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音楽業界とアニメ業界を、デザインとグッズ製作の現場から支えたい

株式会社 楽日

音楽業界とアニメ業界に特化したデザイン事務所「楽日(ラッカ)」。アーティストや作品のもつ世界観を丹念に掘り下げ、ビジュアル化するのを得意とし、CDやDVDのパッケージ、Tシャツに代表されるライブやイベントグッズ、販促ツールなどの企画から制作、販売に至るまでを行ってきた。これまでに手掛けてきたアーティストには、RADWIMPSや凜として時雨など、そうそうたるメンツが並ぶ。来年は設立10周年を迎える特別な年。同社の代表取締役・加藤晴久さんにこれまでの道のりと、今秋リリース予定の新メディアについて話を伺った。

似て非なるアニメ業界と音楽業界。
その「違い」が制作にもたらすメリット

では、もうひとつの軸となっているアニメについてはどう考えているのだろう。楽日にアニメ部門がある背景には、設立して丸2年が過ぎた頃に入社したスタッフの存在があった。案件の導入口、アニメ業界における知識や技術など、必要な要素が微妙に違うため、音楽とアニメは全くの別チームとして分けているのだという。

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加藤:「音楽とアニメのモノづくりって似ているでしょ?」と言われることがあるのですが、僕たちにとっては、似て非なるものです。デザインの入口もグッズ制作の終着点も実はたくさんの違いがあるんです。この違いは現場にいないと伝わりにくいのですが、少なからずスタッフがより夢中になれる方に配属しています。

異なるジャンルを並行することのメリットを訊ねると、「僕自身がアンテナを張っていられること」と加藤さん。似て非なるものとはいえ、同じ時代で起きていること。一方での経験が、もう一方へ活かせた経験も少なくない。戦略を練り、一歩を踏み出す上でも重要なヒントとなるのだ。

加藤:アニメに関するイベントも増えてきたので、音楽業界で培われたモノづくりの知見が生きています。音楽とアニメ、どちらかひとつをやるだけでは得られないノウハウというものが、間違いなくあります。

見えないところで、失われつつあるクリエイティブな空間を、守りたい

冒頭でも触れたとおり、楽日は今年で10周年を迎える。この節目にあたる年に、「共創(=共にものを創る)」をテーマにしたWEBマガジンとフリーマガジンをリリースするのだという。自社のPRメディアにする気はまったくない。モノづくりの現場の実態を伝え、価値あるモノづくりのカタチを存続させることが目的だという。「そこには発信者のチカラが必要なのですが」と前置きしながらも、加藤さんはこう語った。

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加藤:ものを創るという仕事をしていて、工場で働く人のチカラがなければ続けてこれなかったということを改めて感じています。日常生活では工場に行く機会なんてなかなかないと思うのですが、工場って独自の創意工夫が詰まったクリエイティブな空間なんですよ。熱があり、魂が込もった現場がそこにはあるんです。しかし、その現場は見えにくい。僕たちが創るメディアがそういった現場に光を当てることで、若者がその存在に気づき、その素晴らしい技術や精神を未来に継承していくためのひとつのきっかけになれたらと思っています。

加藤さんが学生時代に憧れたこの世界だが、「入ってみればエンタメ業界は地味なことの積み重ねだと気付いた」という。特にグッズの制作を担っていると見えてくるのが製品工場の現状。一時期はライブ興行の盛り上がりから大量生産が重視され、海外の安価な工場に発注が集中した。その結果、廃業に追い込まれてしまった国内工場を目の当たりにしてきたそうだ。最近では小ロットで生産ができる国内工場に需要が戻りつつあるが、若い働き手がほとんどいない。この状況に、加藤さんは危機感を抱いているのだという。

加藤:例えば、Tシャツのプリント工場を取り上げます。新しいメディアでは、人気アーティストやアニメのグッズ製造の現場を撮影し、リポートする予定です。そうすることで、ミュージシャンのファン・アニメファンの目にも届くし、興味を持ってもらえると思うんですよ。100人のうち、たった1人でも工場で働きたい人が出てくれば状況もきっと変わってくるはず。「若者が育たない」というより、まずはこんなに誇らしく、クリエイティブな世界があることに気付いてもらうことから始めなければならない。そして、どんなカタチでもエンタメ業界と触れ合う方法があるんだってことを伝えていけたら、モノづくりの未来はきっと明るいと思います。

まとめ

無い道を作る。それが加藤さんの強みだ。音楽業界との繋がりがないところから、チャンスを掴み、今に繋いだまっすぐな想いと行動力にも、音楽とアニメという異なる業界の動きを俯瞰し、次のアクションを決める態勢にもいえること。単に前ばかり見るのではなく、ときに辿ってきた道を見つめ直し、そこで新たなミッションを導き出す。楽日というたったひとつの会社の行動が、モノづくりの現場をどのように照らし、変えていくのかぜひ注目したい。