Interview 私としごと

大学を中退してでも、私はここで技術を磨きたかった

BASE株式会社
野畑 友紀子(エンジニア)

「誰でも無料でECサイトが持てる」という新たな流れを生み出したネットショップ作成サービス『BASE(ベイス)』。野畑友紀子さんは、その運営会社であるBASE株式会社に勤めるエンジニアだ。社内唯一の女性エンジニアとして、今では第一線で活躍する彼女だが、大学に入学するまではプログラミングは何も知らなかった。なのに、大学2年の頃にはフリーランスのエンジニアとして活動していたという。そこから2度の挫折を経て、BASEと出会った。その過程には一体何があったのだろうか?

プロフィール

野畑 友紀子

愛知県出身。1990年生まれ。立命館大学4年の時に大学院に合格するも、休学。在学中にエンジニアとしてBASEでインターンを開始。その後、大学を中退し、BASEに入社。主にAPIの開発を担当している。

大学中退という選択と、スタートアップの可能性に賭けた想い

—昨年の9月には大学を退学したそうですね。残りあとわずかで卒業だったのに、どうして退学を決断したんですか?

野畑:もちろん大学に戻ることも考えたのですが、そうなると一時的にBASEを辞めなければいけませんでした。でも、新機能もどんどん実装してBASEが急成長している中で一旦離れるのはもったいないなと思ったんです。 そして何より、ここでの数ヶ月は、学校に通っていた数年間よりも成長できた実感があった。だったら、今さら大学に戻る必要はないんじゃないかという結論に至ったわけです。

—大学を辞めることについて、両親から反対はされなかったのですか?

野畑 友紀子

野畑:されましたね。でも、大学とBASEのどちらに戻れなくなるのが嫌かと考えたときに、大学に戻るという選択肢は選べなかったんです。だから、両親には自分の率直な想いをぶつけました。そしたら「そこまで言うんだったらやってみなさい」と理解してくれて、今では応援してくれています。

—BASEに参加してからはじめて担当した仕事を覚えていますか?

野畑:バグをひたすら修正していましたね。当時は毎朝メーラーを開けるとおびただしい数の修正依頼が届いていて、それをひとつずつ直していくことで1日が終わる感じでした。あるときは、ツイッターでユーザーから修正依頼を募って、数時間で対応していくという代表・鶴岡の思いつきイベントみたいなこともやりましたよ。ほぼ文化祭ノリですね(笑)。かなり無茶ぶりだなとも思いましたが、ユーザーからは概ね好評を得ることができたので、すごく楽しかったです。あとは、それと合わせてコードの整理もしていました。

—コードの整理、というのは?

野畑:表向きからではわからないことなんですけれど、エンジニアとしてはやっぱりきれいなコードを書きたいんですよね。それまで自分でゼロからサイトを立ち上げることばかりだったので、BASEに入って既存のコードを直すとなったら、人の書いたコードを修正しなければならない。でも、他人の書いたコードが全然読めなくて(笑)。初期段階のBASEはスピード重視だったので、コードがごちゃごちゃしていてちょっと読みにくかったんです。「私だったらもっとキレイに書くのに!」と思いながら、少しずつ直していきました。ウェブサービスの開発となれば、私の後からコードを見る開発者にとっても読みやすいものを書くべきだと思いましたし。

—ウェブの受託制作をするのとは違ってウェブサービスは継続的に運営していく必要あると思います。その中で、先ほど野畑さんが言っていたようにバグの修正など作業も多いと思うのですが、やりがいを感じるのはどんなところでしょう?

野畑:やはりユーザーさんからいただく声ですね。「使いやすくなった」とか「改善してくれてありがとう」とか、ちょっとしたことでも喜んでくれる人がいるからこそ、頑張れるのだと思います。逆に自分のせいで不具合が起きたり、なかなか改善策が閃かないときなどはヘコみますね。最近だと、地元の高校の先輩からサービスを利用しているという話を聞いてとても嬉しかったです。もっと身近な人に使ってもらえるようなサービスにしようという活力になりましたね。

女性エンジニアならではの意見を、サービスに活かしたい

—2012年11月の立ち上げからもうすぐ2年が経とうとしていますが、BASEの現状についてはどのように感じていますか?

野畑:もちろんBASEもパワーアップし、個人で使う分には使い勝手はかなりよくなっていると思います。商品だけでなく自分の技術を売ったりと、これまでのECサイトにはなかったユニークな出店も数多くありますしね。ただ、新機能を追加するたびにユーザーさんから改善案をもらうこともあるので、そういったものをひとつずつ対応していく必要は未だにあります。あとは技術が常に進歩しているので、見た目のシンプルさをキープしながら、いかに使いやすいサイトにしていくかというのが課題になっていますね。

—メンバーの数も増えているんですよね?

野畑 友紀子

野畑:そうですね。現在は社員も30人ほどにまで増えて、マンパワー的にも技術的にもできることが多くなってきました。社内でもCTOを中心にエンジニア勉強会を開催したり、美しいコードを書く方法はもちろん、互いに開発技術の知識を持ち寄るようなシーンも増えています。それ以外では、私自身の心の持ちようも変わってきたのかなと思います。もともとすごく心配性なんですが、メンバーの中にはどんなことが起きてもまったくへこたれない人がいて(笑)。「うまくいくまで諦めずにやってみよう!」みたいな勢いで、なんでもやってみるというスタンスなんですよね。きっとスタートアップにはこういう人の存在が大事なんだと思います。なんでこんなにポジティブなんだろうって思う反面、自分もちょっとしたことでクヨクヨしてられないなっていう気持ちになってきました。

—今後どうしていきたいかは考えていますか?

野畑:女性エンジニアが活躍できる環境をきちんとつくっていきたいですね。どうしてもエンジニアというと男性の仕事というイメージの方が強いので。男性の視点と女性の視点、その両方があった方がサービス設計の観点でもより良いサービスを生み出せるようになるはずです。その第一歩としてまずはBASEに一緒にランチに行ける女性のエンジニアを見つけたいです(笑)。うちには女性社員はいるのですが、エンジニアとなると私だけ。女性らしい開発者の意見をもっと広げていきたいですね。

—もう起業は考えていないんですか?

野畑:それはまだわかりません。でも、エンジニアとしてずっとものづくりに携わっていきたいとは思っています。起業しなくても、BASEの中で何か新しいことを始められるかもしれませんし。あとは、今でも音楽は好きなので、アーティストを支援するようなサービスや、音楽をもっと楽しめるような企画もいつか実現できたらいいですね。

いまこれがオススメ

野畑 友紀子
「アバウトライフ・コーヒーブリューアーズ」のLATTE
“From Seed To Cup”をコンセプトにしたコーヒスタンド。会社のある道玄坂にあるのですが、家から職場までの途中にあるので毎朝の通勤時に買っています。もう習慣になっていますね。アバウトライフの丁寧に淹れられたコーヒーを飲むと、今日も1日頑張ろうと思えるし、気分転換として飲むと心がホッと落ち着くので、とても気に入っています。 http://goodcoffee.me/coffeeshop/about-life-coffee-brewers/

この業界で人材を募集中の企業