自分の長所で「勝負」できる。モフの社員がポジティブに働ける理由

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経済系から教育分野、宇宙事業に至るまで、さまざまな領域を横断し、アートワークを展開するデザイン会社moff(モフ)。設立13年目を迎える同社はいまを「第2創業期」に位置づけ、社内体制の強化を進めている。 それに伴い、新たに「ポジティブな人と場をもって、社会に貢献し続ける」というメッセージも打ち出した。代表の荒川健司さんにその意図を聞くと「ポジティブを前面に押す会社って、なんか胡散臭いですよね(笑)。でも、この言葉こそ現在のモフを最も言い表していると思うんです」とのお答えが。 なぜ、モフはあえてポジティブを掲げるのか。また、具体的にどんな会社でありたいと考えているのか。荒川さんのほか、社員の細谷眞斗さん、田中裕子さんにお話をうかがった。
  • 取材・文:榎並紀行(やじろべえ)
  • 撮影:丹野雄二
  • 編集:服部桃子(CINRA)

どんなに難しいオーダーでも「できること」を探してみる

—モフの得意分野や主な案件を教えてください。

荒川:私たちが得意としているのは、情報設計やグラフィックデザイン、アート、テクノロジーなどのスキルを生かした案件です。例えば、企業のモニタリングシステムの設計・企画・デザイン・実装までをすべて引き受けることができます。事例を一つ挙げると、サウジアラビアの工業団地で大気汚染や水質汚染の測定結果を開始するモニタリングシステムの設計・デザイン・実装を担当しました。

代表の荒川健司さん。趣味でボードゲームをつくっている

代表の荒川健司さん。趣味でボードゲームをつくっている

サウジアラビアの工業団地の、大気汚染・水質汚濁の測定結果を監視するモニタリングシステム

サウジアラビアの工業団地の、大気汚染・水質汚濁の測定結果を監視するモニタリングシステム

荒川:また、最近では大企業が新規事業を立ち上げる際のビジョンメイキングなども手がけています。クライアントと一緒にディスカッションを重ねながらビジネスモデルを概念図に落とし込むといった作業ですね。チームの関係者などにコンセプトをわかりやすく共有するため、主にビジュアル面からサポートしています。ちなみに、クライアントの業種は経済系から教育分野、AI領域、宇宙事業まで、かなり幅広いと思います。

クライアント企業のビジョンをヒアリングし、ラフスケッチに落とし込んだもの

クライアント企業のビジョンをヒアリングし、ラフスケッチに落とし込んだもの

—ものすごく幅広い領域にタッチされていますね。設立当初から、そのようなスタンスだったのですか?

荒川:いえ、設立当初はWEB広告のデザインが中心でしたね。ぼくはもともとゲームをつくるインハウスデザイナーだったのですが、2008年に独立してモフを立ち上げました。友人や後輩などとガレージに集まって、楽しくつくるというような意識のなかで、デザイン性やアーティスト性を全面的に押し出したものをつくっていて、デザイナーとしての表現やクオリティーの部分で勝負していました。

転機になったのは、設立翌年の2009年ですね。とある研究機関の公式プロモーション総合WEBサイトの制作を受注したのですが、これまでのようにただカッコいいものをつくればいいというわけではなく、難解なプロジェクトの中身を理解し、表現に落とし込む必要があったんです。

簡単な挑戦ではありませんでしたが、とても社会的意義のある研究プロジェクトで、大きな達成感がありましたね。この仕事が、モフにとってのエポックメイキングになったと思います。それからは、「難しい話をさまざまなコンテンツや手法を用いることでわかりやすくする」ことの面白さを知り、どんな難しいオーダーがきても、興味ややりがいを感じたら飛び込んでみようと考えるようになりました。

—そうはいっても、例えば「サウジアラビアの工業団地の環境汚染をモニタリングするシステム」となると、かなり難解なオーダーかと思います。それでも、怯まずに挑戦できるものなのでしょうか?

荒川:たしかに、最初にお話をいただいたときは怯みましたが、少なくとも「やったことがないから」という理由でお断りすることはありません。足りてない知識は都度勉強しなければならず、これまで接したことがない分野を知るというのは大変な作業ですが、勉強しただけ自分の見識が広がる。今後の仕事に活かすこともできます。

もちろん、何度ヒアリングを重ねてもアウトプットをイメージしきれない場合はお断りせざるを得ませんが、基本的にはどんな案件でもまずは自分たちができることを探します。そのうえで、ワンアイデア足した提案をするように心がけていますね。

植物いっぱいで快適なオフィス。社員は現在7人

植物いっぱいで快適なオフィス。社員は現在7人

本棚にはさまざまな資料が並ぶ

本棚にはさまざまな資料が並ぶ

「過去のキャリアやスキルにとらわれず、新しくトライできる」

—社員のお二人にもお話をうかがいます。まず、細谷さんのお仕事について教えてください。

細谷:入社6年目になります。肩書きはデザイナーですが、実際の案件ではかなり幅広い領域に関わっていますね。ビジョンメイクの仕事からWEBサイトのリニューアルまで携わらせてもらえますし、モフに来たことでデザイナーとしての引き出しも増えました。もともと前職でもWEBデザインの仕事をしていて、それなりに表現の幅はあったつもりでしたが、デザインの品質を格段に引き上げてもらった実感があります。

デザイナーの細谷眞斗さん。プライベートでは知人の会社のブランドイメージの構築や、イラスト・WEBサイト制作なども行う

デザイナーの細谷眞斗さん。プライベートでは知人の会社のブランドイメージの構築や、イラスト・WEBサイト制作なども行う

—それがモフで働く魅力の一つですか?

細谷:そうですね。最初の2、3年で本当にさまざまな案件を担当したので、みっちり鍛えてもらった感じです。そのなかで、いろんな仕事の進め方やアウトプットがあることを学びましたし、4年目からは徐々にお客さんの前に立つようにもなり、デザイナーとして垢抜けてきたと感じています。会社がぼくの成長タイミングに合わせてチャンスを与えてくれるのが、ありがたいですね。毎日負荷を上げながら筋トレをしていたら、いつの間にか重いものを持てるようになった、みたいな。

—田中さんはいかがでしょうか?

田中:私の場合、業務の領域が広くてややこしいのですが、わかりやすく言うと会社の「働く環境」を整備する仕事です。妊娠・出産などで環境が変化しても働きやすい仕組みをつくったり、リモートワークの際のオンライン環境の整備、セキュリティー強化も含めたコーポレートITを推進したりと、かなりいろいろやっています。ほかの会社で導入されているシステムをそのまま持ってくるのではなく、モフに最適化した環境を整えるために、荒川やほかの役員とともに試行錯誤しているところですね。

コーポレートITの田中裕子さん。コロナが落ち着いたら台湾でリモートワークを計画中

コーポレートITの田中裕子さん。コロナが落ち着いたら台湾でリモートワークを計画中

—田中さんは、もともとそういうお仕事のご経験が?

田中:いえ、じつはまったくの未経験でした。前職は宿泊施設のWEB集客支援を担当していて、モフに入社した当初は、アプリゲーム開発の進行管理などを担当していたんです。その案件が終わるタイミングで、もう少し人とコミュニケーションをとったり、キャリアの幅が広がるような挑戦ができたりしないかと考えていたところ、荒川さんからいまのような会社全体の環境を整える仕事を提案していただきました。

私にとっては未知の領域で不安もありましたが、荒川さんが「経験の有無は関係ない。一緒に学びながらやっていこう」と背中を押してくださって。とても心強かったですね。それからは、必死に勉強しながらチャレンジを続けています。過去のキャリアや手持ちのスキルにとらわれず、新しくトライできるのはモフのいいところだと思います。

—細谷さんも田中さんも、新しい領域に果敢にチャレンジしながら、自分が勝負できる武器を見つけている。これはモフの特徴と言えそうです。

荒川:そうですね。基本的に、スタッフには自分の長所で勝負してもらいたいと考えています。やはり、仕事を「やらされている」という感覚で働いてほしくはないですし、得意なところで勝負できれば、お客さんと向き合うときもハツラツとしていられると思うんです。「私これ得意なんです! だから一緒に仕事しましょう!」と、そういうスタンスでいてほしい。そのためにも、まずは自分の長所を自覚してもらわなければ始まらないんですよね。

会社としては、本人がそれに気づくまで待ちたい。もちろん、田中のようにこちらから提案することもありますが、基本的には本人が「腹落ち」したうえで取り組んでもらうことが大事だと思っています。

「ポジティブになろうぜ!」と呼びかけることは絶対にしない。大事なのは前に進める環境づくり

—モフでは最近になって「ポジティブな人と場をもって、社会に貢献し続ける」というメッセージを新たに掲げました。設立13年目のいま、あらためてこうした方針を打ち出した理由は何でしょうか?

荒川:まず、ぼく自身はもともとポジティブなんですね(笑)。そしてモフという会社も、できればポジティブな組織でありたいと考えています。でも、いままではそうしたメッセージを、社内の従業員に対して発信することを控えていました。

—なぜですか?

荒川:先ほども少しお話ししましたが、もともとモフはガレージで仲間と何かをつくるところからスタートしましたし、いまでもそれが理想のかたちだと思っています。経営者が自分の考えを押しつけて、ワンマンで引っ張っていくようなやり方は苦手なんです。

だから、初期の頃はスタッフ全員の意見や考えを聞いて、なるべくみんなが気持ちよく働けるような組織を目指していました。しかし、それを数年続けていたら、会社としてのポリシーが散漫になり、一枚岩になれなくなったんです。

それに気づいてから、会社としてさまざまな試行錯誤をした結果、いまでは自由に意見交換できつつ、同じ方向に向かって進んでいける雰囲気ができてきました。そしてメンバーを新たに募集するこのタイミングで、あらためて経営者として強いメッセージを打ち出してみようと考えたわけです。それが、「ポジティブな人と場をもって、社会に貢献し続ける」でした。

—それは荒川さん自身の意思をちゃんと言葉にして、社内の足並みをさらに揃えていくということでしょうか?

荒川:そうですね。みんながどこを向いていいかわからずバラバラにならないためにも、会社としての「ありたい姿」は示しておく必要があると思いました。

ただ、ポジティブな会社でありたいとは思っていますが、社員一人ひとりに「ポジティブになろうぜ!」と呼びかけることは絶対にしません。ポジティブって、誰かに押しつけられるものではありませんからね。自分の内側から出てこないと意味がない。

細谷:たしかに、ぼくはこれまで荒川からポジティブハラスメントを受けたことはないですね(笑)。そもそも、ぼくはどちらかというとネガティブ寄りの属性で。だけどモフでは、それを特に意識することなく、自然と前向きに気持ちよく働けています。なぜかというと、年長の人たちがポジティブでいられる環境や雰囲気をつくってくれているからだと思うんです。

思わず照れる荒川さん

思わず照れる荒川さん

—具体的に、どんなところにそれを感じますか?

細谷:まず、そもそも自分が幸せじゃないと、なかなかポジティブな気持ちで仕事に向き合えないと思うんです。その点、モフは残業も多くないですし、給料も十分な額をもらえて、ボーナスも出る。また、完全リモートワーク制ですが、たまにオフィスに来て気分転換もはかれます。

そうした労働条件の満足度に加え、人間関係という点でも恵まれていると感じます。代表の荒川さんをはじめ役員のみなさんも器が大きく、なんでも受け止めてくれる。気軽に物が言えるし、笑って許してくれる安心感があるんです。こうした、社員が幸せに働ける環境が用意されているのも、ポジティブでいられる大きな理由だと思います。

田中:私も同感です。じつは、どちらかというと私もネガティブ寄りの人間なんです(笑)。荒川から最初にメッセージを聞いたときは、「私、ネガティブだけど大丈夫ですか?」って言いましたもん。

私が思うに、ポジティブっていうのはモフのいろいろな要素を内包した、象徴的な言葉なんじゃないかと。細谷が言った、幸せに働ける環境もそうですし、個々の長所を伸ばしてくれるところ、やりたいことに挑戦させてくれるところ、落ち込んだときに相談に乗ってくれるメンターがいるところ、難しい案件にも臆せず取り組むところ、それらすべてがポジティブという言葉に集約されているように感じます。

—この記事を読んでモフさんに興味を持つ求職者も、根っからポジティブな性格の人ばかりではないと思います。しかし、細谷さんや田中さんの話を聞いて、もともとの性質はあまり関係ないのかなと感じました。

荒川:はい。ポジティブというと、いつでもテンションが高い人を想像されるかもしれませんが、そういうことではありません。

テンションがどうとか、ましてや性格の問題とかではなくて、あくまで「働く姿勢」がポジティブであってほしい。お客さんの喜ぶ顔が見たい、新しいことや難しいことに挑戦したい、そうしたマインドを持っている人であれば大歓迎です。そんな前向きな気持ちを下支えできる環境を整えるのが、ぼくの仕事だと思っています。

—では、最後に求職者に向けてメッセージをお願いします。

荒川:モフは設立から13年目を迎え、いまを「第2創業期」に位置づけました。そこで、さらに働きやすい環境を整備し、メッセージを掲げ、今後は新しいメンバーを募っていきたいと考えています。これからのモフの、さらにポジティブな文化を一緒につくってくれる人に、ぜひ来ていただきたいですね。

モフに、クリエイティブの「源」聞いてみた

—クリエイターにおすすめの本を教えてください

『「ついやってしまう」体験のつくりかた: 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ』

「ついやってしまう」という体験のデザインについて具体的に分析されています。本書自体が読者の原体験にアクセスしながら語れるので、とても納得感があります(荒川)

『マンガの描き方―似顔絵から長編まで』

漫画家の手塚治虫先生が執筆した漫画の描き方の教本です。キャラクターのデフォルメ表現など参考になります(細谷さん)

『まんがでわかる 伝え方が9割』

上司やお客さまなど、忙しい人たちにどうやって自分との時間を作ってもらうか悩んでいる方におすすめ。すぐにできる実践的なノウハウ5つが漫画でわかりやすく説明されています(田中さん)

—ご自身の人生の哲学がつまった映画を教えてください

『レディ・プレイヤーワン』

子供の頃に感じていたワクワク感をいつでも思い出させてくれる映画です(荒川さん)

『ピラミッド 5000年の嘘』

ピラミッドの謎を解き明かすドキュメンタリー映画です。地球に対する考え方が変わるロマンをかきたてられる作品です(細谷さん)

—あなたにとってのヒーローを教えてください

スティーブ・ロジャーズ

キャプテン・アメリカ。間違いなくヒーローです(荒川さん)

アークシステムワークス株式会社の石渡太輔さん

ゲームデザイン・イラスト・BGM・声優など、多芸多才に活躍された経歴をお持ちです。クリエイターとしての領域を設定しないことに感銘を受けました(細谷さん)

スナフキン

『「そのうち」なんて当てにならないな。いまがその時さ。』
彼の言葉が、自分の人生の指針にもなっています(田中さん)

—最近注目しているものを教えてください

お笑い芸人のオードリー

若林さんは結婚し春日さんは子育てと、お二人のライフステージが変化しています。深夜のラジオトークでは、その様子が赤裸々に語られるので毎週の楽しみです(細谷さん)

オードリー・タン氏

台湾が大好きで、国や文化のことを勉強中です。なかでもオードリー・タン氏のIT施策や考え方を本やSNSで学んでいます(田中さん)

Profile

株式会社モフ

株式会社moff(モフ)は、「ポジティブな人と場をもって、社会に貢献し続ける」デザイン会社です。情報設計、グラフィックデザイン、アート、テクノロジーのスキルを活かした案件を得意とし、専門家ツールやダッシュボードの作成、アプリケーションの企画、企業のビジョンメイキングなどを手がけています。

アウトプットのかたちはさまざま。とある企業のモニタリングシステムの設計・デザイン・実装までを担当したり、某食品量販店の情報データベースをUXの観点からデザインし直したり。クライアントの業種も多様で、経済系の案件から、教育分野、AI領域、宇宙事業にまで携わることもあります。

■ポジティブさで信頼づくり
ここまで幅広い案件を手がけるようになった理由に、「ポジティブさ」があります。一見難しそうな案件でも、興味ややりがいを感じたら飛び込んでみる。自分たちができることを探しつつ、ワンアイデア足した提案をするよう心がけています。また、クライアントとの信頼関係づくりも大事にしています。そんな私たちの姿勢を気に入ってくれたクライアントのなかで口コミが広まり、さまざまな業界からお仕事をいただくようになりました。

■大手ゲーム会社を卒業し、コアメンバーを集める
もともとモフは、代表の荒川が独立してできた会社です。荒川が以前勤めていた大手ゲーム会社はインハウスで制作を行っていて、もっといろんな人とものづくりがしたいと考え、独立。その後、現在もモフのコアを担ってくれているメンバーと知り合い、お互いに「自分を必要としている」「一緒ならより良いものがつくれそう」と思い、ともに働くことになりました。そうやってできていった会社なので、私たちは、「一人ではできないけれど、みんながいればできる」と信じています。

■スキルを活かしつつ、モフで拡張したい方を募集!
はじめに紹介した仕事内容に、むずかしそう、少し地味かも……といった印象を持つ人もいるかもしれません。たしかに、広告系などの派手さはありませんが、社会基盤に関わるやりがいの大きいお仕事ばかりです。また、ご自身のスキルを活かしながら「できること」はどこかしらあるはず。私たちは、それをあなたとともに探していきたいと考えています。「モフと相性が良さそう」「自分のスキルを活かしつつ、モフで拡張したい」と感じた方は、ぜひご応募ください。

【採用ピッチ資料】
事業内容から働き方まで、さまざまな角度からモフを紹介する採用ピッチ資料を公開しました。 ぜひご覧ください。
https://speakerdeck.com/moffinc/moffcai-yong-pitutizi-liao