Interview 私としごと

地味でハードでも構わない。やっと手にしたファッション業界の仕事

株式会社マッシュライフラボ
清水 真奈美(チーフプレス)

キラキラしたイメージを抱かれがちなファッション業界。特にプレスは、雑誌のスナップに掲載されることもあり、華やかな印象が強い。ところが「実際は地味でハードな仕事ばかり」と株式会社マッシュライフラボで「ミラオーウェン」のチーフプレスを務める清水真奈美さんは答える。だが、その言葉とは相反するように、清水さんの表情からは笑顔があふれていた。その理由とは? 外からではなかなか見えないファッション業界の内側について聞いてみた。

プロフィール

清水 真奈美

滋賀県出身。2012年にグループ会社であるマッシュスタイルラボにプレスアシスタントとして入社。ミラオーウェンのデビューと同時にマッシュライフラボに転籍し、現在はチーフプレスとして活動している。

チャレンジと反省を繰り返し、徐々につかんできた手応え。

—聞く限り、かなりお忙しいように思います。何か気をつけていらっしゃることはあるんですか?

清水:プレスという職業柄、人前に出る機会も多いんです。だから、服をうまく見せると同時に、自分もうまく見せないといけないかなって思っています。たとえばネイル。展示会でいろんな方にご挨拶する機会も多いのですが、名刺交換のときって絶対に親指が目に入りますよね。だから親指のネイルに特に気合いを入れたりとか、そういうことを意識的にしているんですが、自分磨きは趣味に近いというか、好きなことでもあって。休日もエステに行ったりウォーキングをしたり。そういうことはもちろん仕事にも繋がるけれど、むしろプライベートとして美容を楽しんでいます。

—雑誌やカタログづくりなど、かなり広範囲なお仕事をされていると思います。実際、どういうときに達成感を得られるのでしょう?

清水 真奈美

清水:そうですね、販売スタッフのようにノルマの金額でラインを引くということがないから、基本的には自分たちで達成感を図ることになります。雑誌やカタログの反響がよくて、問い合わせが増えたとか。あとはお客様の生の声を拾ったりもしますね。まだまだ立ち上がったばかりのブランドなんで、最初はTwitterで検索しても全然お客さんの声が聞こえてこなかったんです。それが最近では毎日何十件もミラオーウェンに関するつぶやきを見つけられるようになって。アップされた写真を見たりすると、自分の仕事がお客さんの手に渡っていると実感できます。「これがかわいかった」とか「店員さんがとても親切だった」とかネットで書かれているのを見つけると、やっぱり嬉しいですよ。

—逆に、何か苦労している部分や失敗してしまうことなどは?

清水:たとえば雑誌やカタログが完成して実際に手にするときは、その過程がどんなに辛くても、涙が出そうになるほど嬉しくなるんです。でも「この雑誌の読者層だったら、もっと可愛い系のアイテムを売り込んだ方が良かったな」など、たくさん考えているつもりなのですが、形になってから気付く反省も毎回必ずあって。その中で「次はこうしよう」「もっとよくできるはず!」っていう目標ができてくるような気がします。そういった悔しさは、次の仕事へのモチベーションになりますね。

—失敗を重ねる中で、やりたいことが明確になっていく感じですね。

清水:そうですね。入社したての頃はわからないことも多かったので、カタログのデザインとかにしてもアートディレクターにお任せしてしまうだけだったんです。でも徐々にたくさんのスタイリストや編集者、デザイナー、モデルの方々と働く中で、私からも積極的に意見を言えるようになってきました。今は自分の意見をアートディレクターに反映してもらい、相談しながら作り上げています。そこはスキルアップしているのかなと思いますし、やりがいも感じられています。

仕事の根底にあるのは、守りたいブランドの“らしさ”

—他には仕事をするうえで意識していることはありますか?

清水:やはりブランドらしさでしょうか。ミラオーウェンには、シーズンコンセプトの軸となる架空の女性が2人いて、彼女たちならどうするか? というのがひとつの指針になっています。「31歳、グリニッチ・ヴィレッジ在住でIT企業で働いている」とか「週数日パートで働いているブルックリン在住の主婦」のように具体的な人物像を作り、それぞれのワードローブを想像しながら一つ一つの服が生まれているんです。また、テーマとして「ハッピー」も掲げているので、そのイメージに合った見せ方を意識しています。ベーシックな服が多い分、全体的にネイビーなど落ち着いた色の商品が多いからこそ、どうやって楽しげな雰囲気を伝えるかが重要で。

—具体的には、どんな工夫を?

清水 真奈美

清水:例えば、カタログ撮影でモデルを決めるときも笑顔はとても大事にしていて、選定の際には全身の写真に加えて必ず笑顔の写真も見てから決めるようにしています。コンサバな服をコンサバな顔立ちのモデルさんで表現しても、なかなか印象に残りづらくなってしまうんですよね。だから、はにかんだ笑顔ではなく、あえてくしゃっとした満面の笑みが印象的なモデルさんにこだわったり。あとは写真の撮り方もライフスタイルを感じるように、動きを多めにした写真を増やしたりと、様々な工夫を凝らしています。

—それはカタログや雑誌以外の仕事にも活かされているんでしょうか?

清水:はい。たとえばファッションショーで流す音楽とかも絶対に暗い曲はかけません。弊社のブランドは各プレスと社長で決めているんです。デスクワークしているときはひたすらYoutubeで普段聞かないジャンルの音楽も広げて聞くようにしていて。「この曲はイメージに合うな」とか考えながらセレクトしています。

—ミラオーウェンを今後こうしていきたいというビジョンもありますか?

清水:現在、ミラオーウェンは5シーズン目で、試行錯誤しながらどんどん良くなっている実感があるんです。おかげさまで徐々にブランドの認知度は上がってきています。でも、世の中にはまだまだミラオーウェンのことを知らない方がたくさんいるのも事実。グループ会社で展開しているルームウェアブランド「ジェラートピケ」は女性だけでなく、男性でも知っている人が増えてきました。だから、あと3年でそのくらい認知度があがるようにしていきたいと思っています。

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清水 真奈美
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来年の4月に結婚式を控えているので、海外のウエディングブックを見て参考にしています。説明文が英語なのでまったく読めないんですけど、写真を見ているだけでもすごい雰囲気が伝わってくるのでオススメです。やっぱり目立ちたがり屋だから「こんな結婚式、今までに行ったことない」って言われるくらいのものにしたいんですよね(笑)。

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