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CM音楽は「音の引き出し」が重要。BISHOP MUSICの多彩なルーツに迫る

株式会社ビショップミュージック

数十秒という短い時間でメッセージを伝えるCMにおいて、音楽が担う役割は大きい。伝えたい情報を、いかに的確に「音」に乗せるか。そこで鍵を握るのが、クリエイターの持つ「音の引き出し」だ。 広告音楽を制作するBISHOP MUSICの武器は、その「音の引き出し」の多さにある。起用できるヴォーカリストは国内外で3,000人。海外アーティストにも強いコネクションをもつことに加えて、プロデューサーは全員、元DJや作曲家といった豊富な音楽的バックボーンの持ち主。みずから作曲することもあるという。 多彩な「音」に触れてきた彼らが目指す「いい広告音楽」とは何か。代表の藤原太郎さんと3人のプロデューサー陣に、広告音楽の理想を聞いた。

取材・文:笹林司 撮影:玉村敬太 編集:立花桂子(CINRA)(2019/06/06)

プロデューサーは『ドラクエ』の賢者。さまざまな経験を積んでこそなれる

—藤原さんを含め、4名のプロデューサーは全員作曲のスキルをお持ちだそうですね。広告音楽プロデューサーでありながら作曲ができるのは珍しいことではないでしょうか。

藤原:そうかもしれません、ただBISHOP MUSICでは、採用の際に「作曲ができる」「楽器が弾ける」「DJ経験がある」などの音楽経験を重視しています。

プロデューサー / プレジデント / DJの藤原太郎さん

プロデューサー / プレジデント / DJの藤原太郎さん

藤原:私は、プロデューサーという職種を「ドラゴンクエスト」の「賢者」みたいなものだと感じているんですよ。最初から賢者になることはできず、武道家や僧侶、遊び人などを経験する必要がある。プロデューサーも同様に、DJやバンド、アレンジャー、作曲家などを経験して、自分なりの武器を見つけて初めてなれるのではないのでしょうか。

タカラダ:ぼくはオールジャンルのDJ出身ですが、引き出しの多さは強みになりますね。たとえば、悲しいシーンに悲しい音楽を流すのではなく、あえて異なるジャンルの音で引き立てることもできる。そういった提案をする際に、DJならではの嗅覚が役立ちます。

プロデューサー / コンポーザー / DJのタカラダミチノブさん

プロデューサー / コンポーザー / DJのタカラダミチノブさん

—作曲できるプロデューサーには、どんな強みがあるのですか?

藤原:演奏者や作曲家に具体的な指示が出せることです。たとえば「もっと明るい雰囲気で」よりも「コードをCに替えたいです」と伝えたほうが、わかりやすいですよね。

DJに作曲家。BISHOP MUSICプロデューサーの多彩なルーツ

—タカラダさんはDJ出身とのことですが、ほかのみなさんはどのような経歴をお持ちなのですか?

森:私は子どものころからピアノを習っていて、学生時代はバンドも組んでいました。その後はイギリスで現代音楽、アメリカで映画音楽の作曲を学び、帰国後は作曲家として活動していたんです。ただ、作曲家は家にこもりがちで、外の世界との接点が少なくて。違う働き方をしてみたいと思い、音楽プロデューサーに転身しました。

プロデューサー / コンポーザーの森凡子さん

プロデューサー / コンポーザーの森凡子さん

—学ばれていた映画音楽や現代音楽ではなく、広告音楽のプロデューサーを選んだ理由はどこにあったのですか?

森:ひとつは、日本で最も音楽に予算を使えるのが広告業界だったから。映画はある程度の規模でないと音楽に十分な予算をかけられません。ですが、広告音楽なら、自分のつくりたい「質のいい音楽」をつくれると思いました。もうひとつは、プロデューサーとして数をこなしたかったからです。長編映画だと年に2、3本が限度ですが、CM音楽は携われる数も多いですし、さまざまなジャンルの音にも触れることができます。

藤原:森には作曲家として参加してもらったこともあるんですよ。タカラダがプロデューサーを務めたある作品では、一流の演奏者をアテンドすることに予算を割きたかったので、社内の森に作曲をお願いしたのです。こうした座組みができるのも、全員作曲ができるメリットですね。


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DJのキャリアを活かして働く。先輩の存在が入社の決め手に

—石川さんもタカラダさんと同じく、DJ出身だとうかがいました。

石川:ハウスミュージックのクラブDJ、作曲家として活動していたのがルーツです。そのうちに、ゲームや映画、CMの作曲も依頼してもらえるようになりました。

プロデューサー / DJ / トラックメーカーの石川快さん

プロデューサー / DJ / トラックメーカーの石川快さん

—なぜプロデューサーに転身されたのですか?

石川:お仕事をいただくなかで、自分が得意としないジャンルの音楽も求められるようになったんです。そこで、そのジャンルが得意な方と相談しながらつくっていくうちに、自然とプロデューサー的な役割を意識するようになりました。何より、チームでつくった音楽を、クライアントに喜んでもらえることが嬉しくて。そのおもしろさを追求したいと思っていたときに、藤原と知り合いました。

入社の決め手としては、タカラダの存在も大きかったですね。もともとDJとして有名人だったので、ぼくも知っていました。音楽に真摯に向き合ってきたDJが、そのキャリアを活かして音楽制作に取り組んでいる。そこに魅力に感じました。

—これまでの経験が、広告音楽プロデューサーの仕事にどう活かされていますか?

石川:ぼくは自分を「BISHOP MUSICの飛び道具」的な存在だと思っているんです。DJとしてアンダーグラウンドな音楽を紡いでひとつの物語にまとめあげる経験をしてきたので、抽象的な映像でも、音を寄り添わせて気持ちよく仕上げることが得意だと思います。

ともに入社して2年に満たないながら、すでに複数の作品で実績をあげている森さんと石川さん。藤原さんも「大型新人」と太鼓判を押す

ともに入社して2年に満たないながら、すでに複数の作品で実績をあげている森さんと石川さん。藤原さんも「大型新人」と太鼓判を押す

—タカラダさんと石川さんはDJ、森さんは作曲家から転身されたとのことですが、代表の藤原さんご自身はどのような経歴をお持ちなのでしょうか?

藤原:私は20代をずっと海外で過ごしました。ワシントン州の大学で音楽理論とアートを専攻したあとニューヨークに移住して、作曲やレコードのリリース、バンドのプロデュース、DJ、リミックスといったアーティスト活動をしていたんです。プロデューサーが全員作曲できることがBISHOP MUSICの大きな特徴ですが、海外の作曲家や演奏者とのつながりが強いことも武器のひとつ。これは、私の経歴とも関係しています。

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音楽にも「餅は餅屋」が当てはまる。海外アーティストを起用する理由とは?

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