
『DESIGNART TOKYO 2024』内の若手クリエイター支援プログラム「UNDER 30」に選出された5組
デザイン&アートフェスティバル『DESIGNART TOKYO 2024』内の若手クリエイター支援プログラム「UNDER 30」で、5組のクリエイターが選出された。
『DESIGNART TOKYO』とは?
『DESIGNART TOKYO』は「INTO THE EMOTIONS 〜感動の入口〜」をコンセプトに、2017年にスタートしたデザイン&アートフェスティバル。東京を舞台に、デザイン、アート、インテリア、ファッションなどの領域で、多彩なプレゼンテーションを開催する。今年は「Reframing 〜転換のはじまり〜」をテーマに据え、10月18日から27日まで、表参道や外苑前、原宿、渋谷、六本木、広尾、銀座など東京都内各所で開催される。発起人は青木昭夫(MIRU DESIGN)、川上シュン(artless)、小池博史(NON-GRID)、永田宙郷(TIMELESS)、アストリッド・クライン(Klein Dytham architecture)、マーク・ダイサム(Klein Dytham architecture)。
今年の「UNDER 30」に選出された5組のクリエイター
今年の「UNDER 30」に選出されたクリエイターは、AAAQ、Hiroto Ikebe、HOJO AKIRA、Saki Takeshita(竹下早紀)、Straftの5組。それぞれ、『DESIGNART TOKYO』の発起人によって選出された。

AAAQ(クリエイティブユニット)
Selected by 小池博史 / NON-GRID
プロダクトデザイナー/プロデューサーの都淳朗・UIデザイナーの太田壮によるクリエイティブ・ユニット。千葉大学大学院を修了後2021年に発足し、東京を拠点に活動。AAAQは“Answer(答え)を作って作って作って、新しいQuestion(問い)を生む“というフィロソフィーのもと、感性と研究に基づく制作を行っている。DESIGNART TOKYO 2024では、“光弾性(photoelasticity)“と呼ばれる目には見えない秘めた力を鮮やかに可視化する現象を利用し、負荷によって生まれる光のテクスチャを鑑賞する作品「Visible Stress」を発表する。この作品体験から、今まで何気なく感じ取っていた自身と周囲の在り方を再考し、身の回りに潜む美しい力の世界を想像するきっかけを生み出します。

Hiroto Ikebe(テキスタイルアーティスト/デザイナー)
Selected by アストリッド・クライン、マーク・ダイサム / Klein Dytham architecture
多摩美術大学生産学科テキスタイルデザイン専攻卒。「布」という存在を民族の内包する文化、習慣、信仰などの蓄積された記憶が蓄積された“やわらかな化石”と捉え、フィールドワークを基にその土地に存在する素材・技法の記憶や文脈を読み解き、独自の実験的なアプローチによるテキスタイルデザイン、アートワークの制作を行う。DESIGNART TOKYO 2024では、古来より日本人の生活を支えてきたが、近年衰退の一途を辿りつつある養蚕文化に着目。“素材”や“生産者”との製品の関係性を読み解き、再構築することで生まれた絹の廃棄物から作り出される、新たな生産プロセスによる衣服「COCOON ANATOMY-繭を解く-」を発表します。

HOJO AKIRA(デザイナー)
Selected by 川上シュン / artless Inc.
金沢美術工芸大学でプロダクトデザインを専攻し、現在は企業に所属しながら個人のプロダクトデザイナーとしても活動。マスプロダクトを中心にデザインを行うことが多いため、軸足を量産に置くことで感じる利点と違和感を分解し再構築し、構造や接合方法に焦点を当てたプロダクトを提案しています。DESIGNART TOKYO 2024では「What is the essential structure?」と題し、このマスプロダクトが伴う歪みに感じる違和感へ目を向け、この歪みが本質的なものなのか、本質的なものは何かを考え、自分の中で答えを見つけるために制作した「ソファ」を展示。この思いを作品を通して他者に伝えることで、新たな価値を提案できると考えています。

Saki Takeshita(デザイナー)
Selected by 青木昭夫 / MIRU DESIGN
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒。ギターのエフェクターデザインからインテリアプロダクトなど幅広くデザインを行い、東京を拠点に作品制作・発表を行う。ものと人と空間の関わりをテーマとし、素材に触れながら手で作り考えることを大切にしている。DESIGNART TOKYO 2024では、世界一軽い木材として知られるバルサ材を染色し、200度近い熱風を当てて色を変化させ、グラフィカルに展開した作品「Eeyo(イーヨー)」を発表。染める時間、熱の当て方、木材と染料の相性によって色や模様を変化させることができる不思議な現象。木目の表情やテクスチャをそのままに、凹凸や曲面、立体物に対してグラフィカルな加工をしていける点は、木材のプロダクトデザインの新しい表現方法となる。

Straft(アーティスト)
Selected by 永田宙郷 / TIMELESS
Tamaki IshiiとKazuma Yamagamiによるクラフトユニット。東京造形大学インダストリアルデザイン専攻を卒業後、東京を拠点に活動を開始。お米を収穫した後に残る稲わらを主な素材として扱い、伝統的なスタイルに現代的な感覚を取り入れた作品を制作している。DESIGNART TOKYO 2024では「Exhibition “NEST”」と題し、昔から屋根や壁、生活に必要な道具としてだけでなく神事にも用いられるなど、祈りの対象物として敬ってきた稲藁を使った作品を展示。代表作「TORI」は稲作によって形成された日本人の潜在的な自然観を現代に投影することを試みた作品です。自然とともに共生していこうとする自然観の中に、現代に必要とされる精神的な豊かさの本質を探ります。