Interview 私としごと

兵役を経て、国を越えて活躍する心の強さ

株式会社シフトブレイン
許 源根(デベロッパー)

韓国で生まれ育ち、現在は株式会社シフトブレインでデベロッパーとして働いている許 源根(ほ うぉんぐん)さん。昔から好きだったアニメやゲームを通じて日本に興味を持ち、2年前から日本での暮らしを始めた。「やりたいと思った事は、誰に反対されてもやる」と話すほど、小さな頃から行動力と好奇心が旺盛な許さん。2年2か月経験した兵役の話など、韓国籍ならではのお話を聞かせてくれた。

プロフィール

許 源根

1983年4月16日生まれ。kit専門学校卒業。兵役による2年2か月の海軍生活の後、韓国の制作会社でflash+htmlを使った業務を経験。その後、10日間の日本旅行をきっかけに日本での生活を決意。東京、大阪でのアルバイト生活を経て、株式会社シフトブレインへ入社。デベロッパーとしてflash、JSなどフロントエンドの開発やモーションデザインを担当している。JLPT日本語能力試験2級。

やっぱり自分は、デザインの仕事がしたいんだ

—すごいですね……。兵役が終わってからはどんなことをしていたんですか?

:韓国のいくつかの制作会社で2年半ほど働きましたが、残業も重なって、この仕事を辞めようと思ったんです。やっぱり兵役の間に、デザインに対する情熱が以前ほどなくなってしまったんです。みんな兵役に行くと、それまで考えていた自分の道がどこなのかってわからなくなります。それほど、隔離された生活なんです。だから日本に旅行に来てからは、とにかく日本に行きたいという想いしかなかった。結局、日本で色々なことをしながら自分に合った仕事を見つける! と決めて、こっちの日本語学校に通いながらアルバイトを始めました。

—それから震災での帰国を挟んで改めて大阪に住み始めたと。大阪では何の仕事を?

:はじめは、焼き鳥屋さんでバイトしてました。日本に来て初めて焼き鳥屋さんに行った時にすごく美味しくて感動したんです。それに惚れて、いつかは自分も焼き鳥屋さんを開きたいと思ってバイトを始めたんですが、そのお店では揚げ物ばかりやらされて(笑)。「全然焼き鳥が焼けない!」って思いました(笑)。

—なるほど。実際にデザイン関係の仕事から離れたんですね。でもやっぱりこの仕事に戻っている。何か転機があったんですか?

許 源根

:焼き鳥屋さんでバイトをしている頃、たまたま他の人がデザインしたHPを見たんです。そしたら、やっぱり僕も作りたいという気持ちが湧いてきた……。そのときは「あぁ、僕はこの仕事から逃げられないんだ」って運命みたいなものを感じました。それで会社を探した結果、今のシフトブレインに入社することになりました。

—現在はデベロッパーとして働いていますが、具体的にはどんなお仕事をしてるんですか?

:サイトの見た目であったり、どうやって表現するかという部分をデザイン関係の知識を活かして行うプログラマーです。具体的に印象に残っているものだと、スターバックス・コーヒーさんのキャンペーンサイトですね。初めて自分が担当になった仕事だったんですが、とてもいい評価をしてもらえて嬉しかったです。

—日本と韓国で仕事のやり方が違うところはありますか?

:仕事の期間が10日間あったら、韓国人は5日間ゆっくりします。残りの5日間で集中して一気に仕上げる。でも日本人は最初から最後までずっと頑張る。はじめはこのペースについていけるかな、って思いました。だから結果は同じでも、時間の使い方がまるで違います。日本は集中力を保って、最後まで注意深く細部にもこだわる。僕は両方のやり方を知っている分、どっちの文化もうまく混ぜていきたいと思います。

置かれた環境の中で、全力を尽くすのみ

—技術的な部分などで違いを感じたことはありましたか?

:やっぱり日本の発想力、アイデアはすごく面白いし、素晴らしいと思います。韓国にいた時からFWA(Favourite Website Awards / 世界中で知られるアワードサイト)を見ていたんですけど、4割くらいが日本の作ったサイトで、韓国のものはあまりないんですよ。韓国のサイトも流行を取り入れたりはしているんですけど、日本ほど目立って面白いというものは多くないです。その日本の発想力の素晴らしさはアニメやデザインの面白さに繋がってると思います。

—では今まで異国の地で働いたことで良かったな、と感じたことはあります?

許 源根

:全然文化が違う人と話すことは、自分の人生にとってすごくいい経験だと思います。たとえば自分の住んでたところはすごく狭かったなということがわかって、考え方が全く変わるんですよ。あとは、一歩踏み出せば何でもできるっていう自信がつきましたね。知らない土地でも行ってみればきっとなんとかなる。今はアメリカにも興味があるので、いつか行ってみたいです。英語はあまりしゃべれないんですが……。

—英語より、日本語の方が堪能だと(笑)。今後の具体的な目標ってありますか? たとえば最終的に韓国で会社を作りたいとか?

:会社っていうのは考えてないですね。どちらかというと、いつかお店を作りたいです。すごく静かで雰囲気のいいコーヒーショップ。それはお金を儲けたいというよりも、ただそういう空間が欲しいという感じですけど。あとは、今年の目標としては、個人的にスケジュール管理をするiPhoneアプリを作ろうと思ってます。そうやって個人の力が上がればそれがまた会社の力になりますから。

—お話を伺ってると、置かれた環境の中ですごく前向きですよね。あえてキツい海軍を選んでその中で楽しみを見つけたり、文化の違う日本の職場にもうまく馴染もうとしたり。

:どこにいても、置かれた環境の中では前向きにやっていこうと思います。悪いことが起こっても、いい方に考えていくという。

—そうした行動力ってどこから来るものなんですか?

:なんでしょうね。つらいことがあっても、すぐ忘れちゃうんですよ。きっと(笑)。

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許 源根
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結構音響機器とかにはこだわりがあって、韓国で一人暮らしをしてたころは大画面に5.1サラウンドのスピーカーを繋げてゲームをやってました。これはJabraという元々Bluetoothのイヤホンを専門で出していた会社が初めて出したスピーカーなんですが、すごくいいですよ。電話に繋げばこのスピーカーで通話をすることもできます。家に帰ったらまずこれを起動して音楽を流すのが日課になってます。

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