公益財団法人日本デザイン振興会は、日本のグラフィックデザイン秀作300点を紹介する企画展『日本のグラフィックデザイン2025』を東京ミッドタウンで開催すると発表した。会期は6月27日から8月7日までの予定。
年鑑『Graphic Design in Japan 2025』の掲載作品選考会が2024年11から12月に東京都立産業貿易センター台東館で開催され、全国の会員から約1,800作品が出品された中から、厳正な選考の結果、約560作品を入選とした(入選率約28%)。
第27回亀倉雄策賞、JAGDA賞2025、新人賞2025が決定
選考会では各賞の受賞者も決定。『第27回亀倉雄策賞』は林規章氏が受賞した。林氏は1964年生まれ、岐阜県出身で、1987年名古屋芸術大学卒業後、グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタート。HAYASHI DESIGN主宰として、視覚伝達を通してコミュニケーションの核心を探る活動を続けている。
『JAGDA賞2025』では、CI・VI・シンボル・ロゴ・タイプフェイス部門で服部一成氏の『銀座七丁目書店』、映像部門で中村至男氏の『Dance of the Earth』、複合部門で山本晃士ロバート氏の『小学校 算数教科書』がそれぞれ受賞した。また、『JAGDA新人賞2025』は城崎哲郎、サリーン・チェン、松田洋和の3名が受賞した。
多様なジャンルのグラフィックデザインを紹介
展示作品は、ポスター、CI・ロゴ、デジタルメディア、ブック・エディトリアル、映像、パッケージ、ジェネラルグラフィック、新聞広告・雑誌広告、環境・空間、複合など多岐にわたるカテゴリーから選出されている。
注目作品としては、サントリーホールディングスの適正飲酒啓発新聞広告『サントリー モデレーション広告』(白井陽平)、平手幼稚園のサイン計画(木住野彰悟)、NHKの『デザインあ みるほん』のブックデザイン(山本晃士ロバート)などが挙げられる。
展覧会では実物展示に加えて映像展示も行われ、日本のグラフィックデザインの現在を包括的に紹介する。年鑑は編集長・中村至男、ブックデザイン・岡崎真理子の担当により、今夏発行予定となっている。
同展は日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)の年鑑発行を記念した恒例企画で、世界でも評価の高い日本のグラフィックデザインの成果を国内外に紹介する重要な機会となっている。