人気雑誌も休刊。引き続き厳しい出版

帝国データバンクによると、現在の出版業界は厳しい状況にあるという。特に雑誌や書籍の出版社にとっては、全国の書店が減少し、売上が落ち込んでいる状況が続いている。2023年度の出版社の業績では、赤字が36.2％を占め、過去20年で最も高い水準となった。さらに、業績が悪化した出版社は全体の6割を超え、出版不況の中で多くの出版社が苦境に立たされている。

2024年には、月刊芸能誌『ポポロ』や女性ファッション誌『JELLY』、アニメ声優誌『声優アニメディア』など、雑誌の休刊・廃刊が相次いだ。購読者の高齢化や電子書籍の普及、ネット専業メディアの台頭により、紙の雑誌・書籍の売り上げは1996年をピークに減少が続いている。

倒産・廃業は過去5年間で最多ペース

出版社では、「再販制度」により出版物の約4割が売れ残り、返品されるなど在庫負担が重い。物価高の影響で印刷コストや物流コストが増加し、収益がさらに悪化する悪循環に陥っている。2024年1月から8月に発生した出版社の倒産（負債1000万円以上、法的整理）と廃業も、2023年（65件）と同等のペースで発生している。

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