クリエイティブを加速させる方程式は「言葉」×「マネージメント」

株式会社ディーイーシー・マネージメントオフィス

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創業からまもなく25年を迎えようとしているDECマネージメントオフィス。グラフィック、新聞、WEB、映像まで、あらゆるメディアを使った広告クリエイティブを得意とし、様々なクライアント企業からの依頼に応えてきた。移り変わりの早い業界で、長きに渡り活躍を続けるその背景にはどんな思想やルールがあるのだろうか。コミュニケーションデザイン部の秋山裕太さん(クリエイティブディレクター)、島村隆宏さん(プロデューサー)、中根佳菜子さん(アートディレクター)の3名に話を伺った。

相手の根っこを知り、課題に最もフィットするアイデアを練る

DECマネージメントオフィス(以下、DEC)は現在、グラフィックにWEB、映像、リアルイベントなど様々なクリエイティブを手掛けている。しかし創業時から今のスタイルで仕事をしていたわけではなく、意外にもキャンペーン事務局の運営からスタートした会社だ。その後イベント運営をはじめ、時代に合わせて領域を広げていった。秋山さん曰く、「これで完成ということは一切なく、進化を求めて、ずっとマイナーチェンジを重ねてきた。常に発展途上の会社」なのだそうだ。

秋山:まず自分たちがこうありたいという欲望、次にお客様から発せられる「こんなことできないかな?」といった要請、そして時代の空気に合わせていく意識。この3つの要素を反映しながら、徐々に事業領域を拡大し、進化を遂げてきました。だから25年近くも続いている。「うちはこれしかやらない」といった固執はしないので、クライアントも幅広く、同時に弊社スタッフのバックボーンも多様で、少人数ながら層の厚さも個性かと思います。

秋山 裕太さん(クリエイティブディレクター)

秋山 裕太さん(クリエイティブディレクター)

現在のようにクライアントの課題に対し、どんなアプローチが最適なのかを見極め、アウトプットのカタチにとらわれず、最もフィットするアイデアを提案するスタイルが確立されたのは5年程前のこと。半年前に入社した島村さんは、受託案件ばかりではなく、根本から関わる姿勢に惹かれ、転職を決意した。

島村:前職も映像やWEBのコンテンツなどを制作する広告業界にいました。しかし、コンテンツメーカーとして求められているアウトプットに対して、時にお客様が伝えるべき「本質」とのズレや、そのコミュニケーションプランの根幹に関わることの出来ない「ジレンマ」のようなものを感じていました。一方、DECでは「お客様はAというアウトプットを望んでいるけれど、そもそも本当にAでいいのだろうか?」というところから考えることができる。お客様にとっては当たり前のことでも、僕らがエンドユーザー側の視点で課題を見つめ、提案することで、新しい気づきになったという嬉しいお話も何度か聞いたことがあります。

秋山:「このブランドがもたらす一番の価値って何でしょう?」とか、「広告をやる前提になっていますが、本当に必要でしょうか?」「このプロジェクトを実現し、世の中をどう変えたいですか?」と“そもそも“の目線で質問をしながら、お客様と根源的なことまで一度さかのぼって考えてみるんです。ブランド名の由来や、歴史的背景についてなども必ず聞くようにしています。そうすることで、お客様の価値観に立脚したプレゼンができ、理解していただきやすくなるんです。

何より守るべきはクオリティ。優れた工程管理の背景にあるもの

「DECマネージメントオフィス」という社名にある通り、クリエイティブにおけるマネージメント=工程管理を得意としているDEC。会社の起源であるイベント運営で、失敗の許されない一発勝負の現場を積み重ねてきたことが大きく影響している。

秋山:社名でマネージメントと謳っている以上、そこは外せません。作るものはいいけど、その他はルーズというのはあり得ない。ご安心いただきながら、気持ちよくプロジェクトを遂行することをモットーにしていますし、そこをさらに磨いていくべきだと思っています。

中根:もちろん、臨機応変さが必要な仕事でもあります。そんなとき、遅れる寸前になって「遅れます」と伝えるのは、お客様にとってはストレスでしかありません。ですので、事前に「こういうスケジュールになってしまいますが、後ろでこうカバーします」と都度ご説明して、ご納得いただけるようにしています。

島村隆宏さん(プロデューサー)

島村隆宏さん(プロデューサー)

島村:広告業界で仕事をしていると、既に作るものが決まっている場合もあります。たとえば1ヶ月後にローンチというお客様のご要望に合わせて進めていかなければならないことも少なくありません。その中でも、お客様と同じ目線、同じ場所に立って、一緒に課題や本質のところから考えて、より柔軟なご提案をしていくことを大切にしたいと思っています。

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作り手だけが「数字を知らぬ、存ぜぬ」では時代錯誤。クリエイターにも徹底する原価意識

作り手だけが「数字を知らぬ、存ぜぬ」では時代錯誤。クリエイターにも徹底する原価意識

DECでは、営業であろうとクリエイターであろうと全員に経営視点が求められている。具体的にいうと、スタッフ一人一人が予算(数字)について明確な意識を持っているのだ。その背景には、クライアントが広告効果を強く意識する昨今において、作り手だけが「数字を知らぬ、存ぜぬ」では、時代錯誤なのではないかという考えがある。クリエイターといえども、アーティストではない。広告ビジネスに関わるのであれば、まずは原価意識を持とうというのが根底にあった。

島村:何事も目的を持って取り組みたいですよね。この案件の費用はこのくらいで、あなたの仕事に対してはこのくらいのフィーをいただいています、と全て伝えています。自分がどのくらいの仕事を求められているかを自覚できるひとつの要素だと思っています。ひいてはそれが、予め振っていた仕事をそのクリエイターが担当できなくなってしまった場合に、同じ費用・同じクオリティで仕事ができる人材と組む、というリスクヘッジにも繋がるわけです。クリエイティブのコントロールにも作用してくる話ですよね。

中根:アートディレクションやデザインという職種ですと、数字を知ることができたとしても、その後の対応については難しい部分もあります。アウトプットの質を予算によって変えることはできませんので。もちろん「予算が高ければ、あのカメラマンにお願いできる」といった外的な要因は出てきますが、予算がいくらであっても全力を出し切ることが大切ですから。ですので、プロジェクト全体の中で私が絶対に関わるべき部分はどこなのか、先方には何度くらい足を運ぶべきなのか、というあたりを考え、自分の動き方を調整することで、予算とのバランスがとれるようにしています。

左:中根佳菜子さん(アートディレクター)

左:中根佳菜子さん(アートディレクター)

島村:僕も誰がどのくらいの割合でプロジェクトに関わっているのかすべてを把握できているわけではないので、「この仕事はどのくらい関わる予定なの?」とスタッフとコミュニケーションをとるようにしています。こんな話をすると「私は数字が苦手だから難しそう」と不安に思う方もいるかもしれませんが、入った後に理解してもらい、各々がやりやすい方向に噛み砕いてもらえたらと思っています。

社内外問わず、プロジェクトの中心には常に“言葉”を。

DECがプロジェクトを進めるにあたり大切にしていることの一つに“言葉”がある。クライアントへのプレゼンや合意形成をスムーズにさせるための言葉、プロジェクトの方向性を例示する言葉、そして、アウトプットの際に用いるコピーまで、プロジェクトの中心に言葉を置くことを続けてきた。例えば、文具メーカーのぺんてるが8月上旬に発売した猫モチーフのデザインペン。これもDECが企画デザインした仕事だが、ここにもクライアントやエンドユーザーに訴えかけるための言葉へのこだわりがあった。

中根:このシリーズはぺんてるさんの商品のなかでも世界的な人気を誇るブランドで、機能性にフォーカスした、男性向けのシャープなデザインでした。今回は「大人の女性向け」に、愛着を持てるよう、猫をモチーフにした幾何学柄を提案しました。シャープで落ち着いたデザインで、アメリカンショートヘア、キジトラ、アビシニアン、ハチワレ、シャム、三毛の6種の猫を表現しています。

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秋山:デザインの善し悪しを判断する時、どうしても主観が入りますよね。それが単なる幾何学柄だと、それぞれに良さもある反面、決め手に欠けます。ただ、そこに「猫」というストーリーが加わるだけで、「あの猫のペン」と提案をする側も受ける側も全員が共有できるデザインになる。幾何学柄とは別にひとつモノサシ(猫)が入ってくるだけで、パッと選びやすくなりますよね。

相手がどんな業界のどんな立場の人であれ、「言葉」を通じてわかり合えたことは関係性を築く上で強い礎となる。それがゆくゆくは、生み出されるクリエイティブの質にも比例していく。社名の「DEC」はDevoted to Every Customer(すべての顧客に献身的であれ)の略だというから、彼らの相手に寄り添う強さにも納得できる。

秋山:企画の発想も、お客様へのヒアリングも同じです。最初にもお話しましたが、根っこの部分を丁寧に何度も質問し、本質をついた言葉に置き換えることで、お客様自身が自分たちのことを理解できるみたいなんです。お話を聞いて「つまりこういうことですよね」とまとめて形にしていくのが僕らの専門技術。社内外問わず、言葉を軸に動いているんです。

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    株式会社ディーイーシー・マネージメントオフィス

    「売らんかな」の直球広告では、ますます売れない時代です。だからこそ、ブランドのことを少しでも自分ごとに思えたり、ポジティブな感情を抱いてもらえたりするような“アイデアや工夫が練り込まれたコミュニケーション”が、一層求められています。私たちDECはクライアントの「ファン作り」に真摯に挑む約30名のスモールカンパニーです。小さいけれども熱量は高く、常に「ワクワク感」を与える提案で、ブランドに上昇感をもたらせるよう最善を尽くしています。そんな私たちと共に、新たなシナジーを生み出せるパワフルなメンバーを募集します!!

    【得意領域】
    ブランディングから広告クリエイティブ、リアルプロモーションまで。メディアを問わず、あらゆるアウトプットを志向しています。

    【受賞歴】
    ONE SHOW メリット賞、CODE AWARD グッド・ユース・オブ・データ賞、FCC 新人賞、電通賞、朝日広告賞、他多数

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