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王道ではない、自分たちだけの戦いかた

IN FOCUS株式会社

2012年設立のIN FOCUS社を率いる井口忠正代表は、クラブのマネージャーから転身・渡米してWEBと写真表現を身につけ、起業に至ったという経歴の持ち主。現在IN FOCUS社は、WEB、グラフィック、写真、映像制作を軸に、デジタルコンテンツを中心とした制作を幅広く手掛ける。しかしこのスタンスはいわゆる「何でもやります」的なものではなく、今後のデザインに必要なもの、また自分たちがそこで武器にできるものを見極めたうえでの選択だという。「王道って強いし格好いいけど、自分たちだけの戦いかたがある」と彼が考える、デザイン会社のカタチとは?

「変化球思考」が本質を突く時代

井口さんのこうした語り口には、大学や専門学校等に通うことなく、いわば叩き上げで自分のスキルを上げてきた独自の思考法も伺える。だが、それは単純な反骨精神というより、自分の立ち位置から、自分の好きなことでいかに勝負できるかを冷静に見つめる中から生まれたものでもある。そして、「変化球的」な思考はときに、失われた本質に辿り着く一面もある。話を伺う中で、ひとつ気になる言葉があった。それは「お客さんをだますような企業になりたくない」というもの。穏やかならぬ響きだが、具体的にはどういうことだろう?

社内風景

井口:起業前のことですが、グラフィックと写真を担当した飲食店で「もしロゴやメニューもお願いしたらどんな価格感になりますか?」と相談を受けて。実はもう別企業に発注済で……という話で、よく聞くと「この価格なら、もっとちゃんとやってあげればいいのに」と思うような内容でした。他にも、やるべきことの順番や予算組みがおかしいな、と感じることは時々あります。そういうときは、仕事になるからと引き受けるより、はっきりとそう助言します。「僕らの前にこういう人に相談したらいい」と。

IN FOCUSという言葉には、焦点を合わせるという意味から転じて「見極める」という意味もある。多くの企業や人々にとって「作りたいもの」が多すぎるとも言える今の時代、見極めるべきは自分たちの戦いかたと同時に、仕事相手にとって本当に必要なものは何か、でもある。同社の躍進を支えるのは、井口さん自身のビジョンの明快さであるのかもしれない。

井口:たとえばあるキャンペーンで、WEBも印刷物もイベントも同時にやりたい、といったことはよくありますね。そんなときも焦点をきっちり合わせて「最初はここから、次にこう」と順序よく物事を進める手伝いをしたい。そうしたコンサル的な側面と実践のなかで、最終的にクライアントの求めているものがピタッと合って「自分たちはこれをやりたかったんだな」と思ってもらえるものを提供できればと思います。そのために必要なら、予算組みを含めたマネジメント領域にも深く関わりながらお仕事することもやっていきたいですね。

実際、彼らの成長はこうした「困っている人を助ける」といったスタンスによってなされてきたものであり、今後もそこは変わらないという。

一歩先の現実にフォーカスする

そして今、井口さんは気心の知れた仲間たちと育ててきたIN FOCUSに、新しい血を迎えることを選択した。新スタッフをこれまでのように知人経由で探すのではなく、公募するという。

井口:一緒に働く仲間同士、気が合うのは重要。だけど、お互い似過ぎていてはダメだとも思っていて。必要なときに助け合える関係でいたいし、逆に全員同じような能力だと、ピンチのときに総倒れになってしまう危険もあると思う。その意味では、僕等の属するコミュニティとはまた別のところに目を向ければ、面白い人がもっとたくさんいるだろうし、と思えてきました。

彼らが目指すのはスタッフの歯車化ではなく、多様な能力同士の掛け算の可能性を高めることだという。

infocus6

井口:自分がそうではないぶん、専門分野を突き詰めている人は魅力的です。とはいえ、多領域に関心を持ってくれればなお嬉しい。たとえばアプリ専門のコーダーでも、それを突き詰めていれば仮に新しい開発言語や対象に向き合う必要が出ても対応できるでしょう。将来的には自社コンテンツもやっていきたくて、そこでも個々の専門性がうまく全体に活かされるものを目指したいと思っています。

淡々と、しかし熱い想いを語ってくれた井口さんだが、会話の節々に見せる屈託のない笑顔も印象的であった。

井口:やっぱり、この仕事は面白いですよね。毎回違う課題だし、仲間のスタッフが増えてきた今、彼らと過ごし、その姿を日々見ることにも楽しさのようなものを感じます。映画好きなスタッフに映画サイトの仕事を見つけたり、PVをやりたいスタッフにそのきっかけを用意したりするのも、各々の専門性のなかで「やりたいこと」で成長できるという、自分の経験ももとになっています。そこからスタートして、やがて自分で仕事を作り、交渉までできるようになればさらにいい。そうした積み重ねの結果として、デザインの力で多くの人を助けられる力を持てたら、と思っています。

まとめ

4つの軸を掲げての事業展開についても「映像や音などとも違う新しいデジタル表現の要素が出てきて、それが重要だと思えば取り入れるでしょうね」と柔軟かつ明確に語る井口さん。遠い未来を予言することは誰にもできないが、一歩先の世界をいち早く感知することはできるかもしれない。ジャンルを越境し、かつ正攻法も変化球も冷静に見つめる彼らの眼差しは、常にその「一歩先」を意識する。そして、フォーカスする=焦点を合わせるということは、自分たちの思い描く理想が実像を結ぶための、大事な「一歩」でもあるのだろう。