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クラウドファンディングを営む企画会社。GREENFUNDINGの新挑戦

株式会社ワンモア

「未来を企画する会社」をビジョンに掲げ、クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING by T-SITE」を運営する株式会社ワンモア。2015年にはTSUTAYAを運営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)と資本業務提携し、グループ入り。プラットフォームとしての機能のみならず、資金調達に成功したプロジェクトの流通販売サポートやイベント開催など、包括的なサービスを展開している。今回は代表取締役CEOの沼田健彦さん、デザイナーの高橋みなみさんをお迎えし、新規事業についてインタビューを実施。クラウドファンディングをとおして実現したい未来に迫ります。

取材・文:小沢あや 撮影:鈴木渉(2018/2/1)

クラウドファンディングを知り尽くしているからこそできる新たな挑戦とは?

「こんなプロダクトやコンテンツをつくりたい」「社会問題をこんなふうに解決したい」といったアイデアを持つ起案者が、インターネットをとおして世の中に呼びかけ、共感した人から資金を集めることができるクラウドファンディング。ここ数年で急速に認知が広がり、アートや音楽、映画など、ものづくりの分野でも用いられるケースが増えてきた。

クラウドファンディングサイト「GREENFUNDING by T-SITE」(画像提供:ワンモア)

クラウドファンディングサイト「GREENFUNDING by T-SITE」(画像提供:ワンモア)

クラウドファンディングにおける事業者のビジネスモデルは、外部起案者のサポートをすることで成果報酬(手数料)を得るのが一般的だ。これまでの「GREEN FUNDING」でも、ものづくりやコンテンツづくりに挑む起案者のサポートを数多く手がけてきた。しかし、これからは、クラウドファンディングの仕組みをつかった自社プロジェクトにも挑戦するという。なぜ、プラットフォームを運営するワンモアが、このような取り組みをはじめたのだろうか。

ーここ数年でクラウドファンディングの認知が広がりました。あるプラットフォームではメディアとの協業を発表するなど、各社が差別化を図ろうと、しのぎを削っている状況です。

沼田:ワンモアはクラウドファンディングサイトを運営している、いわゆるIT企業だと認識されていますが、それには違和感があります。弊社は企業ビジョンのとおり「未来を企画する会社」。クラウドファンディングの会社ではなく「クラウドファンディングの機能やノウハウをもった企画会社」なのです。クラウドファンディングを通じて革新的なプロダクトや良いコンテンツを世の中に送り出すため、日夜どのような企画にするべきかを考えています。

ーつまりGREEN FUNDING にとって、クラウドファンディングを運営している会社は競合ではない、ということでしょうか。

沼田:そうです。クラウドファンディングにおける「目標金額の達成」は、あくまでも結果であって、そもそも「本当に魅力のあるプロジェクトなのか」「その魅力をどのように伝えるのか」を考えなければ、支援は絶対に集まらない。どこかのプラットフォームを使えばプロジェクトが成功するという話ではないので、他社が運営するクラウドファンディングサイトを競合だと思ったことはありません。

そこで必要になるのが、プロジェクトの魅力や課題を発見し、より良い方向に導くための「企画力」です。それは「編集者」の仕事にかなり近いと思います。広告代理店やクリエイティブブティック、プロダクション、メディアと同じ領域でコミュニケーションや企画の仕事をしているようなイメージですね。

代表取締役CEO 沼田健彦さん

代表取締役CEO 沼田健彦さん

ー新たにスタートさせた、自社でプロジェクトを立案し、クラウドファンディングを活用して育てていく新規事業は、その「企画力」を存分に発揮できる取り組みということですね。

沼田:はい。そもそもぼくら自身がクラウドファンディングを本当に素晴らしい仕組みだと思って、GREEN FUNDINGを運営しているわけです。でも、そんなに素晴らしい仕組みなら、自分たちこそ使うべきなのではないかと(笑)。みなさんにプラットフォームをおすすめしている立場として「ぼくたち自身がクラウドファンディングを通じて新たな企画を成功させるべきなのではないか?」と思ったんです。

また、実際に起案をしてみると、これまで気づけていなかった管理画面のUI・UXの課題なども発見できました。起案者のみなさんの気持ちは、自分たちでプロジェクトをやっていないとわからないこともありますし、相乗効果が生まれていると思います。

ーとても勇気のいる行動ですよね。「クラウドファンディングのプロとして、支援が集まらなかったらどうしよう」と、考えてしまいます(笑)。

沼田:創業時から、「クラウドファンディングを使って、自分たちでもプロダクトやコンテンツをつくりだす」という未来図を持っていました。これまで、さまざまなプロジェクトで、企画から広報活動までサポートさせていただいたノウハウを活かせば、必ず価値のあるプロダクトやコンテンツを生み出し、育てていけるんじゃないかと考えています。

デザイナーが朗読劇を起案・プロデュース。前代未聞のエンターテイメントはどう生まれた?

すでに自社企画として成功させたコンテンツのひとつに、サイバーパンク朗読劇『RAYZ OF LIGHT』がある。登場するキャラクターに扮した役者が、舞台上で朗読をしながら物語が展開。完全オリジナルで創作された音楽・映像・ビジュアル・テキストの演出がクロスメディアする新しい朗読劇だ。

2016年に行われた初演では、クラウドファンディングによって120万円の資金を集め、会場費などを確保。2017年に行われた、衣装制作の資金を集めるプロジェクトでは、支援開始およそ5分で目標額の50万円を達成し、最終的には190名もの支援者から350万円以上の資金を集めることに成功。東京と神戸の2か所での公演を実現させた。

このコンテンツはデザイナーである高橋みなみさんが起案したもの。物語のキャラクターデザインを担当するかたわら、舞台制作の総指揮など総合プロデューサーとしての役割も担っている。

ーサイバーパンク朗読劇『RAYZ OF LIGHT』は、朗読劇だけにとどまらず、ライトノベルの配信など、わずか1年で急速な成長を遂げているように感じます。このプロジェクトは高橋さんが自ら企画をし、クラウドファンディングを活用しながら成長させてきたと伺いましたが、提案をするきっかけは何だったのでしょうか。

沼田:2016年頃から、いくつか自社コンテンツ企画の仕込みをはじめていて、途中から高橋にもチームに入ってもらっていたんです。そのなかで、高橋から「男性キャストとキャラクターが登場する、女性向けの知的エンターテイメントはどうでしょう?」という提案が出たのがはじまりでした。

高橋:もともと、朗読劇というジャンルそのものの製作経験や知識があったわけではなくて。いまの日本のなかで、もっと多様な女性向けコンテンツのあり方があってもいいのではと思っていたんです。

たとえば、いまの日本では社会で活躍する女性が増えていて、働き方や結婚のあり方も多様化している。そうなると女性が楽しめるエンターテイメント作品にもバリエーションがもっと必要になるのではないかと。そこで考えたのが、アニメ・コミック・ソーシャルゲーム、そしていわゆる2.5次元系コンテンツが好きな方向けの、ある種知的な女性が楽しめ、幸せになれる企画でした。

デザイナー 高橋みなみさん

デザイナー 高橋みなみさん

沼田:それがクリエイターである彼女の面白いところなんですよ。「これが儲かりそうだから」というビジネスサイドの発想ではなくて、「誰の何を解決して、どの手段で幸せにするのか」を考えている。

ーなるほど。では、なぜ朗読劇を?

高橋:そもそも一般的な舞台は、稽古で役者さんを1か月程度拘束することが多く、役者さんの負担が大きいんです。また、人気の役者さんは当然ブッキングが集中します。人気アニメ原作ではない新規コンテンツでは、ギャランティーを上げて交渉するしかない。でも、そうなると予算内に収められない。

そこで、大きなアクションもセリフも覚える必要のない「朗読」ならどうかと思ったんです。稽古も数日だけで済み、演劇に比べ演出費も抑えることができる。その結果、クラウドファンディングで製作費の大半を集められるコンパクトな企画を実現することができました。こういった考え方ができたのも、GREEN FUNDINGで、さまざまなプロジェクトをサポートしてきた経験があったからこそだと思います。

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クラウドファンディング成功の鍵は、小さくも強いコミュニティーをつくることから