目指すは全員野球! ハイライツ×マスクマン×切札が語る、少数精鋭のクリエイティブ。

ハイライツ株式会社×株式会社マスクマン×株式会社切札

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デジタル技術の止めどない進化によって、「デザイン」という言葉の定義がどんどん広がっている。グラフィックの力だけで勝負していたデジタル以前から、操作感やモーションなどのUI・UXデザインが注目されたり、ユーザーの数値を分析しただけで「いいデザイン」が生まれたり、刻々と「デザイン」はその姿を変えている。
そうした時流の中で、最先端のデジタル領域に身をおきながらも、ブランディングやグラフィックなど、デザイン本来の力を発揮して評価されているのがハイライツ株式会社だ。少数精鋭でありながらも、多くの大手企業から信頼され、デザインだけでなく、サービスや企業のブランディング全般まで手がけている。その秘訣を代表の下川氏に伺うと共に、同氏とともに日頃チームを組んでいる株式会社マスクマンの中西氏、株式会社切札の有方氏を招いた。3社の代表が、なぜ揃って少数精鋭にこだわるのか、その理由を存分に語ってもらった。

店舗のドアノブまでディレクションするデザイン会社。

−今日は、3社の代表の皆さんに集まっていただいたのですが、まずは、下川さんが率いるハイライツについて教えてください。

ハイライツ株式会社 代表取締役/アートディレクター 下川 大助さん

ハイライツ株式会社 代表取締役/アートディレクター 下川 大助さん

下川:僕はWEBの黎明期からWEBとグラフィックの両方の制作に携わってきました。そうした経験もあって、今もWEBだけでなく、ブランディング全般も得意としています。ロゴや名刺を作ったり、アプリケーション、WEBまでを制作したりと、色々ですね。例えば、店舗のディレクションに関しては入り口のノブの部分までディレクションしたりしています。できることなら、すべて自分たちでデザインしたいというか。

−店舗の取っ手までとは、幅が広いですね! 創業当初からそういうかんじだったのですか?

下川:そうですね。独立する前の前職でもデザインを幅広くやっていましたし、やっぱり統一された世界観というものが、お客様にもユーザーにも一番刺さる部分だと思うんです。例えば、アップルとかグーグルとかも、統一された世界観がありますよね。そうしたことをすごく意識して仕事しています。

−なるほど。WEBの会社でブランディングまで考えられる会社はそんなに多くないですよね。中西さんと有方さんから見て、ハイライツさんはどう映るんでしょう?

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(左)株式会社切札 代表取締役/テクニカルディレクター 有方 伸晃さん
(右)株式会社マスクマン 代表取締役/クリエイティブディレクター 中西 圭吾さん

中西:たとえば、ハイライツさんって僕たちが作ったワイヤーフレーム(WEBページの画面要素設計資料)を見て、それをデザインに起こすだけでなくて、サイトの動きまで含めた提案をくださるんですよ。いわゆる紙(グラフィック)の仕事って、要素を静的にFIXさせる仕事じゃないですか。だけど、WEBの制作物って必ず動きがあって、なおかつユーザーの環境によって見た目が変わることが大前提。そういうWEBデザインとして成立させるための高度な知見と、グラフィックデザイナーとして絵の強さを創ることができるのがハイライツさんなんですよね。これって、下川さんが思っている以上に、なかなか出来る人がいないんですよ。

有方:そうなんです。ぼくは下川さんからいただいた絵を実際にプログラミングしていくんですけど、もう絵を見ただけで、モーションも正確に想像できるんですね。だから、そこから動きをつけるのがすごく簡単というか、いつも驚いています。予想を超えてくるので。

下川:そんな、持ち上げ過ぎな……(笑)。

中西:いやいや。さらにすごいのは、そのクオリティを下川さんだけではなく、会社として担保できているっていうことです。そうした仕事が評価されて、長くお付き合いをしてくれるクライアントさんが多いイメージがあります。ご自分でもそこは意識しているんじゃないですか?

下川:やっぱり期待に応えたいですし、期待を上回って驚かせるアウトプットは心がけていますね。それから、目の前のクライアントだけでなく、最終的な利用者であるユーザーにどう使われるかも、もちろんすごく意識しています。あと、人付き合いでいえば、本音で話すことですかね。ちょっと言いにくいことでも思い切って言うことで、逆に信頼していただけるというか。

案件に合わせたベストなチーム編成を

−もともとハイライツを始めた経緯は?

下川:以前の会社では3年間ほど、とにかく作業をし続ける日々だったので、自分のやりたい方向性にまで気を配れず、結構キツかったんですよね。それで、いったん生活の流れを変えたくて会社を辞めたんですけど、ありがたいことに、フリーになってもお仕事をいただけて。その頃、自分の仕事を手伝ってもらっていた仲の良いメンバーで会社を立ち上げた、それがハイライツです。

−それで現在まで順調にやってこられたと。

ハイライツ社 社内風景

ハイライツ社 社内風景。2014年7月、青山にオフィスを引っ越した。

下川:いや、ほんとにコツコツとやってきた感じです。独立してからは、「チーム」としてやるという意識を強く持っています。例えばロゴの提案をするときも、絶対に一人だけでは作らずに、みんなで作ってみて、意見を出し合ったりするんです。

−社内だけでなく、中西さんや有方さんのような外部の人とも、積極的に「チーム」を組んでいるんですよね?

下川:その方が、絶対良いアウトプットが生まれると思うんですよ。僕らができないことは、中西さんや有方さんをはじめとして、外部のプロフェッショナルと組んで一緒にやる。その方が、案件に合わせてベストなアサインができますし、仕事をしていく面でも、色々な方から刺激を受けることができるので嬉しいです。誰がトップに立ってどうするというんじゃなくて、みんなでつくっていく「全員野球」的なスタンスは、すごく意識しているかもしれませんね。

ビジュアルをイチから作り込みたかったときに、これができるのは下川さんしかいないと思ったんです。(中西)

−ここにいらっしゃる3社が初めて一緒に仕事をしたのが、パナソニックさんのプロジェクトだったんですよね?

中西:はい。『BARCA CLOCK』という企画なのですが、パナソニックさんが、スペインのバルサFCというサッカーチームのスポンサーをされているんですね。それで、その記念にホームページを作りましょうということになり、ご一緒させていただきました。僕はまだ会社を立ち上げたばっかりでしたし、たしか有方さんもですよね?

有方:そうですね、僕らも一発目の案件でした。

中西:それこそ全員で作業をしましたね。最終的には、色々あってスクリーンセーバーを作るだけになったんですけど(笑)。

−感触としてはどうでしたか?

下川:他社の人と垣根を越えて輪を作ることができたのが嬉しかったです。それを機に、今も一緒に組んで、仕事することが多くなりましたしね。すごく思い出深いプロジェクトです。

—その後はどんなお仕事を?

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中西:沖縄県庁さんの案件で、海外向けの観光誘致プロモーションの『Be.Okinawa』でもご一緒しました。世界7ヶ国から様々な職業と才能を持った外国人が沖縄を訪問して、その様子をWEBサイトにするといった設定なのですが、これを海外ドラマ風に見せたいというアイデアがあり。うちの場合、メインビジュアルがない状態から作ることが多いんですけど、ビジュアルをイチから作り込みたかったときに、これができるのは下川さんしかいないと思ったんです。

下川:ビジュアルについては、めちゃくちゃ追求しましたね(笑)。UIも、中西さんとかなり長くディスカッションした思い出が……(笑)。とても楽しかったです。

中西:グラフィックの絵の強さを持ちながらちゃんとWEBのデザインに落とし込めるのが、ハイライツさんなんですよね。これは余談ですが、写真の美男美女のモデルたちは、沖縄の砂浜で合コンっぽいかんじで楽しそうなんですけど、我々は事務所でコツコツと作業をしながら、届く写真をただ眺めているという(笑)。

一同:(笑)。

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最大社員何人まで? 3社にとっての理想の企業規模。

最大社員何人まで? 3社にとっての理想の企業規模。

—少人数な組織ながらも、皆さん手掛けている案件の規模が大きいですよね。

下川:ありがたいことですね。今もたくさんご相談をいただきますが、基本的に面白い仕事って、断りたくないんですよ。やっぱりクライアントの期待に応えたいっていう気持ちもすごく強くて。なので、今はもっと会社の体制を整えたいなって思っています。

中西:その気持ちすごく分かります。でも、人数を増やしたら、だんだん管理が難しくなっていったりというジレンマがあるかと思うんですけど。

−そこは難しいですよね。皆さんは代表でもありつつ、現場主義を貫く感じなんでしょうか? 

株式会社切札

有方:そうですね、僕もコアな人たちだけの組織を作りたいというのが会社をつくった理由の一つです。うちの会社、名刺がトランプなんですけど、現段階ではMAXで13人までって決めていまして。やっぱり仕事って楽しいだけじゃなく、しんどいこともあるじゃないですか。それをみんなで共感したいんです。大人数になっちゃうと、誰かがしんどいけど、誰かが楽しいみたいな状態になりがちで、それはちょっと嫌だなぁと思って。仕事終わりにみんなで飲みに行ったりとか、ラーメンを食べに行ったりとか、僕が想像していた理想を着々と実現しています(笑)。下川さんの言う「全員野球」みたいなものでしょうかね。

中西:僕も会社をつくるとき、最大で12〜13人くらいが理想かな……、って考えていました。でっかいチームのダイナミズムを活かして制作する面白味も経験したし、それもすごく魅力的だったんです。でも少人数で仕事するフットワークの軽さとか面白さに魅力を感じて会社を作りました。

ーちなみに“マスクマン”って命名も面白いですよね。(ちなみに、当日中西さんは、風邪予防のためマスクをして登場!)会社としては、どんな会社ですか?

中西:『水曜どうでしょう』っていう番組あるじゃないですか。WEB業界の“どうでしょう班”って、いつも説明しています(笑)。あの番組ってテレビとしてはあり得ないフローで番組を作っていて。ディレクターが前に出てきたり、ハンディカムひとつだけで番組を作ったり。既存のフォーマットからは逸脱しているんだけど、でも、みんなに愛されながら、ずっと続いている。

−たしかにあれは稀有な番組ですよね。ファンも多いと思います。

株式会社マスクマン

中西:クリエイターって、けっこう不器用な人が多いじゃないですか。フォーマットにハマれない人達。すごい仕事はできるのに、コミュニュケーションがちょっと上手じゃないせいで評価されなかったりとか。だから、そういう才能ある人たちが、ちゃんと評価される場所を作って、飯を食っていける場所を用意したいと思っています。メンバーを生かす場所作りというか。最終的に歳をとって、プログラムも組めなくなったら、料理が得意なメンバーがいるのでみんなでコロッケでも揚げようなんて話しもしています(笑)。

−いいですね、コロッケ屋(笑)。ハイライツさんはどうですか?

下川:ハイライツとしては3〜4チームができるくらいまでの人数として、15人くらいまで増やすことを今は考えています。社員それぞれが組織の歯車にならず、「自分ごと化」できる環境を作っていきたいですね。少人数だと個人の意見や影響力が大きいですからね。そういう環境でそれぞれが成長していけば、同時に会社も大きくなっていくという。そういういい循環を生み出していきたいと思っています。

これからのデザイナーは、誤魔化しがきかなくなる。

−では、ハイライツさんが今後目指すこと、ビジョンを教えてください。

下川:デザイナーって、昔と比べると、すごく価値が下がっていると思うんですよね。自分の母校は美大なんですけど、久々に行ってみると、先生が悩んでたりするんです。昔だったら卒業生が広告代理店や企業の宣伝部とかにアートディレクターとして入れましたけど、今はもうデザインの基礎を勉強をしていないけど頭が良い人に、そのポジションを奪われちゃってるらしいんですよ。

中西:なるほど。今の時代、デザインの意味が広くなってきているし、デザイナーに期待されることが広がっていますよね。確かにグラフィックの勉強をしていなくても、「デザイナー」って名乗れますもんね。

下川:そうそう。だからそうした中で、僕は今後、デザイナーの価値をもっと高めていきたいと思っているんです。テンプレートを使ってデザインをすることが誰でもできる時代だからこそ、その一歩上のクオリティへ持っていくのが今のデザイナーの仕事だと思うんですよ。誤魔化しがきかない時代になっていくんじゃないかなって。

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有方:だからこそ、この時代にデザインで生き残っている会社って、本物ですよね。

—そうかもしれませんね。だからこそ、ハイライツさんがたくさんのクライアントから評価を得ていると。

下川:いやはや、ありがとうございます(笑)。ただ、クライアントのブランディングだけじゃなくて、自分たちのブランディングも頑張らないといけないですけどね(笑)。

中西有方:たしかに(笑)。

  • Profile

    ハイライツ株式会社

    「光をあてる」という意味のハイライツ。

    ブランドを輝かせることをポリシーに、コンセプト作りから制作まで、すべて同じ熱量で取り組むデザイン会社です。

    スタッフ一人ひとりがWEBとグラフィックを行ったり来たり、代理店仕事と直クライアント仕事を行ったり来たり。関わる領域の広さや多様さを大切に仕事をしています。

    というのも、それぞれが持つノウハウを活かすことで、ものづくりのプロであると同時に、クライアントを理解するプロでもあり続けられるから。

    この、ひとところにとどまらない「しなやかさ」こそハイライツが得意とするところです。

    制作過程では”あえて”外部のプロとチームを組むことが多いのも特徴のひとつ。自分たちの領域を意識的に広げていくことで、スキルを磨いていきたいと思っているからです。

    社内は穏やかでゆったりとした雰囲気。肩肘を張らず、それぞれに刺激や変化を受け入れながら成長を楽しんでいます。

    ハイライツ株式会社