「スキルだけ」ならチームはいらない。エンジニア集団FLATが大切にするもの

株式会社フラット

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「コーディング専門」を看板に掲げるWEB制作会社である、株式会社FLAT。WordPressや大規模サイト、モジュール開発やレスポンシブデザインなど、フロントエンド全般を手がけている。コーディングの技術を磨き続けるとともに、エンジニアが自らディレクションまで行なうことで、WEBサイトに高い機能性を求めるクライアントからの信頼も厚い。

会社の設立から5年。受託案件をメインに取り組むFLATは、どのように生まれ、いかなる成長を遂げてきたのだろうか。代表のサトウハルミさんにFLATのこれまでを語っていただくとともに、メンバーの伊藤将貴さんと佐藤亮介さんを交えて、エンジニアとしてのプロフェッショナリズムを発揮できるFLATの環境や、やりがい、そして未来について語ってもらった。
  • 取材・文:宇治田エリ
  • 撮影:前田立
  • 編集:佐伯享介(CINRA)

自社サービスが持て囃される時代に、FLATが受託の仕事を大切にする理由とは?

―近年は、受託ではなく自社サービス事業に移行していくWEB制作プロダクションも多いと思います。そんな風潮があるなかで、FLATは受託案件を軸にしつづけているそうですが、その理由はなんでしょうか?

サトウ:自社サービスをつくる事業会社は、外側から見れば華やかで、やりがいのある仕事をしているように見えます。実際そういった魅力があることは否定しませんが、自社サービスを開発していくことは非常に大変なことで、生やさしいものではありません。

それに受託の仕事とちゃんと向き合って突き詰めていくと、言われたものだけを機械的につくるのが、必ずしも正解じゃない場合が多いこともわかってくるんです。クライアントの求めているものに耳を傾けて、しっかりとディレクションしていくことで、クライアントの期待を超える成果を出す。そしてクライアントに喜んでいただく。WEBづくりの楽しさは、そこにあると思ってます。

だからこそ、FLATは安易に自社サービスには手を出さず、受託という立ち位置でフロントエンド自体を事業として成長させていきたいと考えています。

―なるほど。コーディング会社がディレクションも担当するんですね。最近FLATが手掛けている受託案件では、どういった部分でディレクションに入ることが多いのでしょうか?

サトウ:最近はWEBサイトのリニューアルをディレクションさせていただくことが多いですね。技術が複雑化していくなかで、クライアントもWEBサイトの見た目だけでなく、運用するうえでの使い勝手の良さを重視するようになりました。実際、クライアントの多くが初めてWEBサイトをつくるのではなく、すでに持っている。しかし既存のWEBサイトは運用面で課題を抱えているから、リニューアルでそれを改善してほしいというオーダーが多いんですよ。

代表のサトウハルミさん。ペットはミニチュアシュナウザーとのこと

代表のサトウハルミさん。ペットはミニチュアシュナウザーとのこと

準備万端で起業したはずが、フリーランス時代にはなかった苦労も

―2016年に創業され、現在では多くのクライアントからの信頼を得ているFLATですが、どのような経緯で会社を設立することにしたのでしょうか?

サトウ:もともと私は制作会社に勤めていて、2012年に独立後はフリーランスとして働いていました。業績は順調に伸びていったのですが、仕事が増えてくるにつれて1人では対応しきれないと感じるシーンも増えてきて。

そこで「いろいろなスキルを持つ人たちでチームをつくリ、フォローしあえるようにしたほうがいいのではないか」と考えるようになりました。「もっと大きな仕事にも挑戦したい」という情熱も持っていた。そういった思いから会社の立ち上げを決め、準備を始めてから1年後に創業しました。

―準備も万全だったのですね。創業後は順調でしたか?

サトウ:正直、情熱だけで立ち上げたようなものだったので、苦労は多かったですね。当初の受託案件はフリーランスの頃と仕事内容自体はほぼ変わらなかったのですが、メンバーを1名雇ったことで、やるべきことがたくさん出てきました。メンバーのマネジメントやレクチャーをしたり、組織の仕組みを整えたり。会社になったからといって、いきなり大きく生産性が向上するわけではなく、むしろ仕事量が増えたような感覚でした。

それまでフリーランスとして様々な案件を手掛け、実績を重ねてきたという自負がありましたし、コーダーとしての仕事も好きだった。でも、いざ経営者としての視点で仕事に取り組み始めると、1人でやっていたときのスピード感や、メンバーとの意識の違いなども見えてきて。試行錯誤しながら、チームとして機能するように体制を整えていきました。目指していたチーム感が出てきたのは、本当に最近のこと。2020年ごろからでした。

メンバーが増えるだけじゃ「チーム」にはならない。打開したのは「マインド採用」

―メンバーの伊藤さんは2019年12月、佐藤さんは2020年9月に入社したそうですが、まさにおふたりが入社してから軌道に乗り始めたのですね。その理由はなんだと思いますか?

サトウ:採用で重視するポイントを、「スキル」から「マインド」に変えたことにあると思います。伊藤さんの場合はHTMLやCSSは習得していたものの、実務は未経験だったので、その代わりWEBづくりへの熱意と、初対面の相手でも自然体で話せる高いコミュニケーション能力に注目しました。ポートフォリオもきれいに作っていて、その美意識の高さもフロントエンドに特化しているFLATにフィットすると思いました。

伊藤:ぼく自身も「いっしょに働く人が一番大事」と思って就職活動をしていました。面接を受けて、サトウさんや他のメンバーの人柄やプロ意識に魅力を感じましたし、この会社で実力を伸ばしたいと感じて入社を決めました。

伊藤将貴さん。自主的な勉強を日課としていたこともあるそう

伊藤将貴さん。自主的な勉強を日課としていたこともあるそう

サトウ:伊藤さんはその後、JavaScriptをたった1年で習得しました。伊藤さんが証明してくれたのは、ポテンシャルさえあれば飛躍できるということ。そしてチームにフィットするマインドがあれば、スキルは後からついてくるということ。今ではメンバーからも頼りにされる存在です。

一方で佐藤亮介さんは、コーダーとしての経験とスキルが十分にある状態で、スキルアップのためにFLATに転職してくれました。仕上がりもきれいだし、なにごとも真面目に対応してくれる。誠実なマインドは、FLATでもかなり大切だと考えていたため、その点が特にフィットしていました。

佐藤:ぼくは以前LP(ランディングページ)専門の制作会社にいて、そこでコーダーとして働いていました。スキルを身につけていくうちに、「LPのコーディングに特化してしまうと、その技術だけしか身につかない。もっといろいろなページを作れるようになりたい」と思うようになり、FLATに応募しました。特に、会社が目指す方向と、自分が身につけていきたいスキルがマッチしていたのが入社の決め手でした。

佐藤亮介さん。代表と苗字が被っているため、「亮さん」と呼ばれているそう

佐藤亮介さん。代表と苗字が被っているため、「亮さん」と呼ばれているそう

どんなメンバーと、どんなふうに働く?モチベーションを維持しやすい環境づくり

―FLATの社員は、自宅でリモート作業する曜日が週2日定められていると伺いました。そういった働き方には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

サトウ:私自身、フリーランス時代に在宅で働いていて、家事がしやすく、家族やペットとの交流時間が増えることにもメリットを感じていたんです。だからコロナ禍になる前から、週1回リモートワークにする日を決めていました。いまはコロナ禍の影響もあって、週2日にしています。

伊藤:出勤する日とリモートワークがだいたい半分ずつなので、両方のメリットを受けられていると思いますね。個人的には1人で家で仕事をしているときのほうが、電車通勤もなく集中して作業ができると思います。一方で、出社をすれば社員同士のコミュニケーションが円滑に取れるので、やりやすさを感じます。

初めての緊急事態宣言の時は、弊社でも2か月くらいフルリモートだったのですが、1か月ほど続くと緊張感がなくなってくるのを感じました。現状のハイブリッドな働き方のほうが、モチベーションが維持しやすいですね。

佐藤:新しく入って来た人との人間関係の築き方も、リモートだけではなかなか難しいですよね。メンバーの性格や考え方がわかっていたほうが、仕事も円滑に進みます。

―FLATでは現在、伊藤さんや佐藤さんのほかに、どのようなメンバーが働いているのでしょうか?

サトウ:今は私を含めて社員が4名いて、業務委託のレギュラーメンバーも4、5名。常時7名くらいのチームで働いています。チームのメンバーは若手だけでなく、私がフリーランスだった頃から付き合いがある、10年以上のキャリアを持つベテランもいます。

―外部の方も含めたメンバー間では、普段どのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか?

サトウ:本来は対面でのコミュニケーションを大切にしているのですが、現在は社員と一部の業務委託のメンバーが週1回のオンライン定例会で話をしています。コロナ禍以前は、仕事終わりに飲みに行ったりして交流していたんですけどね。

佐藤:ぼくはコロナ禍になってから入社したので、飲み会に参加したことはありませんが、時々メンバーと一緒にランチをしに行っています。就業中は基本的に各自で仕事に集中しているので、日中はあまり雑談がないんですよ。

伊藤:そうですね。とはいえ、決してピリピリとした雰囲気があるわけではなく、集中力が切れてきたら軽い雑談をすることもあります。質問や相談があれば快く応じてくれる。メリハリがあるし、コミュニケーションも取りやすい環境です。

個々の得意分野を伸ばしながら、成果はストイックに追求する

―WEBサイトを拝見して、プロフェッショナルでストイックなエンジニア集団、というイメージを持ちました。実際のところは、いかがでしょうか?

サトウ:成果に対しては、みんなプロ意識を持って、ストイックに向き合ってくれていますね。でも制作過程では、できないことを強制的にでもやってほしい、というような無茶振りはないです。コーディングにはいろいろな技術がありますが、各自得意分野を勉強して伸ばしていく、という方針です。好きじゃないと、勉強するのはかなりしんどいですからね。

とはいえ言語について言えば、基本的にHTMLとCSSはマストではあります。

伊藤:ぼくの場合、経験がなかったこともあり、最初の1年間は興味があったJavaScriptを毎日勉強すると自分で課題を設定したんです。他のメンバーが実務で書いたソースコードを教材にして、仕事以外の時間でも勉強し続けていましたね。

サトウ:伊藤さんは、1年でありえないくらい伸びましたよね。エンジニアというのは面白いもので、成長スピードが人によってかなり異なるんです。いつどこでブレイクスルーするかわからないんですよね。経験年数があてにならないことも多い。一方で、突然飛躍するのではなく、じっくり地道にスキル積み上げていくタイプのエンジニアもいて、どちらもチームでは重宝されています。

―FLATではそれぞれの個性が尊重されているように感じますね。成長にも繋がりそうです。

サトウ:FLATには、レクチャーやコードレビューの文化があり、学びを深めながら実践を通してスキルを身につけることができます。一般的にフロントエンドエンジニアは複数の技術を習得していること、いわゆる「フルスタック」であることが最高とされていますが、楽しくやりながら得意なところを伸ばしたほうが成果につながると私は思っています。だからこそ、チームで補い合うことに価値が生まれるんです。つまり、チームがフルスタックであればいい。

伊藤:チーム内のコミュニケーションは、仕事のうえでも非常に和やかで、自由な感じがありますよね。年齢や経験年数を問わず、相手を尊敬し合い、意見交換もしっかりできる。会社名の通り、フラットな人間関係だと言えます。成果に対してはより良いものをつねに追求していますが、変なプレッシャーは感じません。そんな環境が、自分を成長させてくれているんだと感じています。

佐藤:FLATは基本的に受託の仕事なので、案件ごとに求められている技術が異なり、「基本的にこうすれば問題ない」というのがないですし、エンジニアがディレクションも担当する場面が多い。だからその時々で自分で判断して、決めなきゃいけないことも多いです。入社当初は自分で決められる範囲の大きさに驚き、大変さも感じました。でも、自分でディレクションをするようになったことで臨機応変に対応する能力や、提案力、総合的に考えて判断する能力が身についたと実感しています。

サトウ:クライアントからも要望が多い、WEBサイトの運用面での課題を解決する方法については、エンジニア自身がクライアントと向き合って説明しながらディレクションすることで、強い説得力が生まれることが多いんです。同時に、技術的な内容をわかりやすく言語化することは、エンジニア自身の成長にもつながると考えています。

WEBづくりを楽しむマインドが、もっとチームを強くする

―FLATでは現在、WEBディレクターを募集しています。なぜ新たにディレクションに特化した人が必要なのでしょうか?

サトウ:最近はコーディング会社としての強みを活かした設計にメリットを感じていただき、クライアントから直々に指名を受けて、WEBサイトを丸ごとつくる案件も増えています。そんななかで、今後事業を伸ばしていくためには、コンテンツ全般をディレクションできる人が必要だと考えたんです。

―ディレクターには、どのようなマインドを持った方を求めていますか?

サトウ:まず、WEBサイトをつくることが楽しいと感じられる人がいいですね。そしてエンジニアとリスペクトし合い、協力し合いながらプロジェクトを進めていけるような人を求めています。コーディングの専門的な知識は、あるに越したことはありませんが、基本的にはエンジニアがクライアントに説明できるので必須ではありません。オープンマインドで、自分で考えて行動し、共にFLATを育てていく。そんな芯のある方を求めています。

―最後に今後の抱負と、FLATへ就職を考えている方へのメッセージをお願いします。

伊藤:今後もJavaScriptのスキルを磨きながら、周辺知識となる他言語も学び、技術を強化していきたいと思います。お互いに得意分野で支え合っていきたいですね。

佐藤:FLATはWEB制作を楽しみながら、真面目に取り組む人たちが集まる会社。大変な瞬間ももちろんあるけれど、そんなときでも目の前の仕事をポジティブに捉えられるような人といっしょに働けたら嬉しいです。

サトウ:心地よい人間関係のなかで、自分らしく、楽しく、そして目的意識を持ち、成長していきましょう。

左から真野さん、佐藤亮介さん、サトウハルミさん、伊藤さん

左から真野さん、佐藤亮介さん、サトウハルミさん、伊藤さん

Profile

株式会社フラット

株式会社FLATは、コーディングを専門としたWEB制作会社です。受託をメインに、コーポレートサイトやWEBアプリのコーディング / フロントエンドなどを手がけています。クライアントの目指すイメージを、ゼロからつくること。そしてつくり続けることでスタッフの成長につながることが、受託案件の醍醐味だと考えています。最近では、WEBサイトのコーディングだけでなく、デザインやテキスト制作など、WEBサイト全体の情報設計からご依頼いただくケースも増えてきました。

7名のメンバーはすべてエンジニアで、代表も現役のエンジニアとして活動しています。IT業界のエンジニア不足は深刻な問題のため、後進の育成に積極的に取り組んでいます。

エンジニアと聞くと、コミュニケーションにクセのある人がいるかも、と懸念を持つ方もいるかもしれません。FLATのメンバーは年齢やスキルはバラバラですが、素直でポジティブな人が多く、ベテラン、若手にかかわらずお互いに助け合いながら仕事に取り組んでいます。皆んな勉強熱心で、新しい技術取得にも積極的です。案件では、決して無理はせず、自分たちがやり遂げられるスケジュールかをしっかり見極めてから引き受けているため、ストレスなく仕事に取り組むことができています。

小規模な会社なので、覚えていただく範囲は広いと思います。ですがその分、着実にスキルアップにつながるはずです。仕事の仕方も、最初はサポートしますが、慣れてきたらご自身のやりやすい方法で進めていただきます。ゴールにたどり着けば、その途中の道のりは細かく問いません。また、お仕事のペースについても個人にお任せしています。積極的に取り組んでくれる人、コツコツ仕事を進めてくれる人、どちらも平等に評価したいと思っています。技術面の知識を覚えて今後のキャリアに活かしたい方やコーディングのプロフェッショナルを目指したい方、ぜひご連絡ください。