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変化を楽しむ人、求む。「ボールド」なクリエイティブを生むmaxillaの思考

株式会社Helixes

株式会社Helixes

ONE OK ROCKやSuchmos、米津玄師ら人気アーティストのMVにはじまり、アートワークのデザインや舞台演出、インスタレーションの制作まで幅広く手がける、株式会社Helixesのクリエイティブチーム「maxilla(マキシラ)」。

約10年前に仲間同士のコミュニティーとして始まってから、「停滞はゆるやかな死」という考えのもと、実績を積み上げるとともに活動範囲を広げてきた。

これまでメディアに露出せず、大胆で日本人離れした作品を粛々と世に送り出してきた彼らの、ぶれない「こだわり」とは。始動当初からのメンバーである志村龍之介さんと八木光平さんのお二人に、プロデューサー兼サウンドディレクターの鈴木聖也さんを交え、話を訊いた。
  • 取材・文:村上広大
  • 撮影:玉村敬太
  • 編集:服部桃子 / 原 里実(CINRA)

仲間うちのコミュニティーが会社に。転機となったONE OK ROCKのMV受賞

いまから10年ほど前、仲間同士のゆるやかなつながりから生まれたというmaxilla。転機となったのは2013年のこと。ONE OK ROCK『The Beginning』のMVが、『SPACE SHOWER TV MUSIC VIDEO AWARDS』で受賞作品に選ばれた。

志村:活動を始めたのは2009年。ぼくは学生時代から、知人のバンドのMV制作や撮影をしていたのですが、その活動のなかで当時音楽雑誌の制作をしていた八木と知り合いまして。

株式会社Helixes CEO兼maxilla事業部ディレクターの志村龍之介さん

株式会社Helixes CEO兼maxilla事業部ディレクターの志村龍之介さん

八木:当時はぼくも大学生でした。それでぼくたち二人を含む数人で、さまざまなバンドのクリエイティブのサポートを始めたんです。とはいえ、その頃は松屋で牛丼も食べられないくらい困窮していましたね……。

株式会社Helixes COO兼maxilla事業部プロデューサーの八木光平さん

株式会社Helixes COO兼maxilla事業部プロデューサーの八木光平さん

志村:ONE OK ROCKさんのMVで賞をいただいたことをきっかけに、仕事の規模が大きくなっていきました。


ONE OK ROCK『The Beginning』

映像制作にとどまらず、舞台演出やアートワーク、インスタレーションの制作まで

以降、SuchmosやMAN WITH A MISSION、キュウソネコカミ、マキシマムザホルモンなど、そうそうたるアーティストのMVを手がけるようになった。なかでも、2017年に発表された米津玄師『春雷』のMVは、美術家のHouxo Que(ホウコォキュウ)による花のグラフィックとペイントディスプレイが印象的な映像だ。


米津玄師『春雷』

八木:この案件は、ぼくがプロデューサーとして入って、社内のディレクターと二人三脚で取り組みました。米津さんの人気はすでに不動のもので、ファンはもちろん、レーベルや事務所からも大きな期待を寄せられていたので、その分プレッシャーもありましたが、担当ディレクターがとにかく頑張ってくれました。もともとモーショングラファーとしてやってきた人なのですが、その経験や彼の好きなものが存分に活かされていると思います。

MV以外に、企業のブランドPVやアニメのオープニングムービーなども手がけるmaxillaだが、そのクリエイティブ領域は、映像制作にとどまらない。アートワークのデザインや舞台演出、ときにはインスタレーションの制作まで行うという。

志村:2015年にauが「Hello, New World」という大規模キャンペーンを展開した際には、六本木の東京ミッドタウンに『warp cube』というインスタレーションを制作しました。

LEDディスプレイで囲まれた巨大キューブのなかに入ると、360度の映像が投影され、万里の長城やグレートバリアリーフ、富士山といった世界の絶景を体感できるというものです。代理店からの依頼案件で、maxillaが担当したのは演出だけだったのですが、世界中を飛び回りながら、現地のプロダクションやカメラマンと相談して進めていきました。


warp cube

「停滞はゆるやかな死」。幅広い事業から生まれるシナジーとは

多事業化に伴い、maxillaの母体として株式会社Helixesを設立。maxillaのほかに、ウェブサービスやアプリケーションの開発などを手がける「Roppyaku」や、アパレルブランドの「名 [NA]」などを事業部として抱えるまでに成長した。

八木:maxillaとしていろいろなクライアントと仕事をさせてもらうなかで培ってきた力を、ほかのことにも活かせないか? という思いから、徐々に活動のフィールドが広がっていきました。

志村:社名であるHelixesの語源となった「helix」には「螺旋(らせん)」という意味があるんです。無限に上昇し続ける螺旋構造に、「前に進み続ける」ぼくたちの姿勢を重ねています。

停滞することって、ゆるやかな「死」だと思うんです。だからそれだけはしないように心がけています。たとえ失敗する可能性があっても、どんどんアップデートしていく。ほかにも会社はたくさんあるわけなので、ぼくらじゃないとできないことを常に探しているんです。

八木:実際、受託のほかに自社事業も手がけることで、シナジーが生まれています。例えばぼくは「comicspace(コミックスペース)」という漫画関連のウェブサービスを担当しているのですが、アプリやウェブメディアの開発、運営の経験はほとんどゼロの状態からスタートしたんです。そこで得た知見を、受諾案件の提案にも活かせるようになったし、可能性の幅が広がりました。

マンガの口コミ情報サービス「comicspace」

マンガの口コミ情報サービス「comicspace」

志村:ぼくは自社のアパレルブランド「名 [NA]」をプロデュースしているので、アパレル系のクライアントと仕事をするときは相手の立場に立って仕事ができますね。

「名 [NA]」が手がける、攻殻機動隊のロゴを使用したアパレル商品

「名 [NA]」が手がける、攻殻機動隊のロゴを使用したアパレル商品

志村:それから、「名 [NA]」はアニメや漫画、ゲームなどの作品ロゴを使用したアパレルを制作しているという意味で、「IP(知的財産)ビジネス」でもあるんです。この経験が活かされたのが、2019年に制作した、Netflixの『新世紀エヴァンゲリオン』全世界配信の予告PV。既存のコンテンツを活用するIPの知見があったぶん、攻めたアウトプットを展開できたと思います。


Netflix『新世紀エヴァンゲリオン』全世界配信予告PV

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ぶつかるときはとことん話す。「ボールド」なクリエイティブが生まれる理由

ぶつかるときはとことん話す。「ボールド」なクリエイティブが生まれる理由

アップデートしつづけることをモットーとするからこそ、自分たちの感性を磨くことには労力を惜しまないという。社内でも、気になるニュースや世間で話題のクリエイティブについて、活発に意見を交わすそうだ。そんなmaxillaの個性とは?

八木:なんだろう。ひと言で表すのはすごく難しいですね。あまり普遍的なものがないから。メンバーそれぞれの個性が集約されるとmaxillaらしくなるのかもしれません。

志村:ただ、制作する際に「ボールド(大胆)であること」を共通のマインドとして持つようにしています。具体的に言うと、「余計な説明をしなくても響く、思い切りのいいクリエイティブをつくる」というスタンスです。

もちろん、それぞれに感性は異なるのでズレが生じてぶつかり合うこともあるんですけどね。そういうときはとことん話し合う。そうすることで、よりアップデートされたものがつくれている気がします。

八木:メンバーのなかで話題にのぼるクリエイティブも、日本に限らず海外のものも多い。そういう意味では海外志向が強いのかもしれません。日本に閉じこもるより、世界を舞台にすればできる仕事も増える。視野を広く持ちたいんです。

こうしたmaxillaの骨子となるマインドを形成してきたのが志村さんや八木さんだとしたら、そこに肉づけをしてさらに強固な体制へと進化させたのが転職組の存在だろう。2015年に入社したサウンドディレクターの鈴木さんの目には、maxillaはどのように映っているのだろうか。

鈴木:前職の頃から一緒に仕事をする機会もあったんですが、いい意味で内と外の印象が変わらないのがmaxillaなのかなって。攻めの姿勢を大切にしているし、新しいことにも寛容です。

あと、インプットとアウトプットの量がすごく多い。そのなかでぼく自身、ものづくりへの姿勢が変わった気がします。CMやPVの音楽制作でいうと、maxillaは社内に映像ディレクターがいるのでアイデア出しの段階から密なコミュニケーションを取りながら進められる。音楽の考え方や使い方の幅も広がったと思います。

サウンドディレクター / プロデューサーの鈴木聖也さん

サウンドディレクター / プロデューサーの鈴木聖也さん

海外展開にも注力。「やりたい」熱量を持てる領域で、できることを広げていく

「海外志向が強い」というキーワードも出たが、実際にmaxillaの作品を見た海外のクライアントから、依頼を受ける機会も徐々に増えているという。今後はどのような展開を見据えているのだろうか。

志村:ぼくや鈴木を含め、社内には英語ができるスタッフもいるので、好きを仕事につなげられればいいなと。最近ではグローバル規模で活躍するクライアントとの協業も増えてきたので、よりそういった動きを強化していきたいです。

また、IPビジネスにももう少し力を入れたいですね。熱量のあるコンテンツをつくって、それを起点にしたコミュニティーを形成できたらすごく面白いと思うんですよ。しかも、うちならコンテンツをつくるところから、広告制作やメディア運営のノウハウを活かして広めるところまでセットでできる。そのためにいまはいろいろと画策しています。

鈴木:音楽制作についても日本だけにとどまらず、もっと海外のアーティストと一緒に組んでいけるようにしたいですね。maxillaとしてできることを、2倍3倍と広げていきたい。

志村:とはいえ、無理に何かをやる必要はなくて。自分のなかに「やりたい」という熱量がないとやっぱり続かないし。そういう想いを持てるものを、どうやってかたちにしていくか模索していければと思っています。

業界未経験でもOK。求めるのは、アップデートをさらに加速させる人

今回の求人では、maxillaで働くプロダクションマネージャー(PM)とインターンを中心に、ほぼ全職種に渡って募集したいという。どのような人と一緒に働きたいと考えているのだろうか。

志村:PMはいろんな人とやりとりすることになるので、コミュニケーションが上手な人が理想です。柔軟な姿勢で、どんどんアクションできる人が向いているなと感じます。

八木:だから、映像業界の経験者じゃなくてもよくて。知識なら、現場を何度か経験すれば自然と追いついてくる。むしろ「広告やウェブの制作をしていた」とか、「デザインができる」「多国語を話せる」とか、これまでの経験を活かして一緒に成長していければと思っています。

鈴木:欲をいえば、オープンマインドで、いいものも悪いものも咀嚼して、自分自身の学びにつなげられる人だと嬉しいですね。

志村:インターンは、ぼくたちのサポートからスタートになりますが、実力次第ではどんどん仕事を任せていきたいと考えています。

八木:昔は年齢や経験が重要視される業界でしたが、いまは若くても実力がある人が重宝されるようになってきているように感じます。ぼくたち自身も「純粋に制作物で判断してほしい」という考えで、少し前まではメディアに顔を出さずに活動していたのですが、もっといろんな人にmaxillaを知ってもらいたいという規模になってきました。

志村:今後はより大きなプロジェクトを手がけていくと同時に、キャンペーン全体を手がけられるような組織へと変化していきたいと考えています。

八木:それが実現できると、より上流から携われるようになるので、例えば商品のプランニングから参画するなど、これまでとレイヤーの違う仕事も増えると思います。だからこそ、「俺らはこうじゃないといけない」と変にこだわるのではなく、どんどん変化していきたい。それを一緒に楽しめる人と出会いたいですね。

現在maxillaでは一緒に働くメンバーを募集中です! 詳しくは、こちらから。

Profile

株式会社Helixes

当社は、映像、音楽、ゲーム、漫画といったメディアで展開されるコンテンツIPに特化した事業創出会社です。コンテンツIPにおける文脈を理解し、メディアを複合的に混ぜ合わせて最適にビジネスをデザインすることで、事業や製品をマーケットフィットさせます。

現在は、クリエイティブエージェンシー / プロダクション事業、キャラクターアパレル商品化事業、VTuber事業を運営しています。

未だ感じたことのない価値観、感覚、熱量に出会うべく、ブランドや社会を先へ進められる事業をこれからも創出し続けることが私たちのミッションです。

さらなる事業規模拡大に伴って、それぞれのグループにおける各ポジションを募集します。

URL:https://helixes.co/

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