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「正義の味方ビジネスモデル」が、時代をつくる!

株式会社コパイロツト

絶え間なく変化する広告業界の中で、着実に成長し続けている会社がある。ウェブを軸にクロスメディアの広告企画・制作を得意とする、コパイロツトだ。しかしこの会社、なんと社内に制作スタッフを抱えていない。全員がディレクターやプロデューサーの肩書きを持つ集団で、プロジェクトごとに外部パートナーとチームを組み、クライアントの「コパイロツト(=副操縦士)」となり、最適なソリューションを提供しているのだ。また、クライアントワークをガチンコでやるというタフさと同時に、地域活性に向けた取り組みやアートギャラリーの共同運営といった、文化的な事業を行なっているというしなやかさも併せ持つ。一見、温度差のある「広告ビジネス」と「文化事業」。これらを、一緒くたにやってのけるビジネスセンスとノウハウは、いかにして培われたのか。多様な表情で魅せるコパイロツトの事業展開を、代表の定金基さん、クリエイティブディレクターの高橋実さん、船橋友久さんに伺った。

取材・文:早川すみれ 撮影:西田香織(2013/10/17)

いいチームこそ、可能性を無限大にする

一般的に、ウェブの制作には、プロジェクトを統括するディレクターやプロデューサーがいて、実際に制作をするデザイナーやプログラマーがいる。しかし、コパイロツトは、2005年の設立以来、制作スタッフを置かない体制を貫いている。ディレクションやプロデュースに特化する理由は、かねてからウェブディレクターとして活躍していた、代表の定金さんの経験に由来する。

株式会社コパイロツト 代表取締役 定金基さん

株式会社コパイロツト 代表取締役 定金基さん

定金:以前勤めていたのは、自社制作にこだわる会社でした。だからいいデザイナーを社外で見つけても、基本は社内で完結しないといけないことが不自由で仕方なかったんです。それに、当時はインターネット急成長の真っ只中。近い将来、広告界でもウェブが大規模な市場になることは明らかでした。ウェブを絡めたプロモーションが主流となれば、もはや中小の会社が1社でどうにか出来るものではなく、あらゆる会社が、あらゆる方法で携わることになる。ならばディレクションに特化した方が、大きな動きができると感じたんです。

事実、広告業界では、テレビ、新聞といった従来のマス媒体が低迷する傍ら、ウェブ広告は伸び続けている。「市場が大きくなるにつれ、携わる人たちの環境も変化した」と語るのは、3年前にコパイロツトに入社した船橋さんだ。ハード、ソフトの両面でツールが出揃い、スペシャリティを持った制作会社や、フリーランスで活躍する人が増えた今だからこそ、束ねる立場が必要だとも話す。

ディレクター/アートバイヤー 船橋友久さん

ディレクター/アートバイヤー 船橋友久さん

船橋:以前、CG業界で似たようなことを聞きました。かつては大手プロダクションでしか出来なかったことが、今は小さな所帯でも可能となり、有能な人たちが独立した。そんな中、大規模なCG映画制作の話が持ち上がったそうです。日本には圧倒的なクオリティの才能があるのに、バラバラしてしまった状況を束ねる人がいないがために、結局、ハリウッドの大手制作会社に依頼するしかなかったと。ウェブ業界も細分化してきたため、同様にチームを束ねる人が必要になっているとも感じます。

こうした状況下で、クオリティの高い仕事を生み出すには、「いいチームをつくることが肝心」と説く彼らにとって、業界の最新の動きをフォローすることは欠かせないこと。大半の時間を費やして、デザインやテクニカルな部分までリサーチし、目に留まった制作会社には、すかさず会いに行って話をする。パートナーシップはウェブ業界の枠を超え、アート、映像、ファッションなど多種多様な業界にまで及んでいるという。

プロジェクトを成功に導くマネジメントとは?

そんな彼らが打ち出すスローガンは、「Good Team Building & Project Management」。いいチームをつくり、プロジェクトを運営・管理していくことが成功へと導いていく、といった思想の表れである。そのもとで、業界もタイプも異なる、バリエーション豊かな実績が連なり、クライアントにビッグネームが並ぶのも、彼らの手腕の高さを裏付ける。定金さんの次に社歴の長い高橋さんは、ここ数年でクライアントのニーズが変化してきたと話す。

クリエイティブディレクター 高橋実さん

クリエイティブディレクター 高橋実さん

高橋:今までは、受けた案件に最適なチームを編成して、制作まで進行管理をするのがメインでしたが、最近は求められる領域が広がって、プロデューサーを兼ねることも多々あります。ときには、制作を伴わず、クライアントの社内スタッフの間に入って話をまとめたり、会議をファシリテーションする時もあったりしますね。今は、技術もデザインもどんどん細分化されて、共通言語も複雑になり、コミュニケーション自体が難しくなっているのが原因だとも思います。

定金:「既に走り出してるけど、なぜかうまくいかないから助けて!」と言われたり、「長期的になりそうだから、コパイロツトを入れておくか」と声がかかることもあります。プロジェクトによって、僕らの関わり方は様々ですね。でもどのプロジェクトにしても、現状の情報を整理し直して、問題点を洗い出し、それぞれの主張を翻訳しながらコミュニケーションを円滑にして完遂まで導く。それが僕らの役割だと思っています。

そんな定金さんは現在、ローソン社をはじめ数社に席を持ち、ほぼ毎日通いながら、プロジェクトを遂行している。それは珍しいことではなく、数ヶ月の間クライアント社に常駐して、進行管理や立て直しを任されることもあるそうだ。

定金:指示通りの仕事をするのではなく、そもそもその企業が目指しているものは何か。彼らのビジネスモデルを考慮した上で、プロジェクトの方向性を提案することが、より求められるようになってきました。

社会にいいことをしてお金を儲ける

クライアントの事業の方向性をも掘り下げ、改善を提案できる会社はそう多くないだろう。クライアントの内部まで把握し、隠れていた問題を顕在化させるそういったコパイロツトの仕事ぶりは、「コンサルに近い」と評価されることもある。だが、彼らが仕事を担うときには、引き受けるか否かの判断基準があるという。

高橋:クライアントが直接、制作会社さんに依頼した方がいい場合もあるので、まずは、僕たちが入る必要があるかを見極めます。次に、売り上げ以外に得られるものがあるか。個人のスキルアップ、会社の成長、誰かのため……。つまり、やることの価値を見出すことが出来るかです。

『HackaLawson(ハッカローソン)2013』

『HackaLawson(ハッカローソン)2013』(COPILOT Inc. プロデュース)
「ローソンとできるソーシャルチェンジ」をテーマに、ローソンの各種データやキャラクターを活用したアプリ / サービスを募集する【ハッカソン】をプロデュース。オープンストリートマップと連携してオープンデータも実現した。全体プロデュース / コーディネート / プランニング / イベント運営を担当。
http://www.lawson.co.jp/campaign/static/hackalawson/

定金:そうした利益だけではない価値を提供したいという意味で、コパイロツトでは「正義の味方ビジネスモデル」というスタンスを掲げています。僕は昔から「社会にいいことをしてお金儲けがしたい」と考えていて。2001年に博報堂から出た雑誌『広告』を読んで、さらにその想いが強くなりました。当時の編集長の池田正昭さん(現在はソーシャルデザイナーとして活躍中)のコラム「パパがもし正義のサラリーマンだったら」に共感して、会社を設立する時は、「愛する人に誇れる仕事。社会の役に立つことをする会社にしよう」と思ったんです。

ビジネスの舞台に広告を選んだ理由を訊くと、定金さんは、2つの苦い体験を話してくれた。1つは、以前勤めていた会社が倒産し、社員が路頭に迷う危機的状況に直面したこと。もう1つは、地域活性のための映画祭をボランティアだけで構成して、かなり苦労したこと。どちらも、何かを成し遂げ、続けるためには理念だけでなくお金も必要であると痛感した体験だったと話す。

定金:広告のいいところは、予算がついていることと、影響力があることです。社会貢献のやり方は人それぞれですが、僕たちは、広告というフィールドでビジネスをやることと、社会貢献を結びつけようと考えているんです。

「ソーシャルグッドアド」って?

今回のインタビューにあたり、事前に調べた資料の中に興味深いものを見つけた。「ソーシャルグッドアド:共有する価値のある広告」で始まるプレゼンシートには、彼らのビジネスモデルを実現させる仕掛けが記してある。

定金:提案し始めたのは、約10年前。当時は私が若かったこともあり見向きもされませんでしたが(笑)、今年のカンヌ広告祭では受賞作に、ソーシャルグッドの視点を持った広告が多数入賞しました。日本でも3.11以降、広く注目されています。この動向は、今後はより増え続けるでしょうね。

広告の可能性を常に考え続けてきたコパイロツト。社会的に大きな影響を持つ企業こそ、売り上げだけにとらわれるのでなく、広告宣伝費を使って、長く広く人のためになるものを作るべきだとも話す。

定金基さん、船橋友久さん

定金:以前、震災からしばらくして花火大会を開催するスポンサーの企業広告として、インスタレーションをやりたいという依頼がありました。3.11以降の時代背景を考えると、いまそれをやるよりは、そもそも花火大会を開催する事の意義だったり、また開催する事で生まれる経済効果を考えたりと、花火大会を実施するか否か、日本中で議論しないか、という提案をしたんです。それで、ソーシャルメディアをハブとして、有識者もふまえて、“花火大会”という催しそのものを世の中に問いかける事は、企業の文化事業に対する取り組みの姿勢を打ち出せる機会であり、震災を風化させない問題提起をできるキッカケになるのでは、と思ったんです。

長きに渡って世界全体の企業活動と広告の流れにアンテナを張り続け、動きを敏感にキャッチする姿勢。社会貢献やCSRに目を向け始めた企業と、共感を求める人々を繋げる巧妙な仕掛け。取材前から感じていた、スマートなビジネスセンスと確かなノウハウを感じるお話でもあった。

人脈を得ることも「ビジネス」の1つ

コパイロツトのプロジェクトには、アート、映像、食、ファッションなど幅広いジャンルの共同運営プロジェクトも含まれる。どれも「社会のためになること」を考えサポートを始めたのだが、今やそれらは、クライアントを惹き付けるコパイロツトの強みとなっている。「ギャラリーTSCAを通してコンテンポラリーアート作家と、NPO法人cut-jpを通してソーシャルデザイナーや社会起業家との人脈が広がった」と話す定金さんの目標の1つは、アーティストコーディネートの経験を持つ船橋さんを「日本一のアートバイヤー」にすることだ。

社内風景

社内風景

船橋:海外の広告会社や代理店に、アートバイヤーという専門職がいます。アーティストとクライアントを繫げたり、ギャラリーと代理店の間を良好に橋渡しするような役目です。日本でも、さまざまな作家やアーティストを起用したいという広告案件が増えていますが、お互いの接点が不明確であったり、言語理解の壁があったりで、全てがうまくいくものではありません。その点、僕らはプロジェクトで繋がっているアーティストとも、ビジネスをご一緒してきたクライアントとも、お互いの共通言語を知っている分、うまく活かせると思っています。

定金:お金を稼ぐことだけをビジネスと呼ぶのであれば、共同運営のプロジェクトは、ビジネスではありません。でも僕は、知識を身に付けたり、人脈を広げることも、お金に変えられない価値であり、ビジネスだと思っています。幅広いジャンルのノウハウがあるから、クライアントワークで独自の提案が出来るし、豊富な人脈の中から多彩な人たちを巻き込んでプロジェクトを共にすることが出来ます。

パッと見ると、きちんと考え方を分けているように思えた共同運営プロジェクトとクライアントワークは、コパイロツトをハブにして、インタラクティブに作用し合っている。「いくつもの業界に触れることで、ビジネスに対して、金銭だけではない様々な価値基準を持つことができる」と話した言葉が、現在のコパイロツトの躍進を裏付けているともいえよう。

隣にいるとうまくいく、頼れるパートナーに

ウェブと広告の最前線で、同時に何件ものプロジェクトを抱えるディレクター、プロデューサー集団。その気になれば、いつでも独り立ちできる実力を誰もが備えている。であれば、フリーランスの方が、より自由に可能性を広げられるのではないか。

高橋:確かに、ほとんどを個人の裁量に任されていて、社内にいないことも多いので、フリーランスのような感じはあります。でも、常に社内で進行している案件の情報共有はしているので、得意分野が違う人たちの仕事内容やプロセスは自分の視野を広げてくれます。そういう意味でも、組織で働くことの意義は多いにありますね。

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定金:あまり野放しにしてるつもりはないんだけど(笑)、社員には裁量を持ってもらうことで、自分の可能性や目的をブラッシュアップしてもらいたい。会社は、個人の自己実現に向けて一緒に頑張ります。それに、影響力のある仕事をするのなら、1人よりも、大きな仕事を複数人でやる方が絶対に効率がいい。だから、社員にはいい意味で会社をもっと利用して欲しいと思っています。

 
目指すべきもののために、影響力のある仕事を、チームで挑む。コパイロツトが、一途に向かい続けてきたことだ。その働きぶりからは、本気でなにかを掴みにいく気概が伝わってくる。例えば、コパイロツトにはこんなルールがあると聞いた。社内の「カワイイ」「カッコイイ」禁止令。私たちがつい言ってしまいがちなこの言葉は、口先だけで、何も考えていない、何も感じてないのと同じ。なぜ、「カワイイ」「カッコイイ」と思ったのか。「感覚が伝わるベストチーム」をつくるのが使命である以上、日頃から常に「考える」ことを怠らず、人に伝える能力を磨くべき、と定金さんはいう。そんな彼らが目指すべきところは、何なのだろうか。

定金:今後は、少しずつ所帯を大きくして、長期的かつ大きなクライアントワークを増やしていきたいです。関わる人が多いほど、コパイロツトをハブにしてみんなが繋がれば、相互にいい影響や効果が生まれると信じています。僕らがいると、いい動きができると感じてもらえる、「企業のパートナー」。もっと言えば、よき「社会のパートナー」になることを、これからも目指していきたいですね。

まとめ

「広告」が、お金さえ投下すれば成功する時代でなくなって久しい。一方、これからの未来をつくるために大義を持ってはじまった文化事業が、結局は息が続かずに、本当の意味で社会に広がっていくことなく終わってしまうことが多いのも現実だ。コパイロツトはその中で、これからの広告の新たなカタチとして、「ソーシャルグッドアド」を提案し、文化事業を「ビジネス」である、としている。そこには、これまでにあった「お金」と「いいこと」の明確な境界線はもはや存在しない。「正義の味方ビジネスモデル」がつくる新しい時代。「コパイロツト(=副操縦士)」が上空から見るその景色は、きっと壮観なものであるに違いない。