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社員自身の「生活」を空間づくりに生かす。生活スタイル研究所って何者?

株式会社生活スタイル研究所

新感覚クラフトビール体験のキリン「スプリングバレーブルワリー」や「ロイヤルガーデンカフェ」、人気セレクトショップ「アーバンリサーチ」など、話題の新空間をつくり出す生活スタイル研究所。彼らの仕事は店舗の企画・プロデュースにとどまらず、建築デザイン、街づくり、企業ブランディングにまでおよぶ。そのすべてに共通するのは、「生活者目線に立つ」という姿勢だ。同社はなぜ「生活者目線」を大切にしているのだろうか? 「場所づくり」のルーツとモットーを、代表取締役社長の本田泰さんをはじめとしたクリエイター陣に聞いた。

取材・文:大狼章弘 撮影:丹野雄二 編集:服部桃子(CINRA)、立花桂子(CINRA)(2019/9/30)

生活スタイル研究所に、大手デベロッパーからの依頼が集まる理由

一生活スタイル研究所では、大手デベロッパーのプロジェクトや、キリンビールとの「スプリングバレーブルワリー」など、規模の大きな「場所づくり」を数多く手がけています。ほとんどの案件はコンペではなく、依頼で請けるそうですね。

本田:すべてのプロジェクトではありませんが、コンペではなく、プロジェクトの与件整理から一緒に考えさせていただいています。コンペでの提案は「パッと見の衝撃」をクライアントに与えることが大切なんですよね。ですが私たちが目指しているのは、最終的にそこを利用するお客さんが満足できる場所づくりをすること。そのため、利用者の使い勝手を無視した派手な提案はしたくない。しかも、派手な提案ほど、完成まで右肩下がりに収束しがちです。これはコンペから始まるプロジェクトの「あるある」でもあります。

私たちは、クライアントがお客さんにどんな体験をしてもらいたいのか、その思いを丁寧に汲み取りながら、ゼロからつくっていくことに魅力を感じます。誰もが納得できるビジョンを考え、それに向かってコツコツ進めていくことこそが、より良い結果を生むと考えています。

株式会社生活スタイル研究所 代表取締役社長の本田泰さん

株式会社生活スタイル研究所 代表取締役社長の本田泰さん

一「スプリングバレーブルワリー」の企画書を拝見すると、店舗のパース図だけではなく、食器や飲食メニューの提案まで、じつに細かい内容が盛り込まれています。

本田:細かく詰めていますが、最終段階のものではなく、初期の企画書なんですよ。これはキリンビールさまから「クラフトビールのブランドを新たに立ち上げたい」というお話をいただき、それをどういうかたちで世の中にアウトプットしていくかをご提案したものですね。横浜と代官山、2店舗がオープンしました。

企画のスタートから完成まで、3年を費やしたという「スプリングバレーブルワリー」プロジェクト。クラフトビールの飲み比べや料理とのペアリングなどで、さまざまな「ビール体験」を味わえる人気スポットだ

企画のスタートから完成まで、3年を費やしたという「スプリングバレーブルワリー」プロジェクト。クラフトビールの飲み比べや料理とのペアリングなどで、さまざまな「ビール体験」を味わえる人気スポットだ

一「スプリングバレーブルワリー」は、何人のプロジェクトチームだったのでしょうか?

中村:4、5人です。アウトソーシングする部分もありますが、基本的には「どんなことでも自分たちでトライしてみる」という姿勢で取り組んでいます。

株式会社生活スタイル研究所 代表取締役副社長の中村雄一さん

株式会社生活スタイル研究所 代表取締役副社長の中村雄一さん

中村:たとえば、店舗で扱うテーブルウェアから、メニューやスタッフユニフォームのデザイン、料理写真まで、コーディネーターや代理店に一括で頼むのではなく、まず自分たちの手で始めます。横浜店にはクラフトビール関連のライブラリコーナーがあるのですが、並べる本のセレクトも行いました。

一プロジェクトの上流から下流まで、一貫して担うのはなぜですか?

中村:クライアントとともに考えたコンセプトを、細部にまで反映しやすくなるからです。それがワンストッププロジェクトの強みでもあり、仕事の醍醐味でもありますね。

東京・大森に昨年完成したばかりの近隣型ショッピングセンター「machinoma」。建築計画や施設デザインのほか、ロゴデザイン、テナントの組み合わせ、周辺住民の市場調査などを生活デザイン研究所が担当した

東京・大森に昨年完成したばかりの近隣型ショッピングセンター「machinoma」。建築計画や施設デザインのほか、ロゴデザイン、テナントの組み合わせ、周辺住民の市場調査などを生活デザイン研究所が担当した

「生活する人への理解なしに設計はできない」。生活者目線は反省から生まれた

一そもそも、なぜ生活スタイル研究所を立ち上げようと思ったのですか?

本田:私は学生時代、建築学を学んでいました。学生のときは建築家になりたいと思っていて、卒業後はマンションや駅舎の設計などを行う建築会社に就職し、4年間在籍していました。

一そこから店舗の企画やプロデュースなどに興味を持ち始めた理由というのは?

本田:ある分譲マンションの設計を担当していたとき、「見栄えを追求した建物をつくればクライアント受けもいいだろう」と思って設計したところ、全然納得してもらえないことがありました。クライアントは見た目のかっこよさではなく、「マンションの設計が購入者にどう響くのか」を提案してほしいと望んでいたのです。当時の自分は、「購入者は見栄えでマンションを選んでいる」と思い込んでしまい、もっと深いインサイトまで行き着いていなかった。

一まだ「生活者目線」で設計に取り組んでいなかったということですね。

本田:はい。いくら設計の技術があっても、実際に生活する人への理解なしに設計はできないと、痛切に感じました。その後、転職した会社で中村と知り合い、お互いに目指す方向性が合致したこともあり、2010年に生活スタイル研究所を立ち上げました。

「建築オタク」になるべからず。ありとあらゆる経験や関心が糧となる

一お二人が在籍していた会社が、生活スタイル研究所の原点になっているのですね。

中村:商業施設や都市計画のコンサルティングが主な業務で、カテゴリーとしては生活スタイル研究所と近いです。プロジェクトによっては、海外視察に行くこともありましたね。会社にはつねに国内外のファッション、プロダクトデザイン、食に関するさまざまな雑誌が溢れていました。

ちなみに生活デザイン研究所でも毎年海外研修を行っています。何人かに分かれて、担当プロジェクトの参考になる国に行くことが多いですね。キリンビールさまの案件のときは、サンフランシスコやポートランドに行き本場のビール工場を見学したりしました。

一このオフィスにも、デザイン系の雑誌だけでなく、ファッションから食までいろいろな種類の雑誌がたくさん置いてあります。

本田:ぼくを含め、建築を学んでいると「建築オタク」に陥りやすいんですよ(笑)。たとえば、ファッションや音楽、食といったカテゴリーに対して、建築と同じくらい興味があるかというと、そうではない人もたくさんいます。

ですがこの会社では、建築家の視点だけではなく、自分たちもひとりの生活者として、遊びや買い物などいろんなものに興味を持つこと、経験することに重きを置いています。空間づくりは、その場所を利用するお客さんが「何をしたいか、何を求めているか」を知ることから始まると思うからです。

ちなみに本田さんの趣味は、釣りやキャンプなどアウトドア全般。中村さんは落語を聞きに、よく寄席へ足を運ぶそう

ちなみに本田さんの趣味は、釣りやキャンプなどアウトドア全般。中村さんは落語を聞きに、よく寄席へ足を運ぶそう

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