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働き方、職種、国籍を越える。これからのクリエイティブに必要な「越境」とは

株式会社コネル

多くの人が「自由で新しい働き方」を意識するようになった昨今。そんななか、2011年の創業時から既成概念にとらわれない働き方でクリエイティブを生み出してきた組織がある。東京・金沢・ベトナムに拠点を置き、国内外から約20名のメンバーが所属する「Konel(コネル)」だ。職種や国境を越えたコミュニティーが形成され、雇用形態も働く場所もバラバラだという同社。従来の慣習やルールに縛られない柔軟な組織形態だからこそ実現できるものとは? 共同創業者である出村光世さんと荻野靖洋さん、金沢拠点代表の宮田大さん、自由な組織を下支えするバックオフィスの丑田美奈子さんにお話を伺った。

そこで生活したいから、そこに拠点をつくる。東京から地方、海外へ

—Konelは「働く場所」に関しても自由な取組みをされていると伺いました。いま取材をさせていただいている馬喰町オフィスは、全体がシェアオフィスでもあるんですね。

出村:築50年の3階建ビルに惹かれて、創業5年目のときに引っ越してきました。当時の会社規模では持て余す広さの物件を勢い余って借りたこともあり、自然とシェアオフィスにしようという発想になりました。クリエイターが交差する場所になれば良いと思い、「FACTORY」という名前で開業したところ、大阪のクリエイティブ集団やドローン映像のチーム、地方創生NPOなど多彩な人々が使ってくれるようになりました。

馬喰町にある「FACTORY」(画像提供:Konel)

馬喰町にある「FACTORY」(画像提供:Konel)

出村:ワークスペースとして使っていたフリーランスのコピーライターが、気づけばKonelにジョインしていたこともあります。1Fはアートスペースとして、アーティストや美大生が不定期に展示を行っています。どんどん人が交差して、もっとカオスになれば良いなと思っています。

—そして、宮田さんは金沢拠点をベースに仕事をされているそうですね。

宮田:数年前までは東京の制作会社で働いていたのですが、自分の地元で働くことを選び、金沢のプロダクションで映像製作やデザインを行なっていました。そのあいだもKonelのクリエイティブディレクターとして東京の仕事を受託していましたが、だんだん金沢の仕事をKonelのメンバーでやっていきたいという欲が高まり、プロダクションを辞めて、金沢の拠点を立ち上げたんです。

ただし、金沢だけにこだわるつもりはありません。これまでどおり県外の仲間とチームを組んで仕事をしたり、東京移住希望や二拠点生活に挑戦するクリエイターとも広く関わったりしていきたいと思っています。そこで、金沢の伝統ある茶屋街「東山」にもFACTORYをつくりました。

金沢拠点の代表も務めるクリエイティブディレクターの宮田大さん

金沢拠点の代表も務めるクリエイティブディレクターの宮田大さん

宮田:ぼく自身もプランニングからディレクション、デザイン、コピー、コマーシャルソングの歌詞まで、分け隔てないものづくりをしていますが、プロダクトやIoTなど、もっといろんな仕事に携わりたいと思っています。

そういった面でも、金沢は良い意味で変わったクリエイターが多く、面白い企画やアイデアには必ず手を上げて協力してくれる人がいます。デザインやアートに造詣が深いこの街で、自分たちの欲望をかたちにする「Konelのクリエイティブ」を発信していきたいですね。

金沢の伝統ある茶屋街「東山」(画像提供:Konel)

金沢の伝統ある茶屋街「東山」(画像提供:Konel)

—ご自身の生活や、やりたいことを大事にした結果、金沢拠点が生まれたわけですね。

荻野:それはベトナム拠点も同じなんですよ。以前、経済産業省のプログラムで、ベトナムの工学系大学の教員がインターンシップにきてくれたのですが、帰国後もKonelの仕事を続けたいと言ってくれて、自分が所属しているCan Tho大学の研究室と産学提携を結ぶことになりました。いまではKonelが大学に設備投資をして、IoTのラボをつくり、研究開発を進めています。帰国するからKonelを卒業するという、安易な発想にならなかった彼を尊敬しています。

Can Tho大学のメンバーと(画像提供:Konel)

Can Tho大学のメンバーと(画像提供:Konel)

「誰かの承認を得るために待つくらいなら、すばやくかたちにして社会に投げかけたほうがロスは少ない」

—丑田さんは、最近大企業から転職されたそうですね。

丑田:前職は駅ビル運営会社で、主にマーケティングに従事していました。やりがいのある仕事を長年勤めたうえでの転職は軽い決断ではありませんでしたが、結婚や出産などライフステージの変化が訪れるなかで、新たなことにチャレンジしたくなった私をKonelが受け入れてくれたんです。

バックオフィスの丑田美奈子さん

バックオフィスの丑田美奈子さん

—大企業との違いを感じる点はどんなところですか?

丑田:衝撃的だったのが、「許可を求めるな、謝罪せよ」という言葉。エンジニアの人にとっては有名なフレーズらしいんですが、初めて荻野からこの言葉を聞いたとき、自分はこれまで許可を取るためにかなりの時間を費やしてきたことに気づきました。

荻野:誰かの承認を得るために費やす時間って、すごくもったいないですよね。それなら先にかたちをつくってしまい、具体的に議論ができる状態にもっていくほうが、合意形成も極めてスムーズです。もし間違いがあったとしても、あとから謝ったほうがロスは少ない。そもそも物事を先回りして考えていれば、謝らなきゃいけないようなミスなんてなかなか起きないし。仕事を早く進めるためにも、この思考は大切にしています。

丑田:Konelには、まさにそのとおりのカルチャーがあり、驚きでした。大企業で何か新しいことを始めるときには、それなりの承認プロセスが存在します。そのことで安心して進められる一方、承認を取るあいだに世の中が変わってしまったり、尖った企画の角がいつの間にか取れていたりなんてことも。

Konelでは仮説ができたらまずは共有し、1人のアイデアを多角的なメンバーで揉み、筋が良ければプロトタイプを先につくります。それを早々に世に開示し、社会に投げかけながらかたちを変えていくんです。

つまり「許可を取るより、やってみて間違っていたら謝ればいい」というスタンスでスピーディーに検証を繰り返す。そんなチームに触発されて、バックオフィスメンバーの私も二児の母としての実体験をもとに「ギルティフリーな子ども向けお菓子」をつくるプロジェクトを立ち上げました。金沢など地域の素材にデザインの力を加えつつ、シリーズ化を目指しています。

開発中のお菓子のイメージ(画像提供:Konel)

開発中のお菓子のイメージ(画像提供:Konel)

目の前の「欲望」に全力で向き合う。そんな個が集団になると強い

—それぞれ本当にやりたいことを実現されていらっしゃるのが印象的です。「欲望を、形に。」が会社のビジョンとのことですが、実践するためのコツはありますか?

出村:関わるメンバーがエンドユーザーの欲望を想像できるお仕事のみお請けする、というのがKonelの理想です。メンバー自身がエンドユーザーである場合は最高です。シンプルですが、それがクリエイティブのパフォーマンスを最大化するための最低条件だからです。

こういう場合、私たちもエンドユーザーとしての視点が強く入るので、クライアントとの議論が活発になりがちですが、その分、良いコミュニケーションができていると思います。その成果もあって、最近はマーケティングやプロモーションの仕事だけでなく、経営会議に呼ばれてクリエイティブ視点の討議を交わすことも増えてきました。

 

荻野:積極的に自社プロジェクトを走らせるようにしています。「いまこれがトレンドだから」といった社会的な潮流とは別に、自分が欲しいものをつくることが大事。そのほうが、純度を高く保ってクリエイティブできるし、その経験がクライアントワークに活かされたり、時にはプロトタイプがそのまま売れてしまったりします。依頼ありきではなく、欲望ありきで生まれたアイデアがかたちになって、サービスやプロダクトとして売れていくのは嬉しいですね。

これからも、個性が違うメンバーたちの欲望がどんどん混ざり合って、よりカオスなチームをつくっていきたいと、ボードメンバーの四人は語る。組織論やマネジメント技法からではなく、個の欲をぶつけ合う過程でつくられるバランスが、良いクリエイティブを生む環境につながっていると確信しているからだろう。

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