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取引先企業の中に新たな部署を作り、役職に就くほど入り込む。AKINDが考える、本当のブランディングとは?

株式会社AKIND

今回、取材で向かった先は神戸。明治時代に外国人居留地として整備された歴史背景から、異国情緒あふれる街並みが今も強く残るこの地で、近江商人のスピリットを持ってブランディングを行っているのが株式会社AKIND(アカインド)だ。メンバーはブランド・ストラテジストの岩野翼さんと、ブランド・マネージャーの森江朝広さんの二人。彼らは、ここ神戸を拠点にして、世界に誇る日本ブランドを生み出そうと励んでいる。それも100年先を見越して。その手法や展望について伺った。

なぜエアライン『Peach』は、ブランドマネジメントに注力できたのか?

そんなAKINDの特徴のひとつが、インハウスのクリエイティブチームを持たないこと。つまり、ブランドマネジメントに特化している点だ。

森江:ブランディングというと、ロゴをつくったり、ネーミングを考えたりすることだと認識している人もいると思うんですけれど、僕たちの仕事はそういったデザイン的な話からは絶対にスタートしません。課題をどう解決していくのか。そのプロセスに応じた提案をしています。制作はそのオプションでしかないんです。

岩野:欧米だと社内にブランドマネジメントをする人材がいて、トップと連携を取りながら社内外のあらゆることを管理していくのですが、日本ってそういうのが極端に少ないんですよね。縦割りが厳しく、それぞれに予算を抱えているので口出しできないんですよ。だから、僕たちのような第三者が入って、企業に足りていないブランドマネジメントをすることに意義と価値があると思っています。

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そうしたAKINDのブランドマネジメント能力の高さを聞きつけ、現在では老舗企業や自治体のみならず、多様なクライアントが集っている。エアラインの「Peach」、グローバル・ホテル・チェーンの「ヒルトン大阪」、道の駅「FARM CIRCUS」など。その中から具体的な施策についても話してもらった。

岩野:例えばエアラインの「Peach」には、こちらからお願いしてブランドマネジメントの部門を特別につくってもらいました。そこに森江が週に2回ほど出向する形を取っているのですが、いつのまにか役職にまで就いています(笑)。でも、それくらい企業の中に入り込んでブランディングをしていくと、会社の中で人が育つので、次第にきちんとしたブランドマネジメントを会社独自でできるようになってくるんですね。いい種があっても土壌がよくなければきちんと育たないのと同じで、会社もしっかりとした土壌をつくっていくことが大切。その役割を担うのがAKINDなんです。

このようにブランドマネジメントに特化しているとはいえ、デザイン制作に携わらないわけではない。クリエイティブなアウトプットが必要となれば、AKINDが誇るネットワークで世界中のクリエイターたちと繋がって制作を進めていく。

岩野:デザインって“独自性”と“差別化”が重要な課題だと思っていて、どれだけ尖らせたクリエイティブにチャレンジできるかを大切にしたいんです。だったら、日本だけでなく、グローバルに優秀な人と一緒に仕事をした方がいいじゃないですか。

森江:それに僕たちの担当する領域って、グラフィックデザインから空間デザインまで多岐にわたるので、それらをトータルに考えながら、必要に応じてフレキシブルにチームを組みたいんですよ。この人がグラフィックをやるんだったら、空間演出はあの人に頼もうって。でも、インハウスのクリエイティブチームを持ってしまうと、制作のイメージが固定されてしまうし、その人たちに仕事を回すためにデザインの提案をするという思考に陥ってしまう。そういうこともあって、AKINDは戦略とマネジメントに特化した会社になっているんです。

世界に誇る日本ブランドを自分たちで発信していきたい

来年には創業5周年を迎えるAKIND。これからさらに飛躍していくために新たな「商人」を求めている。具体的にどのような人を求めているのだろうか。

岩野:僕は戦略とマネジメントの掛け算が最強のタッグだと思っていてそういう関係になれる人を増やしていきたいんです。特にAKINDは、自治体からサービス業、飲食とさまざまな領域の企業と関われるので、勉強になるし、好奇心旺盛な人にとっては面白いはず。それにブランドマネジメントのスキームって年齢を経ても役立つと思うんですよ。50歳くらいになってどこかのブランドマネジメントの役職に就くのもいいかもしれない。

森江:とはいえ、AKINDをキャリアアップのためだけに考えられるのも悲しいので、神戸での暮らしとかこれからの生き方とかも一緒に考えながら働くことができたら嬉しいですよね(笑)。

また、今後は自社事業の立ち上げも予定しているという。今、念頭にあるのは「食」に関するビジネスだ。

岩野:ニューヨークのいちばん坪単価が高い場所に「イータリー」というイタリアの食文化を発信するグルメマーケットがあって、ニューヨーカーたちに流行っているんです。そこではハンドメイドのチーズとかオリーブが販売されてるいるのですが、そこの売り上げがあることでイタリアの片田舎とかに住んでいても豊かな暮らしを実現できるし、スロウにビジネスを拡大することができる。日本もそうやって、醤油とか味噌とか酒とか、古くからある日本の食文化をもっとうまく世界に向けて発信していくべきなんですよ。

森江:過去に海外での生活経験もあるのですが、海外の人たちと話しているとやっぱりまだまだ日本に対する認識は高まっていないし、誤解されていることも多い。でも、それって今まできちんとした形で日本という国をブランディングできていなかったからだと思うんです。そういうところまで考えていけるようになると楽しいですよね。

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岩野:こうした僕たちの考えに共感してくれた方がいれば、ぜひ商人集団の船に乗ってもらって、世界に誇れる日本発のブランドを一緒につくっていきたいですね。そして、僕たちが関わった企業が100年後にも語り継がれるような価値を生み出していければと思います。