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作って終わりにしない。ECサイト発、フラクタ流・ブランディングビジネス

株式会社フラクタ

小売業界におけるECマーケットが近年一層重視されるようになってきている。そんななか、オンライン市場の黎明期からECサイトの制作や運用、サポートに始まり、ブランディング、コンサルティングまでをも行い独自の成長を続けてきたのがフラクタだ。代表の河野貴伸さん、COOでブランドサポート・デスクチームの坂野隆志さん、ブランディング・マネージャーの松岡芳美さんに話を伺った。

取材・文:冨手公嘉 撮影:鈴木渉(2016/04/13)

ECサイトを作るだけで、モノが売れるわけじゃない

15年ほど前、個人事業主としてビジネスを始めたという代表の河野さん。会社立ち上げはどのような経緯だったのだろう。

河野:当時はオンライン市場が拡大しており、さまざまな小売店が『楽天市場』などのEコマース(以下EC)に参入するか、外注して自前のECサイトを構築するか、頭を悩ませている時期でした。通常、自前のECサイトを制作会社やサポート会社に依頼するとコスト高になってしまいます。そこでオープンソースをうまく使い、比較的価格を抑えた上で、UI / UXを意識したデザインを設計・構築するところまでを一括で担える会社を作ろうと思ったのがフラクタの前身となるフルブライトの始まりでした。

代表 河野貴伸さん

代表 河野貴伸さん

ちょうどその頃、同業の会社も続々と立ち上がってきており、他のWEB制作会社やECサポート会社との明確な違いを打ち出す必要があった。彼らは、ECサイトのデザインと価格、そしてさらに上流となる「ブランディグの支援」にまでこだわっていく。

河野: EC-CUBEというオープンソースを使っていたのですが、単に「ECサイトを作るだけ」では販売する商品が売れないと創業後すぐに気がついたんです。そのため、通常はクライアント側で行うことの多い商品の写真撮影や情報発信もクライアントと共同で行い、イメージの作り込みやPR方法など具体的な提案をするようになりました。より丁寧に、そのブランドの持つ世界観を発信すべく、ブランドの根底にあるセールスポイントを弊社の目線で探し、サイト作りにも反映していきました。すると、クライアントの売り上げが少しずつ伸びていったんです。

その後、フルブライト社は自らをリブランディングした「フラクタ」を立ち上げる。彼らの仕事はECサイトという「入れ物」を納品して終わり、ではない。長期的にクライアントと関わる「ブランディング」まで実践するようになっていったという。その背景はどのようなものだろう?

河野:店舗での販売と通常のECサイトの大きな違いは、「接客」の概念がECサイトに浸透していないこと。もちろんECサイトにおいても『お問い合わせフォーム』や『チャットツール』などはありますが、それはあくまでWEB上での表面的な話。もっと突き詰めて「商品が届いて、蓋を開けたときにお客様がどう思うか」までの流れをトータルで設計しなくてはいけないなと思ったんです。ブランド全体を俯瞰して、ECサイトの位置付けを考える。適切なデザインを設計する。そこではじめてサイトに継続的に人が滞在して、お客様がものを買ってくれるようになります。そうした全体像を捉える上で、ブランディングが欠かせないと思うに至ったんです。

ECサイト制作・運用会社から事業領域は広がり、広告代理店のような立ち位置へ

ブランディングから考えるとなると、必然的にクライアントと接する期間は長くなり、コミュニケーションの密度も濃くなっていく。そして何よりも信頼関係が必要だ。フラクタはこの関係を実現するために、実際のプロジェクトを立ち上げた直後に徹底したヒアリングを行い、その後ECサイト完成までの「制作」と、後の「運用」のチームとでプロジェクトを進めていくという。「制作」と「運用」について、松岡さんと坂野さんにお話を聞いた。

松岡:私たちはクライアントの会社やブランドへの「理解」を、最も重要なものだと考えています。ヒアリング、調査、情報整理、課題の抽出などを経てクライアントの「理解」を行います。ですので、コンサルティングに近い仕事が求められることもありますし、時には、その会社が目指す方向性や表現したい世界観を、クライアント自身に改めて考えていただくワークショップを開催することもあるんです。通常ECサイトの構築は2〜3ヶ月程度での立ち上げが多いですが、私たちは半年から1年という時間を掛けています。純粋な制作以外の部分も多く、かつそれらが制作と密接に絡んでいるので、必然的に制作期間が長くなります。そうした取り組みを実践する過程で「ここまで一緒に考えてくれるとは思っていなかった」と言ってくださることもあって。そういう言葉をいただけることにうれしさを覚えますね。

ブランディング・マネージャー 松岡芳美さん

ブランディング・マネージャー 松岡芳美さん

一方、ECサイトの「運用」について、坂野さんに聞いた。「運用」といえば、ECサイトができあがった後から始まる仕事が想定されるが、フラクタ流の運用は、どうやら違うらしい。

坂野:通常のECサポート会社とは異なる点として、サイトOEPN後の実運用を支援する我々「ブランドサポート・デスク」が、制作時から会議に混ざって話し合うんです。効率的な運用の提案を行ったり、「ブランディング・マネージャー」が持ち帰った課題や状況もあらかじめ理解できた状態でスタートできるので、その後のやりとりもスムーズに行えている実感はありますね。せっかく制作陣とクライアントが築いてきたものを、理解のないまま紋切り型のサポートに終えてしまっては、意味がないので。

松岡:どうしてもWEBやECサイトの担当の方というのは、他の通常業務と兼任されている方も多いんですよね。私たちがクライアントをきちんと理解した上でわかりやすい「共通言語」での説明を心掛ければ、担当の方にも、その周りの方にも理解を深めていただける。だからその後の運用でも、やりとりがスムーズになるという実感があります。

COO / ブランドサポート・デスクチーム 坂野隆志さん

COO / ブランドサポート・デスクチーム 坂野隆志さん

坂野:WEB施策やサイト改修による効果検証等、業務委託を請け負うサイトでは日々徹底してデータ分析を行うことも大切にしています。それから、もちろんお客様とのコミュニケーションも。いわゆる「サポートデスク」というと受動的なイメージがありますが、弊社の場合はどんどん提案していくんです。そういった環境の中で我々も担当者の方と一緒に成長させて頂いています。

ECサイト制作が中心のフラクタだが、上流からの提案が増えていくにつれ、コミットする領域がどんどん広がっているという。

河野:クライアントにとって大切なコンセプトの部分から介入するので、いろいろなご意見をいただきます。最近では弊社の立ち位置は「制作会社」よりも「広告代理店」に近いと感じていて。ECサイトの制作や運用ももちろんですが、ブランドや商品自体のプロモーション、ECサイトを担当する人材の育成、さらにはお客様の手元に届く「パッケージ」のデザインまで担うことも。クライアントの利益向上に向けた様々なフェーズでの施策に携わらせていただいています。

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