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クライアントもデザイナーも嬉しいものづくりを。ラナが実践する3つのコツ

株式会社ラナデザインアソシエイツ

クライアントとより良いクリエイティブを生み出すには? 朝日新聞やビームスなど、多くのナショナルクライアントと取引しているラナデザインアソシエイツ。クライアントが打ち出したいイメージを視覚的に伝える巧みなグラフィック表現を武器に、上質なアウトプットを生み出し続けている。WEBデザインからプロダクト、ロゴ、空間まで幅広い領域を手がける同社の仕事の質を支えるのは、ラナデザインならではのクライアントとの向き合い方。創業以来20年かけて培ってきた仕事術を探るべく、ディレクターの小川博子さん、アートディレクターの秋山貴典さん、アカウントディレクターの中村加奈さん、デザイナーの齋藤碧さんにお話をうかがった。

取材・文:榎並紀行(やじろべえ) 撮影:有坂政晴(STUH) 編集:服部桃子(CINRA)(2019/07/26)

コツ1:イメージカードや模造紙を駆使して、クライアントと世界観を共有する

—ラナデザインは多くのナショナルクライアントと取引しており、現在は案件の約7割が直クライアントとうかがいました。クライアントと信頼関係を築くコツはありますか?

小川:まずはクライアントと一緒にデザインの方向性を考えるところから始めます。最初の打ち合わせでは、キーワードをたくさん出しあい、ディスカッションを重ね、クライアントのイメージに合うものにしぼっていきます。それをもとに、どんなビジュアルやカラーが合うのかなど、その世界観を実現する方法についてコミュニケーションを重ね、すり合わせる。

ディレクター 小川博子さん

ディレクター 小川博子さん

小川:それでもイメージを共有できない場合は、クライアントとワークショップを行うこともありますね。たくさんの画像イメージを収集し、トーン&マナーごとにA案、B案、C案と分類してビジュアルの方向性を探っていったり、そもそものクライアントの思い、企業理念を引き出したりしていきます。打ち合わせで質問するよりも、さらに深掘りすることができますね。

こうしたコミュニケーションに使うツールややり方は、ADが中心となり、社内のさまざまなプロジェクトで活用しています。

収集した画像イメージとそれに紐づくカラーチャートを見せ、クライアントとすり合わせていく

収集した画像イメージとそれに紐づくカラーチャートを見せ、クライアントとすり合わせていく

—とても丁寧にイメージのすり合わせを行うのですね。

秋山:そうですね。最初にクライアントと密なコミュニケーションをとり、しっかりとすり合わせを行っておけば、間違った方向には進みません。

小川:少なくとも、前提を覆すような修正依頼がくることはほとんどありませんね。また、仮にデザインの方向性に悩んだとしても、大きなコンセプトが固まっていればそこに立ち戻ることができますし。変な迷い方をすることはありません。

秋山:たとえば以前担当した、函館にある老舗ホテルの案件。ホテルのリニューアルに合わせて、WEBサイトやロゴ、暖簾などのデザインをつくるというものでした。その際も先方と丁寧にコミュニケーションを重ねていったところ、まったく別物に刷新してしまうよりも、もとのデザインの良さを活かしながらアレンジするほうが良さそうだとなったんです。100年以上営業し、地元の人たちにも長く愛されているホテルでしたので、そうした想いも感じられるものにしようと。

アートディレクター 兼 デザイナー 秋山貴典さん

アートディレクター 兼 デザイナー 秋山貴典さん

—そのような場面で、フォーマットとなるツールや方法論があるのは便利ですね。

小川:ただ、案件によって打ち手を変えることもあります。最近の事例では、大きな模造紙を使ったイメージボードをクライアントとのディスカッションに用いました。デザインの方向性を大まかに分類し、そこにビジュアルイメージを貼りながら議論していくんです。

企画書に落とし込むよりも、大きな模造紙に貼っていくことで参加者の視線が一か所に集まりますし、クライアントも自分のアイデアや考えを言い出しやすくなる。「これはちょっとイメージと違うね」なんて言いながら貼り替えたりして、打ち合わせがとても盛り上がりました。

模造紙にイメージビジュアルを貼り、それを見ながらディスカッションを行う。ここでは、クライアントのイメージが雑誌でいうとどれに近いかをすり合わせている

模造紙にイメージビジュアルを貼り、それを見ながらディスカッションを行う。ここでは、クライアントのイメージが雑誌でいうとどれに近いかをすり合わせている

コツ2:エンドユーザーを大切に。そのために、考え抜く時間はしっかり確保

—アプローチの仕方は、各担当者に委ねられているのでしょうか?

小川:そうですね。基本のツールやテクニックは共有しつつも、担当者ごとに独自の方法論を持っています。ただ、先ほどの模造紙を使ったプレゼンのように、うまくいったやり方は週一回の振り返りミーティングで社内全体に共有するようにしていますね。

また、チームや職種の垣根を越えた作戦会議もよくしています。その案件に関係がない人にも参加してもらい、どうコミュニケーションをとればうまくいくのか、過去の経験も踏まえた意見をもらいます。クライアントに対してどんなアプローチが望ましいのか、まずはチームとして同じ方向を向いていることが重要だと思うので。

秋山:会社の共通認識としてあるのが「エンドユーザーのためになることをする」ということです。それがひいては、クライアントのためにもなる。そのゴールだけは、どの案件も変わりません。最終的なゴールが明確だからこそ、クライアントに対してさまざまなアプローチを試していけるのだと思います。

—入念な打ち合わせを含め、じっくり時間をかけて制作していくのがラナデザインのスタイルなのですね。とはいえ、なかにはタイトなスケジュールの案件もあるのでは?

小川:私が以前に勤めていたデザイン会社では、クライアントから「3日後にデザインを見せてほしい」と言われ、打ち合わせもろくにできないまま急ぎでつくったケースがありました。ただ、やはり良いものをつくるには、しっかりクライアントとコミュニケーションを取り、それをもとにとことん考え抜くことが欠かせません。そのためにはある程度の時間を要します。

ラナデザインには、しっかり考え抜いたうえでアウトプットする風土が根づいているので、あまりにも納期に余裕がない場合はクライアントに相談してスケジュールをご調整いただくこともありますね。

コツ3:デザインは全員で考える。デザイナー以外も意見できる環境だから、多彩なアイデアが生まれる

—中村さんはアカウントディレクターだそうですが、どんな業務を担当しているのですか?

中村:最初にクライアントからお話をうかがい、そこから社内キックオフというかたちでチームのメンバーに共有します。アートディレクター(以下、AD)やディレクターだけでなく、案件に関わる全員に同じタイミングで要件を伝えることで、コミュニケーションエラーを防いでいます。

その後、デザイナーを中心にブレストを重ねてアイデア出しをしていくのですが、そこに私たちアカウントディレクターも参加します。ブレストの段階でクライアントが望む方向性と大きく異なっていれば、そこで気づくことができますから。

以降はディレクターにお任せして、アウトプットまでの進行管理を含めバトンタッチするというのが大きな流れですね。ただ、手離れしたからもう無関係ということではなく、何かあればADやディレクターから相談されることもありますし、その逆もあります。

アカウントディレクター 中村加奈さん

アカウントディレクター 中村加奈さん

小川:たとえば、WEBサイトのワイヤーフレームを書くのはディレクターの仕事ですが、その段階からADにアドバイスをもらうこともあります。また、コーディングが上がってきたあともディレクターがひとりでチェックするのではなく、デザイナーやADに「どう思う?」と聞くなど、いつでも気軽に社内で相談や意見交換ができる文化はありますね。

あとは、仕事にぜんぜん関係ないくだらない話もよくしています(笑)。なんてことない雑談からアイデアが生まれることもありますし。

中村:ブレストのやり方も独特ですよね。その案件に関係なくても「これに興味がある人、集まってください」という感じで始まるんです。化粧品の案件ならコスメ好きな人、ファミリー系の案件なら子どもがいる人など、ターゲットユーザーに近い人が参加することでブレストの内容が濃くなったり、出てくるアイデアの幅が広くなったりします。

—デザイナーじゃなくてもデザインに意見できる環境なのですね。

中村:そこは、ラナデザインの良いところだと思います。私も、「これはクライアントが求めているものとは違うと思います」とか「こうしたほうが使いやすいんじゃないですか」とか、さまざまな意見を言わせてもらっています。

秋山:ラナデザインには、ADやデザイナー以外の職種でもデザインが好きという人が多いですね。同時に、基本的なデザインの素養も求められています。お互いデザインに理解があるからこそ、的確な意見交換ができるんですよ。だから、いかにディレクションのスキルが素晴らしくても、デザインにまったく興味がないという人だと合わないかもしれません。

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