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「永く愛されるデザイン」を広めるために、スパイラルマーケットが作家と築く関係性

スパイラルマーケット

1985年、株式会社ワコールが「文化の事業化」を目指して東京・青山にオープンした文化複合施設「スパイラル」。アートを生活の中でより身近に感じてもらい、豊かなライフスタイルを提案するコンテンポラリーなカルチャー発信基地として、人々に長く愛されている。スパイラルマーケットは、「エターナルデザイン」をコンセプトに掲げるセレクトショップだ。アーティストやクリエイターとのコラボレーションはじめ、これまで数多くの作品や商品を生み出してきた。実際、個性的な商品はどのようにして開発されているのだろうか? スパイラルマーケットスタッフの堤谷美雪さん、後藤千佳さん、スパイラルのエントランスに構えるスペース「Showcase」と「MINA-TO」を担当する安蒜はるかさん、そして「MINA-TO」とのコラボレーション作品を手掛けたアートユニットSPOLOGUMのみなさんに話を訊いた。

「作家の想いを汲み取り、伝える」ショップスタッフの醍醐味とは

作家の魅力にあふれた質の高い商品を、多くの人に伝えたい。その気持ちは、スパイラルマーケットのディスプレイを手がけるショップスタッフにも共通している。青山店のスタッフである後藤千佳さんが、最近もっとも印象的だったと話す、コサージュブランド「la fleur(ラ・フルール)」とコラボレーションした「la fleur+S『reviere』」シリーズのディスプレイについて訊いた。

「la fleur(ラ・フルール)」とコラボレーションした「la fleur+S『reviere』」シリーズ画像提供:スパイラル / 株式会社ワコールアートセンター

「la fleur(ラ・フルール)」とコラボレーションした「la fleur+S『reviere』」シリーズ
画像提供:スパイラル / 株式会社ワコールアートセンター

後藤:スパイラルマーケット店内では、定期的にフェアも行っています。新製品の導入時に、商品を手掛けた作家さんからコンセプトや使い方を直接レクチャーしていただく機会もたくさん設けていて。「la fleur+S『reviere』」のお披露目を兼ねたフェアでは、一見、コサージュの販売コーナーとは思えない異色のチャレンジをしました。店内の一角をホテルの客室に見立ててベッドや椅子を置き、その上に洋服と一緒にコサージュを散りばめ、旅行中のお洒落をイメージした空間を作り上げたんです。棚に並んだ商品を見てもらうだけでなく、お客様がその商品を身につけるシーンを想像しやすいように見せるスタイルは、作家さんが作品に込めた心をお客様に感じてもらうスパイラルマーケットならではの展開だと思います。

単に商品を売るだけではなく、作家の想いを伝えることこそがスパイラルマーケットらしさなのだろう。

後藤:制作者の岡野奈尾美さんに教わりながらコサージュを作るワークショップを開催したり、作家が制作の際に聴いている音楽のライブを店内で開催するなど、様々な視点から世界観を表現しています。作り手のこだわりをお客様に伝えるのもショップスタッフの大切な役目。買い物感覚というよりも、アートスペースの展示を見るような感覚で楽しんでいただきたいというのが、私たちの願いでもあります。

ショップスタッフ 後藤千佳さん

ショップスタッフ 後藤千佳さん

アートユニットSPOLOGUMが手掛けた、ユニフォーム制作の舞台裏

そんなスパイラルを、当事者である作家はどう感じているのだろうか。2016年1月にスパイラルエントランス常設のイベントショップ「Showcase」で個展販売を行ったアートユニット・SPOLOGUM(スポロガム)と、企画を担当した安蒜はるかさんに制作現場の舞台裏や背景を伺った。彼らの作品は、個展終了後も現代アート作品の展示販売や旬のクリエイタープロダクトの紹介スペース「MINA-TO」で取り扱われている。

安蒜:SPOLOGUMさんは、野中厚志さんと森由江さんのユニットなんですが、主に衣服やテキスタイルを作りながらも、アパレルに留まらない様々な表現をしている、とてもアーティスティックなブランドだと思っていました。「Showcase」での個展販売も、「ストールが降る日」というテーマを掲げ、天井からストールを吊り下げることで、スペースをアート空間のように体感してもらう演出を施しました。

ショップスタッフ 安蒜はるかさん

ショップスタッフ 安蒜はるかさん

SPOLOGUM:私たちもスパイラルのことは、もちろん以前から知っていましたし、青山のスパイラルマーケットも作家のアート性を大切に育むようなショップとして、憧れの存在でもありました。なので、私たちにとってはスパイラルの顔でもあるスペースで展示・販売をできるのはとても光栄なこと。一方で若い人から年配の方までの幅広いお客様がいらっしゃる場所での展示販売は初めてだったんです。挑戦でもあったので不安もありましたが、たくさんのお客様に来ていただけてとても嬉しかったですね。「Showcase」以降、お客様からの作品への問い合わせメールも増えたり、インターンを希望する学生からの連絡なども舞い込んで、反響の大きさに驚いています。

SPOLOGUMの作品に惚れ込んだ安蒜さんの提案によって、スパイラルとの新しいコラボレーションも生まれた。それが「MINA-TO」のショップスタッフユニフォーム制作だった。

安蒜:「MINA-TO」は世界中から新しいものが届き、ヒトとモノとコトがつながる「港」をコンセプトにしたスペースです。スパイラルマーケットでは扱わないような、よりインパクトのあるアート寄りの作品を提供する場所としてオープンしました。インテリアデザインも若手建築家の萬代基介さんによる設計で、とても近未来的でアート感が強い空間。そのイメージに、アーティスティックで斬新なデザインとテキスタイルにこだわっているSPOLOGUMさんの作品がぴったりだと思い、制服のデザインをお願いしました。

SPOLOGUM:ユニフォームデザインというのも今までやったことがなかったので、最初にお話をいただいたときはビックリしましたが、私たちにとっても新しいチャレンジだと思いました。デザインは未来的なイメージに合わせて宇宙船の乗組員のようにも見えるポンチョを選びました。また、店舗の壁色に同化させ、港の水や波の光の輪郭を際立たせられるように、1枚1枚アクションペインティングで縫製後に手描きをしています。新しいモノを生み出すスパイラル、「MINA-TO」のイメージを表現しました。

SPOLOGUMがデザインを手掛けた「MINA-TO」のユニフォーム

SPOLOGUMがデザインを手掛けた「MINA-TO」のユニフォーム

ユニフォームはとても反響が大きく、お客様からは「このユニフォームは売っていないのか?」という問い合わせもあるのだという。「MINA-TO」の店頭で販売しているSPOLOGUM作の個性的なストールやトートバッグも好評を博している。SPOLOGUMはスパイラルとのものづくりの可能性について次のように続けた。

SPOLOGUM:「MINA-TO」も新しいアートスペースとしてとても面白い試みだと思いますし、スパイラルによるシーンの切り取り方は、常にシャープでモダン。時代の流れに左右されず、常に新しいモノを発信していく凛とした佇まいがあって、他にはない視点と熱意を感じています。作家にとっても、そんなパートナーと一緒にものづくりができるのは嬉しいこと。これからは、アパレルに限らず、例えば手帳などのステーショナリーや他のカテゴリーのアイテムなどを一緒に作っていけたら嬉しいですね。

安蒜:私たちスパイラルのスタッフにとっても、SPOLOGUMさんを筆頭に、様々な作家さんとイメージを共有しながら新しい作品を作り、お客様にお届けできるのはとても貴重な体験です。作家がアート性を発揮できたり、ときには未知の領域へチャレンジを促したり。今後も作家さんとともに、斬新な商品を世の中へお届けできたらと考えています。

まとめ

スパイラルが発信する「生活とアートの融合」の精神は、東京以外のエリアにも広がっていく。選りすぐりのオリジナル商品をメインにした「+S」スパイラルマーケット。現在、東京都内には二子玉川、丸の内、銀座と3店舗を展開中だが、国内の東西文化の架け橋となる名古屋への出店が決定している。ヒト・モノ・コト、あらゆる文化の接点として、今後どのような「エターナルデザイン」を広めていくのだろうか。その活動から、ますます目が離せない。

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