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第7回:「目の前に降りかかる火の粉を払ってるだけ」博報堂ケトル・原利彦【前編】

『AbemaTIMES』の恩納力さんが、最前線で活躍する編集者の「リアルな声」を聞き出すこの連載。今回のゲストは博報堂ケトルの原利彦さん。プロデューサーという肩書きながら、広告の企画からメディアの編集、さらにはラジオ出演まで、幅広いお仕事をカバーする秘訣に迫ります!

    Profile

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    恩納力

    3度の飯より仕事が好き!仕事は断らないプロ社畜です。ブラック企業や様々なダーティー&ハードワークを経て、2016年4月から株式会社AbemaTVに入社。やっと試用期間が終わりました。好きな言葉は「最低でもランナーを進めろ」。好きなプロ野球選手は、ブライアント(近鉄)。

    社会にコミットするのが仕事しかない

    原:今日、急に呼ばれたんだけど、ただ喋ってりゃいいんですよね?

    恩納:そうです、そうです。オレが話したい人と勝手に話して帰るだけですから!

    CINRA:……。

    原:うっかり載せちゃうと大変なことになりそうですね。

    恩納:一発で懲戒いかせる自信はありますね。……二人とも(笑)。

    原:(笑)。まあ、なんでも話しますから大丈夫ですよ!ところで、これなんですか?

    博報堂ケトル・原利彦さん

    博報堂ケトル・原利彦さん

    CINRA:(CINRA JOBの説明をはじめる)

    原:オシャレなサイトなのにねぇ……大丈夫ですか?

    っていうか、恩納さん、初めて聞いた!って顔してるじゃん!

    恩納:連載7回目にして初めてサイトの趣旨とか知りましたよ!アップされた記事も見てませんからね(笑)。

    CINRA:こういうコーナーがあってもいいかなと(笑)。

    恩納:昔は大洋・進藤、ヤクルト・ミューレン。今なら日ハム・レナードみたいに下位打線で振り回す奴がいましたよ。そういうことだよね。

    CINRA:全然分からないんですが……。

    恩納:分かりやすく日本ハムファイターズで説明するよ。

    1番西川、3割40盗塁してくる韋駄天ね。2番中島卓、どんだけファール打つんだっていう粘りっこさ。ここでもう投手は疲れるのよ。3番DH大谷はもう手つけらんない。

    で、4番にヤンキーみたいなのに意外にチームバッティングできる中田翔がドンといる。5番には足も長打もある陽岱鋼。俺は陽は1番が良い派なんだけどね。6番にメジャー帰りのベテラン田中賢。ここも足もあるし、繋ぐのよ。

    もうここまでで投手は何球投げてんだって感じになるし、球筋も見破られてくるんだよ。そこで、下位打線にバンバン振り回すレアードが来るんだよ。寿司が好きなんだよね。

    (野球の話なのでカット)

    AbemaTV・恩納力さん

    AbemaTV・恩納力さん

    恩納:我々は伝説の『THE HARDWORKERS』(※AOLで展開されていたWEBメディア)ですから。

    原:日曜朝7時から読者を呼んで忘年会企画したりね。バカでしたねえ~(笑)。

    CINRA:忘年会、周りの知り合いが行ってました。行きたかったです!

    原・恩納:なんの意味もないよ!

    恩納:『THE HARDWORKERS』は無期限活動休止状態ですけどね。まあ復活の声も聞かれませんけど。

    原:ただの悪ふざけでしたからね(笑)。

    恩納:でも、めざましテレビに取り上げられて、カトパンが微笑んでましたからね!あれで燃え尽きました。

    CINRA:お二人はよくお仕事をご一緒するんですか?

    恩納:もう4、5年ですかね。オレがなんか媒体やるって時に必ず声かけます。

    原:そうなんですよね!これもいつも急に「原さん!こういうのやろうと思ってるんで手伝ってください!」って。

    恩納:本当にそうなんですよ(笑)。いつでも「NO 資料 NO LIFE」。話がめっちゃ早いですしね。

    原さん、媒体すげえやってるのに、こういう取材ってあんまり出ないですよね。

    原:声かかりませんね。まあ、僕は編集者というよりは、広告会社の営業ですからね。というか、今回も急に「空いてますか?ちょっと行くんで!」って言われただけですから(笑)!

    恩納:原さんは日本でもトップクラスの仕事好きですよね。赤坂だとベスト3には絶対入りますよ。

    原:そんなことないですよ!でもそんな嫌なことはないんですよね。自分で言うのもなんだけど、ケトルって普通にいい会社なんですよ。

    恩納:ケトル、自由っすもんね。でも、原さんホント忙しそうっすよね!

    原:僕も40歳過ぎて独身で、社会にコミットするのが仕事しかないんですよね(笑)。でも、「働いてる」みたいな意識もないんです。

    恩納:北斗神拳の究極奥義・無想転生ですね。

    嶋さんとは「前田日明とヴォルク・ハン」の関係

    原:ケトルはお陰様で10周年なんですけど、僕は2009年から参加したんですよ。もともとは博報堂本体にいて、志望して来たわけじゃなくて。

    恩納:我らハードワーカー族のラスボス(※ケトル代表取締役社長・嶋浩一郎さん)に……拉致られたんですか?

    原:(笑)。嶋さんに「ケトルの営業やる?」って言われて、「えーっと……」みたいにフワッと答えてたら、いつの間にかケトルに行くことになってて(笑)。で、当時の僕がいた博報堂本体の部署とケトルの複属になりまして。複属って言っても、50:50じゃなくて100:100ですから。

    恩納:最高ですね(笑)。ドラゴンボールみたいな発想すね。

    原:3年間ね。

    恩納:3年間!?拉致軟禁じゃないですか!現代の法治国家でもあるんですね、そういう話が。

    原:それぞれ仕事振ってくる人は互いのことなんて考えるわけないですから。当然なんだけど、バンバン仕事が降ってきましたね(笑)。でも、楽しかったですよ。

    本体の方は出版CB局っていうところで、それが結果、今の『本屋大賞』、下北沢『本屋 B&B』、雑誌『ケトル』とかに繋がってるんですよ。

    で、2011年にケトルの執行役員になってケトルに専属になりました。執行役員といっても、ただの兵隊ですから。目の前を掘り続けているだけっていうね。

    恩納:ケトルってなんとなく嶋ライン・木村ライン(※代表取締役・木村健太郎さん)ってあるじゃないですか。原さんはもろ嶋ラインですよね?

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    原:2人と仕事もするけど、どっちかっていうと嶋ラインですね。

    木村さんが誘ってきた人はそこはかとなくエスタブリッシュで、広告賞を獲る感じですね。嶋さんの周りにいる人達は……。

    恩納:広島東洋カープですよね。それかイングロリアス・バスターズ。

    原:どぐされ球団(笑)。

    恩納:嶋組の大番頭には我らが中川淳一郎さん(※ネットニュース編集者)が君臨してますから!怖いものは何もない!

    原:僕が言うのもなんだけど、中川さんとか恩納さんとか嶋さんの周りにいる人達ってどこか欠けてる人が多い!不可能を可能にしそうなんだけど、可能も不可能にしそうですからね!

    恩納:ギャハハハ!間違いない!コントロール悪いけど150㎞後半出しまくるとか、2割切ってるけどホームラン50本、毎回ホームスチール試みる……とかそんなノリの軍団ですよね。

    CINRA:嶋さんラインというのはどういう基準なんですか?

    原:嶋さんのただの好みじゃないですかね(笑)?でも、嶋さんと木村さんって対極のように見えるようで、根っこは一緒なんですよ。

    恩納:そういえば、オレと原さんのミーティングって割と朝早いじゃないですか。でも、嶋さんって普通にいますもんね。「やあ、元気?何の話?」とか言って(笑)。

    原:嶋さんは朝6時ぐらいから働いてたりしますからね。中川さんともよく朝ミーティングしてましたね。

    毎年、嶋さん・中川さん・僕で京都に経営合宿に行くのが恒例なんですが、あの酔っぱらい2人はメチャクチャ大変ですから。早く終わってくれって(笑)。10件ぐらいハシゴしますからね。

    帰る時に忘れ物ないか、自分が指差し確認してる(笑)。

    博報堂ケトル・原利彦さん

    恩納:最高すね(笑)。あの、原さんって色んな業務やりすぎててよく分かんないんですけど教えてください!

    原:僕も何屋だか分からなくなってきたんですよ!

    さっき言った下北沢『本屋 B&B』、雑誌『ケトル』、『J-WAVEニュース』、水道橋博士さんと『メルマ旬報』、エレキコミックさんと『エレマガ。』、モデルのラブリさんとWEBマガジン『KILIG』、BS12の『BOOKSTAND.TV』と渋谷のラジオで毎週番組MCやって、赤坂経済新聞、下北沢経済新聞、六本木経済新聞も今度やることになっちゃって。ヴィレバン関係の仕事とか……。もちろんケトルのクライアント対応もやってるし。

    あと、銀座のソニービルにも11月1日から期間限定でB&Bが『本屋EDIT TOKYO』としてオープンしますから!また毎日イベントやるし。これも楽しみですね。

    恩納:カンヌはなんか新設するべきですよ!

    原:目の前に降りかかる火の粉を払ってるだけでなんも考えてないですからね。

    先のこと考えずにやってたら結果的に面白くなってるだけ。色んなことに積極的に巻き込まれようと!

    恩納:そういうマインドになったのはサラリーマンになってからですか?

    原:そうそう。やれって言われたことやってるだけです(笑)。案外できるもんですね。

    恩納:嶋さんと二人三脚ですね。

    原:いや、僕は嶋さんの兵隊ですね。前田日明とヴォルク・ハンみたいなもんです。「前田がボス、私は兵隊だ。」

    恩納:かっけえ(笑)。原さんから見て嶋さんの魅力って何ですか?

    原:最後には、責任とってくれるところですね。

    前にとあるクライアントとトラブルがあって、相手がメチャクチャ怒ってて、僕がずっと説教受けてる時に、夜中にタクシーをブッ飛ばして駆けつけてくれて、謝ってくれたり。こういう人でありたいなって思いました。

    恩納:良い話なのでカットしますね!

    後編に続く

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