に来ると日本企業のサポーターになった気持ちで「負けるな!」と応援したくなるんです(笑)。僕らのクライアントの約8割は日系企業なので、いわば戦友のような感覚ですね。グローバル展開を目指すナショナルブランドのサポートができるというのはとても光栄なことだと思います。

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