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これからのウェブ制作会社に必要なこと

株式会社PIVOT

これからのウェブ制作の現場で成長していくには、何が必要とされるのか? そのヒントは、「使うWeb」「使えるWeb」「使いたくなるWeb」をキーワードに、「あそびゴコロ」を実践するPIVOTの取り組みに見つかるかもしれない。自らの存在を、サイトを活かしたコミュニケーションの軸(Pivot)であれと考える彼らの仕事観、またそれを支える個人と組織の関係に迫る。

取材・文:内田伸一 撮影:永峰拓也(2014/06/05)

これからのウェブ制作会社って、どうなるの?

「ただウェブサイトを作っているだけなら、終わりがきますね」。穏やかな笑顔から、痛烈なひとことが発せられる。「これからのウェブ制作会社のカタチとは?」という問いに対する、PIVOT代表・宮嵜さんの回答だ。それは気負うわけでもなく、まして悲観的でもない、しなやかな自信が込められた言葉だった。創業から14年間、それ以前のSEとしてのキャリアも含めれば、ベテランと言ってよい経験がそれを裏打ちする。

株式会社PIVOT 代表取締役 宮嵜泰成さん

株式会社PIVOT 代表取締役 宮嵜泰成さん

宮嵜:今では想像しにくいですが、この業界のごく初期には「メール送信フォームをつくる」だけの作業が仕事になる時代もありました。その後、技術や表現の発達が好景気ともつながって「ウェブ=広告」という時代もあった。そこでは、打ち上げ花火的な目新しさがもてはやされましたね。ただ、かつて珍しかったインターネットが「当然」のインフラとなった今、また違う潮流が生まれたとも思います。今は企業もユーザーもまったくの異世界体験としてのウェブより、「自分自身のこと」と、より密接に関わるウェブのあり方を求めていると感じます。

たしかに、SNSやEコーマスだけでなく、教育や医療などの分野でも「自分」を中心にしたイノベーティブなウェブ活用が増えてきた。広告界でも、トヨタの「アクアソーシャルフェス」(ハイブリッド車の広告で、人々が全国各地の「水をきれいにする活動」に参加できるプラットフォームを作成)などは象徴的な例だと宮嵜さんは語る。

二極化していく、ウェブ制作会社

宮嵜:この観点から見ると、今後のウェブ制作会社は、広義の「システムインテグレーター」(ユーザーとシステムの課題解決を請け負う業者)的にクライアントの業務に深く関わっていくか、「オンデマンド印刷」的に単純・安価・迅速な仕事をこなすか、この二極化に進むのではないでしょうか。

かく言うPIVOTが目指すのは、当然前者。教育ではベネッセコーポレーション、商業では東急百貨店、ファッションでは雑誌『VOGUE JAPAN』、アートでは瀬戸内国際芸術祭など多様なクライアントとのプロジェクト実績は、宮嵜さんが机上で可能性だけの話をしているのではないことを物語る。

社内風景

社内風景 広々としたMTGスペースが特徴的

では彼らPIVOTの特徴とは? 煎じ詰めて言葉にすれば、こういうことだろう。「なんのためにそれを作るのか」から出発する強い目的意識。外注に寄りかからない、ワンストップでの社内制作体勢。そして、制作現場の各シーンにおけるバランス感覚だ。

宮嵜:ウェブに限らず、制作会社の基本スタンスは「欲しいものがある人へ、それをつくって提供する」。ポスターなどの広告もそうですね。ただ、ウチはその手前、「そこで最適な手法ってホントにウェブなの?」というあたりから考えます。具体策は時代に合わせながらですが、自分たちは割と最初からそうで、必然的に始めの企画段階から公開後の運用フォローまでお付き合いすることが多くなってきました。

外注に頼らない社内ワンストップ体制をとる理由

「ワンストップ」というキーワードも、会社の歴史と共に必然的に導きだされた体制だと語る。クライアントから見れば、制作会社が内製にこわだろうが、舞台裏で優れた外部協力者を駆使しようが、「窓口はワンストップ」との感覚は同じかもしれない。しかし、長い目で見たときにその事情は変わってくるという。

宮嵜:今は、ウェブサイトを「作ったら終わり」の時代ではないんです。たとえばサイトローンチ後に、その反応を見ながらメンテナンスしつつ、次の一手を打つことは基本です。だからこそ「部分単位」で外注と一緒に対応するのではなく、全体像やそこに至る経緯も理解したチームが自ずと必要になってくる。クライアントはその違いを意識しないかもしれませんが、ゴールを共有して、プロセスを大事にしていく上では、内製じゃないとやりづらい所がでてくると思います。

ただ「面白い」だけでは、必要とされない!?

現在約50名のスタッフのうち、ディレクターが10名、デザイナーが8名、エンジニアが10数名。ほかにプランナー、UXアーキテクトなども擁する。比較的エンジニア比率の高い印象だが、このバランスが前述のシステムインテグレーター的な仕事ぶりを可能としている。

また、ビジネス課題の解決力と遊び心の融合ぶりもPIVOTの特徴。その好例が、全国でウェディング施設を運営するブライダルサービス社の結婚準備アプリケーション「Styleus(スタイラス)」だ。これはブライダル企業をクライアントに、カップルが結婚式までの複雑な各種手配を、ゲーミフィケーションも取り込むことで楽しく進められるサービス。ディレクターの浜田雅昭さんは、実現の経緯をこう語る。

浜田:クライアントの希望は、まず複雑な業務データ、たとえば利用者との打ち合わせ日程から、各カップルが式で使うサービスまでを電子化して共有すること。同時にユーザーに対して、挙式という一大イベントの準備の大変さを楽しさに変えてあげたい、というものでした。さらに双方が実現することで、自社・挙式プランナー・カップルの三者を密につなぐシステムが目指されました。

確かに挙式準備といえば、司会選び、衣装合わせ、招待状からゲストの席順、果てはテーブルクロスの柄まで想像以上の大変さがある。晴れ舞台の前にここでケンカ発生という話もよく聞かれるだけに、いかに楽しく・かつトラブルなく進められるかは重要だ。そこで「Styleus」では各種情報や決定事項をオンラインで閲覧・選択可能とし、担当プランナーと共有することを可能にした。

ディレクター 浜田 雅昭さん

ディレクター 浜田 雅昭さん

浜田:挙式予算が充分で選択肢が多いときも、限られた予算でも自分たち流の式にしたいときも、じっくり考え、話し合うための手助けになりたい。その際にコーディネイターとの対面打ち合わせも大切ですが、打ち合わせ時間や回数が超過すれば費用もかさんでしまう。そこで、オンラインで時間を気にせず色々見比べられて、さらにその準備自体を楽しめるサービスを目指しました。登録者には会員IDが発行され、日程管理や、すでに決定した内容、これから決めるべき内容のどちらも詳細に閲覧できます。さらに準備の達成度ごとに画面上のウェディングカーが行進し、花火が打ち上げられるなど、ゲーム的な要素も取り入れています。

宮嵜:単に「面白コンテンツ」が作れるだけでは、会計処理などもカバーしたこのシステムは構築できませんし、その逆もまた然りです。この点で、僕らの強みが発揮できた例だと思う。これは、業務分析のために半年近く先方に通うなかで、クライアント側からも新たなアイデアを頂くなど、共につくり上げる充実感を得られた案件でした。きちんと反響や効果を生むものを作ろうと思う方々ほど、議論を歓迎してくれますし、自ずと関係性も深くなっていきます。

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組織は規模と共に変化していくもの