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つねに背伸びができる場所。「挑戦」を大事にするNEW FOLKが語る、課題解決のためのデザイン

株式会社NEW FOLK

株式会社NEW FOLK

WEBデザイン、グラフィックデザインおよび開発、企業や商品のブランディングなど、幅広いクリエイティブを手がけるNEW FOLK。「的を得る(理解し、捉える)デザイン」を掲げ、顧客の課題解決につながるデザインを得意としています。

スタンダードな表現や常識的な手法に捉われず、新しい見せ方や技術、これまでにないアプローチを積極的に取り入れることも同社の大きな特徴で、その背景にあるのはメンバーの自主性を重んじ、「挑戦」を後押しする社風。代表の本多氏は、「挑戦は成長のベースになる。特に、若いデザイナーは自分ができることだけやるのではなく、半歩でも一歩でもいいから常に『背伸び』をしてほしい」と語ります。

そんなNEW FOLKのクリエイティブに対するこだわりや、メンバーがこれまで挑戦してきたこと、さらにはデザイナーの成長をサポートする仕組みや社内環境について、本多氏と若手メンバー3名にうかがいました。

  • 取材・文:榎並紀行(やじえろべえ)
  • 撮影:タケシタトモヒロ
  • 編集:廣田一馬

的を「射る」ではなく、的を「得る」デザインを

―NEW FOLKはデジタルから紙媒体まで幅広い領域のデザインをはじめ、企業や商品のブランディング、WEBサイトやECサイトのフロントエンド開発、バックエンド開発まで、さまざまなクリエイティブを手がけています。はじめに、クリエイティブエージェンシーとしての理念や大事にしていることを教えてください。

本多:私たちはデザインをなりわいにしていますが、デザインとは単なる視覚的な表現ではなく、クライアントが抱える課題や目標を解決するための強力なコミュニケーション手段であると考えています。そして、目標に対してデザインで最大限の価値を生み出すには、クライアントさえも気づいていないような本質的な問題点を理解する必要があります。

そのために、NEW FOLKが大事にしているのが「的を得るデザイン」です。的を「射る(撃ち抜く)」ではなく「得る(理解し、捉える)」ことをつねに意識しながら制作に臨んでいます。

代表の本多敏之さん。2012年に株式会社NEW FOLKを設立。

―「的を得る」には、クライアントのことを深く理解するためのコミュニケーションが重要になりそうです。

本多:そうですね。コミュニケーションでいうと、制作に入る前のヒアリングや対話はもちろん、完成したデザインをロジカルに説明することも重要です。見た目が良いだけのデザインを一方的に提示して終わるのではなく、私たちがどんな思考をめぐらせてそこへと至ったのか、デザインの専門家ではないお客様にも理解しやすいように言語化してお伝えすることを心がけています。

また、「的を得る」ためには、デザイナーやディレクターの主体的なインプットも欠かせません。たとえ自分があまり詳しくないジャンルでも、漫然とデザインするのではなく、その領域について学び、可能な限り解像度を高めたうえでロジックを組み立てる必要があると思います。

僕が新しいクライアントのデザインを手がける際は、最低でもその業界や商品の歴史、カルチャー、社会的な立ち位置、マーケットの規模感やトレンドなどは頭に入れています。そこがスタートラインで、以降はクライアントとの対話のなかでより理解を深めていくイメージです。

八戸:私たちデザイナーが本多にデザインのレビューをしてもらうときにも、その部分は問われます。「このクライアントの、業界での立ち位置は?」「クライアントはこの事業で、どんな課題を解決しようとしているの?」など、デザインの良し悪し以前に、本多の質問に答えられない時点で、自分のなかで掘り下げが足りていないことに気づかされます。小手先でデザインをしていたら、すぐに見抜かれますね。

八戸実優さん。デザイナー、プロジェクトマネージャー。別業態からの転職でNEW FOLKに入社。

どんな仕事でも、クライアントの期待を超えるサプライズを

―最近の代表的な事例を教えてください。

本多:直近の事例でいうと、チャットボットを使ったデジタルマーケティング事業を手がけるスタートアップ「株式会社Canvas」さんのプロジェクトが挙げられます。会社そのものをリブランディングしたいというご相談をいただき、ロゴのデザインやWEBサイトのリニューアル、名刺・営業資料といったさまざまなツールのデザインなど、クリエイティブ全般を担当しています。

―では、それぞれのクリエイティブのポイントを教えてください。まず、ロゴのデザインではどんなことを意識しましたか?

本多:ロゴについてはCanvasさん側から「シンプル」「ブルー系の色味」というオーダーがありました。これをベースにしつつ、カラーは企業のミッションである「すべての挑戦者を応援する」を体現するような力強さを、ビビッドな青で表現しています。

ロゴは遊び心がありながらも、視覚的な力強さを持つシンプルなフォルムを採用しており、挑戦者を応援する強さを表しつつも、少し丸みのあるフレンドリーかつモダンなデザインにすることで、「楽しむ」と「挑戦」を両立する意味を込めています。

また、このロゴをCanvasさんのさまざまなブランディングに活用できるようにするため、「C_」(キャンバス・スペース)というエレメントも開発しています。

本多:「_」の後ろには、たとえば「digital marketing」「sports business」「human resource」といった、Canvasが提供するさまざまなバリューがあてはまります。事業の内容やシーンに応じて、「C_」を使い分けてもらうイメージですね。

もともと、Canvasさんからこういったものを開発してほしいというオーダーがあったわけではありません。しかし、コミュニケーションを重ねた結果、Canvasさんが新規事業を積極的に立ち上げていく「ビジネスインキュベーション」の取り組みを掲げていたことから必要性を感じ、追加で制作しました。今回はリブランディングの上流部分から関わらせていただいたということもあり、こうした提案も柔軟に受け入れてくださいました。

―今回のプロジェクトに限らず、基本的にはつねにクライアントのオーダーを超えるアウトプットを心がけているのでしょうか?

本多:そうですね。基本的には、クライアントにサプライズを提供したい、良い意味で想定を超えるものを提案したいという思いがあります。クリエイティブの会社なので、先方の期待を上回る驚きがなければ、次につながらないので。社内でルーティン化したメソッドを用いるのではなく、その時々の課題に合わせてアプローチを変えるように心がけています。

もちろん、予算との兼ね合いもあり時間や工数をかけられないこともありますが、案件ごとの目的をふまえた最適な解決策はつねに意識していますね。その結果、デザインだけではなくコピーを同時に提案することもあります。Canvasさんの案件でも、WEBサイトに企業のミッションを載せる上で、当初の予定にはなかった「Together We Paint The Future」というキーコピーを提案しました。

メインビジュアルのデザイン性とメッセージ性を両立させるためには英語でのコピーを開発する必要があると感じたことから追加で提案したところ、良い反応をいただき、WEBサイトだけでなく、名刺にも採用することになりました。

デザインデータを提出して終わりではなく、運用まで考えるのが仕事

―八戸さん、小林さん、松村さんはCanvasのプロジェクトメンバーということですが、みなさんの役割と、それを担当する上で大事にしていたポイントを教えてください。

八戸:私は本多と一緒に、全体のコンセプト設計の段階からプロジェクトに携わり、進行管理からロゴ・WEBサイトのデザイン制作まで、PM兼デザイナーとして幅広い工程に携わってきました。

八戸:進行管理の部分でいうと、今回の案件は通常よりも自由度の高い案件でした。Canvasさん側の、「リブランディングのコンセプトから一緒に考えてほしい」というリクエストもあり、納期重視ではなく、時間をかけていろいろと挑戦できる余地があったんです。

とはいえ、いたずらに時間を延ばすこともできないため、私のほうで定期的にスケジュールを引き直すなどして、スピード感とクオリティを両立できるよう意識していました。

制作の面で特に印象に残っているのが、ロゴデザインの最終調整を任されたことです。カーニングはもちろん、錯視による形のずれの調整を何度も行いました。

こうした細部へのこだわりを積み重ねることで、ロゴとしての完成度がぐっと高まったと感じていますし、細部までとことん向き合う姿勢を学べたのは、個人的にも非常に良い経験になりました。

小林:私は名刺と営業資料のテンプレートをデザインしました。どちらも営業ツールですから、単に奇を衒ったものをつくればいいというわけではありません。特に名刺は、受け取る相手にCanvasさんの誠実さとユニークさが入り混じった世界観を感じてもらえるデザインにしたいと思い、機能性とのバランスを意識しながら複数のパターンを提案しました。

最終的に採用いただいたのは、「Together We Paint The Future」のロゴとビビットなブルーが印象的な案です。余計なあしらいを廃したシンプルなデザインで、Canvasさんの世界観や「すべての挑戦者を応援する」というメッセージが一目で伝わると気に入っていただけました。

また、Canvasさんの世界観を表現するために、ブルーの色味にもこだわりました。今回は「勢い」を表すビビットなブルーを使用しましたが、このような色は印刷をするとパソコンのモニターで見たときよりも色がくすんでしまいます。

理想のブルーに近づけるためにさまざまな印刷手法を模索し、限られた予算のなかでも美しい色を表現できる方法がないか試行錯誤を重ねた結果、ようやく理想的な色を再現することができたんです。

小林芽生さん。デザイナー。別業界でのデザイナー経験を経てNEW FOLKに入社。WEB / グラフィックはほぼ未経験だったという。

本多:単にデザインデータを納品して終わりではなく、その後の運用も含めて考えるのが私たちの仕事です。Canvasさんは業務の関係上名刺をよく配られるため、デザイン性を保ちつつも、印刷のコストを抑えたいと考えられていました。しかし、先方には印刷に関するノウハウがなかったため、名刺を増刷する際の印刷会社を指定したほか、入稿時のマニュアルを作成するなど、オペレーションも含めて提案させてもらいました。

年齢や社歴に関係なく、良いアイデアはどんどん取り入れる

―松村さんはエンジニアということですが、Canvasのプロジェクトではどんな役割を担い、どういった点にこだわりましたか?

松村:リニューアルするWEBサイトの開発を担当しました。こだわった点はCMSで、「ヘッドレスCMS」を採用しています。現状、従来型のCMSは多くの会社のWEBサイトに使用されていますが、更新やセキュリティの面で課題を抱えているケースも少なくありません。

松村太樹さん。フロントエンドエンジニア。NEW FOLKでの社歴は約1年。

松村:私自身、ここ数年で一気に台頭してきたヘッドレスCMSを使いたいという思いがあったなか、お付き合いのある「ちょっと株式会社」さんがヘッドレスベースの新しいCMSを開発したんです。さまざまな機能が充実していて、技術的にもセキュリティ面も、さらにスピードという点でも魅力的でした。そうしたタイミングで、今回のCanvasさんのお話をいただき、ぜひこの新しい技術を使ってみませんかと提案したんです。

本多:Canvasさんとしては必ずしもヘッドレスCMSを使ってほしいというご意向ではなかったのですが、私たちの挑戦に理解を示し、受け入れてくださいました。

技術は日々進化しています。「どこも使っているから」と思考停止で従来型のCMSを選ぶのではなく、より新しいもの、より合理的で使いやすいもの、より安全なものに目を向けないと、特に私たちのように小規模なチームは生き残れません。その点、松村は新しい技術に対する感度が高く、クライアントの課題を解決できるものを的確にチョイスできる力を持っていると思います。

―とはいえ、せっかくメンバーが良い技術を見つけてきても、会社によっては上司に反対されて使えないケースもあると思います。NEW FOLKに関しては、基本的には提案を聞き入れてもらえるのでしょうか?

松村:そうですね。少なくとも頭ごなしに否定されることはありません。開発に限らず、社内の業務改善にまつわる提案や新しいツールの導入などに関しても積極的に話を聞いてくれますし、良いアイデアであれば採用してもらえます。入社面接で社長と会話をしたときから、自分が興味を持っている技術を提案したり、取り入れたりしてもらえそうな会社だと感じていましたが、実際に入社してからはそれを実感しています。若手が挑戦しやすい環境だと思います。

本多:NEW FOLKは小規模ということもあって、良いものはフレキシブルに取り入れたり、積極的にトライできる強みがあります。挑戦って、会社の成長やサービスがスケールするうえでのベースになるものだと思いますし、特に若いデザイナーは言われたことだけをやるのではなく、半歩でも一歩でもいいからつねに「背伸び」をしてほしい。

会社としても、各自のスキルや成長度合いを見ながら、それまで経験のない業務を少しずつ任せてみたり、ルーティン化しているやり方をその時々の最適な形に変えたりといった働きかけはしています。そのぶん時間はかかりますが、せっかくクリエイターとして生きていこうと決めたなら、何事も挑戦しようという気概は必要だと思うので。

「入りたい」「頼みたい」。デザイナーからもクライアントからも必要とされる会社に

―八戸さんと小林さんは、ほぼ未経験で入社されたとうかがいました。短期間でプロジェクトの主戦力になるほどデザイナーとして成長できた理由をどのように分析されますか?

八戸:短期間で成長できた理由としては、大小さまざまな案件に携われたのが大きかったと感じています。

たとえば、WEBサイトの制作をブランディング観点から取り組むなど上流工程から携わるプロジェクトにアサインした際は、考え方のプロセスや制作進行の流れを間近で学び感じることができました。一方で、バナーやチラシなどのスポットでの案件や、細かなタスクも多いため、デザインの基礎力も同時に身につけることができました。

NEW FOLKには、そういった大小さまざまな案件を経験できる環境があるため、実践の中で基礎力と応用力の両方をバランスよく伸ばしていけるのだと思います。

小林:私は主に3つあると思います。1つ目は、良い意味で「好きにやらせてもらえる」ことです。本多や先輩方は折に触れてアドバイスをしてくれますが、基本的には個々のデザイナーが表現したいことを軸に形にしていくのがNEW FOLKのやり方です。

ただ、好きにやるとなると当然、自分の頭で考えないといけません。考えながらデザインすることでクリエイティブ脳が鍛えられるし、次の課題も見えてきます。つねに細かい目標ができて、それが成長につながっているのかなと。

小林:2つ目は人数が少ないぶん、周囲のデザイナーの仕事が目に入りやすいこと。いろいろな案件のデザインを見たり、アイデアを参考にできたり、表現に対する考え方を聞いたりするなかで、どんどん引き出しが増えていく実感があります。

3つ目は、求められるクオリティのレベルが非常に高いこと。NEW FOLKは未経験でもOKですが、プロとして仕事をする以上は相応のものが求められます。もちろん、その時々のスキルに対して明らかに難しい要求をされることはありませんが、いい加減なデザインや妥協したアウトプットは絶対に通してもらえません。でも、そのハードルを超えていくことで、確実にスキルが上がっていくと思います。

―それでは、最後に本多代表にうかがいます。NEW FOLKは来年で設立15年目を迎えますが、今後の会社の展望を教えてください。

本多:個々が成長し、それによって会社が成長していくのを感じられる状態をつくっていきたいです。

NEW FOLKはいま、受託制作や自社事業、売り上げなどの規模感が成長し続ける事業拡大のフェーズに入っています。少しずつメンバーや新規のお客様も増えつつある状況ですが、より規模を大きくするためにはさらなる変化が必要です。

まだまだ発展途上の会社である分、やりたいことを提案しやすく、熱意がある方にとっては最高の環境です。ともに成長できる仲間を増やしていけたらと思っています。

もう一つは、いろいろな意味で「必要とされる会社」になること。

求職者の方からは「入りたい」と思われる会社に、クライアントからは「頼みたい」と思われる会社になる。当たり前のことかもしれませんが、少子化で人材獲得の競争が激しくなり、生成AIをはじめとするテクノロジーが普及していくなかで、それでも「入りたい」「頼みたい」と言ってもらうのは、そんなに簡単ではないと思います。ただ、だからこそこれからも挑戦する意欲を失うことなく、必要とされ続ける会社を目指したいですね。

Profile

株式会社NEW FOLK

■NEWFOLKについて

NEWFOLKは、東京を拠点に10年以上の歴史を持つクリエイティブエージェンシーです。

紙媒体からデジタルまで幅広く手がけ、グラフィックデザインやWEBデザインを通じて、お客様の課題解決と価値創出に取り組んでいます。

少数精鋭のチームで柔軟かつ迅速に対応。

独自のメソッドを駆使し、業界や競合のトレンドを深く掘り下げたデザインで、クライアントの目標達成をサポートしています。

■私たちの使命

デザインを「単なる見た目」ではなく、「課題解決の手段」として捉えること。

それがNEWFOLKの姿勢です。

また、私たちはそのような課題解決に対して単に的を射るだけではありません。

的を「射る(撃ち抜く)」のではなく、的を「得る(理解し、捉える)」、つまり目標を達成するだけでなく、その過程で課題に対する本質的な問題点を理解することです。

”的を得た”的確なクリエイティブによって、最大限の価値を生み出すことを使命としているのです。

■事業内容

-グラフィックデザインやWEBデザインの企画・制作
-広告宣伝物や販促グッズの制作・販売
-WEBサイトの企画・開発・運営・コンサルティング
-店舗デザインや内外装のプロデュース

プロモーション用のフライヤーから企業ブランディングまで、あらゆるデザインに対応し、成果を追求しています。

■成長と働き方

2012年の創業以来、私たちは成長を続け、現在13期目。

前期比150%の成長率を達成し、さらなる挑戦を続けています。

職種にとらわれない幅広い経験を積める環境で、企画からデザイン、開発まで一貫して携わることができます。

個々人のクリエイターとしての「得意」や「好き」を活かし、スキルアップできるチャンスが豊富です。

■求める人物像

NEWFOLKでは、以下のような方を求めています。

・モノづくりが好きで、情熱を持って取り組める方
・挑戦意欲があり、新しいことに積極的に取り組める方
・トレンドや技術を追い続け、つねに成長を目指す方

NEWFOLKは、まだ成長途上にある会社だからこそ、自由で創造的な環境を提供しています。

私たちは、これからの成長をともに支え、クライアントや社会に新たな価値を生み出す仲間を求めています。

あなたのクリエイティビティを活かしながら、デザインを通じて価値を創造し、自己成長を楽しんでみませんか?

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