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田んぼのように、デザイナーがすくすく育っていく。デザイン会社「TAMBO」でスキルを拡張できるわけ

株式会社TAMBO

株式会社TAMBO

「デザインの力で新しい日常をつくる」をミッションに掲げるデザイン会社「TAMBO」。代表が新潟出身であることから「田んぼ」が社名の由来になっているだけでなく、WORKSに地域色の強い実績が並んでいることもローカルへの寄り添い方が伝わってくる。

大手企業からローカル、そして個人のお仕事まで。さらにはグラフィック、WEB、映像まで。少数精鋭とはいえ、驚くべき幅の広さでデザインの仕事を広げる彼らが、そのスキルを拡張していく背景にはどんなスタンスがあるのだろう? アートディレクター・デザイナーの田辺大弥さんと、WEBディレクター・デザイナーの新(あたらし)紗也香さんにお話しを聞いた。

  • 取材・文:山本梨央
  • 撮影:kazuo yoshida
  • 編集:吉田薫

出自がデジタルでもグラフィックでも、横断して活かせるデザイン会社

ーお2人とも、転職でTAMBOに入社されたとお聞きしました。どういった流れで入社に至ったのでしょう?

田辺:TAMBOの代表である落合(剛之)が新潟の専門学校出身なのですが、ぼくも同じ学校の出身で。卒業後に活躍している先輩として、学校に話しに来てくれたことがあったんです。そのときのご縁から声をかけてもらいました。

ーそれまではどういったお仕事をされていたのですか?

田辺:もともと印刷物のデザインがメインで前の会社に入ったのですが、経営統合のタイミングも重なり段々とデジタル案件が増えていったんです。前職ではそもそも駆け出しだったこともあり、アシスタント的なお仕事が主ではありましたが、媒体に縛られないクリエイティブ制作が経験できたのは自分にとってすごく糧になったと感じています。

そこから、新たな環境にチャレンジしたい気持ちとタイミングよく機会が重なり、TAMBOへの入社を決めました。いままでより幅広い範囲で関わらせていただくことが増え、大変ながらもかなりやりがいを感じています。

田辺大弥さん。2019年、新潟デザイン専門学校グラフィックデザイン科卒業。卒業後、株式会社カラス(現Birdman)にデザイナーとして入社。2022年に株式会社TAMBOに入社。グラフィックデザインをメインに担当しつつ、WEB案件や展示デザインなど幅広く手がける

新:私は前職では、デジタル系のお仕事を担当することが多かったんですけど、グラフィックデザインもがっつりやってみたいと思っていた時期に求人を見つけて応募しました。求人サイトを見たり、WEBデザインのまとまったサイトに載っているクレジットを見て制作会社を探して、その制作会社のサイトを見にいって……というのを繰り返すなかで、TAMBOに興味を持ったんです。WORKSを見ていると、かなり大きなクライアントのお仕事も受けていることが印象的で、入社を決めました。

:新紗也香さん。2016年に北海道芸術デザイン専門学校産業デザイン学科イラストレーション専攻卒業。2016年に札幌市のデザイン会社、株式会社オズに入社。2022年に退社後、2023年に株式会社イデア・レコード入社。主にWEBデザインに携わる。2024年に株式会社TAMBO入社

田辺:たしかに、全国の誰もが知っているクライアントやアーティストのお仕事から、地方創生に関わるようなローカルのお仕事、個人の方からのお仕事まで、少人数ながら幅広く受けているのはTAMBOの特徴のひとつかもしれません。

大手企業のお仕事から個人まで、分け隔てなく取り組む姿勢

ーたとえば、TAMBOらしさを感じたお仕事だと具体的にはどういった案件がありましたか?

田辺:昨年、メルカリさんのお仕事で「うちの実家」という没入型施設のビジュアル制作を担当しました。これは、メルカリで実際に出品されている懐かしいものを集めて、昭和・平成レトロな擬似実家を再現するというイベント。TAMBOはビジュアル周りを担当させていただいたのですが、展示チームと密に連携していくことで、どんなものが会場に置かれていたらよいかなど、企画の根本の部分から関わっていけたのは印象に残っています。プロジェクトを進行するなかで全体に関わりを広げていける、というのはTAMBOでよくあるお仕事の流れではあると思いますね。

アートディレクション / デザインを担当したメルカリの展示企画「ウチの実家」。
mercari – TAMBO

ーローカルのお仕事もあるとのことですが、進め方の特徴などもあるのでしょうか?

田辺:代表もぼくも新潟出身ということもあり、新潟のお仕事は比較的多いかもしれません。大きな案件に関わりたいという気持ちだけでなく、地方と密に連携していきたい、という気持ちも大切にしていますね。進め方の特徴という点で言えば、たとえば特産品のブランディングだと扱う商材自体が自分たちの馴染みの食品だったりする。そうすると、クライアントとのコミュニケーションも早いというか、顧客理解が深いというところはあると思います。

ーデザインをする上で、大手企業とローカルのお仕事での違いはありますか?

田辺:ローカルな商品は、場合によっては一般流通ではなく、「道の駅」などで販売されることがメインになるなど、独特の流通もあるんです。そうすると、パッケージのつくり方やディスプレイ、什器など制約なくできる部分も多かったりして、自由度が高くなるということはありますね。

新潟でパン製造を行なっている企業とともに新潟の米を活用したクッキーを製作した。
RICE – TAMBO|デザインの力で新しい日常を作る。

ー自由度が高いという点は、TAMBOさんのWORKSに掲載されている個人のクライアントからのお仕事でも感じます。

田辺:そうですね。最近、居酒屋のロゴデザインを担当したのですが、クライアントが個人経営のお店で、なおかつダイレクトということもあって、提案から完成まで密に連携しながらつくり込んで進めることができました。大井町にある「よしだや」さんという居酒屋さんなんですけど、個人経営のお店だからこそ、自分たちのデザインやブランディングが役に立っていることも実感しやすいです。

田辺さんがロゴデザインを担当した大井町の居酒屋「よしだや」

グラフィックを学んで得た「気の引き締め方」をデジタルに活かす

ークライアントの大小ではなく、どんなお仕事にも誠心誠意取り組んでいらっしゃるのが印象的です。業種の幅だけでなく、グラフィックからデジタルまで手がけているとのことですが、デジタルで印象的だったお仕事はありますか?

新:「スイカゲーム」の公式サイトリニューアルのデザインを担当したのですが、ビジュアルだけでなく動きにもかなりこだわって制作しました。このゲームはいろいろなフルーツを落として進化させていくゲームなのですが、ゲーム特有の、フルーツが震えたり、回ったり、くっつくと弾けたりするような動きが気持ちいいんです。実際に自分でもプレイしてみたり、実況動画などを見たりしながら、楽しくて可愛い雰囲気をサイトでも表現できるように工夫しました。

新さんがデザインを担当した「スイカゲーム」公式サイト
スイカゲーム 【公式サイト】 | Aladdin X Inc.

ー新さんはデジタルだけでなくグラフィックにも挑戦したいという気持ちで入社されたとおっしゃっていましたが、実際に担当できる案件の幅は広がりましたか?

新:いまは割合としてはWEB制作が多くはありますが、ロゴのデザインやビジュアルづくり、グラフィック制作も担当しています。WEBの制作だと、自分がデザインしたものをコーダーさんが実装するときに委ねる部分もありますし、エンドユーザーのデバイスによっても感じ方が変わります。だから、ある程度誰かに委ねる部分が出てくるもの。でも、グラフィックだと下版されたらその内容、その大きさで完成です。気の引き締め方が少し違うかも、と感じました。

ーWEBとグラフィック、両方を経験したことで仕事の仕方に影響は出ていますか?

新:グラフィックで気の引き締め方を学んだことで、WEBでも全部のデバイスで一律に見え方をコントロールすることは難しいにしても、ある程度ビジュアルがしっかり担保されるようにこだわっていこう、という気持ちはより一層強くなりました。

一人ひとりのスキルを拡張するために、どうポジティブに取り組むか?

ーおうかがいしていると、担当範囲の幅も広く、お一人ずつの裁量も大きいように感じます。社内ではどのようにお仕事を進めているのでしょう?

田辺:いまは代表の落合経由の仕事が多いですが、自分がやりたいことがあれば広げるチャンスはたくさんあります。そういう意味でも自由度は高くて、いろんな仕事にアサインしてもらえるので、「何かひとつだけをやる」というよりも、「できることをやらせてもらって、自分のやりたいスキルを拡張していく」というイメージです。

新:それこそ、グラフィックやWEBといったデザインのアウトプットだけでなく、企画書を自分でつくって、提案するという部分まで担当させてもらえたのも、やりがいを感じられましたね。また、最近は動画に携わることも増えてきました。

デザイン以外のところも担当できるからこそ、案件のすべてに関われているという実感が湧きますし、モチベーションにもつながりますね。

ー最後に、どのような人がTAMBOに向いていると思うか、お聞かせください。

新:TAMBOに入ってから、自分がこれまでにやったことのなかったことに挑戦することが多く、経験がどんどん積み上げられているという実感があります。トライしたことを反省点も含めてしっかり振り返ることで、案件をこなして終わるだけでなく、自分の武器を増やす機会になっていると思います。

そんなふうに場合によっては小さな「失敗」ともいえることを、ポジティブにとらえて成長につなげられるタイプの方は向いているかもしれません。

田辺:まだ人数の少ない会社なので、自分でやらなければならない範囲は多いです。それをやりがいと感じてもらえる人は合っているかなと思います。「自分でもこういうことをやってみたい」という能動的な気持ちがある方は、仕事につなげていけるチャンスの多い環境だと思いますね。

Profile

株式会社TAMBO

田んぼのように、ブランドを育てていきたい。
「TAMBO」という社名には、新潟出身である代表のそんな思いが込められています。

私たちのもとに届くデザインの相談は、ロゴやキービジュアル、パッケージ、グラフィック、WEBとさまざま。入り口がどの形状だったとしても、お客様の「ブランド」の一端を担うことには変わりありません。

掲げているミッションは「デザインの力で新しい日常を作る。」。

課題や企業 / プロジェクトのイメージをお客様からヒアリングしながら、ビジュアルをゼロからつくり上げて提案することが多い会社です。

自分たちでつくり上げたものが、商品のパッケージやWEBサイト、お店の内装、CDのジャケットなど、一人ひとりの生活のなかで「新しい日常」の一場面になる。そういったやりがいを感じていただける環境だと思っています。

デザイナーといえど、パソコンに向き合い続けるのではなく、なるべくたくさんの人と出会い、話したほうが刺激になるはず。会社として、定期的にコピーライターやカメラマン、広告代理店のプロデューサーなどさまざまな方をお呼びして交流する「TAMBO会」という機会も設けています。最近では積極的にローカルのお仕事も増やしており、新潟、秋田、福島、長野、神戸など、出張のチャンスが多いのも特徴のひとつです。

いろいろな方と出会い、刺激を受け、デザインをつくり、そのデザインが新しい日常をつくる。そんな好循環のなかで、一緒に「ブランドを育てる」ことに関わってくれる人を募集します。

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