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「やりたい」を事業に。映像制作からカフェまでプロデュースするHATCHの人々によるお仕事座談会

株式会社ハッチ

株式会社ハッチ

多様な事業を展開しているプロデュースカンパニー・HATCH。映像制作だけでなくグラフィックやインタラクティブなど幅広いコンテンツをプロデュースするCreative Hub Swimmy、野外映画上映イベントなどの「体験をプロデュースする」クリエイティブチームDo it Theater、「Coffeeと電源とおむつ台」をコンセプトに掲げる西荻窪のワーキングカフェ・manoma、さらにはキッチンカー事業など、HATCHが手がける事業はバラエティー豊かだ。しかし事業内容こそ違えど、同社全体にカルチャーとして息づく「HATCHらしさ」が感じられる。今回、Creative Hub Swimmyのディレクター / プロデューサー・前川達哉さん、Do it Theaterアートディレクター / プロデューサー・阪 実莉さん、さまざまな事業部を横断的にサポートする「アソシエイト」の木下賢治さんに話を伺った。
  • 取材・文:山本梨央
  • 撮影:丹野雄二
  • 編集:佐伯享介

映像、イベント、カフェ運営まで。多事業展開するHATCHのメンバーはどう集まったのか?

―まずはお三方がHATCHに入社するに至った経緯と、どんなお仕事をされているのか教えてください。

前川:Creative Hub Swimmyという映像制作に携わる部署で、ディレクターとプロデューサーをしています。アルバイトしたり結婚式の日雇いカメラマンをしたりしながら、たまに自主制作をつくって、ダラダラと30代目前まできてしまった頃にHATCHと出会いました。自分の好きな映像制作を「ただやっている人」ではなく「プロフェッショナル」になりたくて、HATCHでならできる! と思ったのが関わるようになったきっかけです。

前川達哉さん。Creative Hub Swimmy ディレクター / プロデューサー。2014年ジョイン。ブランドメッセージを表現する企画・演出を得意とする。ディレクターとして『LUMINE CHRISTMAS 2023』『Wpc.2023SS「雨と傘と蛙亭」特報』、『セブンパーク天美 ブランディングムービー』、プロデューサーとして『Soup Stock Tokyoのスープの作り方 ~ オマール海老のビスク ~』などを手がける。

前川達哉さん。Creative Hub Swimmy ディレクター / プロデューサー。2014年ジョイン。ブランドメッセージを表現する企画・演出を得意とする。ディレクターとして『LUMINE CHRISTMAS 2023』『Wpc.2023SS「雨と傘と蛙亭」特報』、『セブンパーク天美 ブランディングムービー』、プロデューサーとして『Soup Stock Tokyoのスープの作り方 ~ オマール海老のビスク ~』などを手がける。

阪:私は、学生時代には自分たちでも映画を撮ったりしていて、たまたま紹介でDo it Theater 代表の伊藤と話すことがあり、そのまま内定をいただく形になりました(笑)。最初は制作アシスタントとして、提案資料をつくったり、お弁当を発注したり、現場のお手伝いをしたりと何もわからない中で、「なんでもやります」のスタンスで本当にいろんな仕事を見て覚えていきました。

そこからだんだんと自分の向いてること、興味のあることがわかってきて……。今はDo it Theaterという、ドライブインシアターやイベントの企画運営、施設を中心にしたエリアマネジメント、クリエイティブ制作をする事業部でアートディレクターとプロデューサーのお仕事をやっています。

阪 実莉さん。Do it Theater アートディレクター / プロデューサー。2017年ジョイン。 ドライブインシアターをはじめとする野外上映を中心に、企業のイベント企画・制作、エリアマネジメント、ブランディング支援等の施策において、アートディレクション、 プロデュースを手がける。アートディレクターとしては、国内最大級の野外シアターフェス『SEASIDE CINEMA』のグラフィック、WEB、空間作り、上映の演出等を担当。映像制作では『セブンパーク天美 ブランディングムービー』を手がける。

阪 実莉さん。Do it Theater アートディレクター / プロデューサー。2017年ジョイン。 ドライブインシアターをはじめとする野外上映を中心に、企業のイベント企画・制作、エリアマネジメント、ブランディング支援等の施策において、アートディレクション、 プロデュースを手がける。アートディレクターとしては、国内最大級の野外シアターフェス『SEASIDE CINEMA』のグラフィック、WEB、空間作り、上映の演出等を担当。映像制作では『セブンパーク天美 ブランディングムービー』を手がける。

木下:僕はHATCHでアソシエイトという役割で働いています。アソシエイトというのは、事業を横断して業務をサポートするなんでも屋さんのようなポジションです。

僕はもともと誰かのために動くのが好きなタイプではあって、最初は人手が足りないというHATCHの現場に知り合い経由で呼ばれていって。そこから気に入ってもらえて。ありがたいことに入社に至りました。

最初はプロダクションアシスタントだったのですが、いまはヘルプ要請のあったいろんなお仕事のサポートにいっています。制作進行もやれば、美術をつくったり、車両を出したり、オフィス拡張のセットアップをしたり。カフェ事業のキッチンカー運営の手伝いもしています。

ちょっと助けてほしい、会社のみんなの困りごとをサポートすることがHATCHでのアソシエイトの役割なんです。

木下賢治さん。HATCH アソシエイト。2014年ジョイン。プロダクションアシスタントとして広告映像の制作経験を積んだのち、自分のホスピタリティを活かすHATCHオリジナルの役職「アソシエイト」に。 現場の制作進行から美術、撮影、裁縫、ケータリング、ドライバーまで、事業を横断して業務をサポートしている。

木下賢治さん。HATCH アソシエイト。2014年ジョイン。プロダクションアシスタントとして広告映像の制作経験を積んだのち、自分のホスピタリティを活かすHATCHオリジナルの役職「アソシエイト」に。 現場の制作進行から美術、撮影、裁縫、ケータリング、ドライバーまで、事業を横断して業務をサポートしている。

キッチンカーの運用も自分たちで。自社運営のワーキングカフェにヘルプとして駆けつける

―いろいろなお仕事があるんですね。HATCHには11個の事業体があるそうですが、今回の取材場所である西荻窪のワーキングカフェmanomaもHATCHが運営しているカフェだとか。

木下:そうなんです。manomaのコンセプトは「Coffeeと電源とおむつ台」で、子育てをしている人にも優しいワーキングカフェをつくろうっていうアイデアを事業化したものなんです。僕はmanomaでキッチンカーのヘルプ要請があったときに出店してます。

阪:manomaは子ども向けのイベントなどもやっていますよね。キッチンカーでいうと、Do it Theaterが制作している野外映画上映のイベントでも、フードトラックの一台として出店してもらったことがあります。

前川:manomaのキッチンカーでは映像の撮影現場の差し入れとして、コーヒーやケータリングを提供することもありますね。

爪作家のつめをぬるひとによる親子向けワークショップ

爪作家のつめをぬるひとによる親子向けワークショップ

manoma外観

manoma外観

事業部を横断しても並列な関係だからこそ、柔軟にチームメイクができる

―映像やイベントを手がけるだけでなく、事業部を横断して関わり合っているのもHATCHならではの働き方なのでしょうか?

前川:それはあるかもしれませんね。たとえば、社内に「SPEC」というクリエイターのマネジメント事業があります。オフィスで働いている同じ空間にマネージャーさんたちがいるので、映像の監督やスタイリスト、ヘアメイクなどを探すときにも振り向いて声をかければいい。クリエイターさんご自身がオフィスに寄ってくれることも多いので、直接案件のご相談もできたり。

阪:「受注・発注」というドライな関係にならないので、横並びの関係で相談し合えるのはHATCHの強みかもしれませんね。最近もKiKKA(ビジネスプロデュース事業部)、Creative Hub Swimmyと連携してひとつの案件を一緒にやりました。それぞれの特性を生かしながら連携ができる。イベントで上映するための映像を一緒につくったり、Webサイトのビジュアルづくりから、記事づくりまで一社で担えるのは、クライアントにも喜んでいただけている気がします。

前川:身近なところにスペシャリストがいると、どんな案件でもまずは相談できる安心感があるよね。マネージャーやクリエイター本人に気軽に相談として持ちかけてしまえる壁のなさ、ワクワクするチーム編成がスムーズにできあがっていくというのは、HATCHらしい雰囲気かもしれません。

「やりたい」を叶えるのがHATCHらしさ

前川:HATCHにはいま11個の事業体があるんですけど、それは全部「やりたい人」がいて、それを事業化してきたものなんです。

木下:それで言うと、僕は最近、車両部を事業として立ち上げたいと思っていて。もともと車の運転が大好きなんですが、それをちゃんと事業にしたいんです。ロケバスなら中型免許と二種免許といったように、いろいろな種類の車を運転するためには免許もそれぞれ必要。その免許を取る費用を会社が支援してくれました。さまざまな車両を運転することができれば、たとえば外部発注している車両部会社の費用を社内で賄えるし、売り上げの貢献にもつながると思っていて。

前川:うちの会社は映像だけじゃなくて、阪ちゃんが所属しているDo it Theaterのように体験をプロデュースする事業もあるから、いろんなところで活躍できそうだよね。

木下:そうですね。飲食事業部のmanomaでは、キッチンカーの営業もできるし、イベントや撮影での遠方移動などで、ロケバスを運転することもできる。こんなふうに価値を広げられるんじゃないかと思っています。

追い詰められた現場もある。そんなときこそ笑顔でいることで乗り越える余裕が生まれる

―お話を伺っていると、誰かの「やってみたい」という気持ちを、さまざまな形で実現しようという姿勢が一貫して感じられます。これからどんな方と一緒に働いてみたいですか?

前川:やりたいことがある人には来てほしいですね。ただ仲良し同士が集まっているだけでは何も生まれません。なぜ多事業展開をしてきたかと考えると、「じつはこういうことをやってみたい」と思っている相性のいい人たちが集まってきたからだと思うんです。これからも、「世の中にこういうものがあったほうがいい」と思ってやり始めるより、「そもそもやりたいと思っていて、やってみちゃったんですけど、いいですか?」というくらい、アクションしてくれる人がいいですね。

木下:好きを原動力に動ける人。人をサポートすることが好きな人。それでいて、よく笑う人。笑うだけでも場が和むことってあるから、大事ですよね。辛いことももちろんあるけど、そういう場面でも笑っていられる人。

阪:私はいつも笑っていられる、というよりも、窮地に追い込まれたときに「きたぜきたぜ〜」と嬉しくなっちゃうタイプなんです。イベントづくりもオーダーメイドなものが多いので、テンプレートをこなしていくだけではできない仕事。毎回違う波に乗って、無事乗り越えられたら少しずつチームの経験値が上がっていく感覚。スケジュールが迫ってきても、ギリギリまで諦めずにベストな方法を考え続けています。無限に提案しているというか(笑)。

木下:前に、真冬のロケ撮影で小学校の校庭を使うシーンがあったんです。作品の設定は春なのに、その日は大雪が降ってしまって。撮影まで時間もなくて、制作スタッフ総出で一生懸命雪かきをしていたら、Creative Hub Swimmyのとあるメンバーが笑っていたんですよ。「大丈夫、なんとかなる!」って。

前川:追い込まれているときに笑ってる人がいたら、ハートが繊細な人でも「笑ってていいのかな」と余裕が生まれることもありますもんね。

木下:本当にそう。それでその現場は、無事に雪かきをし終えてなんとか撮り終えました。大変な瞬間ほど笑う余裕を生み出すことって大事ですよね。

―採用基準は何か具体的に設けていらっしゃるのでしょうか?

前川:会社のカルチャーづくりで思うのは、僕らは採用するときにチェックリストみたいなものを用意しないんです。スキルセットだけで「これができるからいい」「できないからダメ」というふうに判断しない。たとえば一緒に一定期間働いてみて、相性がよかったら働いてもらうとか。

木下:僕自身も、面接の「め」の字もないまま、気に入られたから入社できましたしね(笑)。

前川:ノリが合わないと僕らも楽しくないし「HATCHってつまんないな」と思われるのが一番いやなんです。僕らは「この人のこの部分は信じられる」という部分を大切にして、仲間を増やして広げてきました。やっていることは事業ごとに違うのですが、連携を取り合って同じ方向を目指して、一緒にHATCHのこれからの10年を一緒につくっていきたいなと思う人と出会いたいですね。

Profile

株式会社ハッチ

株式会社ハッチは、クリエイティブワークに関わる事業を開発・運営するプロデュース・カンパニーです。

「想いを、プロデュースする。」という信念のもと、それぞれの事業が専門性を追求しながら、互いに連携し合うことで、プロジェクトに最適なチームを編成し、多種多様なニーズに応えるものづくりを実現しています。

企画立案から制作全般、そしてエンドユーザーに届くその瞬間まで。

ジャンルにとらわれないクリエイティブワークを実践。

お客様の「想い」の実現に向け、チーム一丸となって伴走します。

■企業理念

すべての可能性を肯定する

We are The Enabler

プロデュースの初動(=最初の行動)は、誰かの「こうありたい」という想いに寄り添い「すべての可能性」を肯定すること。

私たちは常に誰かの想いを受け止める器となり、変化を恐れず、未来に対して仮説と行動を重ねながら実証していく。

We are The Enabler.

99%の人が諦めてしまうことでも、私たちは可能性と向き合いたい。

私たちは、想いの実現のため、変化に怯えず、汗をかくことを惜しまない「やってみますの精神」で可能性を探求しつづけます。

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