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急に決まったリモートワーク。10のお悩み解決します! #バックオフィス座談会

  • #自由な働き方
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、日々の生活や働き方が大きく変わっている今日この頃。状況の変化が早く、準備もままならない状態で急遽リモートワークに踏み切った方も多いのではないでしょうか?

CINRA.JOBでおつき合いのあるクリエイティブ企業は、比較的リモートワークへの切り替えが早かった印象です。とはいえ、郵便物や捺印対応など「物理的」な対応が必須であるバックオフィスの方々が最後まで出社を余儀なくされているのも確か。なおかつ、各社のバックオフィス担当の人数は決して多くありません。社内にノウハウがなくて困っているという声もたくさん耳に入ってきました。

そこで先週、CINRA.JOBではバックオフィスの方を対象としたオンライン座談会を実施! 全6回、20社25名の方にご参加いただきました。少しでもお役に立てればと思い、それぞれの座談会で話題に挙がったお悩みや解決策などをここでお伝えします。
  • 取材・文:山本梨央(CINRA)

<お悩み別テーマ>
1.バックオフィスのリモート化
2.社員の「快適な在宅勤務」環境づくり
3.遠隔での社内コミュニケーション

1.バックオフィスのリモート化

郵便物の仕分けに請求書発行、契約書の捺印、代表電話の対応……。総務や経理などバックオフィスのお仕事は、いまなお「出社しないとできない」業務でいっぱい。周りが続々と在宅勤務に切り替えていくなか、最後まで出社せざるを得ない状況だという方も多いでしょう。少しでもリモート化できるよう、さまざまな企業が取り組んでいる工夫を紹介します。

<お悩み>
会社に掛かってくる電話対応、どうしよう?

<解決策>
会社の代表電話や固定電話それぞれを留守電に切り替える会社と、携帯電話などに転送できるよう設定している会社が大多数。社員のメール署名欄に「在宅勤務のため携帯電話にご連絡をお願いします」という一筆を添えて周知を進める会社も。その他、転送されてきた電話の大半が営業電話で、その対応も大変……という場合は「fondesk」などの電話代行サービスを活用している企業もいるようです。

<お悩み>
ハンコは持って帰れない……。捺印のための出社はやっぱり必要?

<解決策>
契約書や請求書などはプリントアウトしてハンコを押して……と、フローを省くのが難しい業務もまだまだたくさんあります。しかし、コロナ対策の一環で、捺印なしの請求書、電子印での契約書、PDFでの手続きなどを取り入れる動きが急激に加速しています。メールやPDFでのやりとりを優先するよう取引先に周知する他、以下のようなツールを使ってオンライン上で完結させる企業も増えていました。

■契約書関係
クラウドサイン
DocuSign

■請求関係
MakeLeaps
freee
マネーフォワードクラウド
Reforma PSA
ZAC
Misoca
FileMaker

<お悩み>
月末・月初の経費精算。原本管理はどうしてる?

<解決策>
毎月、大量の領収書と格闘している方も多いのでは? 経費精算は書類の作成だけでなく、領収書を揃えることも大切です。いままでは経理スタッフのデスクまで領収書を提出していたフローも、社員の大多数が在宅勤務になってしまうと大変……。

もともと「Concur」や「Reforma」などのサービスを使って管理していた会社は、引き続き領収書を各自がスマホで写真に撮って電子化して管理、という運用方法を続けていました。そうでない企業は、一時的に各自が領収書を写真にとって「Googleドライブ」などのストレージサービスで経理スタッフに共有し、原本は後日回収という運用で補っている場合が多いようです。

<お悩み>
会社に届いちゃう郵便物、どうやって対応しよう?

<解決策>
どうしても会社に行かないと確認できないもの。それが郵便ポスト。あまりに放置しているとポストが郵便物で溢れかえってしまったり、宅配便の不在票に気づかなかったりと業務に支障を来す可能性も大いにあります。上記のような請求サービス、契約書サービスなどを使ってなるべく紙の郵送物を減らすよう、取引先に協力を仰いでいるものの、やっぱりどうしても出社は免れない……という企業がほとんどでした。

バックオフィスが出社する場合も週に1回以下の頻度で、なおかつ満員電車を避けられるよう時差出勤などを活用しているケースの他に、別の職種でどうしても出社せざるを得ない用事がある人たちで郵便物を手分けして対応したり、人混みを避けて移動できる車や自転車での移動が可能な人、オフィスの近所に住んでいて徒歩で出社できる人などで分担して対応しているケースもあるようです。

2.社員の「快適な在宅勤務」環境づくり

社員がたくさんいれば、それだけ一人ひとりの在宅勤務環境のバリエーションも多くなります。通常業務だけでなく、在宅勤務での課題を解決したいという相談が集中する先も、やはりバックオフィス。いまはまだ社内から要望が出ていない企業でも、外出自粛期間が長引けば、これから相談が増えるかもしれません。

<お悩み>
家のネット環境が整っていない! テザリングではすぐに上限に……。

<解決策>
リモートワークではすべてのやり取りがオンラインになる分、インターネットのデータ使用量も圧迫します。家にはネット回線を引いていない社員が意外と多かった、と判明した企業も1社や2社ではありません。備品のポケットWi-fiを再分配するなどして対応している企業がほとんどですが、社員数や台数の割合によっては、その対応が難しい場合もあるでしょう。外出自粛期間が終わるまで、月額で通信費用を会社の経費で上限いくらまで負担、という制度を検討しているところもあるようです。その他、ポケットWi-fiではなくコンセントに差すだけで工事不要タイプのルーターを貸し出す企業もいらっしゃいました。

<お悩み>
モニターがないと効率下がるけど、わざわざ自腹で買うほどでは……。

<解決策>
急なリモートワークへの切り替えで、ノートPCだけで仕事せざるを得ない方も多いでしょう。普段から大きなモニターを使っているであろうデザイナーだけでなく、提案書作成で困っているディレクターやプランナー、膨大な行数のエクセルと睨み合う経理の方も、在宅勤務でのモニター利用を欲しているはず。在宅推奨になって会社に人がいないため、会社のモニター貸出OKとしている企業も多いですが、問題は各自の家にどう運ぶか。総務が梱包して配送したり、タクシーで持ち帰ったり、なかにはモニターを抱えて電車で運んだというツワモノも……! タクシー代や配送代を会社負担にするというケースもちらほら。

いずれにせよ、精密機器だから運搬中の故障などが不安という声も多かったです。ヤマト運輸の「パソコン宅急便」や佐川急便の「精密機器輸送サービス」など、専用のプランを使って手配するのが安心かもしれません。

<お悩み>
家の机や椅子が長時間の仕事に向いてない!

<解決策>
長時間のデスクワークに適した環境が整っておらず、徐々に肩こりや腰痛など身体に不調が出てきている人も。最近では立ったままパソコン作業をするのが良いという風潮もあるようです。いくつかの企業では、リモートワークの準備金として、月額1〜2万円の支給を決定しています。在宅環境は人それぞれ。何が揃っていて何が足りないのかあまりにもバラバラなため、申告制で使用用途は各自に任せるなどの工夫で乗り越えていました。また、厚生労働省の「働き方改革推進支援助成金」や東京しごと財団の「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」の申請に向けて準備を進めている企業もいるようです。

3.遠隔での社内コミュニケーション

仕事中、隣に同僚がいないというのが、リモートワークになっての一番大きな変化と言っても過言ではないでしょう。出社して、周りに同僚や上司がいる緊張感で仕事モードになるという人もいれば、日々の雑談が仕事の刺激になっていたなんて人も。ここでは、社内コミュニケーションを活性化させていく方法をご紹介します。

<お悩み>
勤怠管理どうしよう? みんながいつ働いているか見えづらい!

<解決策>
仕事モードのオンとオフの切り替えが難しいと感じている方が多いのでは? また、もともとリモートワークの制度がなかった企業で、特に管理職の方々などからは、「部下が本当に働いているか見えなくて不安」との声も。

出退勤の管理は「SmartHR」や「JOBCAN」などのツールを活用して可視化し、残業をしすぎないように目を配るなど工夫しているところもあるようです。その他、チャットツール「Slack」や「Chatwork」「LINE WORKS」で業務開始時に「おはよう!」と投稿するなど、出社時のコミュニケーションを再現している企業も。その他、全社員やチームごとで「Googleハングアウト」や「Zoom」などオンラインミーティングツールを活用した朝会を毎日開き、タスク状況や健康状態などを確認することで、生活リズムが乱れないよう工夫している企業も多く見受けられました。

<お悩み>
業務以外で人と話す機会がめっきり減った……。

<解決策>
同じオフィスに集まって、毎日顔を突き合わせて仕事をする醍醐味のひとつは、業務以外のコミュニケーション。外出自粛期間が長引くほどに、同僚とランチに行ったり、雑談が息抜きになったりという日々の会話の大切さを痛感している人も多いでしょう。

「Googleハングアウト」や「Zoom」を使ってオンラインでおしゃべりをしながらランチを食べたり、仕事終わりにオンライン飲み会をしたり。息抜きの時間をしっかり設けてオンオフを切り替えるのも大事なこと。でも、わざわざ予定を合わせるほどではない気軽な雑談もしたいですよね? そんな人たちは、雑談用に「Slack」や「Chatwork」でスレッドを立ち上げ、気が向いたときにテキストでおしゃべりを楽しんでいます。

<お悩み>
会議をセッティングするほどではない。だけど気軽に相談したい! なのに、声をかけるのを躊躇しちゃう!

<解決策>
気軽にいつでも口頭で話せるように、チャットツール「Discord」の音声チャットや「Googleハングアウト」などを業務時間中ずっと繋いでいるという企業も。しかしそれぞれの生活音がノイズとして入ってしまう懸念があるため、全社員用にヘッドセットを購入した、という取り組みもありました。

その他、仕事の関わりがあまりないチームの動向が見えづらいという声に対しては、Facebookグループなどを活用して社内報を頻繁に更新している企業もあるようです。

<まとめ>
今回はCINRA.JOBも初の試みとして、オンライン座談会というかたちでバックオフィスの皆さんにお話を伺いました。きっと新型コロナウイルスの混乱が落ち着いた後も、リモートワークなど新しい働き方の広がりは加速していくことと思います。そのなかで、会社の壁を超えたバックオフィス同士の情報交換は今後より重要になってくるでしょう。「うちの会社ではこんな取り組みもしている!」という方は、ぜひSNSでハッシュタグ「#バックオフィス座談会」をつけて投稿してみてください!

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