福岡はなぜ住みやすいのか? 食べて歩いてわかった理由〜仕事編〜
- 2018/08/13
- FEATURE
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どうしてそんなに福岡が愛されているの?本当に働きやすいの?疑問の答えを探るには福岡への移住者に聞いてまわるしかない!ということで、東京生まれ東京育ちのタレント兼エンジニアの池澤あやかさんが、素朴な疑問をぶつけてまわる一泊二日のツアーを敢行しました。
<お知らせ:福岡に試しに住んでみたい人へ!>
福岡市がエンジニアやクリエイターの移住・転職を応援するプロジェクト「福岡クリエイティブキャンプ(FCC)」では、無料3週間のリモートワークをお試しいただくプログラムを実施いたします。詳細はこちら。
- 取材・文:寺尾えりか
- 撮影:勝村祐紀
窓からは海! 社内にはハンモック!
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14:00 旅の案内人に会いに行く
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福岡空港に降り立ったその足でむかったのが、福岡空港から電車で約30分、中心地の天神からは約20分と、福岡市内の中で最も海に近いところに線路が走る今宿駅です。
電車を降りたら海の方角に向かって歩くこと5分。すぐ目の前が砂浜という場所に、釣り情報サイト「ツリホウ(釣報)」や、釣果・釣り場・釣具情報が集まるコミュニティサービス「ツリバカメラ」の企画と運営などを行っている、ウミーベ株式会社の事務所があります。代表を務めるのは、東京から2013年に移住してきたカズワタベさん。カズさんには、福岡の旅1日目の案内人として同行していただきます。
池澤:今日は1日、どうぞよろしくお願いいたします!
カズ:こちらこそ!福岡の魅力を伝えるために頑張ります。
池澤:では、さっそくですが……福岡に移住されたのはどうしてですか?
カズ:すべては“バランスのよさ”ですかね。物価の安さ、ご飯のおいしさ、空港の立地、都会と自然の割合……どれをとってもベストだったっていう感じです。
池澤:窓からは海が見えて、社内にはハンモック……。働く環境としてはベストに感じますが、クライアントは東京と福岡、どちらの割合が多いんでしょうか?
カズ:今は自社サービスを運営していて全国と取引していますが、移住したてでフリーランスだったときはほぼ東京でした。福岡に拠点があるからという理由で契約が打ち切られたことはないですね。打ち合わせは主に電話やスカイプで行っています。
池澤:福岡に来て1日のタイムスケジュールは変わりましたか?
カズ:住む環境は変わったけれど、東京に住んでいたころと同じように働けているので正直、そこまで変化はないですね。ただ、街がコンパクトで自然が近いので、週末のアクティビティは楽しみやすいと思います。
東京より長い、福岡の夜。
池澤:飲みに行く回数は増えたりしましたか?
カズ:年齢的に毎日飲んだくれるっていうのはもうないですけど、たまに友達と飲みに行ったりすると、夜はすっごい長いですよ(笑)。飲食店の値段が安いので3軒4軒のはしごは当たり前ですし、家賃が安いからみんな中心地からタクシーでワンメーター圏内に住んでいることがほとんどなんですよ。だから飲んでいても“終電”を気にする人は少ないですね。
池澤:そういう意味では、カズさんは中心地から離れている方なんでしょうか?
カズ:会社の近くにマンションを借りているんですが、実は会社が今宿に移転する前に、オフィス兼住居として使っていた警固(けご)という中心地のマンションもそのまま借りているんです。だから飲んで帰れなくなった時はそちらに帰っています。
池澤:2軒分の家賃を払うのって大変じゃないですか?
カズ:警固のマンションは東京の友人と7人でお金を出し合って借りているので月々1万円ちょっと。今宿のマンションは4万円くらいです。
池澤:休みの日は何をしているんですか?
カズ:福岡の郊外は家賃はもちろん、駐車場も安いので、車を持っている人が多いんです。ぼくも車を持っているので、大分県の別府や熊本県の阿蘇に日帰りで温泉に行ったりしてますね。もちろん、釣りもしますよ(笑)。
池澤:東京に比べて気候はどうですか?
カズ:福岡は日本海側なので冬はくもりの日が多かったりしますが、気温は東京とほぼ変わらないと言っていいと思います。
夢の二拠点生活も叶えてしまう家賃の安さ。実際、カズさんのように福岡市内に二拠点……というパターンは少ないけれど、東京と福岡の二拠点生活を送っている人は多いんだそう。ホテルが足りず、宿泊代高騰しているという福岡。思い切ってひと部屋借りてみるのも手かもしれませんね。
屋台で隣に座った人が、起業して最初のクライアントに……!?
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16:30 福岡のお仕事スタイルを拝見
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福岡の“暮らし”やすさがわかったところで、“働く”環境はいかがなものか。カズワタベさんとともに向かったのは、福岡市内のど真ん中にあるコワーキングスペース「The Company」。移住者の中には転職はもちろん、カズさんのように起業したり、フリーランスとして活動したりする方も多くいらっしゃいます。そんな多様化するニーズに柔軟に対応してくれるコワーキングスペースは福岡にも必要不可欠なスポットです。
ここでは、「The Company」でPRを担当している小松里紗さんと、営業・コンサルティング業を営む坂田裕之さんにお話を伺いました。
池澤:お2人とも、ご出身が福岡だと伺いました。
小松:私は北九州市出身です。今は実家を出て福岡市内に住んでいます。
坂田:ぼくは八女市出身で、大学入学とともに上京。30歳を機に福岡に戻って来ました。
小松:1回県外に出ても、福岡に戻ってくる人ってすごく多いですよね。しかもだいたい30歳前後で戻ってくる……!
坂田:そうそう。そこそこキャリアも積んで、30歳を目前にしてふと“暮らし”について考え始めた時「そろそろ地元に戻ろうかな」ってなるんですよね。
池澤:福岡の人って地元愛がすごいですよね。
坂田:そうなんですよ。例えば観光で福岡に来たとして、ひとりでふらっと飲みに行ったとしても、地元の人たちが「福岡ってこんないいところだよ!」って必死で教えてくれるような街なんですよね。
池澤:ひとりで飲みに行っても大丈夫なんですね!
小松:福岡は人と人との距離がすごく近いので、女性ひとりでも大丈夫ですよ!
カズ:東京にいたころは知らない人に話しかけられても、すぐには心を許さず様子を見るクセがついていたけれど、福岡ではそのまま友達になってしまうことが多いですね。
坂田:福岡に戻って来たその日に、懐かしい気持ちになって1人で屋台に行ったんです。その時「福岡に戻って来ました!」っていう話をしたら、そこにいたみんなが歓迎してくれて。ごはん全部おごってくれたんです。しかも隣に座っていた人が、ぼくが福岡で起業して最初のお客さんになったんですよ(笑)。
池澤:それはすごい……!みなさん、どのくらいの頻度で飲みに行っているんですか?
坂田・小松:ほぼ毎日!
池澤:わ〜想像以上でした……!
坂田:ひとり2,000〜3,000円で飲めるところがほとんどですからね。
カズ:高い寿司を食べるとか、イタリアンやフレンチでワイン空けるとか……特別なことをしない限り、1万円を超えることはないですね。
池澤:お酒が飲めない人はどうするんですか?
坂田:大丈夫!烏龍茶で飲み会に参加しても文句言う人はいないですよ!
池澤:(ホッ……)
これぞ“飲みニケーション”。人と人との距離が福岡だからこそ、飲みの席で出会った人と名刺交換やSNSで繋がったりすることが多いのだそう。これも福岡のひとつの友達のつくり方、仕事のつくり方なのかもしれません。
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- 続いて、福岡の夜を堪能!
移住するからって、東京の仲間と疎遠になるわけじゃない。
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18:30 福岡のわくわくをつくる仕掛け人
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話に夢中になっているとアッという間に夕方に。
……ということで、坂田さんと小松さんとお別れして、水炊きの名店「いろは」に移動。
そこで待ち構えていたのは、“泊まれる立ち飲み”をキャッチフレーズに掲げるユニークなホステル『STAND BY ME』などさまざまな事業を展開している、株式会社ブルースカイ代表の貞末真吾さん。それでは、楽しい宴会のスタートです。
池澤:まずは……かんぱ〜い!
一同:かんぱ〜い!
池澤:では、さっそくですが……貞末さんはどうして福岡に移住されたんですか?
貞末:ご飯がおいしい、物価が安い、街と自然のバランスが素晴らしい……それってすごいいいじゃん!って、半分ノリだったかな。
カズ:ぼくと同じですね(笑)。
池澤:移住して6年、今も住み続けている理由は何ですか?
貞末:な〜んか魅力的なんだよね。東京に住んでいた時は「東京いいよ〜遊びにおいでよ」って誰かに言うことって正直なかったけど、福岡にいると「おいでよ!」ってついつい言っちゃうんだよね。
カズ:ぼくも色々なところに住んだけど、それはすごいわかりますね。
池澤:それだけ魅力的なものが多いんですね。
カズ:移住って誰もが何らかの期待を持って決断するから、実際に住んでみるとがっかりすることも当然出てくると思うんです。でも、福岡は本当にそれがないんですよね。
貞末:ぼくもない(笑)。移住してすぐのころ、近所に知り合いがいなかったくらいかな。
池澤:どうやって友達をつくったんですか?
貞末・カズ:飲みの場ですね!
池澤:やっぱり!!
貞末:飲みの文化ができあがっているうえに、コンパクトな街だからみんな同じような場所で飲んでいることが多い。だから、「何やってんの?」って連絡すれば、サッと集まれるんだよね。
カズ:下手したら、家にいる人を呼んでも数十分後には集まれてるっていう……。
貞末:ぼくの場合、東京での飲み会にも参加したりしてるんだよね(笑)。
カズ:……実は、ぼくも(笑)。
池澤:移住するからって東京の仲間と疎遠になるわけじゃないんですね。ちなみに、貞末さんは福岡でさまざまなことを仕掛けていますが、これからやってみたいこと……教えてください!
貞末:実は、福岡市の西浦に、広大な土地を借りたんだよね。海の目の前なんだけど……そこで何かを仕掛けたいなって思っていて。
池澤:うわ〜いいですね!
貞末:カズくん、釣りのイベントとかどう?
カズ:いいですね!プロデュースしますよ!
貞末:お!決まりね。連絡するよ。
まさかまさかの展開です。飲みの場で仕事が決まる瞬間を目撃してしまいました。(本当だったんだ……。)貞末さんとはここでお別れして、いざ2軒目へ!
ニッチな職業ほど、競合が少なくチャンスは多い!
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21:00 疲れた身体に染みる憩いの場所へ
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次に訪れたのは、 “黄ちゃん”の愛称で親しまれている店主・黄小晃さんが営む「みんなの黄ちゃん」へ。実は黄ちゃん自身も神奈川からの移住者。2017年に独立して1人でお店を切り盛りするようになった黄ちゃんですが、豊富なお酒の知識と、飾らないキャラクターを慕って、今では毎晩ユニークな人たちで溢れる“知る人ぞ知る”スポットに。
ここで合流したのは、東京から2年前に移住し、独立出版レーベル「TISSUE PAPERS」を立ち上げた桜井祐さんです。
池澤:ではここでも……かんぱ〜い!
一同:かんぱい〜!
池澤:さっそくですが……桜井さんはなぜ福岡に移住されたんですか?
桜井:空港が近いということと、福岡に住んだことがなかったってことですかね。
池澤:何かざっくりしてますね(笑)。
カズ:明確な理由を持って移住している人の方が少ないかもしれないですね。福岡は総合力が高いんですよ。
桜井:そうそう。一緒に会社を立ち上げた人が東京に住んでいるので、2人とも東京にいる必要性を感じなかったというのも理由のひとつですかね。地方に拠点があるっていうのは強みになりますからね。
池澤:福岡に来てギャップを感じることはなかったですか?
桜井:東京ってニッチな能力を持っていたとしても、人口が多いのでそれなりに競争率が高い。けれど、福岡くらいの規模だとニッチな職業の需要があるにも関わらず、能力を持っている人がいないんですよ。
カズ:なるほど。
池澤:桜井さんご自身は編集者ということですが、どうやってお仕事を獲得していったんですか?
桜井:肩書きは編集者なんですけど、主な仕事はディレクション業なんです。福岡でディレクションだけで食べている人っておそらくいないので、競合がいない。だから、福岡の人たちにとっては馴染みのない職業ということもあって、いきなり新規の仕事が舞い込んでくる……というよりは、人づてでいただくことが多いですかね。
池澤:福岡はさまざまなコミュニティができていると聞いたことがあるんですが、桜井さんはどこかに属しているんですか?
桜井:職種ごとのコミュニティは存在するんですけど、正直ひとつひとつが溝が深いんですよ。そこを繋げることができたらもっと仕事の幅が広がるのかな、とは思いますけどね。
カズ:そこは可能性を感じるとこですよね。
これからの福岡の“伸びしろ”となる部分が浮き彫りに。さて、本日はここまで。明日は福岡のおいしいモーニング&ランチをご紹介したいと思います!
<お知らせ:福岡に試しに住んでみたい人へ!>
福岡市がエンジニアやクリエイターの移住・転職を応援するプロジェクト「福岡クリエイティブキャンプ(FCC)」では、無料で3週間のリモートワークをお試しいただくプログラムを実施いたします。参加者にはリモートワークをしながら福岡で3週間生活していただき、その間の「住まい」と「仕事場(オフィス)」をFCCが無料で提供いたします。
▼募集要項・応募のお申し込みはこちら
http://fcc.city.fukuoka.lg.jp/event2018/remoteworklife/
※開催時期:2018年11月18日(日)〜2018年12月8日(土)
※応募締め切り:2018年8月31日(金)