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クリエイター集団がなぜ結婚式をつくる?幸せをかたちにするCRAZYの哲学

株式会社CRAZY

「no other experience —人生が変わるほどの結婚式を—」。株式会社CRAZYによる「CRAZY WEDDING」は、結婚する二人の個性をクリエイターの手によってかたちにするオーダーメイドウェディング事業。初年度から売上1億円を達成、毎年200%超えの急成長を遂げている。結婚式業界にイノベーションを起こした彼らだが、じつはウェディング事業だけをやっているのではない。型破りのクリエイションを生み出す彼らが大切にすることとは? 新事業であるCRAZY CREATIVE AGENCY(以下CCA)のクリエイティブディレクター林隆三さんとCRAZY WEDDINGのアートチーム マネージャー染谷和花さんに、会社が持つ使命と、いまCRAZYが求めるアートディレクター像について取材した。

互いにリスペクトしながら、いちアーティストのように個々が自分の足で立つ

「自分を生きる」メンバーが集まったCRAZYでは、社内コミュニケーションに関しても徹底している。それによって、ものづくりの効率化だけでなく、人の本質を抽出する力、編集する力を日常的に磨いているのだという。そういった社内で磨き上げたスキルを、新たなビジネスに活かそうと動き出しているようだ。

—個々についてはお聞きしましたが、株式会社CRAZYとしてのヴィジョンはいかがでしょうか?

林:CRAZYは、未来に向けて「2,000社(事業)、100万人の雇用」という構想を掲げています。ウェディングは個人向けサービスのため、CRAZYの価値を多くの人に届けるためのスピードはどうしても遅くなってしまう。そもそもウェディングは重要な仕事ですが、CRAZYはそれだけをするための会社ではありません。

構想を実現するための一つの手段として、私はいま、ウェディングの経験を活かして、法人向けクリエイティブサービスを手がける「CCA」という事業に携わっています。だからいま「CRAZY WEDDING」のアートディレクターを務めているメンバーも、ゆくゆくはCRAZYらしさを、新しい事業で実現したり、個人がもっと立ったりしていくような働き方になると思います。

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—「自分を生きること」「当たり前を疑うこと」を徹底しながら、さまざまな新事業を展開されていますが、メンバーのモチベーションを保つためにしていることはありますか?

林:染谷も先ほど話していましたが、「もっと新しいことをしたい」といった強いエネルギーを持って入社したメンバーでも、最初はCRAZYが持つ自由な働き方や、強烈なカルチャーに萎縮してしまうことがありました。そこをサポートし、使命感を思い出してもらうために社内コミュニケーションの文化が確立されています。

うちの会社のコミュニケーションには2軸あって、ひとつはクリエイティブ。これは共通言語として機能していて、もっといいものをつくりたいという目線で語れる部分です。たとえばPDCAサイクルをクリエイティブな面でも採用しています。反省点を次に活かすにはどうしたらいいか、いいアイデアがあったときは共有するなど、先輩後輩関係なく意見を出し合う環境をつくっています。

CRAZY社内にあるオブジェは、実際にお客様が結婚式を挙げたときの高砂を再現

CRAZY社内にあるオブジェは、実際にお客様が結婚式を挙げたときの高砂を再現

林:もうひとつは、一人の人間同士としてのコミュニケーションです。メンバーそれぞれの「自分の生き方」を見つめ直し、共有し合う目的から、シーズンごとに2泊3日の合宿を行っています。どんなヴィジョンを持って、どう生きていきたいかという思想を出しあうことで、あらためてお互いを深く知り、仕事に活かす機会をつくっています。

染谷:あとは創業時からいちばん大事にしているのが、毎日の食事です。なぜなら、経営の優先順位の1番目に「健康」をおいているから。CRAZYでは昼の12時になったらどんなに仕事が忙しくても手を止めて、会社のダイニングチームがつくった昼食をみんなで食べます。

栽培法や調理法にこだわった自然食は、クリエイティブな仕事にもっとも必要な要素である「健康」をビルドアップしてくれるもの。また社員が一堂に会する機会でもあり、豊かなコミュニケーションが生まれます。人間関係の構築にはかなり投資をしている会社だと思いますね。

林:クリエイティブの社会でしか生きてこなかったので、CRAZYに入社するまでは、忙しさの合間をぬって、夕方に食べるランチがかっこいいと勘違いをしていたのですが(笑)、それは違うんだと考えが変わりましたね。

社員全員が食卓を囲む(画像提供:CRAZY)

社員全員が食卓を囲む(画像提供:CRAZY)

—ちなみに、主体性を強く持ったクリエイター同士は反発し合わないのでしょうか……?

林:たしかに、みんなが主体性を持っているから、言うことにも遠慮がないです(笑)。でも、全員がその道のプロフェッショナルで、お互いをリスペクトし合っているから、ただ我を通すだけという人間はいないですよ。ただ仲良しというのではなく、「相互リスペクト」という気持ちがすごくあります。

染谷:フリーランスの集まりみたいなところがあるかもしれません。みんな自分の足で立っていて、集合するとものすごいものができるみたいな。主体性と協調性って相反するようですけど、日々コミュニケーションを取ることで、信頼関係も築けています。

じつは、朝礼で全社員が一人ひとりと挨拶しながら握手をするんです。毎日肌と肌をふれ合っているので、なにか変化があったら察知できるほど。エネルギーの交流は激しくて、異常値かもしれませんが(笑)、それがCRAZYらしさだとも思っていて。

林:いろいろなコミュニケーションを通して、相手の考えていることとか、本質はどこにあるのかといったことを自然に読み解く筋力がついていくんです。そしてその力が「CRAZY WEDDING」に活かされていく。結婚するお二人の深いところを理解する必要があるわけですから、とても重要な能力です。

いまはCRAZYという物語の新たな1ページが始まるタイミング

一人ひとりの生き方とも密接した、妥協のないクリエイティブのあり方。メンバー同士の能力をより引き出し合うための、コミュニケーションのつくり方。それらによって自らの社会的価値を高めつつあるCRAZYは、これからどんなアクションを起こそうとしているのか、あらためて聞いた。

林:これまでのCRAZYは「時間をじっくりとかけて、集中していいものをつくる」というところに意識を向けてきました。だからこそCRAZYのクリエイティブをある程度、世の中に認知してもらえたと思っています。

設立6年目を迎えた今年は第2フェーズに進み、より多くの人にCRAZYの価値を届けていきたいというところに来ています。そうしたときに有限である時間やリソースをどう使っていくか、効果的に拡散するにはどうしたらいいか……というビジネススキルがメンバー全員に求められます。

その方法はそれぞれでいいと思うんです。セミナーで話すのが得意な人間もいれば、SNSでの発言に注目が集まる人間もいる。大切なのは、CRAZYの社会的価値をもっともっと上げていくヴィジョンを持てること。

染谷:林が言う通り、やりかたはクリエイターそれぞれの自由です。でも、無責任にやりたいことをやればいいというわけではない。それは「CRAZY WEDDING」も同じです。少し大げさかもしれませんが、「人の人生を預かっている」という自覚があれば「自分だけで完結するクリエイティブ」はありえないはずなので。

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林:結局クリエイティブと生き方ってリンクするんです。自分の哲学を育んでいくことで、クリエイティブのスキルも上がっていく。ウェディング会場に置く装飾物一つひとつに意味が込められている必要を、毎秒問われていくわけですから。「なんでこれをここに置いたの?」と立ち返って考えることをおろそかにしない。

染谷:新たなメンバーを迎え入れることで社内には人が増えていきますけど、「組織を大きくして、役割を切り離していく」という意識はなくて。新たな観点を持った人が入ることでコミュニケーションがもっと楽しくなって化学反応が起こり、新しいCRAZYに進化していくというイメージを持っています。社内では、異業種であっても距離はすごく近いです。クリエイターと経理担当が熱く語りあう環境はなかなかないんじゃないでしょうか。

林:新しくクリエイティブエージェンシー事業を立ち上げるなど、会社的にもおもしろいタイミングですよ。アートディレクターという肩書きもあってないようなもので、もっと個人の働き方、モチベーションが立っている環境です。同じアートディレクターでも仕事の仕方はまったく違います。

染谷:CRAZYの仕事で得られる「人を幸せにする」という経験は、単純にめちゃくちゃおもしろくて素敵なことです。また、コミュニケーションの構築や、自分の人生と真剣に向き合える環境は、キャリアにおける大きな財産になるだけでなく、自分自身の変化も自発的に楽しめると思います。

法人向けクリエイティブエージェンシー「CCA」として、商業施設「NEWoMan」1周年をプロデュース(画像提供:CRAZY)

法人向けクリエイティブエージェンシー「CCA」として、商業施設「NEWoMan」1周年をプロデュース(画像提供:CRAZY)