CINRA

いま求められるのは、多角的なプロ目線。LIGHT THE WAY がジェネラリストを育てる理由

株式会社ライト・ザ・ウェイ(LIGHT THE WAY Inc.)

株式会社ライト・ザ・ウェイ(LIGHT THE WAY Inc.)

  • #スキルアップしたい
  • #若手が活躍できる
  • #新卒
映像を軸としたデザイン会社、LIGHT THE WAY。彼らは、映像やグラフィックデザイン、ウェブデザインなど幅広いクリエイティブを制作するほか、コンセプト策定やプロモーション設計など、プロジェクトの企画段階からコミットすることも少なくないという。

それを可能にしているのが、クライアントへのヒアリングから企画・演出、制作業務まで、同じメンバーが一気通貫して関わる独自の体制だ。なぜLIGHT THE WAYは、完全分業制ではなく、このような制作体制を選んだのか? 代表・西澤岳彦さんにその理由をお話しいただくとともに、ディレクター兼デザイナーの森重宏紀さん、白木悠輔さんに複数領域を横断して担当することの利点や面白さについて聞いた。
  • 取材・文:宇治田エリ
  • 撮影:kazuo yoshida
  • 編集:𠮷田薫(CINRA)

誰でも映像がつくれる時代、ディレクターが食べていくために必要なことは?

―LIGHT THE WAYでは、基本的にクライアントへのヒアリングから制作まで同じメンバーが一貫して担っているとのことですが、その方針にはどのような利点があるのでしょうか?

西澤:自分が手を動かしてつくることができるジェネラリストのディレクターが育つ点が、メリットのひとつだと思います。映像業界は、各々がひとつの領域に特化している分業体制である場合も多く、そうすると「一つの領域に特化したスペシャリスト」が育ちますよね。

しかし近年は、たとえば3DCGソフトも無料で使えるようになるなど、プロだけでなくアマチュアでも、ある程度のクオリティーを持った表現を簡単につくれる時代になってきています。素人目で見たら、プロがつくっているものと一見、見分けがつかないものもあるほど。そんななか、3DCGの編集技術だけを一点張りでひたすら磨き続けるのは、これからの競争が激しくなる時代に適した生存戦略とは思えませんでした。

それにひとえに映像と言っても、テレビやウェブやデジタルサイネージなど既存の考え方のフレームを飛び出た知識を求められることが普通になってくると思っています。そんな時代変換のなかで、すべての領域を完全に網羅するのは難しいとしても自分がもっているスキルがピンポイントで一つだけというのは、今後の案件受注の機会損失になるとも感じていました。ここでは3DCGの制作を事例に出しましたが、重要なのは、ふたつ以上の複数のスペシャリスト領域を持っていて、それらを組み合わせて独自性を高め、強みとして提示できることです。

CEO、ディレクター、アートディレクターの西澤岳彦さん

CEO、ディレクター、アートディレクターの西澤岳彦さん

西澤:LIGHT THE WAYの場合、ディレクターの肩書のあるメンバーはモーショングラフィックスデザインとディレクションのスペシャリスト領域をあわせ持っています。だから、つくり方や動きなど表現の説明ができるだけでなく、それがクライアントにとってどのような価値につなげられるのか、どのように思いを伝えられるか仮設を立て検証し、論理的に裏づけのある説明ができるんです。

―「どういう見た目か」だけでなく「どういう効果を生み出すか」までを考え言語化できる、ということですね。コミュニケーションも円滑になりそうです。

西澤:そうですね。私たちがつくりたいのは、すぐに消費されてしまうようなクリエイティブではなく、できれば長く愛され続けるクリエイティブです。それはクライアントの経営資源となるようなブランディングや、ひいては売上の向上にもつながると確信しています。

そのような効果を出すためにも、1回だけの制作で終わりではなく、クライアントと並走しながらPDCAを回していくことを大切にしています。そのために、一気通貫で企画から制作までできる体制をとり、クライアントとパートナー関係を築けるよう努力しています。

また、プロジェクトの上流から関わることは、クライアントの熱量を直に受け取り、アウトプットにそのまま反映できるというメリットもありますね。

「クライアントの伝えたいことを直に聞いて、結果につながるための表現に落とし込むことにやりがいを感じる」

―森重さんと白木さんは、どのような経緯でLIGHT THE WAYに入社したのでしょうか?

森重:ぼくは大学4年生のときにCINRAの求人を見ていて、LIGHT THE WAYを見つけました。最初は2週間インターンをやり、そこからアルバイトとして数か月働いたのち、正社員として入社しました。

ディレクター、デザイナーの森重宏紀さん (2020年入社)

ディレクター、デザイナーの森重宏紀さん (2020年入社)

白木:ぼくはもともと、「いいものを世に送り出して誰かの役に立ちたい」という漠然とした目標があって、その手段のひとつとしてモーショングラフィックスに注目していました。だけどこの分野において、自分以外に得意な人はたくさんいる。正直それ一本だけで食べていくのは難しいだろうとも思っていたので、多様な経験とスキルが得られるデザイン会社を探していました。LIGHT THE WAYなら、映像を主軸にしつつそれ以外の強みも身につけられると感じ入社を決めました。

ディクレター、デザイナーの白木悠輔さん(2021年入社)

ディクレター、デザイナーの白木悠輔さん(2021年入社)

―入社してからギャップはなかったですか?

森重:「こんなはずでは……」というギャップは感じませんでしたね。インターンからのスタートだったので、正式な入社の前に仕事の仕方やデザインに対する考え方をすり合わせられたのも、よかったのかもしれません。そもそも入社前から、LIGHT THE WAYには「ロジカルに考え、手を動かして、成果物をつくっていく会社」というイメージがあり、そこに好感を持っていて。ぼく自身もロジカルに考えてつくりたいタイプだったので、フィットすると思いました。

もちろん、インターンやアルバイトの段階では、手を動かす仕事を任せられることが多かったのですが、入社してからは直接クライアントと関われるようになり、ディレクションや制作進行など担当範囲が広がりました。初めてのことで苦戦もしたけれど、クライアントの伝えたいことを人づてではなく直に知り、表現に落とし込めることにやりがいを感じています。

白木:ぼくもギャップはそんなに感じなかったですね。制作だけでなく、企画から納品まで、複数領域を横断して担当することで、自分のやれることがどんどん増えていくのはやっぱり面白いです。

―さまざまなことを担当するうえで、難しさを感じることはありますか?

白木:関わる領域が広がると、どうしても自分ひとりのリソースでは足りなくなることがあり、ほかの人と組んで制作にあたる必要がでてきます。そこで難しさを感じたのが、他人にお任せするとき、自分の意図とは違うかたちで伝わってしまう場合があること。その齟齬をなくすためにも、西澤さんが先ほど言っていたように、デザインを論理的に説明する力が必要だと感じますね。

―西澤さんはふたりのどういうところにポテンシャルを感じましたか?

西澤:「After Effectsが使えて、Illustratorでキャラクターなどのデザインができる」という、重要視しているスキルを持っていたのはもちろん、映像が好きで、真面目で、挑戦しようとする姿勢にも魅力を感じました。ゆくゆくは一緒に戦略を立て、会社の今後をつくれるようになることを期待しています。

「メンバーそれぞれに直接仕事がくるよう、顔を売っていきたい」

―森重さん、白木さんが入社されてから関わられた案件で、印象深いものを教えてください。

森重:株式会社アズームが提供する、「駐車場サブリース」サービスのコンセプト映像制作でしょうか。このプロジェクトでは、ヒアリング、企画、演出、進行管理、デザイン、アニメーションの制作までをやらせていただいて。「なぜサブリースがいいのか」「サブリースとは何か」「仕組みから実際に導入するまでのステップ」などがユーザーにわかるように、インフォグラフィックス表現を使い、複数の動画でわかりやすく解説しています。

株式会社アズームが提供する「駐車場サブリース」のコンセプト映像

株式会社アズームが提供する「駐車場サブリース」のコンセプト映像

森重:このプロジェクトでは最適な表現を模索した結果として、個人的に新しいスキル獲得にもチャレンジできたのが大きかったです。具体的に言いますと、弊社のモーショングラフィックスは、2Dの絵としてIllustratorで描き起こし動かすケースが多いです。しかし今回の場合は、リッチな動きを加えることで、よりわかりやすく訴求内容が伝わり、かつユーザーに飽きずに最後まで見てもらえるものになると考えました。

そこで、3Dソフトで車を立体的に回転させられるようにして、2Dの絵と合わせるという方法を採用しています。攻めの姿勢で取り組んだことで、最終的にいいものができた。自分にとって成長につながったと思います。

一方でこの案件は、これまで携わってきたプロジェクトのなかでもかなりボリュームがあり、スケジュールの見通しが甘かったという反省点もあって。次に活かしていきたいですね。

西澤:そうだね。この案件は、伝えたいことが先行したうえで新しい技術に挑戦できたのがよかったというか。制作者自身が熱量を持って取り組んだから、視聴者にも伝わるものになったと思うし、価値のある映像になった。

白木:ぼくはENEOS株式会社のエンジンオイル「ENEOS X PRIME」のグローバル向けのプロモーションムービーが印象深かったです。このプロジェクトは、モーショングラフィックスではなく実写で、西澤さんについてシナリオ作成から映像の演出、編集までの制作に関わりました。初めての実写でしたが、撮影にどんなものを準備するか、何を撮影し、どう演出し、編集するか、一貫して考えるプロセスを踏むことができたのがよかったと思います。

白木:苦労したのは、やはりシナリオ作成の部分です。ENEOSがどんな思いを持ってこのエンジンオイルを開発したのか、それをどういう言葉なら誤解がなく、エモーショナルに伝えられるか。クライアントの思いを言葉に落とし込む作業には、代理店と弊社チームが一緒になってかなり試行錯誤してこだわりました。今回はENEOSが、オイルやレースにかける想いを「ほとばしる熱意を持ち、走り続ける人を技術で後押しすること。この使命を掲げ、新たな可能性を探求してきた。」のように、エモーショナルな表現で落とし込みました。

―お話を聞いていると、一人ひとりの裁量が大きいことに驚きます。西澤さんがいま、課題に感じていることなどはありますか?

西澤:LIGHT THE WAYは、いまはまだまだ代表である私に仕事の依頼が集中しているフェーズです。ふたりが入社した当初から各々がディレクターとしてひとりで活動できるようにしていますが、最初から新人に指名で仕事がくることは少ないので、私の仕事のヘルプに入るかたちになっていて経験を積んでもらっています。

今後はふたりに直接、依頼がくるように、顔を売っていかなければいけないと考えています。一人ひとりが自立しながら、チームでも意見を言い合い、支え合える環境づくりを目指しています。

―そのために、普段からメンバーに対してどのような働きかけをしていますか?

西澤:「なんでこういうふうにつくっているの?」と、よく意見を聞くようにしています。そうしているうちに、彼らにも考える癖がつく。表現を論理的に説明することに加えて、自分がどう感じたかを伝えられるようになることが、その人の個性を活かすことにつながると考えています。

森重:たくさん聞いてくださるので、以前よりもっとデザインをロジカルに深く考えるようになりました。それに、普段から西澤さんとコミュニケーションをとっていると、ぼくからも相談しやすいですね。いまはチャットのやり取りで完結することもできるけれど、テキストだけでは漏れてしまうニュアンスもあるので、些細なことでも直接話して、聞いて、伝えるようにしています。

制度も環境も社員の意見で変えていく。LIGHT THE WAYの成長する場所づくり

―LIGHT THE WAYは、風とおしがいい文化だとうかがっています。特徴的な制度や習慣はありますか?

西澤:月に1回、気になった映像を持ち寄ってプレゼンテーションし合う勉強会をしています。あと社員の誰かが興味を持っている美術展などに、複数人で一緒に足を運ぶこともありますね。

こうした取り組みを行なっているのは、好きなものをシェアし合うことで、その人の「好き」にフィットする仕事を依頼し合うことができるからです。好きなものであれば、自然と熱量高く取り組めますからね。それが結果的に、制作モチベーションの向上と新たな表現への積極的なチャレンジにつながると考えているんです。

森重:最近だと、あるメンバーの発案で、原宿で開催していた『バンクシー展 天才か反逆者か』にみんなで仕事の合間に行きました。また、ぼくが刺繍に魅力を感じていると共有したときは、「近所で刺繍の展示があるよ」と他のメンバーが教えてくれて、一緒に見に行ったりもしましたね。

白木:あとは、年4回の個別面談もあります。そこで自分の想いとか、達成したい目標を聞いてもらい、壁打ちやアドバイスをもらっています。今後は案件ごとに反省会をして、どうすれば改善できるか、みんなで話し合える場ができたら嬉しいですね。

森重:あと外部の人を巻き込んで勉強会を開いてみたりもしたいです。

西澤:少人数なところを活かして、みんなの意見はよければすぐに採り入れたいと思っています。今日の意見で出た案件ごとの反省会はさっそく取り組んでみたいですね。こんな感じで、メンバーのアイデアで会社がどんどん変わっていくのも、うちならではだと思います。

―今後のLIGHT THE WAYは、どのように変化していくと思いますか?

西澤:まだはっきりと決めているわけではありませんが、個々人でできることを増やし、自立しつつも、お互いにLIGHT THE WAYにいる意味を感じられるチームにしていきたいですね。私が得てきた知見は存分にシェアしていくので、それを吸収しながら自分らしく成長していってほしいです。

現状は、どの案件でも私自身がプロジェクトリーダーとして立っていますが、今後は私以外のメンバーだけでチームを組むことがあってもいい。LIGHT THE WAYのメンバーそれぞれの個性が輝くように、会社を成長させていけたらと思います。

森重:ぼく個人としては、「森重に仕事を頼みたい」と思っていただけるようなディレクターになりたいですね。そうするためにも、ぼくに頼みたいと思ってもらえるきっかけづくりや、思考力と技術面での強みの発信をより強化していきたいです。

白木:ぼくはとりあえず、自分が興味を持ったいろんなスキルを獲得したいです。そこから自分の強みを見つけて伸ばしていけたらと思っています。

―LIGHT THE WAYが持つ強みは、どんな人にフィットすると思いますか?

西澤:ロジカルな思考によって適切な手法を選ぶことで、世の中に少しでも価値あるクリエイティブを真剣に届けたいと考えている人に合うと思います。

LIGHT THE WAYでの仕事の受注ケースはさまざまですが、クライアントと一緒に企画段階の0からつくることもできます。そして、過去制作実績を見ていただくとわかるとおり、メッセージを伝えるため、2Dのフラットデザインから2.5Dや3Dのモーショングラフィックス、そして実写から合成まで、幅広い表現の選択を持っています。だから、幅広い知識とスキルの習得が求められる場所で自分の力を発揮できる人は、楽しみ挑戦しながら仕事ができると思います。

NECが開発した AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」のPRムービー『NEC the WISE × COEDO 人生醸造craft 篇』。実写とアニメーションを組み合わせた動画制作ができるのも、幅広い表現方法が可能なLIGHT THE WAYならでは

NECが開発した AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」のPRムービー『NEC the WISE × COEDO 人生醸造craft 篇』。実写とアニメーションを組み合わせた動画制作ができるのも、幅広い表現方法が可能なLIGHT THE WAYならでは

―最後に、どんな人と一緒に働きたいか、メッセージをお願いします。

白木:映像が好きで、粘り強く取り組める人と働きたいです。同世代の人たちと一緒に高め合いたいですね。

森重:言いたいことをちゃんと言える人でしょうか。気をつかって萎縮するのではなく、その場で確認したり、向上心を持って建設的に意見を言い合えたりする人が合うと思います。

西澤:主軸は映像領域におきつつ、複数の専門性を獲得して新しいことに挑戦しようとする人、裁量と責任を持って仕事をしたい人が合うと思います。メンバーが新しい職能を素早く習得していくために、密にコミュニケーションをとることと同時に、自分で考え、自分らしい回答を出そうとするマインドも大切にしています。

もちろん映像が好きで、モーショングラフィックスがつくれることはマストのスキルセットの条件ですが、映像以外の部分でも、できることや好きなことを伸ばしていく。そうすることで個性を活かせるジェネラリストになるはずです。そのように成長していきたいと考える人に、ぜひ来ていただきたいですね。

左から森重さん、西澤さん、白木さん、アカウントディレクター、プランナーの望月恵さん

左から森重さん、西澤さん、白木さん、アカウントディレクター、プランナーの望月恵さん

【会社プロフィール】

LIGHT THE WAYは映像を軸としたデザイン会社です。クリエイティブによってブランド・商品・サービスなどが持つ魅力に光を当て、進むべき道を切り開きます。コンテンツの企画やコンセプト策定からプロモーション実行まで、さまざまな形で新しい価値と現象を共につくっていきたいと考えています。

Profile

株式会社ライト・ザ・ウェイ(LIGHT THE WAY Inc.)

LIGHT THE WAYは映像を軸としたクリエイティブのデザイン会社です。映像ディレクション、アートディレクション、グラフィックデザイン、WEBデザイン、インターフェースデザイン、CI・BI・VIなどクリエイティブによって新たな価値を社会に生み出し、事業の進むべき道筋を照らし出します。

「クリエイティブ」という曖昧な言葉が指し示すのは、必ずしもその「成果物」に限りません。あなたがどこに立ち、どこへ向かうのか。そこにある障壁は何か。選択する最良の方法は何であるべきか。制作者の視点から課題を探り当て、ゴールへと向かう指針を指し示すこと。LIGHT THE WAYはその一連のプロセスや現象をつくり出すことが「クリエイティブ」であると信じています。まだ見たことのない景色に向かって、新たな道をともに歩みましょう。

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1人で活躍できるプロフェッショナルが、1人では到達できない場所を目指して集まる。LIGHT THE WAYが目指すのは、そんな独立した制作者の集団です。

LIGHT THE WAYは小さな組織です。そのため、あなたの存在が大きな力になり、会社の今後をつくります。スキルがあれば業界での経験は必須ではありません。好奇心と向上心は必要です。興味をお持ちいただいた方は、まずはお気軽にご連絡ください。

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