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デザイナーが企画、コピー、映像もつくる。KNAP独自のキャリアとは?

株式会社ナップ

「多くの職業がAI(人工知能)に取って代わられる」。昨今、そんな言葉をよく耳にする。それは、デザイナーをはじめとしたクリエイティブ業界においても同様だ。「AI時代が到来するなかで、デザイナーはどうあるべきなのだろうか」。そんな大きな問いに対し、独自の答えを持つのが、デザイン会社KNAP(ナップ)だ。彼らは企画立案から制作までをワンオペレーションで手がけているが、営業やプランナーを専任で担当するスタッフはいっさい存在しない。そのすべてをデザイナーが担っているという。そこにはいったい、どのような狙いがあるのだろうか。KNAPがたどり着いた、理想のデザイナー像について伺った。

取材・文:村上広大 撮影:永峰拓也(2017/11/29)

これからの時代、デザイナーには「企画力」が必須

「企画もできるデザイナーへ」——。デザイン会社であれば、企画をプランナーやディレクターに任せることが一般的だ。しかし、KNAP代表の河田慎さんは、デザイナーにこそ「企画力」が必要だと説く。

河田:「WEB 2.0」という言葉が流行した2000年代中頃から、メディアのあり方がものすごいスピードで変化していきました。とくにSNSの普及によって、メディアがユーザーへ一方的に発信するあり方から、ユーザー自らが情報を発信する側へとシフトしていった。企業のコーポレートサイトやブランドサイトにおいても、単に情報を発信するだけでは、ユーザーに届きにくい現状があると思います。

そんな変化のなかで、デザイナーも「インターフェースのデザインをどうするか」を考える前に、「そもそもユーザーへ何を、どう伝えたいのか」という上流部分から考えなければ、デザインが持つビジュアル的な魅力を活かしきれないかもしれないと、危機感を覚えるようになったんです。デザインだけではなく、もう1つ武器があるほうがこれからの時代を生き抜くうえで重要ではないかと。

そこでKNAPはデザイナーがプランニングを兼任するワークスタイルを確立。プランナーがクライアントからヒアリングしたことをもとにデザインするのではなく、デザイナーが直接聞いたことをデザインに落とし込むほうが、よりストレートなものづくりができると考えた。

こうした河田さんの考えはスタッフ全員に浸透している。アートディレクターの後藤優佳さんと南英一さんは、デザイナーがプランナーを兼ねるメリットについて、どのように考えているのだろうか。

後藤:デザイナーが企画に関わることの醍醐味は、まず「企画書そのもの」をデザインできることですね。企画書はクライアントに向けた「ラブレター」のようなもの。もちろん内容も大切ですが、デザインが無骨でワクワクしないものだと、クライアントに振り向いてもらえません。「この企画意図は何なのか」「強調したいメッセージは何なのか」など、誰が見ても理解でき、読んでみたくなる企画書をつくれるのは、実際に言葉やイメージをビジュアル化できるデザイナーがもっとも適していると思うんです。

アートディレクター 後藤優佳さん

アートディレクター 後藤優佳さん

南:それにデザイナーがプランナーを兼ねると、「デザイン配置の理由」「写真ではなく、イラストにする理由」など、一つひとつのデザインにきちんと意味づけをしながら仕事を進められるようになる。クライアントから言われた設計どおりに配置していくのがデザインではありません。むしろ、設計以上のものを生み出してこそデザイナー。企画から関わることによって、クリエイティブ全体をより俯瞰した視点で携われるようになるので、視界がグッと広くなりましたね。

WEBサイトを「人柄」で表現? KNAPの提案術

こうしたマインドのもと、KNAPが企画からデザインまでを手がけたプロジェクトのひとつに、社内イベントのプロデュース事業を行う、株式会社ゼロインのブランドWEBサイト制作がある。コンペに参加したKNAPは、クライアントの要望とは異なった企画を提案。制作を手がけた後藤さん、そしてデザイナーの松井拓実さんは、そのときのエピソードについて次のように話す。

企画・デザインを手がけた、株式会社ゼロインのブランドサイト

企画・デザインを手がけた、株式会社ゼロインのブランドサイト

後藤:コンペについての説明を受けたとき、クライアントからは「カッコいいサイトにしてほしい」と要望がありました。しかしヒアリングを重ねるなかで、既存の顧客は「安心感」や「親しみやすさ」をクライアントの魅力に感じ、仕事を依頼しているのではないかと考えたんです。もちろん、カッコいいサイトにすることもできますが、そうすることで、ちょっと近寄り難い印象になり、顧客が離れてしまう可能性があるのではないかと。

そこで、あえてカッコよすぎず、それでいてユーザーがわかりやすいサイト設計を提案しました。イメージは「エースで四番のようなカッコよさよりも、親身にいつも相談に乗ってくれる一番近い先輩のようなサイト」。実際のプレゼンでも、このように伝えたことを覚えています。

松井:サイトのトップページは動画をアイキャッチにしています。ゼロインさんの魅力は、「そこで働く人にある」と考えたんです。そのイメージを言葉や写真で表現するのではなく、「動き」をとおして伝えたほうが、より人の表情や臨場感が出ると思って。最終的に、安心感や親しみのある雰囲気を演出できたと思います。

サイトローンチ後、伺った話によると問い合わせ件数が倍増したそうです。もちろん弊社ではローンチまでをサポートさせてもらっただけなので、ゼロインさんの運用によるところが大きいとは思いますが、一定のご評価をいただけたことは、とてもうれしかったですね。

デザイナー 松井拓実さん

デザイナー 松井拓実さん

KNAPだから提案できる「ちょうどいいデザイン」とは?

次に紹介するのは、「Hard Rock Cafe」や「Eggs’n Things」などをはじめ、レストラン事業を中心に展開する株式会社WDIグループのコーポレートサイト制作。KNAPにとって、これまでのノウハウやナレッジをすべて活かせた事例だったと南さんは胸を張る。

南:WDIグループの世界観を伝えるため、まずは「しあわせが出逢うテーブル。」というコーポレートスローガンをもとに、テーブルの上に多彩な料理が並ぶメインビジュアルを提案しました。そこから各レストラン事業、ブランドにアクセスできるようなデザインを設計。でも、それだけでは会社やブランドの価値観を十分に伝え切れていない物足りなさがあったんです……。

後藤:そこで、新たなコンテンツとして「Global」と「Story」というページを提案しました。コーポレートサイトって、どうしても株主さんに向けた固めの内容になりがち。もちろんそれも大切な情報ですが、実際に店舗へ訪れる「お客さま」の視点に立ち、考えてみたんです。

WDIグループのブランドは、世界中に展開しており、ひとつのジャンルにとどまらない料理を提供しています。店舗を訪れたお客さまに「異国を旅しているような体験だった」と感じてもらいたい。そういう願いを込めて、「Global」では、WDIのビジョンや世界観が伝わるコンテンツをクライアントとともに考えました。

また「Story」は、食事やテーブルを介して人が幸せになるシーンを伝えるためのコンテンツ。多様なブランドを持つWDIだからこそ提供できる食事のシーンがたくさんあるので、それを写真と言葉で表現してみました。いずれもお客さまに、WDIグループに対する親近感を感じてもらえるようなコンテンツがつくれたと思います。

株式会社 WDIのコーポレートサイト内にあるオリジナルコンテンツ「Story」

株式会社 WDIのコーポレートサイト内にあるオリジナルコンテンツ「Story」

河田:デザインだけではなく、「Global」と「Story」というコンテンツがなぜ必要なのかについて、きちんとクライアントに伝えられたことで、信頼を勝ち得たプロジェクトになりました。また、コーポレートサイトって、ただ情報を流しているだけの、無機質で難解なイメージがあると思っていて。ぼくらが企画やデザインをするうえで大切にしているのは、情報を入れすぎず、でも充足感がある「さじ加減」。誰が見ても理解しやすい、適切な情報量と伝え方を設計することが、すなわち「ちょうどいいデザイン」になると考えています。

コーポレートサイトのリニューアルと並行しながら、リクルートサイトやウェディング事業のサイトリニューアルにも携わることになったKNAP。彼らの「企画力」と「提案力」がWDIグループのブランディングに一役かったプロジェクトとなった。

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