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「未経験から1年で一人前に」。優秀な編集者はなぜロースターで育つ?

株式会社ロースター

雑誌や写真集、WEBメディアなど、さまざまな媒体のコンテンツ編集を手がける株式会社ロースター。「編集者は3年で一人前といわれるが、うちの社員は入社1年で一人前になれる」と語る代表取締役の大崎安芸路さんの言葉どおり、2008年の創業以来、業界に数多くの優秀な人材を輩出している。今回は、同社で編集者としてのキャリアをスタートし、現在はサイバーエージェントにて女性向けWEBメディア「by.S」の編集長を務める阿部美友さんと、大崎さんの対談を企画。ロースター流「編集者としての哲学」について話を伺った。

取材・文:小沢あや 撮影:西槇太一(2017/12/6)

情熱とセンスさえあれば、未経験者も経験者に劣らない

ロースターに勤める社員は14名。少数精鋭だが、現在は未経験者も積極的に採用している。それは、代表の大崎さんが「いまの時代、編集者に必要なのは、必ずしも経験ばかりではない」と感じているためだ。

ー実務経験が求められることが多い編集業界のなかで、未経験者を採用するのは珍しいのではないでしょうか。

阿部:私も5年前、未経験者として入社しました。大学を卒業後、女性ファッション誌の編集者になりたい気持ちを抱きながら、海外留学の準備をしていたとき、友人の紹介で大崎さんに出会ったんです。「このチャンスを逃したら、一生編集者になれないんじゃないか」と思い、その場で気持ちを伝えて。すぐにオフィスへ遊びに行き、その翌週にはもう働いていました。

「by.S」編集長 阿部美友さん

「by.S」編集長 阿部美友さん

大崎:当時、ロースターの中途採用では経験者を優遇していました。でも、彼女はやりたいことや将来のビジョンを明確に伝えてくれたので、大丈夫そうだと思って。実際に働いてみて、「情熱とセンス」さえあれば、未経験者も経験者に劣らないなと感じたんです。

ー「情熱とセンス」とは、噛み砕くとどういったものでしょう。

大崎:情熱は、「編集者になりたい」という強い気持ちです。壁にぶつかったときって、だいたいみんなくじけてしまうんですよ。でも、強い気持ちがある人は、ピンチに陥ったときにも逃げ出さず、壁を飛び越えて伸びていく。ぼく自身、新卒時の就職活動では、出版社にこだわって20社くらい落ち続けた。途中から、「社員じゃなくてもいいから、絶対に業界に入ってやる」と気持ちを切り替えて、出版社にアルバイトとして拾ってもらったのが編集人生のスタートだったんです。

ー仕事への執着が鍵ということですね。

大崎:最初は勘違いでもいいので、「自分にはこの仕事しかない!」と思い込む力が勝敗を分けると思います。一度業界に入ってしまえば、あとはもう実力の世界ですから。出版社での経験があったとしても、「いまの時代の編集者に向いているか」というと、必ずしもそうではありません。もちろん経験は大切ですが、新しいものをつくるうえでは、過去の成功体験にとらわれない柔軟性や、何事も取り入れようとする多様性のほうが大事。これを、ぼくは「センス」と呼んでいます。新しいものを知ること、学ぶことに、喜びを感じられる「知的好奇心」というか。ぼくの経験則では、センスと情熱さえあれば、なんとでもなる。よく「編集者は3年で一人前」といわれるけれど、うちの社員は、入社1年で一人前になっていると思いますよ。

ーたった1年! 阿部さんの場合は、どんな仕事からスタートしたんですか?

大崎:たしか、ミランダ・カーのパーソナルトレーナーであるジャスティン・ゲルバンドの本だったと思います。突然、仕事の依頼が舞い込んできたので「これはちょうどいい!」と思って、迷わず新人の阿部に声をかけました。当時、ミランダの大ファンだった彼女は、ふたつ返事で「やります!」と。「こいつ運がいいなあ」と思いましたね(笑)。

阿部:本の編集から付録DVDの撮影まで、丸ごと担当しました。当初は編集者がどういう仕事をするのかもわからない状態のまま、まずは撮影現場に行くことから始まりました。未経験だからといって、まさか「できません」と引き下がることもできず……。正解がわからないまま必死に進行したんです。撮影が終わって、大崎さんから「よかったじゃん」と言ってもらえたときに初めて、「私、間違っていなかったんだ」と安心して。そんなふうにとにかく現場での経験を重ねながら、だんだんと自分のスタイルを築いていきました。

阿部さんが携わった『model FITダイエット TRIAL BOOK(DVD付)』(画像提供:ロースター)

阿部さんが携わった『model FITダイエット TRIAL BOOK(DVD付)』(画像提供:ロースター)

大崎:何よりも、まずは現場に行くことが大切。あと、ぼくは部下に任した現場に、口をいっさい出さないようにしています。もちろん、重要な判断をしなければならないことがあれば言いますが、彼女の場合は問題なかったですね。中途半端に一緒にやると、つい全部自分でやりたくなってしまうので、成長の機会を奪わないように気をつけています。

ー後ろから見守りつつ、裁量を与えると。上司と部下の信頼関係があってこその指導法ですね。ガラス張りの社長室やカフェカウンターなど、オフィスにも開放感がありますが、普段から大崎さんと社員とのコミュニケーション量は多いですか。

奥渋エリアにある開放的なロースターのオフィス(画像提供:ロースター)

奥渋エリアにある開放的なロースターのオフィス(画像提供:ロースター)

大崎:ぼくも会社にいるときは意識して、社内のカフェスペースで企画書をつくったり、カウンターでコーヒーを飲みながらメールをチェックしたりしています。デスクトップPCを使う社員が多いので、現在のところは見送っているんですが、本当はフリーアドレスにしたいくらい。ずっとデスクにいることで原稿がはかどらないなら、オフィス内に限らず、カフェでもどこでも、みんな好きな場所で仕事していいんじゃないかと思っています。

普段の生活のなかでアンテナを張りめぐらすことが大切

編集未経験ながら、ロースターの徹底的な現場主義のなかで、阿部さんは数々の雑誌編集を手がけることになった。とくに印象に残っているという雑誌『BLENDA』(角川春樹事務所)は、毎号、企画から校了まで2週間というタイトスケジュール。多忙を極めるなかでも、常に新たな知識を求めて街に出ていたという。

ー阿部さんは入社半年で雑誌『BLENDA』のメイン編集担当に抜擢されたんですよね。

大崎:誰に任せるか考えたときに、阿部が浮かんだんです。彼女の性格やライフスタイルからも、『BLENDA』みたいなギャル雑誌は合うんじゃないかと思って。担当になった3か月後にはすっかり現場の勝手も覚えて、編集長と直接やりとりをしていました。仕事ぶりが評価され、結局『BLENDA』が休刊になるまで担当を続けたのですが、最後はほぼ版元の編集部員と同じようにかわいがってもらっていましたね。

阿部:当時はロースターの別の仕事で、グルメ誌やタウン誌なども並行してつくっていたので、それぞれの雑誌に関連して、新しい情報が次々と飛び込んできていました。おかげで、いろいろなことを同時に処理する能力が身につきましたね。

大崎:タスクマネジメントも、現代の編集者に求められる重要なスキルだと思いますね。昔は、何か一本に絞ってやることがよしとされていたけれど、いまは多様なジャンルの仕事を同時に進めていかなければなりません。時代は大きく変わってきていると思います。

ー常にさまざまな案件が飛び込んでくる、ロースターだからこそ身につくスキルなのでしょうね。

大崎:20代のとき、リリー・フランキーさんにお酒の席で、「仕事がきたら、とりあえずやったことがなくても受けろ」と言われたんです。「おれはやったことのない仕事でも、できます、やれます、大丈夫です、しか言わなかった。そのかわり、いい加減なものを納品したことは一度もない」と。経験のない仕事でも引き受け、そして受けた以上は死ぬ気で勉強して本番に臨めということですね。その言葉をよく覚えていて、自分に声をかけてくれたなら、経験がない仕事もどんどん受けていくべきだと思っています。社員にもその精神で、成長していってほしいですね。

ロースター代表取締役 大崎安芸路さん

ロースター代表取締役 大崎安芸路さん

ー未経験のことに挑戦するなかで、苦労もあったのではないでしょうか?

阿部:『BLENDA』は毎号勉強になることばかりでしたね。いちばん印象に残っているのは、見開き4ページの「ネイル企画」。ギャル誌ってとにかく情報量が多いんですが、このときもページいっぱいに、とんでもない量のネイルデザインの写真とそのキャプションを詰め込んで。キャプションは各40字くらいの短いものなのですが、1ページ分終わったときに、自分の語彙力の限界を感じました。「この水玉とこっちの水玉の違いを、どう表現したらいいんだろう」と……。

ファッション誌の編集では、「かわいい」を何通りに言い換えられるかが求められました。それをきっかけに、ファッションや美容に関するワードを集めたボキャブラリーノートをつくりはじめたんです。いろんな雑誌やWEBメディアの表現を参考にして、書き込んで。

ー業界やトレンド研究をしつつ、オリジナルの辞書をつくっていったんですね。

阿部:プライベートでも、「これを企画にしたら面白そう」「ここで撮影したらきれいに撮れそう」と、常に編集者の視点で街を見ながら歩いていました。どんな仕事でも、机に座って頭をひねるだけで新しいものが生まれることって、あまりないと思うんです。ファッションの企画なら、実際に服屋さんに行って、お客さんがどういうものを手に取るか、店頭のマネキンがどういうものを着ているかなど、実際に見るところから始めていました。こんなふうに読者のリアルに寄り添って考える姿勢は、媒体が変わっても、変わらず大切にしています。

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紙からWEBへ。これからの編集者はメディアに合わせたものづくりができるかどうか

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