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目指すは社員第一主義! ワーク・ライフ・バランスを追求する、あるデザイン会社の話。

有限会社キューポイント

「ワーク・ライフ・バランス」とは、仕事と生活の調和を差す言葉だ。充実した暮らしには、生きがい・収入の両面で「仕事」が大切だが、長時間労働などで暮らしを犠牲にしては本末転倒。だからこそ、人生では両者のバランスが求められる。これは働く人々にとっては当たり前の課題だが、近年は行政や企業側の取り組みも含め、多面的に語られるようになった。そんな中、ひときわ多忙さが取り沙汰されがちなデザイン業界で、優れた仕事を手掛けつつ「人生の充実」も重視する会社があるという。それが今回取り上げるキューポイント社だ。かつて自身もワーカホリック(仕事中毒)だった代表の伊藤篤信さんが自分なりの哲学を求めて辿り着き、今も試行を続けるのが「社員第一主義」というスタイル。そこで伊藤代表と同社の若手スタッフに取材し、彼らが目指す理想の働き方に迫る。

「19時退社で、作業効率が上がった」

ワーク・ライフ・バランスの改善を試みて数年、キューポイントでの実際の変化はどのようなものだろう? ここで若手の男女デザイナーにも参加頂き、現場の声を聞いてみた。北島圭一さんは2007年、出南彰子さんは2008年にそれぞれ入社。現在は同社の主力デザイナーとして、常時、複数のサイト制作を手掛けている。

北島:最初はとにかくスキルを上げたいこともあり、長時間働くのも苦ではなかったですね。入社後しばらくして会社の働き方の指針が変わり、結果的に、自分の成長と組織の変化が並行して進むことになったと感じています。

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出南:確かに当初は終電まで働くことも多く、気付いたら自分にとってそれが普通になっていて(苦笑)。さすがに毎日続くと疲れも出てくるけど、一方で「そういう業界なのかな」とも思っていました。

彼らが自社の「働き方の変化」を大きく実感したのは、やはり勤務時間帯の改善だという。とはいえ最初は、いきなり「19時帰宅」と言われても難しいのが現実だろう。同僚や先輩の動きも気になるし、過去の経験から「今日時間があるならアレを先にやっておこう。いつ何が起こるかわからないから……」という防衛本能も働く。しかし今ではそれもだいぶ変わり、平均して19〜20時には帰宅できるようになったという。

出南:社員の提案で、ホワイトボードを使って出退社時間をなるべく共有したり、週一回「ノー残業デー」を設定したのも効果がありましたね。仕事を早めに切り上げる習慣がつくと、心にゆとりが持てる感じがします。

北島:確かに、早く帰宅できるぶん自分でご飯をつくったり、ゆったり過ごせるようになりましたね。仕事の総量は変わらないので、以前より自分をマネジメントする意識が生まれ、結果的に作業効率が上がったと思います。また自分の時間の使い方を見つめ直すきっかけにもなりましたね。

2人とも若手といえども、勤めて6年〜7年目のベテランプレイヤー。そんな彼らのお話を伺うごとに感じられるのは、まさに「自然体」であるということ。会社に働かせられている主従の関係ではなく、それぞれがこの会社で働く意義を見出しているのだろう。それはまさに取り組みと共につくりあげてきた、「会社を作るのは自分たち」という意識の表れとも感じられる。

働きやすい環境づくりが、仕事の質を向上させる。

そんな社員の変化に対して、伊藤さんはこう話す。

伊藤:僕から見ると、まずみんなが前より穏やかな顔つきになったかな、と(笑)。経営スタイルとしては、無茶なスケジュールやボリュームの仕事はきっぱり断るよう方針変更をしました。それまで「無理を聞いてくれる」ことが営業的に大事なことだと思っていたけど、そういう形で仕事をして仕事の質が下がったり、優秀なスタッフに辞められたら意味がない。「社員第一主義」を掲げるのも、決してお客さんをないがしろにするということではなく、そこを理解して頂けるお客さんとベストな関係づくりを、という意味なんです。

北島・出南両氏には、今後トライしてみたいこと、会社に期待することも聞いてみた。

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北島:実は今、「期間限定でのフリーランス体験」ができるかどうかを会社に相談しています。ここの会社で7年やってきましたが、僕はある意味まだ外の世界を知らない。今後もここで働きたいと思う一方で、フリーになって初めてわかることや、両者の違いも一度知っておけたら、今後に活かせるのではと考えてのことです。もちろん解決すべき課題もありますが、可能なら挑戦してみたい。これも定期的な面談で色々相談できるようになったのがきっかけです。

出南:私は会社に属しながらも一時留学や在宅勤務も試みるといった選択肢も含め、今とは違う環境で働くことの可能性には魅力を感じますね。

同社では他にも、実現性にこだわらず自由な発想を競う「夢コンペ」や、年に一回の「社員総選挙」でさまざまな面からスタッフを表彰するなど、ユニークな試みが多い。同時に、社員一人ひとりの活動や目標に対しても、企業としてバランスのとれる範囲で全面的に応援したいと語る。では、伊藤さん自身の目標は——。

伊藤:そろそろ自分のプライベートを充実させること、ですかね(笑)。会社については、この方向でさらにもう少しトンガリたいとも思います。今年はイギリスに留学予定のスタッフや、出産後に在宅勤務を試みるスタッフもいます。そういう行為が彼らの意志で、この場から生まれてきたことが嬉しいです。

「ひとりで3人分働くより、みんなでがんばったほうが業績もよくなるのがわかってきた」と笑う伊藤さんだが、経営者とスタッフの関係については「和気あいあい」というより、対等でドライな関係でいいとも語る。目指すのはあくまで優秀なものづくり集団が活き活きと働ける器づくり。キューポイントのワーク・ライフ・バランスの追求はこれからも続いていく。

まとめ

「仕事と生活の調和」を意味する「ワーク・ライフ・バランス」とは、決して「仕事でラクをしたい」といった安易な取り組みではない。それぞれがそれぞれの人生を尊重し、より充実した生活を送るということ。今回の取材を通じて、そんな当たり前なことを、改めて考えさせられる機会にもなった。彼らのユニークな挑戦が今後どんな発展を遂げるのか、またこうした試みが広く現代の「働き方」にどんな変化をもたらしていくのか、注目していきたい。