Special 特集・PR

ソニーが東京の「超一等地」に公園をつくる。未知なる場づくりの面白さとは

ソニーPCL株式会社

ソニーが、銀座の中心に「公園」をつくる。しかも、今夏から2020年秋にかけての「第一段階オープン」で、さまざまな実験を繰り返し、そこで得られた知見をもとに、2022年にフルバージョンの「銀座ソニーパーク」を完成させるというのだ。いわば、ソニーが銀座という街とコラボレーションした壮大なプロジェクト。ダイナミックに変わりゆく東京のど真ん中で、ソニーは何を仕掛けようとしているのか? ソニー企業株式会社代表取締役の永野大輔、現場のオペレーションを担当するソニーPCL株式会社の小塚悠介、松田龍太の三名に、このプロジェクトの真意と、目指す理想の「公園像」について尋ねた。

「もしかしたらソニーのイメージを裏切るような『場』になるかもしれない」

―ソニーらしい公園であるためには、「遊び心」がキーワードになりそうですね。

永野:いまの若い世代にとって、もしかしたらソニーは大きな会社だから自由なことがやりづらく、「かたい」とか「つまらない」というイメージがあるかもしれません。でも、それを裏切っていける場にしたいんです。そもそも70年前の創業時から、ソニーには一貫して、人がやらないことをやる「遊び心」が企業文化としてあるんですよ。

ソニービルが閉館する直前に、ソニーの過去から未来までを扱う『It’s a Sony展』というイベントのプロデュースを担当したのですが、創業以来の商品を見ていると、「遊び心」が随所に見られるんです。たとえば、まだ家庭用テレビが普及していない時代にソニーが最初につくったテレビは、8インチのポータブルテレビだったんですよ。

1960年にソニーが開発した1号機の8インチのポータブルテレビ ©Ginza Sony Park Project(画像提供:ソニー)

1960年にソニーが開発した1号機の8インチのポータブルテレビ ©Ginza Sony Park Project(画像提供:ソニー)

―とてもポジティブな意味でクレイジーですね……!(笑)

永野:そうでしょう?(笑) そこには、次のライフスタイルをクリエイトする「遊び心」があるんですよね。考えてみれば、銀座のあの場所に公園をつくるということ自体が「遊び心」そのものですから。その遊びをもっと突き詰めてみたいと思っています。

そして、プロダクトや音楽、映画、金融サービスなど、ソニーが手がける事業と同じレイヤーに、この「銀座ソニーパーク」を持っていきたいんですね。この場自体が、ソニーというブランドの魅力的な象徴になってほしいな、と。

松田:ぼく自身も、このプロジェクトの話を最初に聞いたとき、ものすごくワクワクしました。特に2020年に向けて、都内にどんどんと建築物が建っていくなかで、銀座の一等地を公共のフリースペースにする、という……。まさに「遊び心」を感じましたし、こんなに規模の大きい遊びがあるのかと驚きました(笑)。

小塚:「まったく前例がない」「どんな可能性もあり得る」「自由にやっていい」という場があることは、見方によってはプレッシャーかもしれません。でも、感じ方によっては、心からワクワクできることでもあります。ですから、直感的に「ここで、一緒に遊びたい!」と思う人と会ってみたいんですね。あらゆるジャンルの、いろんな人と出会いたいと思っています。

「ラグジュアリーなイメージのある銀座に『江戸の粋な着崩し』を仕掛けたい」

永野:ひとつ参考になると思った公園のイメージは、ニューヨーク・マンハッタンにある「ブライアント・パーク」(タイムズスクエアとグランドセントラルステーションのあいだ、オフィス街の中心に位置する憩いの場)です。あそこは、いわば「プログラムされた公園」で、来園者の数に合わせて椅子の数をコントロールしていたり、人が集まってきたときにボードゲームを提供したり。

ですから、「銀座ソニーパーク」は、それこそプログラマーの力が必要になるかもしれないわけです。そのうえで、ソニーがつくるからには単なる「公園」ではないものになる。「公園」はモチーフであり、言いかえれば「プラットフォーム」ということですね。

―常に「遊び心」を意識したソニーの思想が体現される、オープンかつイノベーティブな「プラットフォーム」であるわけですね。

永野:不確実性が高いこの時代において、カチッとしたショールームをつくっても、お客さまに受け入れられないのでは、と思います。いまは場所そのもののフレキシビリティーも求められるわけですよね。

そして、公園というのはフレキシビリティーが究極的に高い場所でもあるんです。散歩している人もいれば、お弁当を食べている人もいるし、楽器を演奏している人もいる。そして、来るたびに何かが変化しているような余白があるんです。時代に合わせて変化し、常に新しいものをつくりだしてきたソニーらしさはそこにあるだろう、と。

―大企業が、ラクジュアリーでアッパーな街というイメージのある銀座で新たな場をつくるとなれば、それこそ硬いというか、コンサバティブな印象を持つ人もいるかもしれませんが、その正反対の試みですよね。

永野:街にはリズムが必要です。老舗があれば新しいお店もあり、幹線道路があれば路地裏もありと、振れ幅によって生まれるさまざまなリズムのなかでこそ人は生きていける。いま銀座がアッパーなほうに振れているのであれば、ぼくたちはいわばダウンのほうに振れたいと考えています。

それも、江戸の粋な着崩しのような、型を知ったうえで崩す「ドレスダウン」のようなあり方です。アッパーなエリアが多い銀座の街並みに対して、「銀座ソニーパーク」はダウン側を担い、その両幅によって銀座に新しいリズムを生み出したいですね。

小塚:銀座は行きにくいというイメージを持っている人でも、気軽に来てもらえるような場にしていきたいですね。もしこれから、街全体が「銀座ソニーパーク」に引っ張られてドレスダウンしてしまったときは、人がやらないことをやりたくなるので、別のリズムを目指すかもしれません(笑)。そうした探究もチームでやっていきたいですね。

松田:ぼく自身、10年前に銀座のカフェでアルバイトをしていたのですが、それこそアッパーな街というイメージがありました。しかし、裏路地を歩いてみると、ダウンな魅力もじつは隠されている。街のイメージづくりにも携わっていけるのは、責任が大きいとともに、すごく魅力的な仕事だと思います。

永野:地上1階、地下4層に広がる「銀座ソニーパーク」は、実際に街の機能と直結したジャンクションなんです。数寄屋橋交差点、地下鉄のコンコース、そして西銀座駐車場とつながっている。公園って、目的地まで歩く際のショートカットにも使いますよね(笑)。銀座を歩きながら、目当ての場所に行こうと「銀座ソニーパーク」を通ったら、何か面白いことが起きていて、思わず寄り道してしまう。そんな場所を、一緒につくっていきたいです。