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全社一斉に16連休? シフトブレインが社員の生き方に本気で向き合う理由

株式会社シフトブレイン

今年15周年を迎えるデジタルクリエイティブエージェンシー、シフトブレイン。トヨタ、資生堂といったナショナルクライアントからスタートアップまで、さまざまな企業やブランドのクリエイティブ制作を手がけ、海外アワードの数々を受賞してきた。そんな彼らの新スローガンは「WORKS GOOD!」。「いい働き方」と「機能するクリエイティブ」というダブルミーニングによってつくられたこのコンセプトのもと、同社が打ち出したのが「全社16連休」だ。なぜ、この取り組みに至ったのか? 代表取締役の加藤琢磨さんと、プロジェクトマネジメントチームリーダーの山本真也さんの話から見えてきたのは、「会社」という組織に対する柔軟な発想だった。

ロンドンで衝撃を受けた、クリエイターを社長やマネージャーが下支えするチームづくりのあり方

海外のクリエイティブ企業の働き方、制作物のクオリティーに刺激を受けて、長時間労働という文化を大きく変えたシフトブレイン。その背後には、各スタッフが時間を意識化するだけでなく、プロジェクトマネージャーの働きが大きかったと振り返る。クリエイターたちを束ね、プロジェクトの進行管理を行うこの仕事の重要性を聞いた。

—そもそも、プロジェクトマネージャーとはどのような仕事でしょうか?

山本:予算や工期を計算しながら、デザイナーやエンジニアなどのメンバーの特性を考えつつチームビルディングを行ったり、制作の進行管理を行ったり、会議の場ではファシリテーションも担います。計算する力、計画する力、まとめ上げる力が必要になるのがプロジェクトマネージャーという役割ですね。

ただし、最終的なゴールはクリエイターを管理し、予算の枠のなかに収めることではなく、いいクリエイティブを生み出すということ。実際につくるのはクリエイターたちですが、いいものを生み出すことに対して、クリエイターと同じかそれ以上の情熱が必要な役割です。

加藤:クリエイターの裏側に回りながら、彼らを支えていくという、いわば縁の下の力持ちといった役割ですね。でも、海外の企業やプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーの給料がいちばん高いんですよ。重い責任を持たなければならないときもありますが、クリエイターやクライアントなど、多くの人に感謝される機会もたくさんある仕事だと思います。

 

—その責任の重さから、プロジェクトマネージャーがクリエイターたちを上から束ねるという組織の会社も多いですが、シフトブレインのプロジェクトマネージャーは下から支えるというポジションなんですね。

加藤:会社の組織構造も同じだと思っています。ロンドンでは、クリエイターが価値をつくっているのだから、マネージャーや社長は彼らの下という組織のつくり方がなされていました。そんな日本にはない組織のあり方に触れ、大きく価値観が変わったんです。社長であるぼく自身の仕事も、スタッフそれぞれのパフォーマンスを最大限活かしていくことであり、いちばん下から支えているようなもの。どのようなかたちの組織がシフトブレインにとって最もフィットするのかを考え、試行錯誤しながらいまのようなかたちに至ったんです。

全社員に、2時間ロングインタビューを実施。自分にとっての「いい人生」を考えるきっかけに

代表取締役社長である加藤さん自ら「社長がいちばん下」と断言するシフトブレインの組織構造。ひょっとしたら、そんな発言は「きれいごと」と受け取られてしまうかもしれない。しかし、この言葉にはクリエイターに対する強いリスペクトの気持ちが込められており、加藤さんが「いま、組織で働くこと」を真摯に考えた結果でもあった。

—シフトブレインでは組織構造の転換などによって、クリエイターがより働きやすい職場づくりをしています。これは、たとえば離職率の低減など、会社に対してもメリットのある施策なのでしょうか?

加藤:実際に離職率は低下していますが、じつはそういった会社への効果というのはあまり考えていないんですよ。ぼくがいちばんに考えているのは、スタッフの人生を豊かなものにしたいということ。それをサポートするのが、シフトブレインという会社の役割だと考えています。

—とても素晴らしい発想だと思いますが、理想主義的すぎるのではないでしょうか?

加藤:そうですかね(笑)。ぼくは、よく「自分がフリーランスだったらどうするか?」と考えるんです。だって、優秀な人材であれば、1人のほうが自由だし、会社に所属するよりも多くの報酬を得ることができますよね。実際、シフトブレインのクリエイターは、フリーランスとしてもやっていける技術を持った人ばかり。彼らがここに所属したいと思ってもらうためには、組織ならではの価値や楽しさをぼくらが提供する必要がある。そうでなければ、シフトブレインに属している意味はありませんよね。

リラックスした雰囲気のある打ち合せスペース

リラックスした雰囲気のある打ち合せスペース

—山本さんは「WORKS GOOD!」のスローガンづくりに携わっているそうですが、ここからどのような展開を考えているのですか?

山本:全社員に「WORKS GOOD!」というスローガンに対する自分なりの解釈を、一人ひとつのアイテムに例えてもらいました。それらをモチーフにしたグラフィックを制作し、社内に掲示しています。これは、一人ひとりに「WORKS GOOD!」を自分ごととして捉えてもらうための取組みの一つです。

15周年を期にサイトデザインをリニューアル。背景には、社員それぞれの「WORKS GOOD!」のアイテムが並ぶ(画像提供:シフトブレイン)

15周年を期にサイトデザインをリニューアル。背景には、社員それぞれの「WORKS GOOD!」のアイテムが並ぶ(画像提供:シフトブレイン)

—たとえば、山本さんはどのようなものを挙げたのでしょうか?

山本:ぼくが「WORKS GOOD!」を感じるのは、スポーツブランド・チャンピオンのスウェットです。カッコよすぎずダサくもなく、冬場はこればかり着ているのですが、ぼくのクリエイターとしての理想も、シンプルで普遍的なものをつくること。そういったものこそ、社会や誰かの生活に対して作用し得るのではないかと考えているんです。みんな直感的に浮かんだアイテムを挙げてくれたのですが、理由を探っていくと、それぞれが大切にしていることが浮かび上がってきます。

山本さんの「WORKS GOOD!」。コピーは「シンプルで、普遍的」(画像提供:シフトブレイン)

山本さんの「WORKS GOOD!」。コピーは「シンプルで、普遍的」(画像提供:シフトブレイン)

—お互いに「大切にしていること」を知ることで、理解し合うことができる。

山本:また、個々人の解釈をさらに深めてもらうために、2時間のロングインタビューを全社員に実施しています。外部のライターに依頼し原稿化はするものの、会社の校閲は一切入れず、社外にも公開しないことを前提にすることで、ドキュメンタリーとしての純度を保っています。

この企画の目的は、自分のこれまでの人生について深く考えてもらうこと。これはぼくがインタビューをお受けするたびに感じることなのですが、第三者に自分を説明しようとすることで、普段は考えないような自分の深みに潜ることができるんです。それをありがたいと感じたし、カウンセリングを受けたような気持ちになりました。自分を見つめ直す機会としてインタビューを受けるなんて、日常では起こり得ないことですよね。これも、組織だからこそ提供できる価値のひとつだと思っています。

集まった原稿は、各々が「いま」の気持ちを振り返られるように、「中間文集」と名づけて冊子にするつもりです。メンバー同士はもちろん、社員の家族に見せるのも面白いかもしれませんね。

加藤:「WORKS GOOD!」という言葉を通じて社員みんながこれからの人生を豊かにしていくためには、これまでの人生を振り返り、自分のポリシーがどのようにしてつくられたのかを見つめなければならないと思ったんです。メンバーがこれらの企画を通じて、自分にとっての「いい人生」について考えるきっかけになったら嬉しいですね。

 

—今回は「15周年」ですが、20周年に向けたビジョンはありますか?

加藤:5年後にどんな技術革新が起こっているかを予測できないと結論は出ないのですが、いまの働き方やクリエイティブに対する考え方は間違っていないと思っています。もしかしたら、組織と個人の関係がもっと柔軟になり、何社にも属していることが当たり前の世の中になるかもしれません。小さな会社なので、時代に合わせてその都度目指す場所を転換しながら、これからも一緒に働くみんなの人生を豊かにする方法を考えていければと思います。

山本:海外のアワードに積極的に参加するようになった数年前から、加藤だけでなく、各スタッフも時間や働き方に対する新たな考え方を持ち帰るようになってきました。加藤の独断ではなく、スタッフレベルでも積極的にどのように働いたらいいのかを試行錯誤しています。会社もスタッフも、働き方については、常に変化を拒まずに柔軟な発想を保ち続けていきたいですね。