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エディトリアルデザイナーの域を越えていく。コンセントが求める柔軟な発想力

株式会社コンセント

「つくることだけがデザインではない」。そう語るのは、デザイン会社コンセントでエディトリアルデザイナー、チームリーダーとして働く斎藤広太さん、高橋裕子さん。そして今年1月に入社したデザイナーの安部絵莉奈さんだ。コミュニケーションデザインが主軸事業の一つである同社では、エディトリアルやウェブなどさまざまなアウトプットを通して「伝わるデザイン」の提案をしている。直接クライアントとコミュニケーションをとり、情報の見せ方を根底から考え、ときにはワークショップなども開催しながら企業の課題解決に取り組む彼らにとって、「伝わるデザイン」とは? 第一線で活躍する3名に話を聞いた。

取材・文:飯嶋藍子 撮影:有坂政晴(STUH) 編集:青柳麗野(CINRA)(2019/03/29)

「情報を誰に届けたいか」で最適なアウトプットを考える

—みなさんはどういったお仕事に取り組まれているのでしょうか?

斎藤:ぼくらはエディトリアルデザインが中心の部署に所属しているので、紙媒体がメインですが、デザイナーによってはウェブなどのデザインをする人もいます。コンセントの場合、「紙かウェブか」というアウトプットありきで考えるのではなく、目的からどんな情報を誰にどう伝えるかを考えることを大切にしています。

たとえば、クライアントから学校案内の制作依頼をいただいたのであれば、情報を届けたいのは受験生だけではなく、受験生の親もターゲットになる。家族間でじっくり検討するシチュエーションを考えると、家族で一緒に見たり、情報を書き込んだりできる「紙媒体」のほうがふさわしいかもしれない。

ターゲットやシチュエーションなどによって、情報を届ける手段とアウトプットを考える。「学校案内だからパンフレットだよね」と安易に決めるのではなく、紙よりウェブのほうが最適に届けられるのであれば、クライアントが想定していたアウトプットとは異なる提案をすることもあります。届けたいターゲットが何をどういったかたちで求めているかを、デザイナーも一緒になって考えています。

アートディレクター / デザイナーの斎藤広太さん

アートディレクター / デザイナーの斎藤広太さん

高橋:私自身は本をつくりたいという気持ちで入社したのがスタートです。でもいまは雑誌のデザインを中心にしながらも、企業が開催するワークショップのキット開発や、ウェブサイトの制作など、ツールを越えて仕事をするケースも増えてきました。斎藤と同じく、アウトプットありきではなく、なにを伝えたくて、どういう方法が効果的かを考えることは大切にしていますね。

アートディレクター高橋裕子のさん

アートディレクターの高橋裕子さん

斎藤:同じ紙でも、冊子がいいのか、四つ折りされたマップのように広げられるほうがいいのかみたいなことはすごく考えます。そうした選択肢のなかにウェブやアプリもあるという感じです。たとえば、制作するよりも前にクライアントの抱える課題について話し合うワークショップが必要なのではと思ったら、アウトプットがイベントというリアルな場に落ち着くこともあります。

—そもそも、デザイン会社であるコンセントはどんな組織なのでしょうか?

斎藤:デザイナーやアートディレクターだけではなく、プロデューサーやディレクター、エンジニアなど、デザインに携わる職種の人が多く在籍しています。現在、大きく4つの事業部があるのですが、私たちはそのなかでエディトリアルデザインを主にやっているコミュニケーションデザイン事業部に在籍しています。

高橋:同事業部は12のチームに分かれていて、ひとチーム6人くらいの体制です。私がリーダーを務めているチームでは、月2回刊行される雑誌『オレンジページ』のデザインをメンバー全員で担当しつつ、いろいろなクライアントの仕事に取り組んでいます。

斎藤:ぼくのチームは、メンバーそれぞれが違うクライアントの仕事を持っていて、企業や学校の広報ツールなどをつくっています。チームだからそのなかだけで仕事をするというわけではなく、メンバーがチームを横断するプロジェクトもたくさんあります。

—マネージメントのためのチーム制なのですね。安部さんは今年1月に入社されたばかりということですが、どういったお仕事をされているんでしょう?

安部:学校案内のパンフレット、教科書のデザインのほかに、商品のブランディングの企画、Instagram投稿用の写真のビジュアルづくりなども担当しています。いまは一人のアートディレクターの先輩についていますが、入社して最初は所属チーム外の先輩の下で仕事をしていました。コンセントは所属チームの枠を越えてプロジェクトチームが編成されるのでとても流動的ですね。

デザイナーの安部絵莉奈さん

デザイナーの安部絵莉奈さん

クライアントにしっかりヒアリングすることで、最適なアウトプットをつくる

—クライアントにはアウトプットのかたちから提案するとおっしゃっていたので、単にデザイナーという枠には収まらない柔軟性が求められそうですね。

斎藤:そうだと思います。コンセントのエディトリアルデザインは大きく分けて、出版社の編集者とするお仕事と、企業や教育機関などのクライアントとするお仕事があります。

編集の方とのやりとりだと、制作者同士なので「こっちのほうが伝わりますよね」くらいのコミュニケーションで理解し合える。一方、企業や教育機関がクライアントの場合、担当者は見せ方のプロではないので、自分たちデザイナーが「どう編集したらいいか」まで考える場合が多いです。

—その考えを相手に伝える際に気をつけていることはありますか?

斎藤:広報部や宣伝部の方と直接やりとりするので、アウトプットのイメージを言語化してわかりやすく伝えるようにしています。たとえば、デザインを何案かつくって「こちらのほうがわかりやすく伝わります」というコミュニケーションをとることもあります。クライアントがエンドユーザーに伝えたい情報を直接ヒアリングしながら進めていけるのは、デザイナーにとってメリットだと思います。

—コンセントではそのようなコミュニケーションがよくあるのでしょうか?

斎藤:プロジェクトによってデザイナーがディレクターの仕事を兼ねたりしますね。そのあたりはよくイメージされるエディトリアルデザイナーとは違うかもしれません。

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