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グスコーブドリ的働き方? 人や社会の役に立つためのbudoriの5箇条

株式会社budori

「一緒に考え、共につくる」をポリシーに掲げ、ブランディングやデザイン、空間演出など枠に留まらないサービスを展開する株式会社budori。社名の由来は、宮沢賢治作の童話『グスコーブドリの伝記』からきている。主人公の生き方・考え方から受け取った5つのメッセージ──「自然とのあり方」「人の生き方」「思いの実現」「愛」そして「継承」──を実際の働き方の指針として取り入れている。設立から10年。理想論だけでは決して乗り越えられない年月だ。「世のためになる仕事」というテーマは変えず、どのように成長し続けているのか。これまでのbudoriの歩みを、代表の有村正一さん、ディレクターの納谷陽平さん、田中大士さん、そしてデザイナーの坂元沙也可さんに振り返ってもらった。

取材・文:羽佐田瑶子 撮影:鈴木渉(2016/2/9)

グスコーブドリから、budoriへ

宮沢賢治は『雨ニモマケズ』を執筆後、石灰工場の営業マンとして奔走していた。そんな晩年、人生の岐路に立ったときに自身を奮い立たせる思いで書いた作品が『グスコーブドリの伝記』だ。両親を失い、孤独の最中にあった主人公のグスコーブドリが仕事を覚えながら、農地を改善したり、火山災害を防いだりと苦難を工夫して乗り越え、人々に役立つことをしていく物語。代表の有村さんは「世の中にどのような役割を果たすのか」と企業としてのあり方を悩んだ時、この主人公の生き方を企業の人格としたいと考えたそうだ。

代表取締役 有村正一さん

代表取締役 有村正一さん

有村:ブドリは、不遇な環境の中でも勉学に励み、自然を愛し、周りの人や世の中の人々を思い、懸命に働いた人物です。どんな困りごとも、いろんな工夫を掛け合わせて乗り越えていく姿を、企業の人格を決める大切な信念に取り入れたいと思い社名をつけました。

有村さんはグスコーブドリから受け取ったメッセージを働き方の指針として取り入れたいと、起業して5年目に社名を変更。理想論ではなくbudoriの生き方として掲げ、10年間 「グスコーブドリ的な働き方」を実践してきた。

グスコーブドリの価値観を、budoriはどのように現代の中で実現しているのだろうか? これまでの歩みを通して得た価値観を「budoriの5箇条」として紐解きながら、これからの展望に迫っていく。

budoriの5箇条
1.「思いの実現」のために、必ず現地に足を運ぶ
2.クライアントとは取引ではなく“取り組み”
3.「愛」─“ジブンゴト化”されることで、素晴らしいクリエイティブを生む
4.「人としての生き方」─自分から創りだし、学び続ける姿勢
5.「自然とのあり方」と「継承」─次世代に継承される仕事を創る

1.「思いの実現」のために、必ず現地に足を運ぶ

budoriらしさのひとつめとして全員が口をそろえたのが「必ず足を運ぶ」ということだ。北海道に行ったかと思えば、今度は片道26時間かかる小笠原母島へ。クライアントがつくりだすものを見聞きするために全国各地を飛び回っている。

坂元:デザインは、営業から仕事をもらって、ワイヤーをつくりラフを描くという流れが普通だと思っていました。ですがこの会社は、まず現場に行ってみるということがとても多い。最初は正直「本当に行くの?」と驚きましたが、デザイナーとしてはあまりできない貴重な経験だと思います。

デザイナー 坂元沙也可さん

デザイナー 坂元沙也可さん

有村:実際に行くと、良いことや悪いことも含めて、その人たちの心のテンションや感覚がわかります。その感覚を僕らは身体の中に一度入れて解釈をし、アウトプットに落とし込みます。見聞きすることで、自分なりの表現で最終的に形にできるので、「行く」というのは大切なプロセスですね。

アウトプットを頭の中だけでつくってしまうこともできる。しかし、足を運ぶからこそ、現場の人たちが本当は何に悩んでいて、何をすればいいのかが見えてくる。有村さんがこういった考えを持つに至ったのには、ある転機があったからなのだと言う。

有村:僕の転機となったのは『東北グランマのクリスマスオーナメント』。東日本大震災によって仕事を失った東北の女性たちとクリスマスオーナメントをつくるプロジェクトです。復興支援として何かできないかと模索していた時、クライアントが持っていたオーガニックコットンのはぎれとカメラをかつぎ、被災地に向かいました。その時に東北で働くお母さんたち、通称「東北グランマ」の皆さんと出会い、クリスマスオーナメントをつくってもらおうという話になったんです。会社に話を持って帰ってきたら、スタッフのみんなが役割とアイデアを考え出してくれて。サイト制作やイベント、ネットショップの開設、ニュースリリース、出荷など全員で取り組みました。

坂元:仕事づくりが本当に役立つのか、それよりもお金を送るべきではないかというのはみんなで喧々諤々しました。でも実際にグランマの皆さんにお会いして、「孤独にならず、このプロジェクトが近所の人と集まる理由になる。そして会話をしながら手を動かすことで寂しさが紛れ、励まし合える」というお話を聞いて、自分の中で納得することができました。顔を思い浮かべるからこそ、より一層思いを込めることができたと思います。

2.取引ではなく「取り組み」をしたい

単発な取り組みが、のちに継続的な取り組みへと発展することも少なくないそうだ。田中さんは、北海道・札幌のお米屋さんの商品『初米いろは』のプロジェクトについて話してくれた。

田中:新しく自社ブランドの商品を開発するにあたり、パンフレットを作成してほしい、という依頼が始まりでした。それがお話を伺う中で「もしブランディングをお任せしたらどうなるか」ということになり、すでに決定していた商品を、さらに大幅に変える提案をさせて頂きました。パンフレットだけでなく「食」本来の大切さを伝えるためにオリジナルのかるたもつくりました。

ディレクター 田中大士さん

ディレクター 田中大士さん

このかるたに載せる言葉やイラストも、すべて田中さんが自分でつくったのだという。「お客さんには、取引ではなく取り組みを一緒にしましょうと伝えている」と有村さん。プロジェクトとして決まりきったものを実行するのではなく、そこに少し余白を加えることで、お互いにベストな方法を提案しあえる信頼と自由が生まれる。それがクライアントとbudoriの関係だ。

有村:僕らもお客さんのことを思って腹をくくる覚悟があるからこそ、思っていることをきちんと伝えます。「やっておいてくれ」というマインドだと世の中にも同じ様に伝わってしまう。僕らのクライアントには、「一緒につくりましょう、考えましょう」というようなパートナー的な会社が多いですね。

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3.「愛」─“ジブンゴト化”されることで、
素晴らしいクリエイティブを生む

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