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WEBブランディングに求められる「ファッション性」コムリエが考えるものづくりに大切なこと

株式会社コムリエ

ファッションを軸にしながらも、幅広いジャンルのクリエイティブワークを手がけるコムリエ。少数精鋭ながら、「東京ガールズコレクション」オフィシャルサイトやグローバルに向けた「クールジャパン機構」のコーポレートサイト、いま話題沸騰の「ICE MONSTER JAPAN」オフィシャルサイトなどを制作してきた。洗練されたものづくりに定評のあるコムリエは、ライフスタイルにまつわるモノ・コトの全てがファッションとなる時代の流れにあわせて、めざましく業績を伸ばしてきたが、2010年の創業当初は今とはかなり違う状況だったと言う。コムリエ代表取締役・樋口聖氏に話を聞いた。

取材・文:阿部美香 撮影:豊島望(2015/08/31)

「コミュニケーション×アトリエ=コムリエ」という社名に懸ける想い

コムリエが設立されたのは、2010年のこと。WEBをフィールドとし「ファッション」と「コミュニケーション」をものづくりのキーワードにスタートしたものの、当時はWEBとファッションがなかなか融合しづらい状況だったと言う。

樋口:コミュニケーションは僕が学生時代から最も重視してきたキーワード。人に何かを伝えることを大事にしてきました。同時にアパレルも大好きで、周囲にもファッション業界の人が多かった。しかし当時、アパレルブランドやショップにWEB制作の営業電話が来ても、その2つの業界に立ちはだかる壁は高く、共通言語で話すこともままならず、話を聞かないまま断ってしまうという例を頻繁に聞いていました。今でこそ、『WWDジャパン』でWEB特集が組まれる時代になりましたが、当時はアパレル / ファッションとWEBクリエイティブは、全く話が通じないジャンルでしたね。

株式会社コムリエ代表取締役 樋口聖氏

株式会社コムリエ代表取締役 樋口聖氏

だからこそ、「ファッション業界と共通言語で分かり合えるWEB制作会社の需要は、どんどん高まっていくはず」と考えた樋口氏は、この2つの業界を繋ぐ存在でありたいと思い、それを自社の個性と決定づけた。その想いは、「コムリエ」という社名にも表されている。

樋口:「コムリエ」は僕が大切にしていた「コミュニケーション」と、メゾン系アパレルブランド出身の創業メンバーがこだわった「アトリエ」という言葉を掛け合わせた造語です。異ジャンルのコミュニケーションを通じて、新しいクリエイティブを堅実に行う職人肌のアトリエでありたいという意味も込めていたのかな? と今となっては思いますね。単純に、ファッションの仕事がしたかった僕が、WEBという武器でファッション業界にアプローチしたいという動機も大きかったんですけども。

ファッション業界から拡張した、コムリエのブランディング力

アトリエとは実直な職人が集い、その腕に惚れ込んだ人々が信頼を寄せて仕事を任せる場所。彼らがこれまで挙げてきた実績も、まさにそうだ。プライベートの付き合いから派生したクライアントもいれば、コムリエの仕事ぶりに惚れ込んだ顧客から紹介されたクライアントも。どのクライアントとも一度きりには終わらない付き合いが続いているという。

樋口:たしかに、いわゆる営業らしい営業というのは、ほとんどしたことがないですね。設立当初も知り合いにご挨拶に上がったくらいで、仕事はお客様からのご紹介というのがいちばん多いですし、そのお付き合いが長く続いているのは、コムリエの自慢かも知れません。

社員8名、外部スタッフ2~3名と、計10名ほどの少数精鋭。制作物の質はもちろん、クライアントからの評価はそれだけではないという。

樋口:クオリティ面で、求められていることに応えるのはもちろんだと思いますが、クライアントからは、メールのやり取りだけで終わることのない、仕事のやりやすさをご好評頂くことも多いです。新規WEB制作案件に対してはこちらから積極的にアイディアを出しますし、サイト完成後の維持や保守を含めてのご提案もさせていただく。また、目的を達成するために、クライアントが「伝えたいこと」と、来訪者が「知りたいこと」が交わる領域を最大化するにはどうすればよいかを考え抜いた提案を心掛けています。ただ「オシャレなサイトを立ち上げて終わり」という仕事はしたくないんです。

同じクライアントと長く向き合うことを大事している「コムリエイズム」は、ファッション業界に通じているからこその感覚から生まれてきたものでもある。

樋口:世の中のあらゆる「ブランド」と呼ばれるものは全て、一時的な流行で終わることなく、ブランドの質を高いまま継続させていくからこそ一流になれる。クライアントが発信したい魅力を、新しい情報や新しい見せ方を積み重ねて継続的に高品位に発信し、サイトを訪れてくれるファンの方に、価値を伝えることが、僕らの仕事の本質。そこからWEBサイトを通じたブランディングとして価値が生まれると思うんです。

ICE MONSTER JAPAN:ロゴデザインからWEBフォントを出力。キャラクターが目立つため、映像と組み合わせたベーシックな形式に。

ICE MONSTER JAPAN:ロゴデザインからWEBフォントを出力。キャラクターが目立つため、映像と組み合わせたベーシックな形式に。

最近では、そうしたブランドに対する考え方がファッション業界から飛び火して、様々な業種からブランディングを目的とした依頼が年々増えているのだそう。最近でいえば、6月に日本第1号店が原宿にオープンした台湾の人気かき氷「ICE MONSTER」の日本語オフィシャルサイト。本国サイトの庶民的でポップなテイストに日本らしいトレンドをハイブリッドして、新しいブランド力を発信した。リニューアルを請け負った「東京ガールズコレクション」オフィシャルサイトは、情報発信力を高めながら、UI / UXにもこだわり、より華やかでファッショナブルな世界観を打ち出したブランディングを成功させている。

東京ガールズコレクション:ユーザー属性を考え、モバイルファーストで構築。

東京ガールズコレクション:ユーザー属性を考え、モバイルファーストで構築。

樋口:他にも、「クールジャパン機構」のように、ともすれば堅くなってしまうものにファッション的な感性を採り入れ、柔らかく見せるのもコムリエが得意とするところです。もちろん、ロジックも丁寧に考えて裏付けされたデザインですので、「見栄えはいいけど使いづらい」という結果にはならないよう徹底しています。その点は、クールジャパン機構さんと長くお付き合いさせて頂けている理由の一つだと伺っています。企業やサービスのリブランディングに伴っての案件が増えているのも、僕らの実績に対する嬉しい評価だと思っています。

クールジャパン機構: 日本らしさ・未来感のバランスを配慮しつつ、本来のターゲットである「投資先企業」への堅実さもアピールできるデザインに。

クールジャパン機構:
日本らしさ・未来感のバランスを配慮しつつ、本来のターゲットである「投資先企業」への堅実さもアピールできるデザインに。

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WEBクリエイティブに必要なのは、街に出て「空気感」を味わうこと