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オールラウンドの演出家集団『SUGOI』は、なぜスゴいのか?

株式会社SUGOI

思い切った社名のインパクトに負けない「演出」を強みに、映像を軸としたクライアントワークを展開するSUGOI。現在、ディレクターやプロデューサーの他、作曲家、カメラマン、振付師などのクリエイターが所属している。職種や役割は違えど、演出に対して共通の価値観を持つ理由や、ものづくりの哲学について、代表の秋葉陽児さん、チーフディレクターの城台直人さん、作曲家の狩生健志さん、フォトグラファー・シネマトグラファーの船田聖さんへ話を伺った。

取材・文:加藤将太 撮影:豊島望(2017/3/17)

クリエイターが、あえてSUGOIに所属する意義とは?

驚きや感動を表すときに口にする「すごい」という言葉。日頃から自然と使っている言葉だが、これをそのまま社名に用いる会社はそういないだろう。そもそも、代表の秋葉陽児さんはこの思い切った社名にどんな想いを込めたのだろうか。

秋葉:起業する以前は、映像プロダクションを経てフリーランスのディレクターとして活動していました。僕にとってディレクターは、グラフィックや映像などを「すごい」ものに演出する仕事だと思っていて。それを表す社名としてSUGOIにしようと決めました。横文字のかっこいい名前が多い中、頭でっかちになりたくなかったという想いもあって、あえてわかりやすい、ストレートな名前にしたんです。自己紹介すると面白がってくださる方もいて、コミュニケーションを促すツールにもなっています。

秋葉さんは、フリーランス時代に一緒に仕事をしていたディレクターの城台直人さんとともに会社を立ち上げた。その後、作曲家の狩生健志さんやフォトグラファー・シネマトグラファーの船田聖さんなど、複数のクリエイターが参加。なぜ、狩生さんと船田さんはSUGOIに所属する道を選んだのだろうか。

作曲家 狩生健志さん

作曲家 狩生健志さん

狩生:SUGOIに所属する振付師が参加していた映像作品に音楽で関わることになったのがきっかけでした。当時の僕はバンド活動に精力的に取り組んでいたものの、音楽を仕事にはしていなくて。一緒に映像作品をつくったあとに、秋葉がクライアントワークとして音楽制作を依頼してくれたんです。自分にできるかはわからなかったけど、秋葉は僕の中の商業音楽的な部分での能力を見出してくれました。その積み重ねが続いて、今に至っているという感じです。

船田:僕は2年前、スタジオから独立しようとしていたときにSUGOIへ誘われました。スチールカメラマンでしたが、ムービーをやってみたいと思っていたので、SUGOIへ入社してからは本格的に映像撮影にも取り組んでいます。僕にとって入社前後で一番の変化は、プロデューサーやディレクターが常に近くにいること。企画意図を汲んで撮影ができるようになりました。それと、プロジェクトの座組を知ることができたというのも大きいです。以前は撮影スタッフとして現場に参加して、持ち回りを担当するだけで終わっていました。でも今は案件の初期段階から関わっているので、チームプレーを実感できるようになりましたね。

狩生:クライアントワークとしての音楽制作も身近なところに相談できるメンバーがいると非常に助かります。作曲は制作物のコンセプトが決まれば取り掛かれるんですが、そのコンセプトはディスカッションを経ないと決まらないもの。常にコミュニケーションをとって、どんな音楽をつくるのかをゼロから決められるのはやりがいにつながりますね。

秋葉:音楽専門の制作会社では「音楽的に正しい」ディレクションをしてくれると思います。でも、僕らの場合はディレクションを演出と捉えているので、正しいかどうかではなく、面白いと思えるかどうかが重要なんですね。音楽をつくるときも、企画を考えるときもブレストが大事で、無茶苦茶な大喜利というか(笑)。例えば、乃木坂46の『生駒里奈 予告編』を狩生が作曲していますが、もともとのオーダーは「都会的なテクノ」でした。でも、クライアントとのブレストで「和の要素」という情報が出てきて、僕らはそれを「盆踊り調のテクノ」に変え、曲をつくり上げました。

狩生:具体的な音楽のジャンルを指定されるとどうしても幅が狭まってしまう。それをもっと自由度のあるキーワードに変えていくと、柔軟にアイデアを出しやすくなるんです。クライアントから「スケールが大きい音楽」というお題をいただいて、さらにヒアリングしていくと、「宇宙規模」というワードが出てきたこともありました。そういう予期せぬ方向に振れていくほうが、クリエイターとして楽しいですよね。僕たちとのコミュニケーションを含め、一緒に楽しんでくれるクライアントが周りに多いのも特徴かもしれません。

制作事例から見る、それぞれにとっての演出

「ディレクション=演出」と捉えていることからも、SUGOIが演出をクリエイティブのキーワードに置いていることがわかる。メンバーはそれぞれ、演出をどう考えているのだろうか。実際の制作事例をもとに話を伺った。

チーフディレクター 城台直人さん

チーフディレクター 城台直人さん

城台:『ヤクルトBF1ニッポンのビジネスパーソン 同僚編』というプロモーションムービーは、この場にいる4人で担当しました。これはストレスを抱えているサラリーマンに向けた商品のCMで、僕はディレクター・エディターとして関わりました。一番意識しているのは前半と後半のコントラストですね。有給を取りたい主人公と、結果的に有給を同僚に奪われてしまう主人公。その対比をどれだけキービジュアルとして打ち出せるか。最適な演出を考えて、それを企画に落とし込んでいます。キーとなる要素を分解して前後の流れを決めていくという演出方法をとっていくことが多いです。

狩生:音楽では、「日本らしさ」を入れて欲しいというオーダーがあって、太鼓や尺八の音をどの程度入れるかというさじ加減がポイントでした。CMの内容としては日本の働き方を肯定するものではなくて、どちらかといえば批判的なものとして成立させようという意図があって。和楽器のボリュームや鳴らし方だけでも印象に影響を与えてしまうんですね。批判的な内容を見て、そうだよなと納得できるようなさじ加減に収められるよう試行錯誤しました。

城台:一般的に作曲家は映像のラフや、ヒアリングしたキーワードをもとに制作していくんですが、狩生は撮影現場を見に来ることもあるんです。実際に現場から音楽を考えていくというか。このCMでは撮影当日に出演エキストラの叫び声を急遽控え室で収録しました(笑)。映像を撮影する船田には、どんなシーンをつくりたいのかを伝え、カメラワークなどは本人に任せました。身近に勘どころのいい音楽家とカメラマンがいるのは、ディレクターとしても仕事がしやすいですね。

船田:もともとは実際のグラウンドを使って撮影したかったんですが、最終的にコンパクトなスタジオでの収録となりました。大きな意味で、演出は「工夫して取り組む」ということだと思います。制限や条件があるのは当然ですが、それを演出によってどう乗り越えられるかが重要で、クリエイターとしての腕の見せ所ですね。

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制作プロダクションが産学協同研究?