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「編集×不動産」CityLights Tokyoが仕掛けるWEBメディア戦略

株式会社CityLights Tokyo

WEBサイト「TOKYO WORKSPACE」や「休日不動産」をご存知だろうか? 前者は渋谷区や港区にあるデザインオフィス物件を紹介するサイト、後者は休日に過ごす別荘を紹介している。どちらも、見ているだけで「こんなところで働けたら / 休日を過ごせたら」と、ワクワクしっぱなしだ。この両メディアを運営しているのが、株式会社CityLights Tokyo。WEBメディア企業ではなく、オフィス物件紹介という不動産業を軸にさまざまなプロデュースを手がける設立3年の若い会社だ。 不動産営業の担当者に「エディター」という肩書きがつけられているところからして、一風変わっている。代表取締役の荒井昌岳さんと、スタッフの町山百合香さん、諏訪部信吾さんに話を伺った。

取材・文:CINRA.JOB編集部 撮影:豊島望(2015/11/24)

間取りのないデザインオフィス不動産サイト「TOKYO WORKSPACE」って?

WEBサイト「TOKYO WORKSPACE」のトップページには、物件の写真と見出しのコピーだけが見える。一般的な不動産情報サイトに並ぶような「間取り」などのスペック情報は、ほとんど見当たらない。

WEBサイト「TOKYO WORKSPACE」 <a href="http://www.tokyoworkspace.com/">http://www.tokyoworkspace.com/</a>

WEBサイト「TOKYO WORKSPACE」
http://www.tokyoworkspace.com/

さらに印象的なのは、一人一人の担当者が感性を活かして紡ぎだしている紹介文だ。たとえば駅からその物件へ向かう道中から、どんな風景に位置する建物なのか、実際に足を踏み入れたらどんな空気感なのか。どれも、一つ一つの物件が纏う雰囲気が伝わってくる。

これまでの「不動産サイト」の常識を打ち破りながら、かなりオリジナリティの高い世界観を伝える「TOKYO WORKSPACE」。一体どんな人たちによって、どんな思惑のもとに運営されているのだろう?

物件はスペックより、雰囲気や個性などフィーリングで選んだっていい

「TOKYO WORKSPACE」を運営するのは株式会社CityLights Tokyo。これまで軍艦マンションの再出航イベントや、入居者が貸主に事業内容についてプレゼンすることで家賃の値引き交渉を行う「RENTRY」など、不動産の新しいかたちを提案してきた会社だ。代表の荒井昌岳さんに、どんな想いで「TOKYO WORKSPACE」を立ち上げたのか、その経緯を伺った。

代表取締役 荒井昌岳さん

代表取締役 荒井昌岳さん

荒井:デザイナーズマンションなど「住居」を紹介する不動産屋はたくさんあります。オシャレなデザインオフィスを作る設計事務所や工務店もたくさんある。でも、デザインオフィスに特化した不動産屋はほとんどありませんでした。働く時間というのは生活の多くの時間を占め、時代的にもニーズが高まってきているものなのに。「だったら自分で始めよう」と思ったのが発端です。とはいえ、もともとデザイン性の高いオフィスの物件数がごく僅かということもあり、最初の数年は僕一人で利益を出すのが精一杯で、なかなか人を増やせませんでした。

一見、ビジネスのフィールドとしてはニッチで難しいところを狙ったようにも思えるが、どんなところに魅了されたのか。荒井さんは以下のように語った。

荒井:「デザインオフィス」の不動産というのが未成熟なマーケットだったということもあって、供給できる物件の母数も少ない。だからこそ、丁寧に物件を紹介をしたいと考えました。あとは未成熟だからこそ「こういう働き方もありますよ」と提案するチャンスがたくさんある。だから、過去の紹介物件も含めて「カタログ」という形で載せているんです。普通の不動産サイトは入居が決まった物件の情報は取り下げますよね。僕にはそれが、どんどん情報として消費されているように思えて。「TOKYO WORKSPACE」では一つ一つの不動産情報を消費するのではなく、ログとして残していく方針にしています。

扱う不動産情報だけではなく、サイト上の見せ方にも違いがあるように思える。具体的には、どんなところにこだわっているのか?

荒井:間取りや立地などのスペックは、意図的に載せないようにしています。というのも、そういう情報があると結果的に駅から遠いとか、レイアウトがしにくそうとか、理性的な判断が先行して興味が薄れてしまうという傾向が強いんです。でも、僕はもっと物件の持つ個性や雰囲気などから、感覚的にオフィスを選んでも良いんじゃないかと思っているんです。間取りって理性的なもので、せっかく気に入っても「これ置きにくいよね」という理由だけでダメになったりするんですけど、それは実は工夫でなんとでもなる。実際に現地に一緒に行ってみたら、使い方やレイアウトのアドバイスもすることができるので、まずは空間を気に入ってもらうことが大事かなと考えています。

荒井さんの予想通り、ニーズの増加と共にサイトの認知も広がっていった。徐々に事業も軌道に乗りはじめ、スタッフも少しずつ増えている。昨年から「TOKYO WORKSPACE」の運営に加わった町山さん、諏訪部さんにもお話を伺った。

諏訪部:僕はもともと大学で建築を学んでいたこともあり、色々な建物に足を運ぶのがとても好きで。有名なところであればお金を払えば見学できることも多いですが、個人宅だったりオフィスだったりするとなかなか入れないんですよね。この仕事に就いてラッキーだったのは、働きながら自分の気になった建築に足を踏み入れられることと、その良さを伝えられること。好きなことが仕事になっているという感覚はあります。

エディター 町山百合香さん

エディター 町山百合香さん

町山:WEBメディアとして見ていて面白いサイト作りは意識していますが、それ以上に私たちの根幹は不動産屋。スタッフは日々更新される業者用の不動産データベースを閲覧し続けているんです。それでも良い物件が見つかるのは100件中1件あれば吉。これぞという物件が見つかると、スタッフは実際に赴いて室内の様子を確認する。不動産の仲介ってショップのバイヤーのような目利きの力も大切なんです。

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グラフィックもWEBも空間も。デザインのジャンルを絞らない理由